米国の正義は形振り構わないもののようだ。米国はウクライナに対してクラスター爆弾を供与することを決めた。
クラスター爆弾は、その残虐性や処理の難しさからその使用が国際条約によって禁止されている。クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)の概要は次のようなものである。
クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)
2007年2月、クラスター爆弾の被害に危機感を抱いた各国政府やNGOが、ノルウェイのオスロに集まり会議を開きました。そして、2008年末までにクラスター爆弾禁止条約(通称オスロ条約)を作ることを宣言。その後、条約作りに賛同する国々が会議を重ね、2008年5月には条約案が完成しました。同年12月3〜4日にはオスロで調印式が行われ、日本を含む94カ国が条約に署名しました。2021年10月末現在、オスロ条約に123カ国が署名し、110ヵ国が批准しています。(PEACE
BOAT クラスター爆弾の基礎知識)
米国はオスロ条約を批准していませんが、NATO加盟国の多くはオスロ条約を批准しており、今回の米国によるウクライナに対するクラスター爆弾の供与に対して反対の姿勢を示しています。大分合同新聞の記事を示します。
今回の米国のクラスター爆弾供与に対して、かつて米軍のクラスター爆弾によって攻撃された歴史のあるカンボジアのフンセン氏がツイッターにコメントしているようです。
カンボジアはウクライナに対しクラスター爆弾を使用しないよう求めた。フン・セン首相は、自国は1970年代初頭の米国による同様の兵器爆撃の余波に半世紀以上にわたって対処してきたとツイートした。
「半世紀が経ちました。そうなると、それらをクリアする手段はまったくありませんでした。ウクライナ国民を憐れんでください。私は、こうした砲弾の供給者としての米国と受領者としてのウクライナに、これらの弾薬を戦争で使用しないよう訴えます。本当の犠牲者は平和的なウクライナ人になるからです。」
オスロ条約を批准している我が国の岸田政権は今回の米国によるウクライナに対するクラスター爆弾供与を追認=同意するというのです。ウクライナ紛争に関わっているNATO加盟国の間でも異論のあるクラスター爆弾供与に対して、「平和国家」である日本の岸田政権がこれに同意するとは、US exceptionarisum に対する日本の隷属ぶりは、極まったと言うしかありません。日本の法治主義とは一体何なのでしょうか?すなわち、米国の言うことに従うこと=法治主義と岸田政権は言っているということです。
ウクライナは現在戦時下にあります。ウクライナ政権の公式発表は戦時下の情報操作を多分に含んでおり、前大戦中の日本の大本営発表よろしく、多くのウソが含まれていると考えるべきです。2022年2月以降のウクライナ・ゼレンスキー政権の発表には明らかに嘘が含まれていることは、ご承知の通りです。昨年のザポリージャ原発に対するウクライナ軍の攻撃、ロシアからドイツへの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」に対するウクライナによる破壊工作など、枚挙にいとまがありません。今年になってからもドニエプル川のダム攻撃についても、状況的に見てウクライナによる攻撃である可能性が高いと考えられます。
そして今度は、またも性懲りもなく、ゼレンスキーはザポリージャ原発に対するロシアによる爆発物設置を公言しました。
これを受けて、日本における玄関ネタの垂れ流し報道に慣れきってしまった日本のマスコミ報道は一斉にロシアの破壊工作と報じました。戦時下の一方の当事国の発表を事実確認もせずに、ゼレンスキーの発言を事実として報道したのです。一昨日でしたか、テレビ朝日の夜の情報番組「報道ステーション」では愚かなメインキャスターである大越某は、「悪者ロシアは何をするかわからない」という趣旨の発言をしていました。
本来であれば、ロシア側の主張と併記するのが最低の報道の節度であり、本来ならば現地取材によって自ら事実確認をした上で報道すべきです。
2023年7月7日の大分合同新聞の記事を掲載します。
このように、IAEAは現地に赴いて現場を見た範囲において爆発物設置の兆候はないとしています。またしてもゼレンスキーによる偽情報の拡散の可能性が極めて高いと考えるべきでしょう。
日本のマスコミ報道は、報道としての誇りも能力も完全に喪失しています。
この夏に福島第一原発の汚染水の海洋投棄が始まると見られています。政府はIAEAという権威機関に対して評価を求め、IAEAは7月4日に日本の投棄計画に対して国際基準に合致したものであるという評価書を公表しました。大分合同新聞の記事を紹介しておきます。
さて、この問題は原発事故処理を開始した時点で、損傷した原子炉内の核燃料の冷却方法として水冷を採用した時点で既に確定していた事柄です。高レベル放射性物質の入った穴の開いたバケツに冷却水を流し込めば、いずれ汚染水は系外に廃棄しなければならなくなることは当然でした。その意味で、海洋投棄は必然的かつ不可避な結末です。
さて、そもそもトリチウム汚染水がなぜできるのでしょうか?高レベルの放射線を放出している溶融した核燃料に直接水をぶっかけているのですから、水を構成する水素原子H(軽水素、陽子1、電子1)が中性子線を吸収して、一部が放射性の三重水素=トリチウムT(陽子1、中性子2、電子1)になるのです。トリチウムはβ崩壊(電子線を放出)してヘリウム(3He)に変化します。半減期は12.3年間です。
通常の冷却水=軽水はH2Oですが水素原子の放射化によって、HTO(H1個、T1個、O1個)あるいはT2O(T2個、O1個)を含むトリチウム水になります。固体の放射性物質とは異なり、トリチウムはフィルターで捕獲することが出来ません。また、化学的な処理によってトリチウムを抽出するためには膨大なエネルギーの投入が必要であり、事実上技術的に不可能です。以上のことから、トリチウム汚染水が海洋投棄されることは不可避です。
さて、今回IAEAが国際基準に合致するとしたその内容とは何でしょうか?水冷式の原子炉(軽水炉)を運転するためには、通常運転においても生成が不可避であるトリチウムに対して、何らかの「受忍限度量」を基準として定めなければ、軽水炉を運転することが出来ません。そこで、通常の自然界に存在するトリチウムの濃度を勘案して定めたものです。
通常の日本の水道水のトリチウム濃度は0.4Bq/ℓ(ベクレル毎リットル)程度です。今回の福島の汚染水は排出口において1500Bq/ℓ未満としているようです。
参考までに、WHOによる飲料水に対するトリチウム濃度基準は10000Bq/ℓ未満です(毎日2リットルの水道水を飲んだ場合、1年間の被ばく線量が0.1mSv未満)。したがって、排出口において1500Bq/ℓ未満であれば、更に海水によって希釈されることから、WHOの飲料水に対する基準を十分に満足していているということです。
こうしたことを総合的に考えれば、今回のトリチウム汚染水放出それ自体によって、明確な健康被害が検出できるレベルに生じる可能性は低いと考えられます。
しかし、トリチウムにばかり話題が集中していますが、汚染水にはその他の放射性物質もわずかに含まれています(セシウム134/137、コバルト60、ルテニウム106、アンチモン125、ストロンチウム90、ヨウ素129、テクネチウム99、炭素14など)。
今回のトリチウムの海洋投棄の様に「放射性物質は拡散して廃棄すれば問題ない」という考え方が全ての放射性物質に対して敷衍されることはとても危険です。低濃度でも生体濃縮する場合や半減期が極めて長い放射性物質などによる影響は同列には考えられません。低線量被曝による晩発的な影響に対して、ここまで低濃度であれば絶対に安全だという閾値は存在しないと考えられています。また、低線量被曝による健康被害についての疫学的な知見はほとんど無いに等しく、「IAEAやWHOの基準を満たすこと=安全である」とは言い切れないことを銘記しておくことも必要です。
実際、IAEAの定めた基準値以下の汚染レベルで健康被害を生じ、死亡した例も少なくありません。IAEA基準を絶対視することにも注意が必要です。
環境放射線も含めて、低線量の放射線が生物に与える影響については、その因果関係を確定的に特定することは困難です。しかし、定性的には、人工的に放出された付加的な放射線量の増加を含めた環境放射線のレベルが上がることは、生物に対して負の影響を与えることは事実です。
地球生物史的に見れば、地球磁場の発生によって生物は深海から初めて浅海にまで進出し、更にオゾン層の発生によって陸上に進出しました。これは、地球磁場によって宇宙線(陽子線や電子線)が、オゾン層によって高エネルギーの電磁波である紫外線の大部分が捕捉されて、地表面環境に到達する高エネルギー線量が減少した結果です。地球の生物にとってこれらの高エネルギー線は遺伝子レベルの破壊をもたらすモノであって、負の影響をもたらすものです。
これを踏まえれば、IAEAやWHOの定めた基準=受忍限度未満の濃度であったとしても、あらゆる人工的放射能の放出は好ましくない、放出すべきではないことを確認しておきたいと思います。
この蒸し暑さとともに、絶対平和主義者である私にとって不愉快な季節がまた始まった。沖縄の慰霊の日を皮切りに、太平洋戦争敗戦の悲惨な歴史を振り返り、平和を祈念するという名目の、「形骸化した行事」が続く。全く論理的な整合性の欠如したマスコミ・報道機関は、敗戦を振り返り、二度と戦争の悲惨さを現実のものとしてはならないといいつつ、ウクライナ紛争の一方的な洗脳報道によって日本の軍備拡張政策を煽っている。
反戦、平和運動はあらぬ方向を向き、反核運動は第二次世界大戦後、最も多くの国を侵害して武力による殺人を犯してきた米国の大統領オバマを未だにをありがたがっている始末。米国の核の傘の下にある日本の若者たちは、毎年毎年、国連に反核平和大使を派遣し「世界に向けて核兵器廃絶を訴え」ながら、日本の核問題に対して政府に対して一体どんな行動をしているのか?
拡大抑止力と称して更なる核兵器の使用を肯定する日本政府に対して何の批判もせずに、日本と米国以外の国に核兵器を廃止しようと呼びかける反核運動の行動は、私には悪い冗談としか思えない。米欧中心主義による平和運動もしかり。
突き詰めると私の不快感の根源は、太平洋戦争に突入して行った明治以降の脱亜入欧を目指した近代軍事国家日本の歴史から何も学ばず、平和主義と軍備拡張主義の矛盾に何の疑問も持たず、今また日本政府の軍備拡張政策に賛同する非論理的な愚かな大衆の存在なのである。
ウクライナ紛争が開始されて以来、ますます不愉快な季節になってきた。今年は私の人生において最も不愉快な季節であることは間違いない。
ウクライナ紛争において、もちろん米国ネオコンの強力な締め付けがあったことは予想できるものの、岸田文雄はむしろ嬉々としてバイデンの要請に従い、NATOと同等のウクライナに対する経済支援ばかりでなく軍事支援を進め、これを梃に憲法の平和主義を完全に形骸化して軍備拡張路線に舵を切った。
ウクライナ紛争において、岸田は度々「自由、民主主義、グローバル化、法治主義という普遍的価値を守る」正義の戦いは許されるのだという趣旨の発言をしているが、噴飯ものである。ここまで自国の最高法規である憲法を踏みにじり、大本営発表のような報道ばかりを垂れ流し、ほとんど民意を反映していない国会にしておきながら法治主義・自由主義・民主国家とはどういう論理か?
しかし、最も大きな変化はウクライナ紛争に対する踏み絵で、キーウ・ウクライナ・ゼレンスキー政権を日本国家として経済・軍事支援することに対して、いわゆる護憲政党である立憲民主党、それに加えて共産党さえも賛同してしまったことである。国会におけるゼレンスキーのリモート演説に対し、立憲民主・共産党を含めてほとんどすべての政党の議員(れいわ新選組以外?)が立ち上がって賛同の拍手をした姿は異様であった。これを契機に、反戦や平和に対する発言が忌避されるようになり、平和運動がウクライナ支援運動に変質し、一気に崩壊したのが今の日本である。
ウクライナ紛争を機に、米国・西欧(NATOないしEC)は武力を含めて「何をやっても」覇権主義ではなく正義であり、それに対抗するロシア、中国、北朝鮮、イスラム圏は同じことをしても悪であるという謂われなき非論理が日本国民の間でも絶対視されるようになった。日本がキーウ・ウクライナ・ゼレンスキー政権を支持したことで、米国やこれに同調する西欧は何をやっても許されるという、いわゆるU.S. exceptionalism の拡張、ないしU.S. establishment に対して日本の護憲政党や平和運動は自縄自縛に陥り、抵抗できなくなってしまった。日本の保守党政権はむしろ自ら進んでこれに加わり、虎の威を借りて、太平洋戦争では実現できなかったアジアに対する覇権的支配を夢見始めているように見える。
ウクライナ紛争から我々は何を学ぶべきか?
日本政府やマスコミ・報道機関は、平和を守るためには軍備の拡張が必要であり、拡大核抑止力が必要だというスタンスで、連日ウクライナ紛争の報道を行い、ロシアのような悪い国は何をするかわからないと、日本国民を洗脳し続けている。
この際、ウクライナ紛争の善悪は置くとして、明らかな事実は、米国やNATOがウクライナ・ゼレンスキー政権を全面的に軍事的、経済的に支援しても、ウクライナは領土や国民の命を守ることはできないということが証明された。付け加えれば、核抑止力によって戦争を防ぐことはできないことも明らかになった。米国やNATOは自ら戦闘に加わることはせずに、ウクライナに武器を供与し続け、ロシアと戦い続けさせているという現実を直視しなければならない。ウクライナ国民の血はウクライナを守るためではなく、米欧の覇権確立のために流されているのである。
こうしたウクライナ紛争の客観的な状況を論理的・冷静に評価すれば、戦争による被害を回避する唯一の方法は、あらゆる国際紛争に対する解決手段として一切の武器使用を放棄し、平和国家であることを徹底し戦争をしないこと、そのことを再確認することこそウクライナ紛争から我々が学ぶべきことである。軍備拡大によって平和を守ることは技術的に不可能であることを理解すべきである。日本の軍備拡張は東アジアにおける軍事的緊張を高めることであり、その行動自体が戦争を招来する一つの重大な契機になる。
米国はウクライナを使ってロシアの弱体化を図っているように、東アジアの覇権を確立するために台中問題を利用して、中国の封じ込め、あるいは中国共産党の解体を、中国の台湾化を目論んでいる。この時、現在のウクライナと同じように利用されるのが日本であり、台湾であることは明らかである。
岸田政権は米国バイデンの要請に沿って、奄美・沖縄島嶼部から九州にかけて傾斜的に軍備増強に着手している。愚かな行動である。新聞報道を紹介する。
記事にある古老の「緊迫感を高め、有事をあおっている状況が戦前と重なる」という言葉が今の日本の危険な状況を言い当てている。自衛隊の増強で災害対策が迅速になるなどという不見識にはあきれるしかない。
この日本の軍備拡張路線の一方で、殺傷用兵器の輸出も解禁されるようである。まさに日本は「米欧並み」に、人の命で金を儲ける死の商人の仲間入りをすることになる。おぞましい。
あまりにもキナ臭くなった中国との関係を改善させようと米国の経済人やブリンケン国務長官が訪中して習近平を含む中国要人と会合を持ちました。
このような時に、耳を疑うようなニュースが流れました。米国大統領であるバイデンは内輪向けのリップサービスであったのかもしれませんが、習近平を独裁者呼ばわりし中国を激怒させ、一気に関係を悪化させたのです。
いやはや、どうもバイデンの老害はついにここまで来ているのです。流石にネオコン・ブリンケンとしても我慢の限界なのではないでしょうか?何より、こんなぼけた老人の戯言に一喜一憂し、ひたすらほめてもらおうと躍起になっているわが日本の首相岸田は危ういとしか言いようがありません。
付け加えておくと、紛争当事者の一方であるウクライナの国土復興のために日本の税金が湯水のように流し込まれるのは到底承服できません。米国やNATOはウクライナを使ってロシアを弱体化させるという目的のために兵器を供与し続け、ロシアとの和平交渉を妨害して戦闘を長期化させ、ウクライナのインフラ破壊を甚大なものにしてウクライナの一般国民を苦しめている責任があるのですから、復興支援は当然でしょうが、米国の手助けのためにその一部を日本が肩代わりするなどとんでもないことです。
このあたりの事情について、久しぶりに天木さんのメールマガジンの記事を紹介しておきます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■ 天木直人のメールマガジン2023年6月21日第220号
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https://foomii.com/00001
加速化するバイデン大統領の危うさと、それに従うだけの岸田首相
きのうのメルマガで、バイデン大統領の発言の軽さと不適切さが目立つようになった、危うい兆候だ、と書いたばかりだ。
その直後に、バイデン大統領が習近平主席のことを独裁者呼ばわりし、中国が激怒したというニュースが流れた。
それはそうだっろう。
ブリンケン国務長官が訪中し、米中対立回避のために意思疎通をよくすることで合意したばかりだ。
そのための米中首脳会談実現の努力をしたばかりだ。
それを一瞬にしてぶち壊す発言を不用意に行ったバイデン大統領は、やはりおかしい。
そう思っていたら、今度は「日本の防衛増額は私が説得した」発言だ。
きょうの読売が教えてくれた。
バイデン大統領は20日、カリフォルニア州で開いた支持者集会で日本の防衛費増額についてこう語ったというのだ。
「私は3度にわたり日本の指導者に会い、説得した」と。
これは安倍、菅、岸田の三人の首相を説得したともとれる。
しかし、その後で次のように語ったという。
「彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた」と。
彼、つまり岸田首相に、三度も働きかけたのだ。
読売新聞の記事もこう解説している。
「・・・(バイデン大統領)みずから岸田首相に増額を働きかけたことを示唆したものだ。」と。
それだけではない。
その発言をしたとき同時にバイデン大統領は、NATOの加盟国の対GDP2%の防衛費確保について、
「日本も巻き込むことができると思っている。日本が欧州での戦争に関心を持ったのはいつ以来か」と述べた上で、さらに次のように述べたというのだ。
「日本のウクライナ支援強化は(バイデン大統領)自ら引き出したものだ」と自分のアピールしたというのだ。
こんな外交機密を、しかも岸田首相を窮地に追い込むようなバイデン大統領しか知り得ない機密情報を、いくら米国内の支援者集会でのサービス発言であるとしても、その外交的影響を考えることなく口にするバイデン大統領はやはりおかしくなってしまったようだ。
この調子なら、これから先もバイデン首相は次々と不用意な暴露発言をしてくれるだろう。
曰く、日韓関係が急に改善したのは、自分がそうさせたのだと。
曰く、日米韓同盟の強化は、日本と韓国を中国・北朝鮮と戦わせるためだと。
中国と韓国の関係が急に悪化したのは米国の分断作戦が奏功したためだと。
そして、台湾有事が起きても最前線に立つのは日本だから米国は犠牲から免れると。
こんな発言を連発されたら、岸田首相は国会で野党からつるし上げを食らい、支持率を下げ、まうます政権が危うくなる。
そう思っていたら、今度は岸田首相の番だ。
きのうの毎日新聞が書いていた。
岸田首相は19日の自民党役員会で次のように明らかにしたと。
すなわち、「近いうちに米国で(バイデン大統領、尹大統領と)じっくり(首脳会談を)行いたいとの提案がされている」というのだ。
こんなきわどい外交機密を、閉会もしていない国会や国民の前で語らずに、自民党役員会で話す。
バイデン大統領に劣らす軽率で不適切な発言だ。
バイデン大統領の発言といい、岸田首相の発言といい、野党が大騒ぎをして国会で追及すれば、岸田首相はひとたまりもないだろう。
ところが、今度の国会で野党は外交・安保について岸田首相を追及する気配がまるでない。
それもこれも、ウクライナ戦争が始まって以来、そして米国が台湾有事を騒ぎ出して以来、一貫してロシア、中国を敵視し、欧米側についた日本を、容認してしまったからだ。
一番危ういのは、危ういバイデン大統領と、そのバイデン大統領に従属する危うい岸田首相の外交・安保政策を、まったく批判しようとしない、この国のメディア、野党、国民であるという事である(了)
ウクライナのドニエプル川のダムが破壊され、ダムの決壊によって川下側のロシア占領地域で甚大な被害が出ていることが報道されています。
日本のマスコミでは、このダム破壊に対してロシアが破壊したのか、あるいはウクライナの攻撃なのかと毎度の議論が行われています。明確な事実確認が出来ていない状況で、ロシアの無謀な攻撃であることを既成事実化するような報道が続いています。
これと同種の事案はこれまでも繰り返されてきましたが、論理的に考えれば容易に正しい結論にたどり着くはずです。
昨年のロシア占領下にあるザポリージャ原子力発電所に対する攻撃は、当初日本を含めた米欧メディアはロシアによる無謀な攻撃としていました。しかし、同原発に米欧主導のIAEA(国際原子力機関)の査察が入った時にも攻撃していたのはウクライナ軍であったことが判明しています。しかし、米欧主導のIAEAは公式にはこれに触れませんでした。このホームページでも既に報告しています。
No.1423 (2022/09/08)
IAEAによるザポリージャ原発の査察報告New!
原発を攻撃しているのはゼレンスキー政権のウクライナ軍
日本のマスコミは原発に無知なロシア軍の無謀な攻撃などという頓珍漢な報道をしていましたが、ロシアは科学先進国であり、多数の原発を保有しており、チェルノブイリ原発事故に対する対応も日本の福島原発に対する対応よりもはるかに科学的な対応をしています。原発に対する危険性について、ロシアは熟知しており、同胞の守る原発を攻撃するなど「常識的に考えて」極めて蓋然性が低いと考えるのが論理的な判断であると考えます。
その後、ロシアからドイツへの天然ガス供給パイプライン「ノルドストリーム」が破壊される事件についても同様です。ガス供給を止めるためならば、自らの資産であるパイプラインを破壊するようなことは考えられません。これは当初から米国やドイツは事前に破壊工作がウクライナあるいはNATO側によって行われることを承知していたことが報道されてきました。
No.1435 (2022/10/15)
ノルドストリームの破損は米国の破壊工作New!
コロンビア大学経済学部教授Jeffrey Sachsの発言
論理的に考えれば、いずれが事実なのかは自明だったはずです。ノルドストリーム破壊工作について6月6日に米ワシントンポスト紙が米政府はウクライナ軍による破壊工作であったことを事前に把握していたことが米国の機密文書に記載されていることを報道し、日本のマスコミもこれに追随して、小さな記事として報道しています。
そして今回のドニエプル川ダムの件です。ロシア占領下にあるザポリージャ原発への給水にも関連するという同ダムであり、報道にもある通り、既にロシア占領下にある地域に甚大な浸水被害が起きていることからも、状況的にはこのダム破壊を行ったのはウクライナ軍である蓋然性が極めて高いと考えるのが論理的な判断でしょう。
日本のマスコミ諸君は、いい加減に米欧の太鼓持ち・広告塔であることを止めなければ、記事に対する購読者の信頼の失墜は取り返しのつかないものになるのではないか、真剣に考えるべきでしょう。
既にこのホームページでは「工業化社会の脱炭素化は不可能」というレポートにおいて、工業的な水素製造がエネルギー供給技術として成立しえないことを自然科学的に示しました。高コストの燃料水素を生産することは、エネルギー消費量を増大させることになります。詳細についてはレポートをご覧ください。ここではこのことを経済の視点から見ることにします。
工業生産とは、鉱物資源やエネルギー(資源)を投入して製品を作り出す工程です。現在進められようとしている非化石燃料へのエネルギー転換=再生可能エネルギーの導入とは、エネルギー供給量を増やすことではなく、エネルギー供給源を変えることが目的です。
したがって、再生可能エネルギーを導入したからと言って、消費者の受け取るエネルギー量は増加するわけではなく、便益が増大するわけではありません。
一般に再生可能エネルギーの導入には莫大な費用の増加が不可避です。政府はエネルギー戦略として今後15年間で15兆円の資金を投入して燃料用水素製造設備の増強を決めました。以下にロイターの記事を紹介します。
エネルギー供給源を変更するために多額の費用が必要とはどういうことかを論理的に検証することが必要です。これは、最終消費として供給する単位エネルギー当たりの生産コストが大幅に増大することを示しています。
つまりエネルギーという製品を作るために、既存の化石燃料によるエネルギー供給システムに比較して、再生可能エネルギーは遥かに大量の資源と工業的なエネルギーの投入が必要であることを示しています。
エネルギー以外の製品の場合、製品によって得られる便益を投入した資源量や工業的エネルギー量と比較して高いか否かを絶対的に評価することは不可能です。出来るのは同じような便益を供給する別製品とのコスト比較によって相対的に判断することです。
しかし、エネルギーという製品を供給する場合、資源とエネルギーを投入して作られる製品もエネルギーであることから、その技術の優位性を絶対的に評価することが可能です。製造段階で投入されるエネルギー量よりも供給されるエネルギーが小さければ、その技術は無意味です。そして、コストが高いエネルギーほど製造段階で多くのエネルギーが消費されていることを示しています。
結論です。経済的に高価なエネルギー技術ほどエネルギーを大量に浪費している低劣なエネルギー供給システムであることを示しているのです。
水素製造に限らず、市場に任せておいて普及しない高価な再生可能エネルギーを国民の血税を湯水のように投入して無理やり導入することによって、実際にはエネルギー消費量=化石燃料消費量が増大するのです。
このホームページでは、人為的CO2地球温暖化説は全く非科学的なものであることを論証してきました。そもそも、産業革命以後の大気中CO2濃度上昇の主要な原因が人為的に放出されたCO2である可能性はなく、「仮に」CO2地球温暖化説が正しいとしても、その原因は自然の変動であり、人間の産業活動とはかかわりないのですから、温暖化対策として人為的なCO2放出を抑制することに意味はありません。
なぜこんなバカバカしい人為的CO2地球温暖化などというものがまかり通るのか、不思議でなりません。中学の理科乃至高校化学の内容を正しく理解しているはずの平均的な日本人であるならば当然このような虚偽に気付くはずなのですが・・・。
先週のOAB大分朝日放送の夕方のニュース番組において、国東市においてバイオ燃料事業が開始されたという話題が紹介されていました。
この中で女性アナウンサーは「軽油などの石油由来の燃料は燃えると一方的に大気中のCO2を増加させるが、バイオディーゼル燃料は燃えると植物に吸収されるのでCO2を増やさない」という趣旨の発言をしていました。
一体このような自然科学的に完全に誤った報道を行うマスコミの事実に対するチェック体制はどうなっているのでしょうか?化学的には、軽油由来であろうがバイオディーゼル燃料由来であろうが、燃焼して大気中に放出されたCO2を区別することは不可能です。
したがって、バイオディーゼル燃料が燃えても軽油が燃えても、大気中のCO2濃度を上昇させます。一方、バイオディーゼル燃料に限らず、軽油由来のCO2も植物の光合成によって吸収されるのは当然です。このことは施設園芸を行っている農家の方はよくご存じです。冬場にボイラーで灯油を燃やして施設内温度を上げるだけでなく、燃焼ガスであるCO2を施設内に導きCO2濃度を1000ppm程度まで上昇させることで作物の成長を促しています。
もし彼女が言うようにバイオ燃料=植物由来の燃料を燃やしても大気中のCO2濃度が上昇しないというのであれば、論理的には、石炭火力発電は全く問題ないということになります。石炭は太古の巨大シダなどの植物体が堆積し高温高圧で炭化した正にバイオ燃料なのですから(笑)。
今日の大分合同新聞でもこの話題が大きく取り上げられていました。
カーボンネガティブなどという非科学的で実現不可能な目標のために、血税がつかわれることになるとは、腹立たしい限りです。
そればかりではありません。おそらく小中学校の教育現場では廃食用油の回収が行われるのではないでしょうか?小中学校の生徒に対して、教師はバイオ燃料についての非科学的な説明を行い、廃食用油の回収を促すことになれば、かつてのベルマーク運動が不必要な商品購入を助長したように、バイオ燃料の原料を如何に多く集めるかということが目的となり、まだ使える食用油がバイオ燃料の原料として供出されることにつながりかねません。小中学生にとって誤った知識で洗脳することに加えて、食用油をどんどん消費する消費者モラルの低下という二つの側面での悪影響を懸念します。
なんでこのような馬鹿なことになっているのか、ネット上でバイオ合成燃料について記事を調べていたら、温暖化問題にとりわけ熱心な朝日新聞(笑)がネット上でSDG'sのサイトを開いていることが分かり、そこにとんでもない記事を見つけました。
なんとこの記事を書いた九州大学の応用化学出身の研究者が前出のOABの女性アナウンサーと全く同じことを述べているのです。
この主張が誤りであることは中学生でも十分理解できる事柄です。このような基本的な問題意識すら、既に日本の主要マスコミ、文化人には理解できなくなっているという恐ろしい現実に戦慄します。
この化学技術者氏は、一体自然科学として何を学んできたのでしょうか?化学合成の専門家なのかもしれませんが、目的の段階でまったく自然科学的に誤っているのですから、お話になりません。
こうした愚かな『専門家』の非科学的な主張によって、この国の将来が破壊されることになるかと思うと暗澹たる思いを禁じえません。