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現在の巨大コンピュータの計算能力は1秒間に一京(=1016)回を超える性能を持っているそうです。「こんなにすごいコンピュータならばどんな計算でも出来てしまうのだろう・・・」と考える人が多いのかもしれません。しかし実際には、そもそも数値モデルによって適切にシミュレートできる現象はそれほど多くないのです。
コンピュータは基本的に2進数で数値を表現しますが、扱う数値の絶対値に大きな幅があるような現象を取り扱う時、数値誤差が止め処なく大きくなり、意味のある安定した答えが得られない可能性が高くなります。また時間追跡プログラムのように、繰り返し計算回数が多い場合には、不可避的に誤差が蓄積することになります。
気候変動の長期予測の数値モデルは、とても崇高なもののように思われていますが、本質は出来の悪いコンピュータゲームにすぎないのです。
※この連載は、加筆修正して時間追跡による気候予測は不可能として公開しています。
No.335 (2008/06/18)
数遊び その@
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数遊び そのA
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数遊び 補足
No.222 (2006/08/06)
気候予測シミュレーションの問題点
No.229 (2006/10/04)
気候シミュレーションとは何か
No.242 (2006/12/12)
自然科学の危機
No.245 (2006/12/22)
自然科学の危機 その2
No.286 (2007/08/13)
演繹主義の陥穽