No.1287(2019/09/06) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うG
温室効果ペットボトル実験に対するコメント

 さて、ネット上にはペットボトルを使った空気と二酸化炭素を用いた温室効果の比較実験が様々なバリエーションで紹介されています。容器としてペットボトル以外の透明なボールを用いたものもありますが、ここでは同じものとします。実験は二種類に集約できそうです。

 まず一つの例として、ペットボトルを太陽光で温めるタイプの実験があります。おそらくその意図は、試料気体を詰めたペットボトルを地球と見立てて、地球大気の温室効果を丸ごと再現するのが目的なのでしょう。
 しかし、これはまったく不可能な実験です。ペットボトルのサイズではそもそも地球大気の空間的な広がりの影響を表すことができないからです。温室効果が発現する条件をまとめておきます。

@大気中に赤外活性を持つ気体が存在すること。
A地球大気が重力の影響で高度に対して密度が変化し、高さ方向の大気温度に勾配が存在すること。
B地球大気の外側に真空の宇宙空間があること。

 大気温度は、地表面に接するところでは、地表面と熱平衡=同じ温度になります。大気中では大気密度が高さ方向で減少するために、高度が上がるにしたがって大気の温度が低下します。ペットボトル実験では、ペットボトルという閉鎖された小さな空間に試料気体が封入されているので、容器内の気体温度は一定になるため、温度勾配を再現できません。したがって、ペットボトルというスケールの限界で温室効果を再現することは不可能です。
 次に、ペットボトル実験を大気中で行っているので、真空の宇宙空間を再現できません。温室効果が発現するためには、ペットボトルからの放熱は全て赤外線放射で行うことが必要です。大気で包まれた環境では熱伝導及び空気の対流の影響で、放射以外の経路で放熱・吸熱が起こるため、温室効果は再現できません。

 大気中の実験では、試料気体に温室効果があっても無くても結果は等しくなります。大気中で実験を行えば、行った場所の温度状態が定常的に保たれていれば、ペットボトルを置いた空間の局所熱力学平衡と見なせる環境とペットボトルは、定常状態では、熱平衡になるので、ペットボトルの温度、そして内部の試料気体の温度は環境温度と等しくなるからです。

 以上をまとめると、ペットボトル実験では温室効果の再現は不可能であり、ペットボトル内の試料気体が異なっても温度差が観測されることはありません。
 もし温度差があるという結果を得たならば、実験が適切に行われていないことの証です。考えられるのは、比較する二つの試料の実験条件が統一できていないこと、温度測定機器のキャリブレーションが適切に行われていないこと、あるいは実験を定常状態になるまで継続していないことなどが考えられます。

 二つ目の例は、もう少し現実的な実験です。温室効果は赤外活性気体による地表面放射の吸収によって生じます。そこで、気体の違いによって、地球放射の吸収エネルギー量が異なることを検証しようというものです。
 
この場合、太陽光ではなく赤外線ランプを使うようです。これについては前回触れましたが、地球表面放射の温度は平均すると288K程度なので、ランプなど必要ありません。あまり地味な実験なので、せめてランプを使おうというのでしょうが、これが失敗の原因の一つです。赤外線ランプの光源温度が高すぎるだけでなく、点光源には難しい問題があります。

 上図に示すように、点光源を使うと太陽光と異なり、光源とペットボトルの位置関係によってエネルギー密度が大きく変化するため、よほどうまくペットボトルの位置を設定しなくては、比較試料の条件をそろえることが困難になります。また、前の例とも共通ですが、空気やペットボトルという夾雑物があるため、気体による赤外線吸収の実験にはなっていません。

 この実験では、気体の違いによる吸収エネルギー量の違いが気体の温度の違いで計測できるという前提で実験を組み立てたことが間違いです。
 前々回示したように、波長λに対応する試料気体の吸収スペクトルの値をs、地表面放射の強さをIとすると、吸収エネルギー量Eは二つの値の積 s×I を波長λについて(0,∞)の範囲で積分することによって求められます。

E=sI dλ

 したがって、赤外線の線源の赤外線放射スペクトルと試料気体の吸収スペクトルを測定しなければ、吸収エネルギー量は求めることができません。

 地球表面放射の試料気体による吸収とその温度計測をする目的では前回示した無意味な実験装置を使えばよいのですが、試料が異なっても定常状態に至った試料気体温度は環境温度と一緒になるだけであり、温度差から吸収エネルギー量の違いを示すことはできません。無意味な実験です。

 

 最後に、ネット上で見つけられる代表的なペットボトル実験の例を紹介しておきます。
google検索「温室効果 ペットボトル実験」という検索で上位に上がるものは以下の通りです。
【自由研究・地学】二酸化炭素の性質から地球温暖化の原因を探る (ReseMom)
実験1 温室効果 (さぬき市立大川第一中学校)
二酸化炭素の温室効果を確かめる─ 化学から環境科学へ
地球温暖化のデモンストレーション実験 (東京理科大学川村研究室)
二酸化炭素の性質(保温効果)を調べよう (香川大学教育学部)
温室効果ガスの検証実験と中学校における教材化に向けた基礎研究 (弘前大学教育学部)

 これらのレポートでは、実験の手法についての記述はあるのですが、科学実験の基本的な要件が欠落しているとしか言えません。科学実験を行うのであれば、

@一体どのような現象を解明するために、何を対象に実験を行うのかを決める
A実験の目的を理論的に示し(理論仮説の提示)、そのために必要な実験条件、測定項目を決める。
B結果を目的と理論的な背景に照らして分析し、評価する。

程度が最低必要でしょう。しかし全てのレポートで、私には一体どのような現象を実験で確かめようとしているのかすら理解できませんでした。目的、その理論的背景に至ってはまったく説明されていませんでした。
 温室効果がどのような現象であるのかさえ分からずに、一体何を検証しようとしているのでしょうか?試料気体の赤外線吸収特性を検証しようというのであれば、すべての実験装置は熱伝導ないし対流による熱移動が支配的であり、不適切です。
 全ての実験で測定項目とされている気体の温度という示強性変数が定義できるのは、熱力学平衡ないし局所熱力学平衡の状態でなければなりませんから、温度が変化している非定常状態で判断する問題ではありません。温度の変化を測定するのは、実験系が定常状態になったかどうかを確かめるためであって、途中経過には意味はありません。

 このような科学実験の体を成していない『見世物』で、児童生徒に対して誤った認識を植え付ける行為は断じて許してはいけないのではないか、と私は考えます。
 ここに紹介したレポートの結果はひどくばらつきがありますが、いずれも温度の違いで温室効果が確かめられたという評価になっていますが、本当でしょうか?

 弘前大学教育学部のレポートの中で、乾燥空気と空気の比較実験が行われていますが、全く差がなかったということになっています。この点については理論的にもっと真剣に考察すべきであろうと思います。
 水蒸気は大気の中で最も温室効果に対する寄与の大きい気体です。これを取り除いた乾燥空気と差がないということは、考えられることは、ペットボトル程度の試料気体の光学的な深さでは赤外線吸収がほとんど起こっていない可能性が高い、あるいは用いた実験装置では熱伝導ないし対流による温度上昇が支配的であり赤外線吸収現象がほとんど起こっていないことなどが考えられるでしょう。
 その他、弘前大学教育学部のレポートでは、同じ空気に対する複数の結果で温度変化曲線が全く異なっており、実験の再現性も大いに疑問です。

 そのような中で、唯一結果に有意差が見られないという報告を見つけました。おそらく慎重に実験装置の調整を行われたのであろうと推測します。敬意を表します。

気象実験(#EX)http://www.ny.airnet.ne.jp/satoh/expmkidsEX.htm

 このレポートの素晴らしい所は、温室効果に対する理解は不十分ではあるものの、実験結果に対して他のレポートでは見られない真摯な分析が行われていることです。


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No.1286 (2019/09/05) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うF
No.1288 (2019/09/10) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うH


 

No.1286(2019/09/05) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うF
温室効果ガス赤外線吸収の理想的な実験装置=無意味な実験

 前回まで、実験装置や実験結果の評価についてまとめてきました。今回は、簡単でしかも理想的な実験装置を考えてみます。

 現在行われているペットボトルと熱源による実験装置の問題点は、

@あまりにも条件設定が不確実であり、再現性の確保、実験結果の安定性に欠けることです。系の温度状態が定義できるのは、着目している系が熱平衡状態にあることが必要です。
Aもう一つの問題は熱源の温度です。あくまでも地球大気の温暖化を対象とする実験ですから、熱源の温度は地表面の平均的な温度である15℃=288K程度を用いるのが現実的です。

 これらの問題点を改善することを考えます。
 実験の主眼は、地表面放射に対する吸収ですから、出来れば可視光線や紫外線は必要ありません。既存の実験では試料気体を赤外線で温めなければならないという思い込みから、赤外線ランプなどで光を当てることが必要だと勘違いしているようです。例えば、ハロゲンライトの放射特性は次の図に示すようなものです。

 このハロゲンランプの放射特性は表面温度3000Kの黒体放射スペクトルです。ピークの波長は、ウィーンの変位則から計算できます。

λmax=2897.77/3000=0.966μm(=966nm)

 約1.0μm付近にピークがある分布です。地表面放射は表面温度288Kとすると、ピーク波長は

λmax=2897.77/288=10.06μm(=10060nm)

ですから、ハロゲンランプによる赤外線放射スペクトルはまったく地球放射とは異なるものです。ハロゲンランプを用いる段階でこの実験は不合格です。

 理想的な実験装置を下図に示します。

 ペットボトル実験では、熱源と試料気体の間にペットボトルの容器と空気という夾雑物がありました。この夾雑物を全部取ってしまえばよいのです。熱源を容器そのものとしてその中に試料気体を充填しておけば良いのです。
 容器としては、不要な可視光線を遮るために熱伝導性の良い金属容器(内面を黒くする)や黒っぽいビール瓶を用いるのが良いでしょう。この金属容器を熱平衡状態になるまで一定温度の空間に放置しておけば実験は完了です。

 最終状態では、金属容器の温度は空間と等しくなります。容器の中では容器の表面温度と気体も熱平衡状態になります。温度勾配がなくなりますから熱伝導は無視できるので、金属容器内は熱放射平衡の理想的な状態になっていると考えられます。

 一定温度の空間ですが、特別なものは必要なく、気温を一定に保持する事の出来る部屋があればよいのです。

 つまり、この実験は、試料気体を金属容器に充填して、一定温度の部屋に長時間放置しておけば良いだけのことです。定常状態になった最終状態の試料気体温度は室温と同じになります。これは経験的に分かり切ったことであり、今更改めて実験する必要などないでしょう(笑)。

 

 なぜこのようなバカな実験が企図されたのでしょうか?それは、吸収したエネルギーが多いほど気体の内部エネルギーが大きくなる=温度が高くなるという短絡的・一面的な思い込みから生まれたものです。
 これは、一定温度の部屋で、容器に異なる気体を入れて放置すると、容器ごとに温度が異なる状態で定常状態になると言っているのと同じです。これは熱平衡に反する状態であり、常識的にもあり得ないことです。

 放射現象では、ある温度Tの平衡状態では、物質はステファンボルツマンの式で求められる黒体放射に対して一定割合のエネルギーを吸収します。これを吸収率ε (0<ε<1.0)で表します。同時に、温度Tの物質は黒体放射に対して一定の割合のエネルギーを放射します。放射する割合は吸収率εと等しくなります。
 つまり、熱平衡状態では、物質は吸収したのと同じだけのエネルギーを放射するために内部エネルギーは変化せず、従って定常状態=熱平衡状態になるのです。
 たくさん吸収する物体はたくさん放出するのです。熱平衡という状態を理解せずに、エネルギーの吸収量だけを見て、放出量も大きくなることを見落とした結果、誤った思い込みになったのです。


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No.1285(2019/09/04) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うE
小中学生向けの安直で杜撰なCO2温暖化実験計画の問題点を探る 2

 前回は主に実験条件や装置についての留意事項をまとめました。今回は、仮に実験がうまくいったらどうなるのか、実験をどのように評価すればよいのかを考えることにします。

 さて、前回も少しふれましたが、ペットボトルを使った温室効果の実証実験(笑)では、実験の評価として、気体の温度を計測しています。
 しかし、温室効果の実験の目的は、「気体の組成の違いによって、赤外線として吸収されるエネルギー量にどのような違いが出るのか?」であるはずです。
 ペットボトル実験では、私の知る限り、吸収赤外線量を計測したり、温度変化から吸収赤外線量を推定したものはありません。つまり、何の検討もなく『温度=吸収赤外線量』であることを前提にしています。既にこの段階で評価基準を誤っていますから、たとえまともな実験ができたとしても正しい評価ができないことが確定しています。

 もう少し具体的に示してみましょう。

 例えば上の図で地球下層大気について考えます。大気は混合気体ですから、大気を構成する個々の気体分子も同じ温度です。
 例えば水蒸気H2Oの地表面放射吸収量は、上図の水蒸気の吸収スペクトルと地表面放射の分布を参考に、ある波長λに対応する水蒸気の吸収スペクトルの値をs、地表面放射の強さをIとすると、吸収エネルギー量Eは二つの値の積 s×I を波長λについて(0,∞)の範囲で積分することによって求められます。つまり、

E=sI dλ

です。したがって、同じ温度の大気であっても、水蒸気H2Oに比較して吸収スペクトルの着色面積の小さい二酸化炭素CO2の吸収エネルギー量ははるかに小さくなります。

 以上から、温室効果の実験を行うのであれば、吸収赤外線エネルギー量を計測するか、温度から間接的に吸収エネルギー量を評価する換算を行う必要があるのです。

 さて、仮に赤外線源からの赤外線を試料気体が正しく吸収する実験装置ができた場合、理想的にはどのような結果が得られるかを推定します。

 上図に、実験開始時の状態を模式的に表します。
 ペットボトルに赤外線を放射する線源の温度をT0とし、放射スペクトルは黒体放射で近似できるものとします。
 一方、試料の気体の温度をT1とします。気体の吸収スペクトルは、簡単のために、吸収帯域ですべて100%だとします。試料の気体は線源から放射される赤外線の内、桃色で示した部分の赤外線を吸収します。しかし、T1<T0なので、試料気体からの熱放射はハッチをつけた部分になります。

註)実際には試料の吸収スペクトルは温度によって少し分布が変化しますが、最終的な結果には影響しないのでここでは一定と考えておいてください。

 したがって、試料気体は吸収したエネルギー量と放出したエネルギー量の差分を試料気体の内部エネルギーとして蓄えることで温度が上昇し始めます。
 そして最終状態として、線源と試料気体は放射平衡に達してT0=T1と同じ温度になります。最終状態では試料気体が線源から吸収するエネルギー量と試料気体からの熱放射のエネルギー量が釣り合います。

 以上の思考実験から次のことが言えます。

 @この実験は、線源と試料気体が放射平衡に達するまで行うこと、つまり温度変化がなくなるまで行うことが必要。

A試料気体として異なる物質を用いても、最終的に試料気体の温度は線源温度と同じになる。

 さて、いかがでしょうか?この結果はまったく不思議ではなく、温室効果とか地球温暖化などと言わなければ、誰でも日常的・経験的・体感的にわかっているはずの、ごく当たり前のことです。温室効果=特別なことという先入観が偏見を生んでいる典型的な例ではないでしょうか?

『熱の交換が可能な物体系において,物体間に熱の移動がなく,かつ相の変化もないときに,これらの物体系は熱平衡にあるといい,熱平衡にある各物体の温度は等しい。』
    (出典:熱平衡(英語表記)thermal equilibrium ブリタニカ国際大百科事典より)

 したがって、温室効果の比較実験において、実験がうまくいっていればすべての気体試料の最終温度は線源温度に等しくなるのです。温度差のある結果を得たということは実験が失敗している証拠というべきです。あるいは、実験がうまくいけば温度差が出ないのですから、実験自体行うことが無意味ともいえるでしょう(笑)。

 さて、そうするとこういう疑問が出るかもしれません。「大気の赤外線吸収量が大きくなっても大気の温度が変わらないことになってしまうのではないのか?」と。
 もともとペットボトル実験による気体の赤外線吸収量の実験で、巨大な空間的な広がりを持つ大気の温室効果を丸ごと再現することなどできないのです。問題が全く異なります。

 現在の地球大気では地表面放射の一部が大気の窓などからそのまま宇宙空間に漏れています(放射冷却:12)。この漏れている地表面放射と対流圏大気上層からの低温の赤外線放射(57)を合わせたものが、有効太陽放射(20+49=69)と釣り合っているのです。

 大気の赤外線吸収能力が大きくなると、地表面放射の宇宙空間への放出が12よりも小さくなります。これでは有効太陽放射よりも地球からの赤外線放射が小さくなってしまいます。有効太陽放射と地球からの赤外線放射の差分が大気に蓄えられ、大気の温度が高くなります。それにしたがって、対流圏上層の温度も上昇し、大気からの赤外線放射が増加し、再び有効太陽放射と地球からの赤外線放射が釣り合って定常状態を回復するのです。
 この過程で、大気から地表に向かう赤外線放射も増加し、地表面温度が上昇し、地表面付近でも地表面とこれに接する大気の間に熱平衡が回復されるのです。

 ペットボトル程度のスケールの実験で再現出来るのは、地表面と地表面に接する大気が熱平衡になることを示すことなのです。
 したがって、ペットボトル実験では、最終状態として試料気体と赤外線の線源温度が同じになって定常状態を回復することが正しい結果なのです。


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小中学生向けの安直で杜撰なCO2温暖化実験計画の問題点を探る 1

 連載の初回でも一例を紹介しましたが、小中学生向けの温暖化の実験で最も多く行われているのがペットボトルを用いたCO2と空気の温室効果の比較実験ではないでしょうか。今回はこの種の実験について問題点を整理しておこうと思います。

 さて、この種の実験が行われているのは、勿論IPCCや日本の気象学者たちが主張している人為的CO2地球温暖化脅威論を説明することが目的です。しかし、地球大気の温室効果、特にCO2濃度が上昇した時の地球大気の温室効果の変化を比較実験で再現するのは、非常にむつかしいことです。どのような実験を行うことが必要かを整理します。

 

 まず、現在の対流圏低層大気の赤外線吸収スペクトルと、CO2の赤外線吸収スペクトルを確認しておきます。注目すべきなのは、10μm付近にピークを持つ地球表面からの赤外線放射の分布域に重なるCO2の吸収スペクトルです。最も重要なのはピークに近い15.01μmを中心とする帯域と、次に4.26μmを中心とする帯域です。
 この実験で確認すべきは、大気中のCO2濃度の増加によって15.01μmを中心とする帯域と4.26μmを中心とする帯域で地球の表面放射の吸収がどの程度大きくなるのかということを示すことです。
 ペットボトル実験の第一の問題は、大気やCO2の赤外線吸収スペクトルと地表面放射のスペクトルの分布帯域に対して何も考慮されていないことです。

 ここまでの検討から、いくつかの実験条件が明らかになりました。

@試料にエネルギーを供給する赤外線源は10μm付近にピークを持つ地球の表面温度程度の発熱体であること。

A対流圏下層大気の試料に対する比較の試料は、CO2濃度以外は対流圏下層大気の組成、水蒸気濃度であること。

 次に、試験装置、試料を封入する容器に対して必要な条件を考えます。この実験はあくまでも試料である大気、あるいはCO2濃度を高くした大気の地表面放射の吸収実験です。したがって実験装置の満たすべき条件として

B赤外線以外の影響を排除するために、試料は完全に断熱された空間に、熱容量がゼロで遠赤外線領域が透明な材質の容器に入れて納めること。

 断熱性を確保するためには試料を真空の空間の中に置くことで対処できます。しかし、真空の空間中に納める熱容量がゼロで透明な材質の容器は残念ながら存在しません。
 この種の実験では、実際には試料の容器としてペットボトルを用いています。ペットボトルは、PET樹脂で作られた容器です。PET樹脂の赤外線吸収スペクトルを下図に示します。

 図に示す通り、10μmをピークとする地球表面放射の分布域において、PET樹脂はかなり高い吸収スペクトルを示しています。ペットボトル実験の第二の問題は、地表面放射はペットボトル内の試料に吸収される以前に大部分がペットボトルで吸収されることになることです。

 次に、どのような目的で、どのような試料を使うのかという問題です。
 この種の実験では、大気に対する比較試料として100%のCO2を使っています。100%のCO2とは、体積濃度1000000ppmですから、現在の大気中CO2濃度を400ppmとすると2500倍の濃度ということになります。これは比較実験としてあまりにも極端すぎる試料です。
 あくまでも検証すべきは地球の低層大気の温室効果の変化ですから、大部分はN2とO2の混合気体でなければ意味がありません。100%のCO2の試料は地球大気の温室効果とは全くかかわりのない試料です。

 最後に実験手法についての問題を指摘しておきます。この種の比較実験では、私の見た限りでは、実験開始からのペットボトル内の気体の温度の時間に対する変化を記録しています。そしてある程度の時間が経過したときに温度差があることを持って温室効果の違いであると結論付けています。これでは話になりません。

 大気の気温とは局所熱力学平衡状態の大気の運動エネルギーの平均値です。つまり、時間に対して試料の温度変化が停止するまで実験を継続しなければなりません
 更に、容器内の気体の気温上昇速度は、吸収したエネルギー量だけでなく、試料の熱容量に影響されます。0℃〜100℃未満の大部分の範囲では、大気の定容比熱よりもCO2の定容比熱の方が小さいので、同じエネルギー量を受け取った場合、CO2の方が早く温度が上昇しますが、それをもって吸収したエネルギー量が大きいとは言えません。


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改めてJCCCAによる温室効果の説明図を検討する

 前回、地球大気の温室効果の概要を説明しました。まず、前々回に予告していた通り、最近のJCCCAの温暖化の仕組みに対する説明図を紹介しておくことにします。

 以前の図との相違点は、「太陽からの光」と「熱の放出」が同じに表されていることです。これは、一定の改善(笑)かもしれません。しかし、全体としてはとても不可解な図になってしまいました。それは、矢印の意味に混乱が生じている点です。

 この図のギザギザの線は何を表しているのか?これは国立環境研の江守氏の解説が原典なのかもしれません。

曰く『仮に、地表から放出された赤外線のうち、CO2によって吸収される波長のものがすべて一度吸収されてしまおうが、CO2が増えれば、温室効果はいくらでも増えるのです。なぜなら、ひとたび赤外線が分子に吸収されても、分子からふたたび赤外線が放出されるからです。そして、CO2分子が多いほど、この吸収、放出がくりかえされる回数が増えると考えることができます。』

 つまり図のギザギザは赤外線の『吸収、放出がくりかえされる回数が増える』ことを表しているのであろうと思われます。つまり、ギザギザの線は時間の経過に対するエネルギーの移動を示しているのであろうと考えられます。
 本来、定常状態における単位時間当たりのエネルギーフローを示すはずであった矢印(つまり時間要素は含まない)が、時間の経過をも表すという二義性を持つために意味不明の図になってしまっているのです。
 おそらく、この図の作成者の意図は、「ギザギザの回数が多くなればそれだけエネルギー量が増える→温暖化する」ことを表現したいのであろうと思います。
 しかし、実際にはギザギザは時間の経過ですから、ある瞬間においては、ギザギザのどこか1点だけが存在するのであって、同時にギザギザ全てが存在することはできないので、「吸収、放射がくりかえされてもエネルギーが移動しているだけで、大気の保有するエネルギー量は不変=温度は変わらない」のです。
 尤もこの図も以前の図も大気温度に直接関係する大気のエネルギー保有量はどこにも表されていないので、温度状態を表していないことは同じです。

 細かいことを言えばきりがありませんので、前回示した地球大気の熱収支図とJCCCAの説明図をじっくり見比べてください。

 基本的なことは、とても単純なのですが、太陽光からの光に釣り合う地球放射を宇宙空間に放出しているのであれば、太陽からの光のエネルギーを受け取った地球大気が赤外線の放射吸収を何度くりかえそうが、エネルギー保存則から、地球大気の保有するエネルギー量は不変=温度は不変です。大気中の赤外活性気体の間では無限に赤外線の放射吸収がくりかえされているのであって、有限の繰り返し回数が増えるなどと言う発想がばかげています。
 大気の保有するエネルギー量が変化するのは、熱収支図において、大気に吸収されずに大気の窓から直接宇宙空間に放出される地表面放射(12)がどれだけ変化するかということです。
 江守氏の主張の前提は『CO2によって吸収される波長のものがすべて一度吸収されて』いることであり、これは直接宇宙空間に放出される地表面放射が変化しないことと同義です。一旦吸収されたエネルギーについて、放射吸収を繰り返すことでエネルギー量が増えるというのはエネルギー保存則に反することであり、起こりえません。


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No.1282(2019/09/01) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うB
そもそも地球大気の温室効果とは何か?

 この連載を始めてから、小学校、中学校の教育課程の中で教えられている地球温暖化に関する教材などをネット上で見ていますが、広範囲の教科で様々な場面でこの話題が取り上げられており、そのほとんどの内容が自然科学的に見て誤った内容です。このように幼いころから繰り返し誤った温暖化の情報を学校で教師たちに刷り込まれてしまえば、成人したころにはもはや疑うことができなくなってしまうのかもしれません。
 年端のいかない自然科学的な判断能力のない児童・生徒に対して誤ったことを教え込んでいる小中学校の教師の行為は正に万死に値するほど重大な罪だと思います。この状況を打開するにはどうしたらよいのか、途方に暮れてしまいます。
 そもそも温暖化問題の自然科学的な理解のためには、最低でも、理系の高校生の教育課程で扱われる程度の基礎知識がなくては到底理解し得ないのではないかと考えます。そのような内容を無理やり中学生や小学生に対して理解させるために行われている授業や安直な実験は、理論的に中途半端なもの、全く非論理的にならざるを得ないのは当然でしょう。これは百害あって一利なしではないかと考えます。
 それどころか授業や実験を行っている教師自身が全く温暖化という現象を理論的に理解しておらず、あんちょこやネット上にあふれかえっている教材授業を丸写ししているだけというのが実情なのではないかと想像しています。正に小中学校教育における理科教育はほとんど崩壊しているとしか言いようがありません。

 今回は、地球温暖化現象の理論的な背景として取り上げられている地球大気の温室効果について改めて整理しておきたいと思います。願わくは、一人でも多くの小中学校の教師の皆さんに理解してほしいと願っています。

1.地球の対流圏の乾燥大気の組成

成分 化学式 体積比(%)
窒素 N2 78.084
酸素 O2 20.948
アルゴン Ar 0.934
二酸化炭素 CO2 0.032

 地球の対流圏の乾燥大気の組成は上の表に示す通りです。このほかに重要な気体として水蒸気H2Oがあります。水蒸気は二酸化炭素よりもはるかに多く大気中に存在していますが、気温や湿度によって大きく変動するためにこの表には含まれていません。
 H2Oの体積比率は、日本の湿度の高い夏では3%程度(30000ppm)、乾燥した冬では0.3%程度(3000ppm)と考えればよいでしょう。
 地球の対流圏大気はこれらの気体の混合気体です。

2.局所熱力学平衡

 気体とは、構成する分子が空間中を比較的自由に移動している状態です。しかし、地球の対流圏大気のように分子密度が高いと、分子同士が頻繁(1.0×10-10秒=100ピコ秒に1回程度)に衝突するために全く自由に運動しているわけではありません。気体分子の速度を確率変数とすると、平均値=0、分散=kT/m (k:ボルツマン定数、T:絶対温度、m:分子密度) の正規分布N(0,kT/m)に従います。
 このような場合、気体は多数の気体分子の集団として統計的に取り扱うことができ、温度、圧力、密度などの状態量が有限の確定値として定義できできます。このような状態を「局所熱力学平衡」と呼びます


(出典:「検証温暖化」200頁)

 上図は気体分子速度の絶対値である速さのマクスウェル分布を示します。気体温度が高くなるほど平均速さが大きく、分布域の広い分布になることが分かります。

3.エネルギー等分配則

 2原子分子以上の気体分子の運動には、並進運動以外に回転と振動の運動モードがあります。局所熱力学平衡状態では、分子同士の衝突を介して並進、回転、振動運動のエネルギーが互いに等価なものとして絶えず受け渡されます。その結果、局所熱力学平衡が成り立つ気体分子の巨大な集団を平均的に見ると、すべての運動の自由度に対して等しいエネルギーが偏りなく分配されることになります。ただし、気体分子を個別に見れば、マクスウェル分布に従っていることは前述の通りです。


(出典:「検証温暖化」204頁)

 上の表に対流圏大気を構成する主要な気体分子の運動の自由度をまとめておきます。 

4.赤外活性

 対流圏大気を構成する主要な3原子分子の気体である二酸化炭素CO2と水蒸気H2Oは、分子の特定の運動モードにおいて、赤外線領域の電磁波を放射し、同時に吸収する性質があります。この性質を「赤外活性」と呼びます


(出典:「検証温暖化」207頁)

 上図はH2O分子の振動モードを示しています。H2O分子は電気的に偏りのある極性分子であり、上図の下段に示した3つの振動モード以外に回転モードの運動で12μmよりも長波長側の赤外線を放射、吸収します。


(出典:「検証温暖化」208頁)

 二酸化炭素は電気的に偏りのない無極性分子であり、上図に示した変角振動と反対称伸縮振動で赤外線を放射・吸収します。


(出典:「検証温暖化」207頁)

 上図に対流圏下層大気に含まれるH2OとCO2の赤外線吸収スペクトルを示します。気体分子の振動モードによる吸収スペクトルは基本振動とその整数倍の振動に対する輝線スペクトルになるように思われるかもしれませんが、実際には気体分子は空間中をマクスウェルの速度分布に従って高速で飛び交っているので、ある程度の幅を持つスペクトルになります。
 図から分かるように、対流圏低層大気では赤外活性を持つ気体としてH2Oが圧倒的に広い帯域で赤外線を吸収します。H2OとCO2の吸収帯域は多くが重なっており、CO2の影響がみられるのは波長15μm付近と4.2μm付近に限られます。

5.気体の熱放射

 地球の対流圏大気のように、赤外活性を持つ気体分子を含む局所熱力学平衡状態と見なせる大気の中で起こっているエネルギー授受の仕組みを考えます。
 大気組成から、大気の保有するエネルギーの大部分をN2とO2で保有しています。大気組成の大部分を占める二原子分子気体であるN2、O2、単原子分子気体であるArは、分子衝突によって絶えずエネルギーの授受を行っています。
 一方、赤外活性を持つH2OとCO2は、分子衝突に加えて赤外線の放射・吸収でもエネルギーの授受を行っています。
 局所熱力学平衡の状態では赤外活性を持つ運動モードに対してもエネルギー等分配則に従って一定量のエネルギーが配分されています。その結果、温度状態に応じて周囲の空間に等方的に定常的な赤外線を放射します。これを熱放射と呼びます。熱放射に対しては黒体に対するステファンボルツマンの式

I=σT4 、I:放射照度(W・m-2)、σ:ステファンボルツマン定数(5.67×10-8W・m-2・K-4)

で上限値が与えられています。
 実際の熱放射は黒体放射に対して射出率ε<1.0を使って、ε・Iで表されます。大気の熱放射は赤外活性気体の大気中濃度に大きく影響されます

 赤外活性気体分子から放射された赤外線は周囲の赤外活性気体分子によって吸収されるため、大気中の通過距離に対して指数関数的に減衰します。

6.地球大気の温室効果

 では、大気の温室効果とは何でしょうか?

 前回紹介した通り、惑星に大気があっても無くても、太陽放射から受け取るエネルギーと惑星から放出するエネルギーは平衡しています。惑星からほとんど真空の宇宙空間へのエネルギーの放出は電磁波の放射で行わなければなりません。

 地球に大気がない場合、宇宙空間へのエネルギーの放出はすべて地球表面からの赤外線放射が担うことになります。地球の位置で太陽光に垂直な平面の受けとる太陽放射照度は1366(W・m-2)程度です。したがって、地球表面の受けとる平均的な太陽放射照度は1366/4=341.5(W・m-2)程度です。太陽光に対する反射率を30%とすると有効太陽放射は341.5×(1.0−0.3)=239(W・m-2)程度です。地球を黒体で近似すると、その表面温度はステファンボルツマンの式から、

T={239/(5.67×10-8)}-4=255(K)=−18(℃)

になります。

 地球に大気があっても、仮に赤外活性がなかったら、やはり有効太陽放射に対して地表面放射が平衡しなければならないため、表面温度は−18℃になります。したがって、地表面付近の大気温度である気温≒−18℃としてよいでしょう。

 では、大気に赤外活性気体が含まれる場合にはどうなるでしょうか?


(出典:「検証温暖化」80頁)

 上図に太陽放射、地球(表面)放射のスペクトルと対流圏下層大気の電磁波に対する吸収スペクトルを示します。
 地球表面放射は、波長10μm付近にピークを持つ釣鐘状の分布をしています。
 それに対して、対流圏低層大気の電磁波の吸収スペクトルは、波長8〜12μm付近の「大気の窓」領域では吸収率が低く地表面放射の大部分を吸収せずにそのまま宇宙空間に放出します(低層大気を透過した地表面放射)。
 大気の窓以外の帯域では主にH2Oによって地表面放射はほとんど吸収されます。地表面放射を吸収して励起状態にある赤外活性気体(主にH2OとCO2)は、局所熱力学平衡の低層大気の中で頻繁に起こる分子衝突によってエネルギーを放出し、エネルギー等分配則に従うエネルギー分布に再分配します。その結果、下層大気を構成する気体分子の並進運動エネルギーが大きくなり、大気温度が上昇することになります。

 赤外活性を持つ大気は、温度状態に応じた定常的な熱放射をしています。放射は等方的です。放射された赤外線は周囲の赤外活性気体に吸収されるため、大気の通過距離に対して指数関数的に減衰します。
 大気の下端である地表面に近い低層大気からの下向きの熱放射は地表面にまで到達して地表面を温めます。
 一方、対流圏上層大気からの上向きの熱放射は宇宙空間にまで到達して放熱します。


(出典:「検証温暖化」77頁)

 上図は、平均的な太陽放射照度である341.5(W・m-2)を100とした時の単位時間、単位面積当たりのエネルギーの流れを示したエネルギー収支図です。地表面放射の大きさは、

341.5(W・m-2)×(114/100)=389.3(W・m-2)

なので、地表面温度はステファンボルツマンの式から次のように計算できます。

T={389.3/(5.67×10-8)}-4=288(K)=15(℃)

 したがって、地球大気に赤外活性気体が含まれていることで、気温は33℃ほど上昇していることになります。

 地球の対流圏大気に赤外活性気体が含まれることによって、地表面放射がそのまま宇宙空間に放出されることを防ぎ、地表面に近い大気からの下向きの熱放射で地表面を温め、同時に対流圏上層大気からの上向きの熱放射で宇宙空間に放熱しています。この総合的な効果が地球大気の温室効果の実態です。


No.1280 (2019/08/29) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂う@
No.1281 (2019/08/30) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うA
No.1283 (2019/09/02) 義務教育における非科学的な温暖化教育を憂うC


 

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