No.935 (2014/05/20)“美味しんぼ”、小学館の英断に拍手
美味しんぼを批判する“エセ専門家”とどちらが非科学的か?

 最近私は週刊漫画雑誌を読んでいないのですが、この数日、ニュース番組を賑わしている“美味しんぼ「福島の真実」事件”について少し触れておきます。家内の風邪の診察について行ったところ、偶然、待合室に問題の「週刊BIGCOMICスピリッツ No.24」があったので、目を通しました。そして、帰宅の途中でコンビニに寄ってNo.25を手に入れて続きを読みました。
 結論的には、漫画としてはしっかりした取材に基づいたものであり、内容自体は穏当なものであり、ヒステリックに批判すべきような内容ではありませんでした。この程度の内容について、まして学術誌ではなく大衆漫画雑誌の記述に対して“科学性に欠ける”などとお門違いの理由で噛み付く福島県や双葉町、大阪府の方にむしろやましいところがある、あるいは何らかの政治的な意図があるとしか思えません。

 ほとんどの批判の拠り所は、主人公が現地を視察した時に鼻血が出た事、そしてその原因として放射線被曝の疑いがあるという表現をしたことに尽きます。漫画の作者が取材した折に本当に鼻血を経験したかどうか、というのはさほど重要な意味を持ちません。漫画なのですから、それがフィクションであったとしても批判される謂れはないでしょう。
 むしろ重要なのは、前双葉町町長の経験として、住民の中に鼻血がでる事象を少なからず経験してきたこと、それが政府御用達のエセ科学者たちによって低線量の被曝では起こり得ないとして、無視あるいは隠蔽されてきたという事実の方です。

 このHPでは福島第一原発事故についても多くの記事を書いてきています。その中でも触れてきましたが、現在世間に流布されている放射線による影響とは、比較的強い放射線にさらされた場合の急性症状についての数値であることに注意しなくてはなりません。

 この図の意味するところは外部からの比較的短時間の放射線被曝において、被曝線量(積算被曝線量)が100mSvよりも小さい場合には、急性症状は認められないということに過ぎません。
 
科学的には、小さい放射線量率の環境に長期間さらされた場合、そして内部被曝の身体的な影響については、データが少なすぎてどのような影響が出るのかは確認できていないということなのです。
 断片的な情報としては、現実はこの図とはかなり食い違っています。日本において労働災害と認定された原発労働者の放射線被曝によるがんの発生実績では、10件中9件までが被ばく線量が100mSvよりも小さな値で発症しており、最低は5.2mSvとされています(おそらく、労災に認定されていない孫請け、曾孫請けの労働者は相当数に上るはずです…。)。詳細は下表の通りです。

●白血病

労災申請日 累積被ばく線量(mSV) 従事期間 氏名 死亡時期
1988年9月2日 40.0 11ヵ月 - 1988年
1992年12月14日 - 5年5ヵ月(87.7-92.12) - -
1993年5月6日 50.63 8年10ヵ月(81.3-89.12) 嶋橋伸之 1991年
1998年12月22日 129.8 12年(87.12-97.1) - -
1999年11月20日 74.9 11年(88.10-99.10) - -
- 5.2 - - -

●多発性骨髄腫

労災申請日 累積被ばく線量(mSV) 従事期間 氏名
2003年1月31日 70.0 4年3ヵ月 長尾光明
- 65.0 - -

●悪性リンパ腫

労災申請日 累積被ばく線量(mSV) 従事期間 氏名 死亡時期
2005年10月28日 99.76 6年4ヵ月(97.9-04.1) 喜友名正 2005年3月
- 78.9 - - -

 昨年亡くなった福島第一原発の吉田前所長や複数の作業員の死亡原因について、東電や国は詳細な検討もせずにいち早く放射線被曝によるものではないとしましたが、私は放射線被曝によるものであると確信しています。原発事故の最前線で決死の収束作業に携わって亡くなった彼らも、浮かばれません。

 また、積算(累積)被曝線量と線量率(時間あたりの追加線量:たとえば5mSv/日)を混用してはいけません。5mSv/日の環境に20日間居れば積算被ばく線量は100mSvになります。この図は、線量(積算被曝線量)であって、線量率を示しているのではありません。

 東電を擁護することを目指す国を支持する『御用専門家』の多くは、100mSvよりも小さな被曝線量では急性身体症状がでない=影響はないという論理のすり替えを行っているのです。日本政府や自治体もこの主張を利用して、放射線被曝の影響を出来る限り小さく見せようとしているのです。これは、低線量被曝、内部被曝による長期的な影響は存在しないのだという、極めて偏見に満ちた非科学的な態度です(あるいは知っているけれども、東電や政府の意向を慮って無視しているのか…。)。
 今必要なのは、これまで十分なデータのない小さな線量率の放射線に長期間さらされた場合、あるいは内部被曝によってどのような影響が出るのかを綿密・継続的に観察することなのです。双葉町の鼻血の事象、大阪府のがれき処理施設周辺での住民の健康被害について、100mSvよりも小さいからあり得ないとして無視するのではなく、綿密にデータを集める事こそ重要なのです。

 こうした文脈からして、“美味しんぼ”の中で描かれていることは、国や地方自治体、御用学者どもの100mSv以下の被曝は無視するという不誠実・非科学的な主張に対するカウンターとして、極めてまっとうな主張であり、断固支持するものです。

 さて、漫画の中で、これも取材した人物の発言で、除染は効果が薄く、除染に参加すると体調が悪くなることが述べられています。汚染地域の中の点や線を除染してもすぐに線量が元に戻ることは当初からわかっていたことであり、体調不良は低線量・内部被曝の疑いがあるでしょう。
 また、「福島県は人の住める地域ではない」という発言は多少説明が必要でしょうが誤りではありません。このHPでは繰り返し述べてきましたが、日本の放射線防護に対する法体系において、連続する3ヶ月間の積算実効線量が1.3mSv、一年間に換算すれば5.2mSv/年、あるいは表面汚染密度が40kBq/m2を超える地域は放射線管理区域として、法的に一般公衆の立ち入りが禁止される地域に指定しなければならないのです。福島県にはこれを超える地域が広がっており、法的に住んではならない=住めないのです。
 しかし、日本政府は20mSv/年を目安に住民の帰還を画策していますが、これは法治国家としての日本においては許されないことであり、福島県は無法地域になっていることを意味します。ましてこのような地域に子供を住まわせ、小学校を再開するなど、ほとんど国家犯罪というしかないでしょう。

No.666 (2011/09/29) 広大な放射能汚染地域 除染は可能か?福島市の選択
No.924 (2014/04/07) 原発と周辺住民の生存権

 これ以上の詳細については『福島第一原発事故についての備忘録』をご覧頂きたいと思います。

 最後に、行政やマスコミが風評と言って無視していることの多くは風評ではなく、現実に起こっている根拠のある事実であることに気付いてほしいと思います。当然バッシングが予想される福島の問題を正面から取り上げた“美味しんぼ”の作者氏、その掲載を許可した小学館の英断に敬意を表するものです。

No.934 (2014/05/17)安倍ファッショ政権で崩壊する平和・法治国家ニッポン

 このHPでは、第一次安倍内閣の頃から安倍の危険な体質について警鐘を鳴らしてきました。ここに来て、更にその政治手法の強引さ、国会・法治国家という制度を形骸化する出鱈目な国政の運営は、ファシズムと呼んでも良い所まで来たように思います。

 この安倍の強引な政治手法の背景にあるのは、いわゆる“アベノミクス”という経済政策が短期的・表面上成功している、あるいはそういう報道による洗脳が脳天気な国民に信じられていることによる高い支持率が続いていることによります。
 しかし、安倍の経済政策の実態は突き詰めれば、大企業の言うがままに規制を緩和して大企業の利益を最大化し、財政出動で税金をばらまいているだけです。その影で、労働者の権利を奪うさらなる労働力市場の流動化、消費税の引き上げと法人税率の引き下げが行われており、このままでは更に貧困率が上昇し、米国のような無法経済の社会に近づいているだけです。

 この上辺の経済政策の成功による高い支持率を背景に、安倍政権の強引な国家運営はますます加速しています。この期に一気に保守強硬派の夢である平和憲法の実質的な形骸化による、武力を行使できる日本への『再生』を目指しているのです。
 この戦後の日本憲法の平和主義を実質的に形骸化して、武力行使を正当化するという重大な変更を、安倍に同調するタカ派の人選による「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」という、たかが私的諮問機関による自作自演の“お手盛り”の報告書を利用して行おうとしているのです。彼の国家運営手法は本末転倒しています。

 法治国家、その根幹をなすのは文書主義です。法治国家とは法によって国家運営を律することであり、仮に法が実態に合わなくなったとすれば、国民の代表たる国会における審議を経て法律の条文を見直すことによって整合性を図ることです。条文を変更せずに、その時々の政権が解釈を変更することが許されるのでは、最早法の意味がなくなります。これは同時に国会の形骸化であり、正にファシズムです。
 安倍のやっていることは、私的諮問機関、つまり安倍にとって都合の良いお友達による非公式なサークルの報告書を利用して、自らの主張を正当化して見せ、次に彼の内閣の与党である公明党と談合して、この段階で事実上の最終結論をまとめてしまい、与党が絶対多数を持つ国会はセレモニーとして開催されるだけです。

 議院内閣制による法治国家日本は今崩壊に向かいつつあるようです。これを止めるためには、有権者が高い見識を持ち、このような出鱈目な国家運営を行う安倍政権に対して明確に否定の意思表示をすることしかありません。
 これは、憲法解釈以前の日本という国家を動かすシステムそのものの問題です。国家防衛については様々な意見があるのは勿論ですが、たとえ集団的な自衛権を容認する立場であろうとも、議会制民主主義・議院内閣制の法治国家日本の国家運営システムを崩壊させるような安倍政権のやり方には反対しなければなりません。

 最後に少しだけ安倍の集団的自衛権容認の記者会見についての感想を述べておきます。私は既に何度も書いている通り、絶対平和主義者です。どのようなことがあっても国家による武力行使を容認することは出来ません。それは、実に単純なことで、実力によって他者を屈服させることを容認することは、翻って私自身が実力によって屈服させられることを容認することと表裏の関係にあるからです。私は他者の実力によって屈服させられることには耐えられません。それは国家においても同じです。
 安倍は会見の中で、たとえば「海外においてボランティア活動に当たる海外在留邦人が攻撃された場合、それを日本の武力によって守らなくて良いのか?」と言い、この種の日本の武力行使を正当化しようとしましたが、ふざけたことを言ってはいけません。これはむしろ米国のように『民間人の安全を確保するため』という口実で当該国への軍事侵略を正当化する道を開くものです。
 勿論在留邦人の命を守ることは国家の使命かもしれませんが、その方法は当事国の情勢情報をいち早く知らせることや警察権による保護の要請、それ以上に危険になれば国外退避の支援を行うことまでで十分です。在留邦人を守るために軍隊を派遣するということはその国の国民を殺害することを意味します。これを正当だといえば、米国のように世界中に軍事侵略することを正当だと認めることと同義です。シーレーン防衛も然りです。もうこれ以上の検討など不要だと考えます。
 また、国外情勢が変わり、東アジア地域では武力的緊張が高まっているから、日本もそれに見合う武力を持ち抑止力、軍事バランスによって平和を守るのだとも言いますが、こうした軍事バランスによる平和の実現は既に失敗していることです。一旦これに踏み込めば軍拡競争が加速されるだけであり、軍事バランスが崩壊した時の戦争は悲惨を極めることになります。

 平和憲法を徹底して、自衛隊を武装解除し、国土保全・災害救助隊に改組し、海外に対しても災害救助などで貢献し、平和外交を進める事こそ最も現実的な日本の安全保障であると考えます。

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No.933 (2014/05/16)学習しない県立高校・PTA・教育庁の面々A
大分県高等学校文化連盟・大分県高等学校体育連盟

 既にこのHPをご覧頂いている方はご存知だと思いますが、娘の通う高校そして大分県教育庁に対して、大分県高文連・高体連の会費支払のための保護者からの金員の徴収方法の改善をもとめて交渉を続けてきました。しかしながら、一向にまともに対応をしないことから、一昨年の会費支払いのために私から騙し取った金員の返還を求めています。

 今回は最初に、この問題の本質を説明することにします。大分県高文連・高体連とは、大分県下の高等学校のそれぞれ文化系の部活動、体育系の部活動の振興・支援のための組織ということになっています。
 まず、高等学校の部活動というものは、本来高等学校の教育課程の外側で行われる活動です。それ故、高校に在学していても部活動に必ず所属しているわけではありません。つまり部活動とは高等学校において必須の活動ではないのです。まずこの基本的な性格をおさえた上で議論しなければなりません。
 その上で、部活動とは高等学校に在学する生徒の自発的な意志によって、正規の教育課程以外の文化活動や体育活動を行いたいという欲求に対して、教育課程に支障の出ない範囲で、学校施設を使用して行う活動です。従って、基本的にはその運営経費は部活動に参加する生徒自身による自己負担=部費による運営が原則です。
 最近では、高等学校の部活動には教育的効果が認められるということで、高等学校の教育課程に内部化しようとする傾向があるようです。しかしながら、全員参加のかつての必須クラブ活動ではなく、あくまでも生徒の自発的な意志による活動ですから、その運営経費を全ての生徒・保護者に負担させるのは許されません。高校の教育課程に内部化するというのならば、部活動の運営経費を公費負担で対応すべきです。

 ところが、娘の通う高校、そして多くの県立高校において、生徒本人が部活動に参加しているか否かにかかわらず、PTAを介して全保護者から体育文化振興会費なるものが半強制的に金融機関からの引き落としで徴収されています。娘の高校では年間1000万円程度になります。また、生徒会の予算からも部活動への支援が行われているようです。

 さて、ここで問題にしているのは、高校生たちが文化活動や体育活動をすることそのものの是非ではありません。私は個人的には比較的からだを動かすことが好きですし、高校生たちが自発的・創造的に活動をすることは良いことだと思います。しかし、あくまでも部活動は、学校の教育課程に支障のない範囲で学校の施設を使用させてもらって、自己責任で運営されるべきものだという基本を逸脱することがあってはならないということです。
 私は個人的には、昨今の高等学校の売名行為のために、授業に支障を及ぼしてまで全国レベルを目指すセミプロ的な部活動のあり方、そんな部活動を高校の誇りなどというとぼけた教育者の感覚は、部活動の本質を見失っていると考えます。
 こう書くとすぐに聞こえてきそうなのが「それはあなたの個人的な考え方でしょう?」という意見です。勿論その通りです。それ故、高等学校の必須ではない活動の経費の負担であれば、保護者個人個人の多様な価値観や意見が尊重されなければならないのは言うまでもありません。全保護者から一律に部活動の運営経費を半強制的に徴収するようなことはあってはならないのです。あくまでも、@活動に賛同し、A支払いの経済的な負担に耐えられる保護者のB自発的な寄附として集めなければならないのです。
 殊に、公立高校においては、国民の教育を受ける権利を保証するため、法律で定められた授業料以外に、経費を受益者負担の名の下に保護者に負担させることは許されないことであり、これは地方財政法でも規定されていることです。

 以上が前置きです。

 大分県高文連・高体連は、大分県下の高等学校の部活動の振興・支援を行うための組織です。いずれの組織も加盟は高等学校単位であり、生徒が加盟するわけではありません。従って、大分県高文連・高体連の会費を納めるのは加盟する高等学校であって生徒ではありません。
 会費の金額は加盟する高等学校当たり一律ではなく、高等学校の規模によって別々に算定されています。高文連の会費は(在籍生徒数)×800円であり、高体連の会費は(在籍生徒数)×1000円で計算されています。高文連・高体連は会費の金額は定めていますが、当然のことですが、それを加盟高等学校がどのように工面するかまでは介入することは出来ません。

 そこで本題です。PTA総会資料に掲載された大分県高文連・高体連の会費支払を保護者に対して協力要請する文章を以下に示します。

 これは実に奇妙です。もし本当に大分県高文連・高体連が、保護者個人個人に対して金額を上げて支払いを要請しているのだとしたら、これは組織を無視した過剰な介入であり、抗議しなければならないと考え、高文連事務局と高体連事務局に対して電子メールで説明を求めました。

 私は既にPTAを退会していますが、大分県高文連・高体連会費徴収の案内文は私にも配布するように以前から申し入れていたために、PTA総会資料のこの部分のコピーが渡されました。しかし前回紹介した、大分県高等学校教育研究会の会費についての依頼文章は渡されませんでした。そこで、娘の担任に次のような文章を渡しました。

 この質問書から、さすがにこれまでの経験から学習したのか(笑)、高校も問題を察したのか、次のような訂正文が配布されました。

 さて、この文章は、娘の高校では大分県高文連・高体連会費を、生徒が部活動に参加しているか否かにかかわらず、一律に全保護者に頭割りして徴収することを表明したものです。しかしそれを5月分の「学校取扱金」で集金するというのはおかしな話です。
 学校取扱金というものは、本来保護者個人に対して請求される金員を、便宜上学校がまとめて集金するものを言います。高文連会費・高体連会費は保護者に請求するいわれのないものですから学校取扱金の範疇には入りません。この点については大分県教育庁高校教育課の足立主幹にも確認したところです。高文連会費・高体連会費は大分県教育庁「学校私費会計取扱要領」のいずれの分類にも属さないものなのです。要するに、高校が高校独自の判断によって勝手に加入しているのであって、公費で支払うわけにも行かず、高校自身が工面すべき金員だということです。しかし、県立高校に独自に財源があるはずもなく、しかたがないので、「申し訳ないですが保護者の皆さん、ご協力をお願いいたします」として寄附を募るというのが実態なのです。
 既にこれまで述べてきたように、生徒が部活動に参加している場合に、その保護者に対して割り当てるのであれば、それなりに理解できます。しかし、部活動に参加していないのに割り当てるというのは全く不当です。また、部活動に参加しているからといって、高校が大分県高文連・高体連に加盟することを必ずしも承認しているわけではないでしょう。
 以上から、一人あたりの金額を定めて全保護者から徴収するというのは不当です。また学校取扱金でもないのですから、寄附金であることを明らかにして平身低頭して協力を求める姿勢を示さなければならないのです。学校取扱金だと偽り、金融機関からの引き落としで半ば強制的に徴収することなど断じて許されないことです。

 さて、昨日までに大分県高文連・高体連からの回答を受け取った結果、大分県高文連・高体連の配布したいずれの会費納入への協力依頼の文章にも金額を上げて支払い方法を記入した赤枠で示した部分は存在しないことが確認できました。つまりこの部分は娘の通う高校ないしPTAによる改竄であり、私文書偽造です。相変わらず規範意識の低さ、事務の杜撰でいい加減な対応には呆れ果てるばかりです。
 

No.932 (2014/05/13)学習しない県立高校・PTA・教育庁の面々@
大分県高等学校教育研究会というふざけた組織

 さて、今年も娘の通う県立高校のPTA総会や学級懇談会などが去る5月10日に行われました。今年は私は参加せず、家内が学級懇談会に参加しました。図らずも、懇談会で受け取った資料の中にPTA総会の資料が含まれており、いろいろ面白いことが分かりました。

 まずわかったことは、体育文化振興会という会費を集めるためだけのダミー組織がなくなり、かつて体育文化振興会費として集められていたものが、PTAの集金する体育文化振興費という一費目になったようです。

 その他にも幾つか面白い問題を発見したのですが、まず今回は、大分県高等学校教育研究会について報告しておくことにします。高等学校教育研究会という組織は各県で組織されているようです。要するに、高等学校という職域で働く教員の勉強会みたいなもののようです。PTA総会の資料の中に、その大分県高等学校教育研究会の運営費を、保護者に支払うように要請する次のような文章が掲載されていました。

 これにはとても驚きました。まずこの文章の体裁についてです。大分県高等学校教育研究会という、保護者にとって全く馴染みのない組織が、会長名も連絡先も示さずに、いきなり保護者一人あたり100円をPTA会費などから一括納入することを求めるとは、一体どうなっているのでしょうか?まさにいかがわしい怪文書です。
 「それぞれの部会では次のような事に意欲的に取り組み、本県教育に貢献しています。」という自画自賛の文章を書く神経からも、その不遜さが見て取れる組織です。

 一体どのような組織なのか確認しようと考え、ネット上で情報を探したのですが、全く引っかかりませんでした。ちなみに、おとなりの熊本県高等学校教育研究会はホームページを持ち、規約も公開しています。
 そこで文章に出てくる大分県教育委員会に問い合わせて、会則と会計報告書を入手することにしました。会則を以下に示します。


 会則第2条から、この会は大分県内の高等学校の教職員全員が会員になるようです。これは時代錯誤の非民主的な条項です。私は部外者ですから大きなお世話かもしれませんが、公的な組織でもないのに全員が強制的に参加させられるなど、民主的な組織ではあってはならないことだと思いますが…。

 信じられないのが、「大分県高等学校教育研究会事務局運営細則」第12条です。大分県高等学校教育研究会は高等学校の教職員を会員とする、言わば職域のお勉強会です。当然ですが、その運営経費は参加する会員が負担すべきものです。この会は高等学校の生徒の保護者とは何の関係もないのです。お勉強会の運営経費を保護者から徴収する正当な理由が一体どこにあるというのでしょうか?
 勿論、大分県高等学校教育研究会の活動に感銘を受けた個人が自主的に寄付することや、大分県高等学校教育研究会の会員がその意義を保護者に説明して募金を募ることを妨げるものではありませんが、細則として保護者から徴収するなどということを書き込むなど、あり得ないことです。
 ちなみに、熊本県高等学校教育研究会の会則では、「教職員で本会(=熊本県高等学校教育研究会)の趣旨に賛同するものをもって組織する」とされ、「本会の経費は会員の会費、補助金、その他をもってこれにあてる」という、ごく常識的な会則になっています。

 大分県教育委員会(教育庁)から受け取った資料に、事務局の連絡先が記載されていたので、PTA総会資料に掲載されていた保護者に対する「大分県高等学校教育研究会の会費負担について(お願い)」という怪文書について説明を求めることにしました。
 ところが、大分県高等学校教育研究会によると、今年は各高等学校PTAに対して会費負担の協力を依頼した文章は配布したが、保護者宛の文章は出していないことが分かりました。保護者宛の文章とすれば、昨年配布したものかもしれないが、そこでも保護者に対して金額を上げて支払いを求めてはいないはずだという回答を得ました。
 折角の機会でしたので、事務局運営細則第12条に定められた、会員ではない生徒の保護者に対する会費の徴収には正当な根拠がなく、削除すべきであることを強く求めておきました。

 つまり、娘の通う高校のPTA総会資料に掲載された「大分県高等学校教育研究会の会費負担について(お願い)」という怪文章は、娘の通う高校PTAによる全くの捏造文章であることが分かりました。
 この2年間、金銭の取扱についてさんざん襟を正すように要望し続けてきたというのに、大分県教育庁も県立高校も、全く問題の本質から何も学ぼうとせず、生徒の保護者を食い物にする出鱈目な経費負担の押し付けが横行し続けているのです。実に情けない話です。

追記(2014年5月14日)

 大分県高等学校教育研究会の事務局に対して、この記事のURLと、娘の通う県立高校のPTA総会資料のコピーをFAXして、内容の確認を求めました。事務局から電話があり、昨日の話には少し間違いがあることが分かりました。
 今年も保護者宛に「大分県高等学校教育研究会の会費負担について(お願い)」という文章を配布し、その後に各高校PTA宛に別途会費負担協力依頼の文章を配布したということです。
 ただし、保護者宛の大分県高等学校教育研究会からの依頼文章には、負担金の金額までは記載していたが、末尾の「(2)徴収はPTA会費等から一括納入をお願いいたします。」という一文は存在しないことが分かりました。
 つまり、娘の通う高校のPTAは、大分県高等学校教育研究会からの依頼文章を改竄して、あたかも大分県高等学校教育研究会がPTA会費からの一括納入を要請しているように偽装したということです。これは私文書偽造という立派な犯罪行為です


No.931 (2014/05/01)ふざけた大分県教育庁の県民に対する対応

 さて、3月25日に大分県教育庁高校教育課の高畑課長に提出しておいた質問に対する“回答?”がようやく届きました。高畑さん、そして実質的な窓口の足立さんという方々は、日本語の読解能力のない大馬鹿者であるのか、はたまた、馬鹿なふりをして市民を虚仮(コケ)にする不誠実極まりない腐った人物なのか、いずれにしても血税で養うには値しない官吏不適格者のようです。

 まず、私の質問書を再掲しておきます。

 この質問に対して受け取った回答を次に示します(クリックすると拡大表示)。

 一読いただければ分かるように、私の質問で示した証拠資料に対して反論できるような資料は一切示されていません。また、質問事項についても何一つ回答していません。これは質問事項に対する回答の体をなしていないものであり、実にふざけた内容です。以下、この“回答”の文章に対して、検討することにします。

1. 2012年度高文連・高体連会費について

 私は質問書において、証拠資料を添付して、2012年度の高文連・高体連会費の徴収において、高校は高文連・高体連会費について十分な説明を怠り、高文連・高体連会費について保護者に対して支払義務があるものという錯誤を起こさせ、詐取したことを示し、大分県教育庁に対して高校が不当・不法に徴収した高文連・高体連会費の返還を指導することを求めたのです。

 これに対する大分県教育庁高校教育課の回答は、徴収において不当・不法な対応があったことには触れずに、2012年度については既に決算処理が行われているから返還の指導はできないという、無茶苦茶なものです。いくら決算処理が行われていたとしても、そこに不当・不法な処理があれば正すように指導するのが当然であり、決算処理が済んでいることを以って、不当・不法な金銭の徴収=詐欺を免罪する理由にはなり得ません

 次に、“回答”では、

 また、2012年度の高文連・高体連による保護者に対する説明が不十分であったことをうけ、2013年度からは保護者に対して、活動目的、前年度の事業報告などを説明した高文連・高体連からの文章を保護者にお示しし、十分な説明を行った上で協力を頂いています。

としていますが、これは事実無根の虚偽です。
 高文連・高体連会費はともに加盟する高校が高文連・高体連に支払うものであって、その会費支払に対する協力を生徒・保護者に依頼するのは加盟高校の責任において行われているのであって、高文連・高体連には責任はありません。説明を行わなかったのは一重に高校の責任です。
 更に、2013年においても高文連・高体連会費についての説明を行わず、協力依頼をしないままに会費を徴収しようとしたため、私が高校に対して意義を申し立て、初めて問題になったのです。私の異議申立てによって、高校は高文連・高体連会費を徴収した後に、PTA総会において、急遽、文章を配布して『事後承諾』を取り付けたにすぎません。
 更に、大分県教育庁高校教育課に対して私が申し立てを行い、高校教育課が事実関係を確認した結果、2013年度の高文連・高体連会費の徴収においても事前に説明や協力依頼を行わずに徴収が行われていたことを確認したことは、既に高校教育課も2013年10月30日付の高畑課長の文章で認めていたことです。
 なんという杜撰、かつ出鱈目な回答なのか、県民を愚弄するのも大概にしてほしいものです。この回答は、過去の事実経過さえ確認せずに、適当に作文した文章にすぎないことを如実に示すものと考えます。

 この問題について、大分県教育庁高校教育課は、はじめから高校に責任は問わないという結論ありきとしたうえで、理屈をこじつけているにすぎません。
 私の主張は、当初から高校が高文連・高体連会費の支払の任意性を説明せずに、保護者の錯誤を利用して金員を詐取したことを問題にしているのに対して、大分県教育庁高校教育課の主張は二転三転しています。
 2013年9月20日の大分県教育庁高校教育課と私の話合いをうけて、足立さんによってまとめられた文章において、高校教育課は2012年度の高文連・高体連会費の徴収において説明と協力依頼が行われていなかったことを認めていました。

 この文章では、2013年には高文連・高体連会費徴収は正常化したように記述されていますが、実際は事後承諾を受けただけであったことは既に述べたとおりであり、この点については2013年10月30日付の高畑さんの文章で確認されています。

 ところが、高校が不当・不法に徴収した2012年度の高文連・高体連会費について、返還するように指導することを求めると、俄に対応が変化しました。これまでの確認事項を覆し、2012年度についても高文連・高体連会費について説明を行い、支払の任意性は担保されていると主張しました。

 これに対して私は、入学の事前に配布された小冊子に高文連・高体連会費の金額の記載があり、入学式時に釣り銭のいらないように支払うことを指示しているだけであることを証拠資料を以って示しました。高文連・高体連会費の意味や、任意支払いの費目である説明は一切行われておらず、まして支払い意志の確認は行われておらず、私を含めて多くの保護者は高文連・高体連会費は支払義務のある費目という錯誤によって支払ったものであり、高校は高文連・高体連会費を詐取したことを示しました。
 それにもかかわらず、大分県教育庁高校教育課高畑課長は、何ら具体的な事実・証拠を示さずに、2012年度高文連・高体連会費の徴収は十分に説明を行い協力を求めた上で徴収されたものと認識しているという、一旦は自ら認めていた内容(2013年10月30日付文章)を覆す認識を示しました。
 この高畑さんの認識を受けて出したのが今回の質問です。今回の質問では、個人的な主観による認識ではなく、事実・証拠を示して説明を求もたのですが、その結果、高畑さんは私の示した事実・証拠には触れずに(=これは私の主張を認めた、あるいは自白したと解釈されます)、今度は、会計処理が終了していることを以って、高校の不当・不法な行為を免罪するというのですから、あきれ果てるばかりです。

2. 2013年4月から10月までの特別指導費、空調電気代、朝・土曜講座代の返還について

 全くお話にならな内容であり、回答になっていません。質問の内容は、特別指導費、空調電気代、朝・土曜講座代の使途の説明や効果を聞いているのではありません。
 問題は単純です。これらの費目は、PTAという高校とは独立の任意団体が集める学校関係団体費であり、徴収の主体はPTAであること。それにもかかわらず、高校は私に対して徴収主体が高校であり、これらが義務的経費=公費であるように偽装して2013年4〜10月の期間、金員を詐取したのです。これは大分県教育庁が自ら編纂している『学校私費会計取扱要領』に鑑み、明らかに不正な行為であり、これを正すべく指導するのは大分県教育庁の責務です。
 私は、県立高校に対して指導的立場にある大分県教育庁高校教育課に対して、高校が不当・不法に徴収した金員について返還するよう指導することを求めているのです。
 前回の大分県教育庁高校教育課高畑課長の回答では、金を徴収した主体はPTAなので、高校や大分県教育庁とは関わりないと主張しましたが、これは不合理です。なぜならば、PTAに関するこれらの学校関係団体費について、私はPTA会員ではありませんから、PTAは私に対してこれらの学校関係団体費を徴収する権利ないし理由を有していません。PTAが徴収する権利を持たない私に対する学校関係団体費の徴収事務を、高校に事務委託することは出来ません。
 従って、この間、高校が義務的費用を偽装してまで私を欺き、特別指導費、空調電気代、朝・土曜講座代を詐取した行為は極めて悪質であり、高校の独断であり、責任はPTAには関わりのないことであり、全責任は高校に帰す
ことになります。

 今回の大分県教育庁高校教育課の高畑さんの回答は、こうした私の指摘を一切無視して、彼の個人的な見解を述べているに過ぎません。しかもその内容には多くの問題が含まれています。以下、検討していくことにします。

 まず、朝講座・土曜講座代についてです。この問題については国会でも問題になり、文科省から2012年5月9日には「学校関係団体が実施する事業に関わる兼職兼業等の取扱い及び学校における会計処理の適正化についての留意事項等について(通知)。」が出されています。その中で、地方財政法から、学校の運営経費を安易に住民=保護者に転嫁してはならないことが明記されています。地方財政法では、直接間接を問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収することを禁止しています。ただし、通知にもある通り、完全な自発的な意志による寄附金である場合には違法ではないとしています。
 しかしながら通知には、地方公務員の給与についてはたとえ自発的な寄附金であったとしても、保護者などに転嫁することを禁じることが明記されています。
 高畑さんの回答にあるように、朝講座・土曜講座代は、講座を運営するための事務的な必要経費ではなく教師=地方公務員に対する謝礼金=給与ですから、本来保護者などに対する負担の転嫁が禁止されている費目です。
 以上から分かるように、県立高校に於いては、その運営経費は設置者である大分県が支弁することが大原則であり、入学金・授業料以外に受益者負担の名の下に経済的負担を保護者に求めるという考え方がそもそも間違っているのです。
 地方財政法から、たとえPTAという大分県や県立高校とは独立の任意団体という隠れ蓑を使ったとしても、学校運営に関わる特別指導費、空調電気代、朝講座・土曜講座代などを予算化して、PTA会員に対して割り当てて強制的に徴収すること自体が不法行為であって、従って、PTA会員であってもこれらの学校関係団体費を支払う義務は存在しないのです。まして、PTAの会員でもない保護者に対して学校関係団体費の支払義務などは存在するはずもないのです。従って、高畑課長の次の認識は全くの戯言という他ありません。

(前略)これ(=朝講座・土曜講座代:近藤註)は、学校及びPTAが受益を受ける生徒の保護者に対して、必要経費の拠出をお願いするものですから、会員、非会員を問わず、参加する生徒の保護者の皆様にご協力をいただくものと考えます。特別指導費、空調電気代も同様です。(後略)

 高畑さんは、どうして特別指導費、空調電気代、朝講座・土曜講座代をわざわざPTAによる学校関係団体費にしているか全く理解していないようです。これらは全額高校の運営経費に充てるのですから、本来ならばPTA寄附金などという迂回的な手段を取らずに、高校が直接徴収すればよいだけの話です。しかし、それでは学校教育法や地方財政法上問題となるので、わざわざ学校とは独立の任意団体であるPTAによる寄附金という迂回的な形にしているのです。「学校及びPTA」が「受益を受ける生徒」の保護者に対して「PTA会員、非会員を問わず」徴収するなどと言っては、折角作った仕組みが台無しです(笑)。
 付言しておきますと、大分県の県立高校では、本来は参加自由のPTA組織ですが、現実には生徒の入学と同時に保護者をだまして全保護者をPTA会員に囲い込むことが常態化されており、保護者=PTA会員であったために、PTA会員から学校関係団体費を徴収することと保護者から徴収することが同一の意味を持っていたのです。
 PTA会員でない保護者が存在するという状態を想定せずに制度設計が行われていたために、私のようにPTAを退会して現行制度の網からこぼれる保護者に対しても、何が何でも保護者全員から高校への寄附金を強引に徴収しようとした結果が、PTAの集める学校関係団体費を「会員、非会員を問わず」徴収するという出鱈目で本来の制度設計を逸脱したことが今回の不法行為事件となったのです。

 

 このように、法令や文科省通知の意味やその背景を理解せずに、不当・不法な行為を続ける身内を庇うことばかり考える、本質的な意味で無能な県職員を持つ我々県民は実に不幸です。彼らは、合理的な県民の申し立てであっても無法で強引な理論で無視し続ければ済むと考えているのです。恐ろしいことです。日本は無法国家のようです。
 県民の申し出に対して、まともに回答せずに、地方公共団体の暴走を防ぐための法令や、自ら編纂した「学校私費会計取扱要領」さえ理解していない出鱈目な“回答”を出しておいて、

今後、同趣旨のご質問をいただいたとしても回答はいたしかねますのでご了承ください。

平成26年4月30日

大分県教育庁 高校教育課長
高 畑 一 郎  

一方的に県民への対応を打ち切ることが許されてしまうのが行政なのです
 この回答を受け取った後、これでは私の提出した問題点に対する回答になっていないので認められない旨を、高校教育課の足立さんに電話で申し入れましたが、「見解の相違なので水掛け論になるから打ち切る」と答えました。ふざけてはいけません、これは見解の相違ではなく、教育庁は私の疑問に答えていないのです。


 この行政の横暴を誰も止めることが出来ないのが今の地方自治なのです(勿論形式的には行政訴訟という道もありますが、司法は完全に国家権力に掌握されていますから、余程のことがない限り住民が勝訴することはあり得ません。)。

 

No.930 (2014/04/24)杜撰な大分県の県立高校事務

 さて、新年度が始まり、娘も高校3年生になり、保護者として県立高校と直接交渉できる期間は1年間を切りました。今年は県立高校・大分県教育庁とのこれまで2年間にわたる交渉の確認期間であると考えています。

 今週、娘の通う高校から2つの文章を受け取りました。ところが、その内容はこの間の高校・大分県教育庁と交渉してきた内容を全く反映していない内容でした。まず全文を示します。

 この、独立行政法人スポーツ振興センターの災害給付共済の掛金については、大分県教育庁の「学校私費会計取扱要領」においてPTAが取り扱う学校関係団体費として扱うことになっています。またしても、徴収主体を高校であるように装った詐欺文章になっています。

 そして、進路説明会・学年保護者会・学級懇談会の案内文章です。これらの会合については昨年度大分県教育庁に確認して、高校が全保護者を対象に行う説明会であることを確認していたのですが、またしても主催者にPTA会長が名を連ねています。

 このまま黙認できない内容でしたので、娘の担任に対して確認のための手紙を渡すことにしました。

 この質問に対して、校長から回答が届きました。

 何とも緊張感のない県立高校の学校事務の杜撰な対応には呆れ果てます。

 現実にはPTAの文章も、徴収事務を請け負っている高校の事務方が作成しているわけですから、全ての文章作成は高校の事務方によるものです。校長並びに高校の事務方は、大分県教育庁からの指示や文章に対して十分にその意味の重要性を理解していないから、このような無様なことを繰り返すのでしょう。彼らのいい加減さ、杜撰さを見れば今後もこのような事態が繰り返されると覚悟しなければならないようです。以下、訂正された文章を紹介します。

No.929 (2014/04/19)混迷を続ける福島第一原発汚染水処理

 相変わらず、福島第一原発の汚染水処理作業は失敗続きです。つい先日、4月14日にはポンプの操作ミスで約200トンという大量の高濃度放射能汚染水が、焼却工作建屋に流れ込みました。この件については、単なる操作ミスではなく、悪意を以って故意に行われたのではないかという憶測まで飛び交っているようですが、いずれにしても東電の管理能力のなさがまたもや露呈した形になりました。

 18日に、地下水バイパスの目的で掘られた地下水汲み上げ井戸の水質検査の結果が公表されましたが、井戸の一つから基準を超えるトリチウムが検出されました。

 現在の福島第一原発の冷却汚染水処理の基本計画は、原子炉建屋海側に遮水壁を作り、これとは独立に原子炉建屋周辺を囲う様に凍結土壁を構築し、更に山側に地下水流入を減らすための井戸を掘り、地下水を汲み上げるというものです。

 

 当初の計画(2011年8月31日)では、海側に下図に示すような鋼管矢板による連続壁を作るものでした。

 更に、海側の遮水壁と連続する形で陸側の連続壁を次のように施工する事が考えられていました。

 御存知の通り、この陸側の連続壁の計画はなくなり、その代わりに原子炉建屋を囲む形の凍土遮水壁の施工の計画が進められています。

 図からわかるように、原子炉建屋からの汚染水の遮水境界は当初計画に比べてずいぶん縮小されることになりました。

 現行の計画では、建屋を凍土遮水壁で取り囲んで高濃度汚染水の新たな周囲への拡散を止め、同時に山側に掘られた井戸によって地下水をポンプアップすることで山側から建屋に向かうの地下水流入量を減らし、海側への汚染水流量を減らすことが考えられています。

 

 この福島第一原発の汚染水制御計画は、今のところ何一つ完了していません。最初に着手されたのが手っ取り早い地下水汲み上げ用の井戸の施工でした。今回12本の井戸が作られ、汲み上げた地下水の水質を検査したところ、一番南側の12番の井戸から、基準を超える高いトリチウムが検出されたのです。

 原子炉建屋からの放射性物質の汚染水の拡散している範囲は、東電の予想以上に広範囲に及んでいることが確認されました。

 トリチウムは化学的には水素と同じですから、フィルターで取り除くことは難しく、結局は大量の水で希釈して海洋投棄することになるのでしょう。

 更に、原子炉建屋を囲む凍土遮水壁についても数々の問題点が指摘され、施工が遅れています。 

msn産経ニュース
「凍土壁」6月着工困難に 規制委と経産省の対立露呈 福島第1原発
2014.4.18 20:53

 東京電力福島第1原発事故の汚染水問題で、経済産業省と東電が建設を進める「凍土遮水壁(とうどしゃすいへき)」について、原子力規制委員会は18日の検討会で、原子炉建屋が地盤沈下したり周囲環境に影響を与えたりする可能性があるなど、安全性の問題を次々と指摘した。会合では経産省と規制委との対立が露呈し、政府が目指す6月の着工は困難になった。

 規制委の更田豊志委員は「どれだけ安定的に(凍土壁を)管理できるか。不測の事態に何が考えられるか検討したい」と述べ、経産省と東電に対し質問リストを出すことを明らかにした。

 凍土壁は汚染水対策として、政府が昨年9月に国費約320億円の投入を決定。東電は今年3月、規制委に凍土壁設置の申請書を提出し、規制委は安全性と有効性の点から設置の認可を検討してきた。

 会合では、安全性に疑問を示す規制委側に対し、経産省側は「過去に一線級の専門家に集まってもらい検討した」と強調したが、更田委員が「一線級だろうが関係ない。データや根拠を示してほしい」と声を荒らげる場面もあった。

 規制委側は特に、凍結管を地中深くまで掘って設置することから「帯水層に影響が出ないか」「大規模な凍土壁は前例がなく制御できるか」と懸念。また電気代など毎年維持費に数十億円かかるという点についても疑問視している。

 検討会のメンバーである高木郁二・京都大教授も「地下水の動きをちゃんと分かっているわけではない。(データの把握に)すごく時間がかかるかもしれない」と述べた。

 規制委は現状では認可しない構えだが、東電はすでに本格着工に向けた試験ボーリングを開始。今年度中の完成を目指しているが、規制委の反対で汚染水問題の解決そのものが停滞する可能性がある。(原子力取材班)

本当に目論見通りの遮水効果、放射性物質の拡散を抑止できるのか今のところ不透明です。

 

 福島第一原発の汚染水制御は本当に可能なのか、何とも心もとない限りです。今もなお、大量の放射性物質が海洋に垂れ流され続けているのです。

 

No.928 (2014/04/16)IPCC第5次評価報告書を考える

 既に、横浜で公表された第2作業部会報告書について、自然科学的に誤っている人為的CO2地球温暖化仮説に基づく稚拙なコンピュータ・ゲーム(とてもシミュレーションとは呼べる代物ではありません)による砂上の楼閣、虚像の未来像であることに触れました。

 今回、ドイツで開催された第3作業部会報告書が公開されましたので、一応触れておくことにしておきます。まず、経済産業省のHPから紹介します

 第3分会報告を報道した新聞記事を次に示します。

 これはもう、全く荒唐無稽としか言いようのない内容です。「産業革命以後の気温上昇を2℃以内に抑える」ためには「大気中CO2濃度を450ppmに抑える」必要があり、そのためには「2050年までに人為的なCO2排出量を40〜70%削減」し、今世紀末には「大気中からCO2を回収する」必要があるというのですから、笑ってしまいます。
 日本も含めて、世界中の国が工業化による更なる経済発展を求めて経済規模の拡大に躍起になっていて、一体どうしてCO2放出量を減らせるというのでしょうか?ふざけたことを言ってはいけません。IPCCのシナリオなど努力目標とも言えない、ただの空論です。

 IPCCが述べている内容は、地球の表面環境の温度=気温が、大気中の微量気体であるCO2濃度によって完全に制御されており、その濃度は人間のCO2放出量によって制御可能だというのですからお話になりません。正に砂上の楼閣の無意味な議論です。

 私の心配は、人為的なCO2地球温暖化ではなく、このIPCCのシナリオを信じて、「低炭素エネルギー」をはじめとする、非効率的で資源浪費的な対策を本気で導入しようとすれば、その経済的な負担と資源の浪費で石油文明は取り返しの付かないほど劣化することです。

 IPCCのシナリオに沿うことで、発展途上国の自律的な近代化の契機は失われ、欧米優位の世界体制が固定化されることになります。穿った見方をすれば、人為的CO2地球温暖化脅威説とは、発展途上国の自律的な発展を抑えこむために国連を隠れ蓑にして、欧米が仕掛けた世界規模のペテンなのです。
 このIPCCの陰謀を打破するためには、私達が科学リテラシーを身につけることしか無いのですが、この国の科学教育や研究機関の堕落はますますひどくなるばかりのようです。

 

 今日のNHK総合「くらし解説」という番組で、おなじみのオタク解説委員室山哲也が、相変わらずIPCC報告を100%信じて愚かな解説をしていました。この愚か者には付ける薬がないようです。

 

No.927 (2014/04/14)公立高校の土曜授業解禁について

 このHPでは、「大分県の県立高校における教育・PTAの諸問題」というコーナーで、公立高校の教育環境についての問題点について考察を続けています。その中の一つの大きな問題が、完全週5日制導入後における土曜講座などの、正規の学校教育の枠外の補習講義です。

 おそらく平成14年(2002年)に公立高校における完全週5日制が導入された直後から、減少した授業時間を補填するために、多くの公立高校において、早朝講座や土曜講座などの高校教育課程の枠外の補習講義が始まったであろうと考えられます。
 公立高校における授業時間が減少したこと、それに伴う教育の質の変化等も重要な問題ですが、ここではとりあえずこうした問題には触れず、制度的な問題について焦点を絞って話を進めることにします。

 さて、ここで問題になったのが、公立高校の教育課程の外で行われる補習講義を誰が担うかということです。これは現実的には公立高校の施設を使って公立高校の教職員が講師を務める以外にありません。問題は、教育公務員である教師に対して、定期的に行われる時間外勤務を行わせることが法的に禁止されていることでした。

『公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令(平成15年12月3日政令第484号)』

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法
(以下『法』という。) 第6条第1項 同条第3項 において準用する場合を含む。)の政令で定める基準は、次のとおりとする。
(1)  教育職員( 法第6条第1項 に規定する教育職員をいう。次号において同じ。)については、正規の勤務時間( 同項 に規定する正規の勤務時間をいう。以下同じ。)の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務(正規の勤務時間を超えて勤務することをいい、 同条第3項 各号に掲げる日において正規の勤務時間中に勤務することを含む。次号において同じ。)を命じないものとすること。
(2)  教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。
イ  校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ  修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ  職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
ニ  非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

 そこで苦肉の策として考え出されたのが、形式的に公立高校ではなく、社会教育関係団体であるPTAの主催で学校施設を使用して、PTA会員である教師が講師を務めるという形だったものと思われます。

 この補習講義の講師である公立高校の教師たちが、PTA会員としてボランティアで補習講義を行うのか、あるいはPTAから報酬を得てアルバイトとして講師を務めるのかという2つの形態が考えられます。教師がPTA会員としてボランティアで行える範囲で無償で補習講義を行うのであれば、制度上の問題はありません。
 しかし、実際には多くの公立高校において課外の補習講義を行う教師は、PTA会費ないしPTAからの寄附金に類する資金にから『謝礼金』という名目で給与を受け取り、アルバイトとして補習講義を行っています。

 この問題が顕在化したのが、2012年3月9日、自民党の義家弘介参議院議員が沖縄県で行われている課外の補習講義の実態を国会質問で暴露したことによります。この義家議員の質問は、反日教組の立場から、課外の補習授業の講師を行う教師が、@公務員の兼務許可を得ずにAPTA会費からの流用、という不正行為を行ってきたことを告発することに主眼があったものと思われます。
 私の日教組に対する立場は義家議員とは全く異なりますが、それでも彼の指摘した問題は重大であり、彼の行動は評価します。

 自民党議員の発言であったために、官僚の対応は早く、文部科学省は5月9日には「学校関係団体が実施する事業に関わる兼職兼業等の取扱い及び学校における会計処理の適正化についての留意事項等について(通知)。」を出しました。

更に、文部科学省は全国の教育委員会に対して調査を実施し、2012年12月に結果を公表しました。

 補習講義の講師謝礼金の調査結果において、大分県は含まれていません。この調査は、あくまでも公務員の兼業の許可を得ずに『不正』に謝礼金を受け取った事例をまとめた報告です。大分県についても謝礼金を受け取っていますが、大分県教育庁高校教育課高畑課長は教育公務員特例法第17条に従って適切に処置しているので問題無いと回答しました。

教育公務員特例法
(昭和二十四年一月十二日法律第一号)
最終改正:平成二四年八月二二日法律第六七号

第三章 服務

(兼職及び他の事業等の従事)
第十七条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項 に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会。第二十三条第二項及び第二十四条第二項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
 前項の場合においては、地方公務員法第三十八条第二項 の規定により人事委員会が定める許可の基準によることを要しない。

 しかし、大分県教育庁が主張するように兼業の届出さえしておけば本当に問題ないのでしょうか?

 2012年12月の文部科学省の調査報告の2ページ目の枠外の赤線で示した記述は重要です。

学校の管理経費(職員の人件費は除く)については、割り当てて強制的に徴収するのではなく、PTA等学校関係団体等が真に任意に経費の支援を行うことは禁止されていない。

 これは、地方財政法の規定を述べたものと考えられます。

地方財政法
(昭和二十三年七月七日法律第百九号)

(割当的寄附金等の禁止)
第四条の5

国(国の地方行政機関及び裁判所法 (昭和二十二年法律第五十九号)第二条 に規定する下級裁判所を含む。)は地方公共団体又はその住民に対し、地方公共団体は他の地方公共団体又は住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金(これに相当する物品等を含む。)を割り当てて強制的に徴収(これに相当する行為を含む。)するようなことをしてはならない。

(都道府県が住民にその負担を転嫁してはならない経費)
第二十七条の三
 都道府県は、当該都道府県立の高等学校の施設の建設事業費について、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。

 大分県の県立高校では、本来参加自由の任意団体であるはずのPTAを強制加入の組織であるように装って、全保護者をPTAに囲い込み、金融機関の口座からの引き落とし=強制的にPTA会費やその他寄附金を徴収しているのが実情です。その結果、保護者自身が気付いて訴えない限り、本来なら支払う必要のない寄附金を入学金や授業料に上乗せして支払うことを求められ、実質的に県立高校に支払う費用が数倍になっているのです。
 文部科学省の調査報告の欄外の記述が示す通り、特別指導費、空調電気代などは支払いの任意性が担保されている場合に限って禁止されていないのであって、強制徴収は違法なのです。また、カッコ書きで書かれている『職員の人件費は除く』からみて、任意の寄附金であっても人件費を徴収することは許されないと解釈すべきです。つまり、たとえ任意であったとしても朝講座・土曜講座代を寄附金として徴収することは許されないのです。

 

 これまで見てきたように、完全週休5日制の下で土曜講座などの課外授業を正当化するためには制度的に根本的に無理があることは否めません。そこで、文部科学省は公立高校の現状を追認する形で、2013年11月29日に学校教育法施行規則を一部見直しを行うことになりました。

具体的には次のような内容になります。

 この規則の改正によって、地方公共団体の教育委員会が必要と認めれば、土曜日に高校教育課程内の正規の授業を行うことが可能となりました。大分県では、2014年度4月から、高校からの要望があれば土曜日に講義を行うことを認めることにしました。新聞報道を次に紹介します。

 新聞報道にある、県高校教職員組合の批判は解せません。則松佳子書記長の発言をそのまま受け止めれば、これまで大分県の県立高校では土曜日に補習講義が行われていなかった、あるいは土曜講座は外部講師が行っていたということになります。
 しかし、私の娘の通う県立高校を含めて、実際には大分県下の多くの県立高校では土曜日に補習講義が行われ、講師は高校の教師が努めています。このような現実とはかけ離れたコメントが出ることに不信感が拭えません。

 

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