No.1387(2022/04/15)軍事同盟の拡大は戦争の広域化を招く
フィンランド・スウェーデンのNATO加盟は愚かな選択/欧州の対応から何を学ぶか?

 環境問題という視点から見て、戦争という行為は人間の活動の中で最も愚かな行為だと考えます。莫大な有用資源をごく短時間に消耗し、加えて資源のストックを破壊します。破壊された環境を回復するためにはさらに莫大な資源投入が必要になります。これほど愚かな行為はほかにないでしょう。

 戦争を仕掛け、勝者になる者の基本条件は、社会生活に必要な物資を生産した上で、強力な軍事組織を保有することができるほどに豊かな国であることです。
 そして実際に戦争を仕掛けて勝者になる者とは、自らの豊かさに飽き足らず限りない豊かさへの欲望を満足するために、自らにとって都合の良い資源や市場を確保することに貪欲であり、あるいはその妨げとなる国家・勢力を武力によって屈服させることを厭わないという思想を持っている国です。その典型的な国が米国です。米国はそれだけでなく、巨大な兵器産業によって、戦争そのものを自らの利益とするという実に貪欲な国です。

 少し脱線しますが、一般的に「短期的」に儲かる産業とは、市場の購買力の範囲内で、出来るだけ大量に資源を浪費する製品価格の高い産業であり、その製品寿命が短いことです。その意味で兵器産業は最も利益率の高い産業です。再生可能エネルギー発電装置もこれに当たります。
 しかし、儲かる産業とはそれだけ短期間に有用資源を食いつぶす産業であり、長期的には人間社会の衰退を早めることになります。自由主義・資本主義とは一般に短期的な経済的な利益を最大化することを目指すシステムであり、その裏返しとして人間社会の持続可能性を危うくするシステムでもあります。
 自由主義・資本主義はその性格上、資源を食いつぶしながら不断に膨張し、製品を売りさばく市場の拡大が必要となります。その結果、自由主義・資本主義に従わない世界との間で不可避的に軋轢が生まれることになります。

 米国や西欧先進国の思惑とは、究極的には自らにとって経済的に利益となるように世界を改変することです。資源を有利に手に入れ、製品を自由に売りさばく世界を作ることです。
 そのために邪魔になるのが、経済の拡大や欲望を満足させることを良しとする自由主義・資本主義とは異なる価値観・社会規範を持つ世界であり、グローバリズムを受け容れず市場を公開しない国の存在です。それは例えば、かつての社会主義圏であり、あるいはイスラム文化圏です。これを排除するための暴力装置が米軍ないし米国の主導する軍事同盟であるNATOです。

 第二次世界大戦後の多くの戦争は、こうした経済的な膨張を続ける米欧の世界戦略によって起こっているといってよいでしょう。この種の戦争を根本的になくすには、米欧ないし先進国と呼ばれる国々が、必要以上の豊かさを求めることを放棄することが必要です。これは自由主義・資本主義に対して制限を加えることを意味します。これは、環境政策ないし人間社会の持続可能性を保証する上でも積極的な意味を持つことです。

 さて、だいぶ前置きが長くなりました。

 報道によると、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、これまで欧州で中立を保っていたフィンランドとスウェーデンがNATOへ加盟する方向で動き出したそうです。これは両国の安全保障上全くの逆効果です。
 ロシアとフィンランドは1000km以上で国境を接しています。フィンランドがロシアと利害の衝突するNATOという軍事同盟に加入すれば、その反動としてロシアのフィンランドに対する軍備が強化されることは自明です。すでにフィンランドのNATO加盟への動きに対してロシアはミサイル部隊の配置を始めたという報道もあります。

 戦争とは敵対する相手があって起こるものです。私は戦争する気はないが、万一に備えて軍事同盟に参加するだけだと言ったところで、それは相手には通用しません。相手方はこれを敵対関係の表れだと認識し、軍事的な緊張関係はエスカレートして行くことになります。
 軍事同盟とは集団的自衛権によって結ばれています。これは軍事同盟に参加している国が戦争状態になった時、軍事同盟に参加するすべての国がその戦争に関与することを強制するものです。したがって、軍事同盟が大きくなれば大きくなるほど局地的な紛争が同盟国全体に戦場を拡大することになり、結局戦争による双方の物的・人的被害が大きくなることを意味します。

 今回のフィンランドとスウェーデンの行動によって、ロシアは両国を明らかな「敵性国家」だという認識になったわけで全く馬鹿げています。これによって欧州・ロシアの軍事的緊張関係はさらに悪化することになります。

 今回のロシアのウクライナへの軍事侵攻前について、米国は執拗にロシア侵攻の日程を報道していました。今になってみれば、これは予測というよりもそうなるように仕掛けたのであろうと考えます。
 翻って東アジアでは、米国は数年先に台中戦争が起こると主張しています。これも恐らく米国のアジア政策として台湾に対する関与を強めて、数年先には台中が戦争状態になるように周到な準備に入ったことを表明していると考えるべきでしょう。
 これに対して、日本では敵基地攻撃能力を保有する議論が始まり、愚かな安倍晋三は敵基地だけでなく、国の主要部への攻撃能力も持つべきだという、米国顔負けの凶暴な主張を始めています。米軍の関与で台中戦争が現実のものになれば、日米同盟によって日本が戦争に巻き込まれ、あるいは日本の米軍基地や日本の都市が攻撃されることも否定できません。
 日本の安全を守るために現在なすべきことは、敵基地攻撃能力の保持や日米同盟の軍事同盟化ではなく、戦争状態になる危険を排除する外交努力として米国の台湾への軍事介入を控えさせると同時に、中台両国に交渉の場を持つように訴え続けることです。
 米国は、台中問題を今回のウクライナ同様に利用して、中国を戦争に引きずり出して中国を経済的ないし社会的に弱体化させることが目的です。この米国の思惑を思いとどまらせることが最も重要であり、それが最もむつかしいことかもしれません。仮に台中戦争になるとした場合、それを最も望んでいるのが米国であるということをしっかり見ておかなくてはなりません。

 日本は、米国の仕掛ける戦争に巻き込まれないようにするためには、米国との同盟関係を縮小し、日米安全保障条約を破棄して駐留米軍を国内から撤退させることであり、同時に東アジアにおける中国、韓国、北朝鮮、ロシアとの領土問題を中心とする懸案について外交的な対話を積極的に続けて平和的な解決を模索することです。 

 しかし、現実には日本の米国傀儡自民党保守政権は、敵基地攻撃能力を保持し、米軍の核配備を行い、軍事同盟化を強めると同時に、外交的な努力を放棄しています。これでは東アジアにおける米国の戦争に巻き込まれる可能性がますます大きくなるばかりです。

No.1386(2022/04/11)ロシアの侵攻に対する日本の非論理的偏向報道
米欧日主要メディアのウクライナ東部地域の報道は不合理で理解不能!

 さて、連日続くウクライナにおけるロシア軍の「非人道的」な攻撃についての報道によって、日本の一般的な市民、特に女性はロシア軍の非道に涙している方も少なくないようです。

 これまで、このHPでは表層的な戦争の状況よりも今回、ロシアが侵攻に至った経緯について、米国、特に米国のネオコン(自由主義、いわゆる民主主義、自由経済、グローバリズムを至上の行動規範とし、これに従わない者は力づくで変更させることを厭わない、凶悪な思想)の傲慢で貪欲、非情な世界戦略の一環として仕組まれたものであることを述べてきました。以前このコーナーでテレ朝の夜の報道番組のキャスターである大越健介が「正義の民主主義と悪の独裁者の戦い」と言ったのは、正にネオコンの視点を表していたと思います。

 今回は、あまり重要視してこなかった戦争の表層的な問題について触れておこうと思います。私は絶対平和主義者です。したがって、戦争におけるあらゆる暴力に対して反対します。
 よく戦争報道で「非人道的な」という修飾語がつかわれます。私が問いたいのは、それならば「人道的な戦争」、「人道的な兵器」、「人道的な殺人」があるのか、ということです。その意味で、反核兵器運動などの「非人道兵器」に対する限定的な反対運動などバカバカしいことだと考えています。それならば、核兵器や生物化学兵器などを使わない戦争は人道的な戦争なのですか?無人爆撃機や無人戦車などITを駆使したスマートな兵器による殺人は「人道的な殺人」なのでしょうか?
 私は、戦争という行為そのものが、攻められる側だけでなく攻める側の戦闘員に対しても非人道的な行為だと考えます。
 通常の社会生活では、人を殺すということ自体異常であり最も重い刑事犯罪です。それを自分以外の意思によって強制されることは非人道的なことです。「戦場」という特殊環境での殺人を通常社会生活における殺人と区別しているのはご都合主義です。また、侵攻した側による殺人と、守る側の殺人を区別することも不合理だと考えます。

 前置きはこのくらいにして、本題に入ります。連日のウクライナの戦況報告を聞いていると、理解しがたい、不合理、不可解な報道が気になります。

 まず、2014年以降、今回のロシア侵攻前までのウクライナの状況を概観しておきます。

 2014年に日本や米欧では「尊厳革命」、「マイダン革命」と呼ばれ、ウクライナに民主主義政権が誕生した素晴らしい出来事として認識されています。
 しかし実相は、正規の選挙によって選出されたヤヌコーヴィッチ政権を、CIAなどから莫大な資金などの援助を受けていたネオナチや国粋主義的民族主義者の民兵組織に先導された反政府運動による軍事クーデターでした。
 その結果、現在まで続くウクライナ政権には当時クーデターを主導したネオナチや民族主義者武装集団の幹部が重要ポストについています。これがプーチンの言う「ネオナチ化」です。
 ウクライナは複雑な多民族・多文化の国家です。ネオナチ・民族主義者はナチズムの「民族の浄化」の流れを汲み、ウクライナ東部地域の親ロシア系住民を敵視していました。
 ヤヌコーヴィッチ政権ではウクライナの実情から、公用語としてウクライナ語とロシア語を採用しましたが、新政権はロシア語の使用を禁止するなど、ロシア系住民を弾圧しました。

 このクーデターによって成立した親米反ロシア政権に対して、南部クリミヤや東部ルガンスク州、ドネツク州では反政府感情が強く、後にルガンスク共和国、ドネツク共和国として独立宣言をし、ロシアはこれを承認しました。ウクライナは勿論これを承認せず、キエフ(キーウ)・ウクライナ政権にとっての反政府軍を武力攻撃しています。

 ウクライナの新政権は2014年に成立した直後から、東部ルガンスク、ドネツクをウクライナ正規軍に編入されたネオナチ・民族主義者の軍隊とともに攻撃し、内戦状態が続いていました。この間、米国はCIA資金、最新兵器、そして軍事指導のための米兵をネオナチや民族主義者の軍事組織を含むウクライナ軍に提供し続けていました。
 ウクライナ軍による東部地域への攻撃によって2014年以降2022年までに1万人を超える住民が虐殺されたといいます。

 今回のロシア軍の侵攻の一つの目的は、ロシアにとっての友好国であるルガンスク・ドネツク両共和国をウクライナ軍の攻撃から守ることです。
 こうした状況から考えれば、ロシア軍が友好国の国民を攻撃したり、まして虐殺するなどということは全く不合理です。したがって東部地区における戦闘とは、ロシア・ルガンスク・ドネツク合同軍とゼレンスキー政権軍との戦闘だということです。

 したがって、キーウを中心とする北部ウクライナにおける戦闘と東部地域の戦闘はウクライナにおける戦争であっても、その様相は全く異なるはずです。
 東部地域ではロシア侵攻前にはウクライナ軍によって攻撃され、弾圧されていた住民が、ロシア軍の侵攻によってウクライナ軍から解放されたのですから、少なからぬ住民はこれを歓迎しているはずです。
 ところが米欧の情報をニュースソースとする日本の報道は、その不合理さに全く頓着せずに、東部においてもロシア軍がウクライナ人に対して攻撃を仕掛けているように報道しています。これは全く論理的におかしいことであると考えるのが正常な判断ではないでしょうか?

 こんなことを考えていた時、沖縄の中本さんから幾つかの重要な情報を教えてもらいました。4月10日にいただいたメールで次のような記事を知りました。

■ ウクライナのネオ・ナチズムは神話ではない!
原文: https://sputniknews.com/20220408/dutch-journo-we-are-here-in-donbass-to-awaken-westerners-deluded-by-msm-propaganda-1094596416.html
日本語: http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow480.html?fbclid=IwAR23i8XnjedfM-s5p78QeKuIg0AuO6TBmxhied1ACxWl3VoGXoONgYQkpyY

  さらに、4月10日の2通目のメールで次のような動画をご紹介いただきました。

■ ウクライナを爆撃しているのはウクライナ軍
https://www.youtube.com/watch?v=V1rffL9EEOM

 この二つの記事と動画を見て、ようやく合点がいきました。

 米欧の主要メディアをニュースソースとした一面的な報道ばかりしている日本の主要メディアの報道内容は、まるで金太郎飴の戦前の大本営発表であり、報道の名に値しないと考えます。わざわざ現地まで行って、ネオコンの主張を追認するようなコメントしかできない大越健介はいったい何を見ているのか、情けない限りです。

 

No.1385(2022/04/07)ロシアによるウクライナ侵攻の真実とは何か?
伊藤貫「米露関係破綻の原因は何か?

 今回のロシアによるウクライナ侵攻について、その経緯を伊藤貫氏のYouTubeの動画をご覧いただきたいと思います。伊藤氏は保守系の評論家だそうですが、現状認識は共有できると思います。前回紹介したオリバー・ストーンの「ウクライナ・オン・ファイアー」「乗っ取られたウクライナ」と合わせてみると、米国の世界戦略として、ロシアを経済的・軍事的に締め付け崩壊させるため、CIAなどの膨大な米国資金、最新兵器、米兵をウクライナに投入して周到に準備された戦争であることが見えてきます。
 この冷酷で限りなく貪欲で傲慢な米国の言うがままになっている日本外交は、伊藤氏も述べているように極めて危険だと考えます。

【伊藤貫の真剣な雑談】第5回「米露関係破綻の原因は何か?」

 天木さんのメールマガジンの記事を紹介しておきます。


□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■ 天木直人のメールマガジン2022年4月8日第150号
■ https://foomii.com/00001
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     平和をのぞむ気持ちを微塵も感じさせない米国という国

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 今度のロシアのウクライナ侵攻でわれわれが思い知らされるのは、米国という国こそ平和の敵であるということだ。
 これまでの平和の最大の敵は東西冷戦だった。
 ソ連による「世界の共産主義化」を阻止すべく、米国はあらゆる外交・安保政策を駆使した。
 そして、張り子の虎だったソ連に勝ち、米国の学者に、「歴史の終焉」だとまで言わしめた。
 その時、米国では、「平和の配当」、つまり軍備に充てる予算を国民の福祉に回せる、喜べ、という声が出た。
 平和を望むのであれば、当然の政治的判断だ。

 しかし、たちどころにその声は消えた。
 軍事産業がバタバタとつぶれかかったからだ。
 そして、たちどころに、ソ連なき後の敵を捏造した。
 湾岸戦争をきっかけに中東に敵を見つけ、それが9・11につながり、その怒りのはけ口を「テロとの戦い」や「ならず者国家」に向けた。


 今度のロシアのウクライナ侵攻も、冷戦に勝利したあとソ連側の軍事同盟であるワルシャワ機構が1991年7月1日に解散されたのだから、米・欧側もNATOを解散すべきだったのだ。
 ところが、解散どころか拡充した。

 NATOをロシアに向けて、負け犬をさらに追い詰めた。
 約束違反だったかどうかは知らない。
 しかし、平和を望むなら、約束するまでもなく、NATOは解散すべきだったのだ。

 その米国は、いまウクライナ戦争で何をやってるのか。
 和平どころか、どんどんウクライナに最新兵器を与え、戦争を続けさせている。

 しかも、バイデン大統領はきのう6日、支持者の集会でうそぶいたらしい。
 この戦争は長期間続くかもしれないと。
 何を言ってるんだ。まさしくマッチポンプだ。

 そして、ウクライナ戦争を使って、本丸の敵である中国を、どんどんと戦争に追い詰めようとしている。
 プーチンのロシアよりはるかに危険で独裁的なのは習近平の中国だ、次は台湾だ、と言って。
 ウクライナ戦争の最中に、台湾に迎撃ミサイルシステムを供与し、そしてペロシ下院議長が遠路はるばる台湾を訪れる。
 中国に対する、これ以上の挑発はない。

 しかもご丁寧に、その前に日本に立ち寄って、日本を中国と敵対させようとしている。
 日中国交正常化50周年式典を祝えないようにしているのだ。
 自分の国が祝福できないからといって、よその国を邪魔をしてはいけないだろう。

 米国こそ世界平和の敵だ。
 その事に世界は気づかなくてはいけない。
 いや、世界は気づく。
 ウクライナ戦争が長引けば長引くほど、「平和の敵」である米国の本性が明らかになっていく。

 その時、憲法9条を持つ日本はどう対応するのだろうか。
 いまからよく考えておいた方がいい。
 国会で議論する事はその事だ。
 それしかない。
 もう一度、ポツダム宣言を受諾した時に戻るのだ。
 戦後77年の日本の政治をもう一度初めからやり直すのだ。
 そしてその時は、うそやごまかしなしで、あらゆる情報を国民に開示して、国民の手でやり直すのだ。


 それを突きつけてくれたプーチンのウクライナ侵攻なのである(了)


 

No.1384(2022/04/05)武力によって人々の安寧を守ることはできない
ウクライナを他山の石とし、改めて平和国家実現を日本の進むべき指針とする

 相変わらずマスコミ報道は米欧サイドから「一方的に見た」ウクライナに対する悪玉ロシアの侵略という無意味なスタンスの報道、否、米国の犬となった報道ばかりであふれています。
 国連においてゼレンスキーはロシア軍による民間人虐殺は第二次世界大戦後最悪と述べましたが、我々は、ベトナム戦争における米軍によるソンミ村虐殺事件を知っています。米軍の虐殺はどう裁かれたのか・・・。ゼレンスキーには正義の米軍による極東の土人に対する虐殺など数に入らないということです。
 そのような中で、米国の良心的な文化人は、米国の犯罪を告発しています。マイケル・ムーア同様、米国政府の不正について非難する米国人である、映画監督オリバー・ストーンの映画「ウクライナ・オン・ファイヤー」、それに関するYahoo!ニュースも削除されています。ネット情報は、日本であっても、権力による検閲・アクセス妨害が横行しており、決して言論の自由が保障されているわけではありません。権力や体制にとって不都合な情報は人目につくことはむつかしいことを知っておくべきでしょう。
 それでもまだオリバー・ストーンの「乗っ取られたウクライナ」がYouTubeで見ることができますが、是非ご覧いただきたいと思います(日本語字幕があります)。つくづく米欧のずる賢さ、怖さを再確認しました。

※ その後調べたところ、「ウクライナ・オン・ファイヤー」はニコニコ動画で見られます。今のうちにダウンロードしておくことをお勧めします。

 ソ連崩壊後独立したウクライナの経済的破綻、そして親ロシア政権に対する米国CIAの援助を受けた反政府運動による軍事クーデターによって親米=米国傀儡政権を樹立してウクライナを食い物にし、傀儡政権の親ロシア派住民を疎外する政策によって泥沼の内戦状態となる経緯は、正に悲惨です。今また米欧はウクライナをNATOに囲い込み、ウクライナを使ってロシアへの圧力を強くしようとしています。ウクライナの親米派の国民は、米欧の身代わり、あるいは『盾』として利用されていることに気付くべきでしょう。

 このウクライナの立場は日本の立場に酷似しています。自民党米国傀儡政権の下で、東アジアにおいて中国、ロシアに対して圧力をかける米軍の補完的な役割を担わされようとしているのです。現状は形骸化しているとはいえ憲法9条が枷となって、他国の領土を攻撃することができないために、中国・ロシアとの軍事的な緊張関係はそれほど高くなっていません。
 しかし、日本が米軍の核兵器を国内に配備し、敵基地攻撃を合法化させたときには、日米同盟は完璧な日米軍事同盟となり、一気に東アジア情勢は緊迫することになります。米国と中国・ロシアが戦端を開けば、日本は攻撃対象とされ、真っ先に攻撃されることになります。
 中国・ロシアが米国本土を侵略することは、ICBMを使わない限り地政学的に考えられません。しかし、東アジアに展開する米軍が、何らかの口実、例えば台湾の人権問題を口実に中国に軍事的に干渉することはかなり蓋然性の高い現実的な問題です。米国はいつでも大義名分を自作して、中国やロシアを追い詰めようとしていることを認識しておくことが必要です。
 その時日本は今回のウクライナのように、米軍の盾=「不沈空母」として攻撃されても文句は言えないのです。

 政治的背景はさておき、戦争を技術的に見れば、近代戦争ではどのように防衛のための装備を充実したとしても、戦争状態になれば100%攻撃を無力化することは不可能であり、少なからず物理的・人的損害を受けることは避けられません。また、相手国を攻撃すれば、相手国に対しても物理的・人的損害を与える加害者、殺人犯になるのです。

 ウクライナについて、無能な報道は戦争の悲惨さを言い立て、しかしその一方で米欧による更なる軍事支援を訴えます。これは戦闘を激化させることを意味し、ロシア兵だけでなくウクライナ人の犠牲者を増やすことにしかならないという視点が欠落しています。

 戦争によって国民のだれ一人の生命を犠牲にさせないためには、取るべき道は自明です。戦争をしないことだけなのです。
 日本が戦渦に巻き込まれる最大の危険要因は日本国内に米軍基地があることであり、米軍と行動を共にする自衛隊が存在することです。日本の平和を守るためには日米安全保障条約を破棄・日米同盟を解消して危険要因である日本国内の米軍を撤退させ、自衛隊を縮小することです。

 自民党米国傀儡政権は、ウクライナ情勢から何も学ばず、米国の言うがままに自衛隊を軍隊化し、敵基地攻撃を合法化し、米国の核兵器の配備も受け入れるように画策しています。好戦的ファシスト、米国傀儡安倍晋三の動きは愚かとしか言いようがありません。
 日本国民は、自民党傀儡政権や安倍晋三、そしてこれに迎合するNHKをはじめとするマスメディアのウクライナ報道は日本を戦争国家に導くための洗脳であることに気付かなければなりません。彼らの本質を見抜き、来る参議院選挙で自民党、維新の会に対して反対票を投じることが必要だと考えます。


大分合同新聞4月4日

 

No.1383(2022/03/26)争いを止めることのできない愚かな人間H
歴史を改竄し、平和憲法を変えて戦争国家を目指す米国傀儡の自民党政権

 ロシアのウクライナ侵攻に対して、G7やNATOによる枠組に同調しようとしている自民党政権は、日本が平和憲法を持つ国であるという国家の基本姿勢を蔑ろにする非国民政権だと考えます。

 さて、今回はまず天木さんのメールマガジンの記事を紹介します。


□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■ 天木直人のメールマガジン2022年3月30日第163号
■ https://foomii.com/00001
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     さらなる混迷を招くウクライナの新安保提案

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 NATO加盟を断念し、中立化を受け入れる。
 これだけを聞けば、ウクライナが譲歩したと見える。
 しかし、その大前提として、ウクライナは、ウクライナの安全を保障するあらたな安保体制を提案した。
 そこには、国連安保理常任理事の5大国に加え、イスラエル、カナダ、ドイツなどを加えるという。
 真っ先に招待すべき国連事務総長の名前はどこにもない。

 これを知った途端、私はゼレンスキーの正体を見たと思った。
 これは第二のNATOをつくろうとするものだ。
 そして、世界の平和を担う組織である国連の機能を完全に無力化しようとするものだ。

 たしかにロシアと中国は含まれている。
 しかし、ロシアと中国はまとめて孤立化させるために招待するのだ。
 おりしもNATOは、きのう3月29日、4月6日からブリュッセルの本部で緊急外相会合を開くと発表した。
 そこに、日本や韓国、豪州を招待する事を明らかにした。
 そしてウクライナも招待し、侵攻を続けるロシアへの対応をめぐり連携強化を確認するという。
 見事にウクライナ提案と呼応する。

 まさしく米国は、プーチンを侵攻に誘い出して世界の悪者にし、返す刀で国際社会の非難を、ロシアを助ける中国に向け、ウクライナ侵攻で無能をさらした国連を無きものにし第二のNATOをつくり、ロシア・中国をまとめて自由で開かれた国際社会の敵にしようとしているのだ。

 それを、暴言を繰り返すバイデンが言えば、ぶち壊しになる。
 だから、ゼレンスキーに言わせて観測気球を上げたのだ。
 こんな提案を、プーチンが素直に受け入れるはずがない。
 中国が沈黙するはずがない。
 ウクライナの危機はこれからも紆余曲折することは必至だ。

 そして同時進行的に米国の中国非難はエスカレートしていく。
 こんなNATO外相会合に喜んで出席する林外相は外相失格だ。
 いよいよ日本外交は絶望的になって来た。
 それは、取りも直さず日本が絶望に向かっているという事である。


 そんな中で行われる7月の参院選で、日本の政治はどこに向かっていくのだろうか(了)


 平和憲法を持つ日本の外務大臣が、軍事同盟であるNATOの会議に呼ばれて喜び勇んで参加する構図は、滑稽を通り越してグロテスクとしか言いようがありません。

 第二次世界大戦以後、今日まで日本には米国の占領軍が一貫して駐屯し続け、朝鮮戦争やベトナム戦争の米軍の兵站として機能してきました。形式的には独立国家ということになっている日本ですが、現実的にはGHQによる「レッドパージ」によって、自発的な民主主義運動を弾圧して、米国に服従する米国の傀儡政権がこの国を支配しているのです。

 戦前の軍国主義礼賛の流れをくむ日本の保守政権は、戦前の天皇制に代わり、世界のスーパーパワーとなった米国の威を借りた政権運営を続けています。戦前回帰のアナクロニズムに支配されている自民党タカ派の頭目であるファシスト安倍晋三は、米国を後ろ盾としながら、日本を再び戦争のできる国に改変することを目指し、執拗に平和憲法を攻撃し続けています。
 この大バカ者は、今回のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、即座に米核兵器による日本の核武装を持ち出す始末です。

 こうした安倍晋三の流れをくむ自民党保守政権が続けば、日本が再び戦渦に巻き込まれるのもそう遠くないのかもしれません。それを予感させる日本政府の危険な兆候が立て続けに報道されました。

 日本は前大戦で東アジア諸国に多大な損害を与えた反省から平和憲法を有する国になったわけですが、自民党保守政権下の政府の方針で次第に過去の醜い歴史が書き換えられようとしています。保守化してしまい自ら考えることを放棄した大多数の教師たちは、平和憲法の改憲を目指す自民党保守政権によって都合良く改竄された歴史観を、戦前同様、そのまま児童生徒に対して教育することになるのでしょう。恐ろしいことです。


大分合同新聞2022年3月30日

 更に、今日の新聞報道では、自衛隊の行政文章の中において、「新たな戦いの様相」の一つとして「反戦デモ」「報道」が項目として挙げられているのです。これは、戦争国家になりたい自民党保守政権が、日本が戦争に参加することを前提として、国民の意見を暴力的に弾圧することを想定しているということにほかなりません。

 敵基地攻撃の合法化、米核兵器のシェアリングという名の核武装も含めて、自民党保守政権に任していれば、日本は再び戦渦に巻き込まれることもそう遠い話ではないのかもしれません。恐ろしい時代になってきました。


大分合同新聞2022年3月31日

 

No.1382(2022/03/26)争いを止めることのできない愚かな人間G
ウクライナへのロシア侵攻を米国の「経済効果」から考える

 ウクライナの一般人の悲惨な状況を前に、ロシアによる侵攻について経済効果から考えるなどというのは不謹慎という見方もできます。しかし、そもそも戦争とは、武力によって自国の富と繁栄を手に入れることこそが本質的な目的だということを冷徹に見ておかなければなりません。

 報道によると、米国はロシアのウクライナ侵攻に対して、取り敢えず1.6兆円程度の武器供与をするようです。すでに相当の武器や弾薬をウクライナに対して供与しています。つまり、米国の軍需産業は「ウクライナ特需」で既に2兆円程度の臨時収入が約束されたわけです。恐らく米国の軍需産業は活況を呈し、大増産に沸いているはずです。
 米国軍需産業にとって、自国の国土が戦場にならず、直接米軍の兵士たちが戦場に赴くことのない今回の軍事衝突は、まさに理想的な戦争なのです。Bob Dylan言うところの「戦争の親玉」達は正にほくそ笑んでいるのでしょう。

 米国に限らず、今回のロシア侵攻に対してウクライナに武器供与をしている西欧各国の軍需産業もにわかに活況を呈しているはずです。こうした米欧の軍需産業の本音は、なるべく今回の戦争状態が長期化することにほかなりません。

 米国は、9.11以降のイラク侵略戦争からアフガニスタンの内戦の長期化では、米軍の兵士が直接関与したことで多くの兵士の犠牲者が出たため、米国内で厭世的な雰囲気が大きくなり、トランプ政権はアフガニスタンから撤退することにしました。
 これによって戦線が縮小するのに伴って、米国の軍事支出は縮小し、軍需産業の売り上げも縮小することになりました。

 そこで、恐らく米国の軍需産業ないし米軍、あるいは政治家たちは新たな戦争を検討したはずです。出来れば米軍が直接関与しないような状況下で戦争状態を起こすことが「理想的」であったのです。その意味でかねてからロシアとの軋轢のあった親米ではあるがNATOに加盟していないゼレンスキー政権のウクライナは正に米軍需産業にとって「理想的な戦場」の一つだと考えられます。
 ロシア侵攻前の米国政府・マスメディアによるによるロシア挑発とも見える執拗なウクライナ攻撃の可能性に言及した報道を見ると、今回のロシア侵攻は米国がゼレンスキーをそそのかして仕組んだ可能性もあながち否定できません。

 話を経済に戻します。戦争による「特需」は直接的には軍需産業を活気づかせますが、軍需産業に原材料を提供する重工、化学、電気・電子産業などにも好景気をもたらします。ひいてはサービス業を含む全産業に好景気をもたらすことになります。
 更にエネルギー資源供給国でもある米国は、ロシアのエネルギー資源購入の凍結によって自国のエネルギー産業に対する需要を喚起するばかりでなく、国際的なエネルギー資源価格上昇によって大儲けすることになります。
 仮にウクライナをNATOに囲い込めば、さらに米軍の装備との互換性を高めるためという名目で、「日本と同じように」、米国製の兵器・弾薬を大量に売りさばく市場が拡大することになります。

 第二次世界大戦後、米国は絶え間なく戦争を繰り返してきており、軍需産業分野が産業の主要な構造として組み込まれています。米政権はこの巨大化した軍需産業を飼い慣らし、常に飢えないように餌を与えることが一つの大きな経済政策なのです。
 今回のロシアのウクライナ侵攻の主要な目的の一つがウクライナの中立化、NATOへの参加をさせないことであることを考えれば、米国ないしNATOが譲歩することでいくらでも停戦・和平交渉の土俵を作れる状況であるにもかかわらず、むしろウクライナに対してどんどん武器を提供して戦線を拡大させるような対応ばかり取っていることに対して批判がなされるべきです。米欧諸国もウクライナ国民の命を犠牲にして軍需産業を儲けさせている現状を直視しなければなりません。

 

No.1381(2022/03/24)争いを止めることのできない愚かな人間F
ウクライナへのロシア侵攻についての日本の一面的報道の危うさ

 昨日夕刻、各メディアの夕方の報道番組の放映に合わせたようにウクライナのゼレンスキーのリモート映像による国会演説が放映されました。
 ゼレンスキーの演説はこれまでのそれとは異なり、かなり抑制的なものでした。しかし、全面的に支持できるものではないことはこれまでも述べてきました。今朝の大分合同新聞の朝刊の記事を紹介します。

 山東昭子の演説後のあいさつは聞き流すわけにはいきません。曰く「人々が命をも顧みず祖国のために戦う姿を拝見し、その勇気に感動している」とはあきれ果てました。これが平和憲法を有する日本の国会議員の言うことでしょうか。
 どんなに言葉を飾り立てたところで、戦争とはとどのつまりは殺し合いです。国民の生命を第一に考える平和憲法を有する日本であれば、国民に対して殺し合いをすることを強制するような状態にならないことを目指さなければならないでしょう。
 翻って、国民の立場から言えば、国家や資本家のつまらない政策や意地のために命を差し出すなどまっぴらです。

 山東の発言は、日本国民も祖国を守るためには命を張って殺し合いをせよと言っていることに他ならないでしょう。ゼレンスキーの演説後、参加した全議員が起立して拍手する姿は、私には戦地に国民を拍手で送りだすのであろうと想像させるもので、不気味でした。

 さて、ロシアによるウクライナへの軍事的な侵攻を伝える日本の報道機関の姿勢は、ウクライナの国民の置かれた悲惨な状況をこれでもか、これでもかと映し出すことで、ロシア悪玉論、ウクライナ、ないしこれを支援する米欧は正義という単純な対比構造による国民の洗脳を行っています。これでは国際情勢の誤った情報によってまたしても悲惨な戦争へ向かうことが懸念されます。

 ウクライナを他山の石とするためには冷静な分析が必要です。

 第一に、ウクライナのように軍備を増強しても、決して戦争から国民の生命、財産を守ることはできないことが明白になりました。その意味で日本の平和憲法、就中9条は極めて重要な行動指針であることが証明されました。
 第二に、むしろ、NATOという米を中心とする軍事同盟との結びつきを強くすればするほど、米国との代理戦争の盾になる可能性が高くなることがわかります。今回のウクライナに対するロシア侵攻の主要な目的の一つがNATO加盟阻止と中立化の要求です。日米同盟、日米安全保障条約による駐留米軍の段階的縮小こそ日本の安全保障の主眼とすべきでしょう。
 第三に、最悪の状況として戦争状態になれば動かぬ核弾頭である原子力発電所の存在は非常に危険であることが明らかになりました。

 第四に、その上で、緊張関係にある国に対してこそ柔軟に対応し、経済的に優遇するなどの平和的な外交政策をとることが効果的であるということです。
 例えば、拉致問題を含む北朝鮮政策では、米国と一緒になって軍拡路線を非難するばかりではなく、自衛隊を縮小し防衛費の削減分を北朝鮮に対する経済援助に充てる方が遥かに日本の危険回避に資するものです。米国におもねらない、日本国民の安全を第一に考えた日本独自の平和外交こそ必要です。
 今回のウクライナ侵攻についても米欧、G7などという枠組みでロシア批判、軍事援助に加担した結果、北方領土交渉は決定的に悪化することになりました。ロシアに対する軍事侵攻の停止要求と同時に、ウクライナ、米欧諸国に対しても戦闘を停止するための努力を要求するという平和国家日本の立場を貫けば、このような結果にはならなかったのです。外交上の重大な失敗だと考えます。

 あまりにも愚かな報道姿勢について、無駄とは思いつつ、次のような投書を行いました。


 貴局も含めて、ウクライナ情勢に対するあまりにも偏った偏見の目で見た報道に辟易している。
 もちろん軍事衝突の犠牲となる無垢の子供や民間人の悲劇はその通りである。その意味で軍事的に侵攻したロシアに非のあることは間違いない。しかし、ソ連ないし東欧諸国のワルシャワ条約機構が崩壊した後も、一方的にNATOを拡大して米欧に服従しない国々を軍事的に追いつめていることに今回の軍事侵攻の根源的に原因がある。
 「米国情報」としてプーチンは精神異常者であるかのような報道している。NATOにウクライナが囲い込まれるということは米国の核兵器がそこに展開されることを意味するのだから、ロシアは何としてもこれを阻止しようと考えるのは極めて正常であり合理的な判断である。ただ、それを武力行使をもって実現しようというのは非難されても仕方ないことである。
 翻ってウクライナのゼレンスキーは平和主義者で善人なのか?平和主義者ならばそもそもNATOに執拗に加盟しようとすることはない。また、米国やNATOに対して「軍事援助」ないし参戦を求める姿勢は、軍事力によってロシアに対抗しようというものである。自らの国民を戦場へ駆り立てている姿は、プーチンと変わるところはない。
 日本政府は米国やG7、NATOと協力して事態を収拾するとを言っている。軍隊を持つ米欧諸国とは異なり、日本には憲法9条が存在するのであり、ロシアの軍事侵攻を止める努力とともに、米欧、NATOに対して軍事衝突を拡大するような軍事援助に反対しなければならない。
 愚かなマスコミのロシアを悪玉に祭り上げる報道のおかげで、これに乗じて安倍晋三、高市早苗をはじめとする自民党タカ派、ないし維新の党は米国の核配備を考えるべきなどということを言い出している。 日本は平和憲法があるがゆえに、先制攻撃はしないという国是があるからこそ中国やロシアにとって喫緊の敵ではないということで平和が保たれている。もし日本が米国の核を配備し、敵基地攻撃を行う国になれば、今回のウクライナ同様、極めて戦場になる可能性が高くなるのはわかりきっている。その時日本は米国の盾として犠牲になるだけである。
 第二次世界大戦後において、米国はCIAを使って気に食わない国の要人を暗殺し、絶え間なく他国を侵略し、非戦闘員を殺してきた世界で最も残虐で凶暴な国である。客観的に見れば、世界に冠たる民主主義国の親玉である米国こそ最大の悪であることは論を俟たない。9.11以降も現在まで続いている。アルカイダとは関係のないイラクに大量破壊兵器があるという全くの濡れ衣で一方的に侵略を開始し、体制を転覆させ傀儡政権を作り、果てはアフガニスタンの正当な政権をも崩壊させ、泥沼の内戦状態にした。その間、非人道的な劣化ウラン弾を使用したり、無人攻撃機で民間人を虐殺した。貴局を含めた報道は米国の非道をどれだけ報じたのか?さらにこの戦争には我が国の自衛隊も加害者として参加したが、これに対してどう報道したのか?

 ウクライナの国民の悲惨な映像を求めてそればかりを報道することでロシアを悪玉にし、これに対するウクライナや米欧諸国は正義だなどという一面的な報道ばかり続けているのはそれ自身犯罪であるとさえ思う。ウクライナ隣国に赴いた大越健介は現地からの報道として、独裁者プーチンの悪と民主主義の正義の戦いだなどという全く的外れの評価しかできないのは絶望的である。米国一辺倒の偏見報道は日本敗戦以前の洗脳放送と同じ誤りを犯すことになることを肝に銘じるべきである。


 

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