相変わらずNHKによる人為的CO2地球温暖化に対する洗脳放送の凄まじさには驚かされるばかりです。まさに前大戦における大本営発表も斯くやと思わせるものです。そして前大戦の記憶を最早忘れ去り、それどころか福島原発事故を引き起こした専門家研究者たちのご都合主義すら忘れ去っている視聴者の思考停止状態も、これに輪をかけてあきれ果てたものです。
しばらく「NHKお馬鹿番組の記録」を書いていませんが、最早馬鹿らしく一々書いていられないというあきらめもありましたが、今回は少し書いておきます。
先週の主に主婦層に向けた解説番組でしたか、最近にぎやかな自動車の非内燃機関化の話題について触れていました。自動車駆動系を内燃機関から電動機に変えることによってCO2放出量を減らすというものです。
その中で、解説委員曰く「ハイブリッド車や、電気自動車でも火力発電電力を使用するものは化石燃料を消費している」ので、「電力を再生可能エネルギー発電にしなければならない」というような趣旨の話をしていました。
結局現在言われているエネルギー部門におけるCO2放出量の削減とは、発電方式として火力発電を止めさえすればそれで実現できるという、極めて近視眼的で非科学的な内容であることを示しています。
再生可能エネルギー発電は低効率であるがゆえに既存の発電システムに比較して、少なくとも数十倍から百倍の工業製品を必要とします。この爆発的に肥大する工業生産を化石燃料の消費なしにどうやって実現するのか、という視点が見事に抜け落ちています。
現実的には、工業化社会を動かしているのは化石燃料であり、これを再生可能エネルギー発電で代替することは科学的、技術的には不可能であるどころか、むしろ再生可能エネルギー発電導入量を増やせば増やすほど化石燃料消費は増大します。この点の詳細については「温暖化の虚像」第5章をご覧いただきたいと思います。
また、燃料電池車については「燃料電池は低効率のエネルギー供給技術」、その他の自動車駆動系については「自動車駆動系の評価」を参照してください。
このようなことは現場の技術者であれば当然認識していることです。NHKの無能な解説委員氏は本当にこのことを知らないとすればとてつもない愚か者であり、もし知っているにもかかわらず国民から金を搾り取って企業利益を大きくするための片棒を担いでいるのであれば許しがたい大ウソつきです。
最後に、「AKITAあきた 風力発電に反対する県民の会」のフェイスブックに再生可能エネルギー発電の問題を簡潔にまとめたビデオが紹介されていましたので紹介します。
菅政権の目玉政策であるCO2温暖化対策が動き始めようとしています。いわく、「CO2温暖化対策は経済成長戦略」であると。
これはある意味正しい認識です。現在進められようとしているCO2温暖化対策は、再生可能エネルギー発電に代表されるように極めて資源・エネルギー浪費的であるがゆえに工業生産規模が爆発的に大きくなります。その反映として、例外なく再生可能エネルギー発電電力は高価な電気になります。
したがって、短期的には工業生産規模の拡大による好景気を実現します。しかし、電力をはじめとする工業的なエネルギーは現在の工業化社会を動かす基本資源であり、その価格が高騰し、やがては希少化することによって、私たちが工業化社会の中で受ける便益のすべての価格が暴騰し、やがてサービスの低下から工業化社会の崩壊に向かうことになります。
工業生産規模の爆発的な肥大化は、工業廃棄物を爆発的に大きくし、ゴミ問題=環境問題を激化させます。また、非効率的な太陽光発電や風力発電の建設によって、国土は徹底的に破壊されることになります。
菅政権の温暖化対策の内容を報道した新聞記事を示します。
ここに挙げられているすべての技術については既に結論が出ています。
水素は天然資源が存在するわけではなく、高度な工業製品です。水素を工業的に生産するために投入するエネルギーは製品として得られた水素から得られるエネルギーよりも必ず大きくなります。つまり水素を製造すればするほどエネルギーは浪費されるだけです。これはアンモニアについても同じです。
カーボンリサイクルなど、ほとんど錬金術です。CO2を工業的に燃料に加工するために投入したエネルギーに対して再生燃料から得られるエネルギーは必ず少なくなります。
洋上風力発電については「温暖化の虚像」6章3節事例2(p.152)で示した「福島洋上風力コンソーシアム事業」についての分析から明らかなように、陸上風力発電よりもはるかに非効率的であることがわかっています。
菅内閣は、いたずらにビッグプロジェクトを乱発して経済成長することしか見ておらず、CO2放出削減は失敗することは既に明らかです。このような愚かな税金の無駄遣いは許されてはならないと考えます。
沖縄の中本正一朗さん(元国立沖縄高専教授)から、マイケル・ムーアの作ったフィルムについての情報を頂きました。以下そのメールです。
近藤さん、 皆様
かつてマイケル・ムーアはCO2温暖化説信奉者だったとおもいます。しかし、マイケル・ムーアはCO2温暖化論が行き着く矛盾を指摘する以下の動画をつくりました。
Michael Moore Presents: Planet of the Humans
かつて、槌田敦先生が指摘していたように、マイケル・ムーアは「大衆運動と学者と産業界の奇妙な相互作用」を映し出すことに成功しています。
動画の主張は、2000年当時の槌田敦先生や、 近藤さんが主張されたことと全く同じです。
メールをいただいた後、中本さんから電話を頂き、やっとアメリカのまともなジャーナリストは私たちの考えに追い付いてきた(笑)と話しましたが、日本ではどうなのでしょうか?
映像では、いわゆる再生可能エネルギー発電のためには大量の化石燃料の消費がなければ成り立たないことや、再生可能エネルギー発電所の建設のために荒廃する自然環境、バイオマス発電のために伐採される大量の樹木の実像が記録されています。
なぜ再生可能エネルギー発電が自然環境を破壊し、化石燃料を大量に消費するのか、その理論的な背景は「温暖化の虚像」第5章をご参照ください。
それと米国大統領選でバイデンが勝つと米国が完全にCO2温暖化説支持になってしまうことが危惧されると話しました。
奇しくも、この映画の中では元米国副大統領であり、映画「不都合な真実」で人為的CO2地球温暖化脅威説を広めたことでノーベル平和賞を受賞したアル・ゴアが環境ビジネスでいかにボロモウケシテいるかが描かれています。
人為的CO2地球温暖化の防止や、CO2放出削減を求める「環境保護運動」がグリーンビジネスのお先棒を担がされていることも描かれています。
環境保護運動、温暖化防止・CO2排出対策に狂奔している皆さんは、少し冷静になって、科学的、論理的に考え直してほしいと思います。
動画は英語ですが、設定で字幕を日本語翻訳して表示してくれますので、ご覧ください。
菅政権の出鱈目な政権運営が続いています。今度は海外の動きに追従して、2050年までに実質CO2排出量をゼロにすることを所信表明するということです。まずは新聞報道から。
これまでこのHPで繰り返し述べてきた通り、再生可能エネルギー発電は有用な鉱物資源を浪費するばかりでなく、化石燃料の消費も拡大させます。更に、低効率な再生可能エネルギー発電の建設によって大規模に自然環境が破壊されることになり、更には物価の暴騰で社会経済システムまで破壊されることになってしまいます。
このパリ協定による愚かな温暖化対策の推進を一刻も早く止めなければ、日本の自然環境は致命的なダメージを受けることになります。
昨年発刊したシリーズ[環境問題を考える]D「検証温暖化」の続編としてシリーズE「温暖化の虚像」を公開しました。今回は、パリ協定の実施を念頭に、現在進められようとしている人為的CO2地球温暖化対策の自然科学的な評価と、その破滅的な影響について多くの紙数を割いています。まさに今、温暖化対策による環境破壊が始まろうとしている非常事態だと考えています。
今回は出来るだけ多くの方に読んでいただくことを目指し、PDFファイルのダウンロードフリーのネット公開を行っています。再配布に関しましても一切制限はありませんので、もし何らかの意義を感じられた方は、ご友人や知人の方に対してご自由に再配布してください。
また、出来るだけ多くの方の目に触れるように、出来るだけ多くのミラーサイトを構築したいと考えています。もしご自分の運営するブログ、ホームページ、SNSをお持ちの方は、ミラーサイトの構築にご協力いただければ幸甚です。通常であれば、ファイルにリンクを張っていただければよいのですが、このホームページはアクセスが妨害されることがありますので、お手数ですが、ファイルそのものをダウンロードしていただいたうえでお手持ちのサイトにアップしていただき、ミラーサイトにしていただきたいと存じます。
※ミラーサイト開設にご協力いただける場合は、お手数ですが下記メールアドレスにご連絡いただきたいと存じます。現在公開している「温暖化の虚像」は初版であり、今後改訂の可能性がありますので、最新版の情報を連絡させていただきます。
※※公開中の初版には誤植、誤字、脱字などがあると思われます。お気づきの方は随時お知らせいただければ幸いです。随時訂正版を公開していきます。
メールアドレス kondoh#env01.net (#を@に置き換えてください)
「温暖化の虚像」の内容についてのご意見やご質問があればお聞かせください。質問、ご意見は「管理者の雑記帳」にコメントとしてお書込みください。
菅政権の露骨な学術研究に対する恫喝の第一歩として学術会議に手を付けたわけですが、学術会議を代表する梶田氏は菅に直接会っていながら、任命拒否問題には触れずに政府との関係を未来志向で考えることで一致したなどという馬鹿げた発言をしています。任命拒否に続いて行革の一環として学術会議の運営見直しという脅しに完全に屈服したようです。
今日、大学の恩師の所に行って話をしたのですが、学術会議の任命拒否もさることながら、私人である中曽根康弘の自民党と内閣の合同葬という馬鹿げたセレモニーに対して、文科省が全国の国立大学などに対して弔意を示すように通達した件について、これは踏み絵だという話をしてきました。現職の総理が殉職したならいざ知らず、議員を辞めて単なる私人の合同葬儀に国家が税金で費用を支払い、あまつさえ文科省という国家機関が大学などに対して通達を出すなど、あきれ果てた国家権力の濫用です。 だんだん戦前のような独裁体制になってきた、嫌な時代になってきたね、と話しました。だんだん軍靴の音が高くなるように感じるこの頃です。
安倍ファシスト内閣の跡目争いがどうなるかと自民党総裁選を見ていましたが、何の反省も大義もない勝ち馬に乗ることだけを目指した無様な茶番劇を見せつけられました。
総理就任早々、安倍内閣の不正追及は完全に蓋をし、問題はすべて解決済みという認識を示し、安倍路線を継承することを宣言しました。いわく前例にとらわれず大胆な実行力とか・・・。前例にとらわれないと言えば革新的なイメージもありますが、菅の場合、これまで守ってきたルールをいくらでもぶち壊した安倍同様、法治国家の基本をないがしろにする権力の官邸への更なる集中とやりたい放題の強権政治を目指すということのようです。
そして今度は日本学術会議会員の推薦名簿から政府の意に添わぬ人物の承認を拒否するという暴挙に出ました。
私は、日本学術会議には何の期待もしていませんし、6人を外したからと言って実害がすぐ起こることはないと思います。しかし、国家権力が学問の分野に直接手を突っ込む今回の行動は、あからさまな権力による研究者に対する恫喝であり、国家総動員の軍事態勢に学問分野の研究者を従わせるための布石であろうと考えます。
ファシスト安倍は去ったものの、今度はたたき上げの筋金入りの剛腕の独裁者が登場したようです。この国はどうなっていくのでしょうか。
大分合同新聞2020年10月3日
今月一日の大分合同新聞に、県南地域で五つの大規模な風力発電計画が進行中であるという記事が載りました。
マスコミの論調は相も変わらず、再生可能エネルギーの導入は良いことだが、景観や環境に与える影響を慎重に考慮すべきであるなどという、ピント外れのものです。この問題については、最近のこのコーナーNo.1303〜No.1308でも触れていますので、詳細はそちらをご覧ください。
要するに風力発電の推進は、電力消費者から金を巻き上げて重工・重電メーカー並びに電力企業の複合体がぼろ儲けするために、過疎地域の山林を安く買いたたき、環境を破壊するだけであり、環境問題を本質的に悪化させるだけだということに、是非気づいていただきたいと切に願います。
No.1303 (2020/03/05)
温暖化対策の実効性を科学的に評価する
再生可能エネルギー発電では理論的にCO2放出量をゼロにすることはできない
No.1304 (2020/03/15)
事例検討:太陽光発電の必要面積を考える
国土を太陽光発電パネルで埋め尽くしても電力需要を賄うことはできない
No.1305 (2020/03/18)
事例検討2:風力発電の必要基数を考える
現在の電力需要を満たすために512m四方に1基が必要
No.1306 (2020/03/21)
再生可能エネルギーは二次エネルギー
再生可能エネルギーの導入で荒廃する自然環境
No.1307 (2020/03/24)
2020年度、再エネ賦課金が引き上げられる
再生可能エネルギー原価と再エネ賦課金の乖離は何を意味する?
No.1308 (2020/03/28)
工業生産額から考える再エネ社会の未来像
再生可能エネルギーの導入で経済、社会、そして自然環境が破壊される
今日夕方の久方ぶりの総理会見で安倍晋三が辞任を表明しました。第一次安倍政権同様、持病の潰瘍性大腸炎の悪化が原因だという。
理由はともあれ、安倍政権の存続は日本国民にとって百害あって一利なしであるから、歓迎といえば歓迎であるが・・・。
しかし、戦後日本の平和国家・民主憲法体制をほとんど形骸化し、日本の評価すべき多くの価値をぶち壊し、権力を私して欲しいままにした出鱈目総理の罪を何ら断罪せぬまま、安倍晋三を取り逃がしてしまった日本国民は、何と無様なことか。
日本人のメンタリティーとして病で去る者に対して極めて寛容であることから、今後は森友・加計問題、桜を見る会などなどに対する国民、国会、マスコミによる追及はうやむやになってしまう可能性が極めて高くなりました。
安倍・保守党政権を断罪する機会を、我々は永久に失ってしまいました。
前回報告した通り、安倍政権はコロナ感染症の急拡大という国難の時期に国会を開こうともせず、何ら有効な手立ても行わないまま、漫然と時を過ごしています。
一方、鳴り物入りで導入を目指していたミサイル防衛の切り札「イージスアショア」の導入が、2020年6月15日に急遽配備計画が白紙に戻され、その代替策として急浮上したのが「敵基地攻撃能力の保有」という、平和国家日本にはそぐわない、専守防衛論にさえ反する国家戦略です。ファシスト安倍の指示によって自民党内議論が急がされた結果、わずか1か月ほどの議論で提言がまとめられました。
安倍一次内閣が登場して以降、明治以降、第二次世界大戦まで継続した近代日本帝国主義による周辺アジア諸国侵略の歴史を肯定し、美化さえすることを憚らない歴史修正主義、戦前回帰のファシスト安倍の体質については、このHPにおいても繰り返し警鐘を鳴らしてきました。第二次安倍内閣以降についてのコメントは、2013年以後の記事をご覧ください。
この安倍ファシスト政権は、国民の福祉には見向きもせず、大企業や金持ちの利益と、時代錯誤のアナクロニズムの軍国主義化に血道をあげ、自らは脱法的な行為を繰り返すとんでもない内閣であることは明白です。一刻も早く安倍ファシスト政権が崩壊することを望みます。
予想通り、あるいは予想以上の速さでコロナ感染症の第2波が拡大しています。
既に沖縄県では医療崩壊が現実のものになっています。
コロナ感染症の第2波の急拡大のみならず、九州地方・東北地方の豪雨災害と、日本は今未曾有の国難に遭遇しています。このような時期に国会を開こうとしない安倍ファシスト政権・自民党・公明党は責任放棄としか言いようがありません。自民党の森山国対委員長は野党による臨時国会開催の要求に対して「一体何を議論するのか」などというすっとぼけたコメントを出しました。このような時期に国会を開かずして何の国会の存在意義があるのか?このような無責任内閣は不要です。
さて、コロナ感染症の第2波が予想以上の速さで進行しています。一方事業者の経済的苦境も進んでいます。
国は、というよりも安倍政権ないし内閣官房は、感染防止・抑制に対しては3密を避けることを要請するのみであり、何の具体的な感染拡大防止のための有効な施策を出さぬまま、経済活動を拡大するGoToキャンペーンを実施することに執着しています。
一方感染が拡大している自治体では、飲食店を中心とする事業者に対して十分な経済的な補償を行うことなく営業時間の短縮を要請するという、これまでと相も変わらない対応しかないという有様です。
感染拡大を防止するということは、繰り返し述べていますが、感染者と非感染者の接触機会をできるだけ避けることに尽きます。そのためには、感染が疑わしい人に対して制限なくPCR検査を実行して感染者をできるだけ早く捕捉し、隔離する以外に手立てはありません。
逆に言えば、非感染者同士がいくら濃厚接触したところで感染が拡大することはありません。したがって、闇雲に営業時間の短縮や規制を行うなどという大雑把な対策は無駄が多すぎると考えます。
飲食店における感染が中心であるのならば、営業を続けたい飲食店については全従業員に対してPCR検査を定期的、出来るならば潜伏期間といわれる2週間おきに検査を行い、陰性の従業員によって、制限なく営業を許可すればよいでしょう(勿論陽性者については営業に従事させず、陰性になるまでは療養させることは当然です。)。
その上で利用客の入店に対する検査体制を厳格に行い、発熱や咳症状のある者は飲食店の利用を制限すれば感染リスクは最小限に抑えられるでしょう。これについては条例による規制も含めて検討すべきです。
おそらくそれでも100%の感染拡大を防ぐことは不可能でしょうから、軽症者も含めて、陽性者の隔離施設の拡充が必要でしょう。
とにかく、何と言ってもPCR検査体制の拡充が最優先であり、つぎに陽性者については自宅療養を排して隔離施設による療養ができるような体制を作ることに人的・経済的資源を集中することが必要だと考えます。
飲食店の事業者に対しての自粛要請は行わず、したがって休業補償を行わず、その代わりに従業員に対するPCR検査費用を公費負担にすることが現実的ではないでしょうか?
それはさておき、沖縄県ではすでに医療体制の崩壊が始まっています。国は何をおいても、緊急避難的に、すべての利用できる経済的・人的資源を投入してこの沖縄の窮状を救済すべきだと考えます。
6月末から7月にかけて、東京をはじめとする大都市部を中心にコロナ感染症の新規感染者数の急増が見られます。予想以上に早く感染拡大の第二波が訪れようとしているように見えます。
確かに第一波に対する緊急事態宣言による経済・社会活動の大規模な規制によって、経済的に疲弊したことは事実であり、第一波が落ち着いたところで段階的に経済活動を再開することは、やむを得ないことだと考えます。
しかし、緊急事態の解除から後の経済・社会活動に対する自粛要請の緩和の速さが、素人目にもあまりに性急すぎるものと感じられました。
いまだ不明点の多い感染症に対する対応は、慎重にも慎重を期し、危険性の小さな業種・活動から、限定的、段階的な解除を行いつつ、解除による影響を検証したうえで、次の段階に進むべきか、あるいは進まないかを判断すべきだと考えます。
しかし現実には、極めて大きなくくりで規制が解除され、しかもその規制緩和による感染に対する影響の検証が十分行われぬまま、政府や東京都のタイムテーブルに沿って機械的に進められることに不安を感じていました。その結果が今まさに現れようとしているように思われます。
今また「Go Toキャンペーン」という全国規模の人の移動を促進するような経済政策が、前倒しで実施されようとしています。これはあまりにも無謀な行為ではないでしょうか?青森県むつ市の宮下宗一郎市長が「キャンペーンによって感染拡大に歯止めがかからなくなれば、これこそ政府による人災だ」と述べたとおりです。
政府や東京都は、感染拡大は織り込み済みだという立場で、現在の感染拡大状況を過小評価しているように見えます。感染制御に失敗すれば、新たに犠牲者を増やすばかりでなく、その経済的損失もむしろ拡大することになることを認識し、今は一旦立ち止まって、慎重な対応をすべきであろうと考えます。