さて、連載「再考・地球温暖化論」の内容について、JAMSTEC、国立環境研、気象研究所などの研究官僚に意見をお寄せいただくようにお願いしておりました。その後もJAMSTECや国立環境研からのアクセスはありましたが、特に異論は寄せられませんでした。
そこで、連載の内容を整理してレポート『20世紀地球温暖化の実像』として公開しました。まだ多少文言整理を行うことになるかもしれませんが、とりあえず公開としました。建設的なご意見・ご批判・質問など、大歓迎です。
さて、今日の本題です。このところ、今年の世界平均気温が最高を更新するというニュースが、鬼の首を取ったように(笑)、報道されています。「どうだ、やっぱり温暖化が進行しているではないか!!」という、子供じみた報道ですが…。大分合同新聞2015年12月22日朝刊7面の記事を紹介しておきます。
気象庁によるデータをグラフ化したものを次に示します。
世界年平均気温偏差という統計量は、各年度によって、特殊条件でかなり大きく変動するものです。単に1,2年最高値を更新したといって、それが長期的な傾向に直結するものではありません。
今年の気温高については、原因は明白です。昨年の夏に発生したエルニーニョが今年も続き、最盛期を迎えているからです。
2015年11月の海面水温偏差の分布を次に示します。
地球の気温は、地球の表面積の70%を占める海域の気温(実際にはSST=Sea surface temperature =海面水温)によって大きな影響を受けることは当然です。今期のエルニーニョは極めて顕著であるため、気温変動=気温上昇に与える影響が大きいのは当然です。
したがって、2015年の世界平均気温の記録更新の原因は、強力なエルニーニョの継続による、海域の海面温度の上昇であることは明らかです。
新聞報道では「温暖化は今後も継続する可能性が高く、気温の上昇傾向は変わらない見込み」という地球温暖化論者からのコメントを掲載しています(笑)。
もう、無茶苦茶です。新聞用語に言う温暖化=人為的CO2地球温暖化です。今回の高温の原因は強力なエルニーニョの発生という自然現象です。全く原因が違う二つの現象を一緒くたにして混乱させて、新聞読者を欺こうとしています。なんで、温暖化が今後も継続することに直結するのか、まったく意味不明です。
エルニーニョやラニーニャの発現の機構はいまだ未解明であり、ましてエルニーニョが人為的CO2地球温暖化の結果であるなど、聞いたことがありません。無能なマスコミのでたらめな報道がますます人為的CO2地球温暖化に対する議論を混乱させるばかりです。
かねがねこのホームページでは日本の新聞・報道機関の無能、体制ないし欧米側に軸足を置いた報道の役立たずぶりを批判しています。今後も新聞・報道機関の無能ぶりは批判し続けていかなければならないと考えています。
さて、戦争関連法案とともに、現在最も重要な課題の一つである福島原発事故処理・原発政策においても、新聞・報道機関の役立たずぶりがひどいようです。このところ、福島原発事故報道はカバー出来ていませんので、天木氏のメールマガジンの記事をそのまま紹介することにします。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
■□■ 天木直人のメールマガジン2015年12月22日第1041号
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放置されたままの東電の信じがたい原発事故発表の衝撃
原発事故について素人の私でも、これらのニュースがどれほど深刻な意味を持っているか、わかる。
すなわち東電が今頃になって発表した。
放射能が大量放出されたのは福島原発第3号機の格納容器が完全に破損していたからだったと。
これを12月18日のNHKなどがあっさりと報道して終わっている。
これまで散々伝えられてきたことは、爆発をおそれて水蒸気を放出(ベント)したため放射能が拡散した、ではなかったのか。
格納容器が完全に破損していたという事は、いわゆるメルトダウン、メルトスルーということではないのか。
専門家に言わせれば大変なことに違いない。
それを今頃になって何食わぬ顔をして認めたのだ。
そう思っていたら、立て続けにもう一つの驚くべきニュースが流された。
東電は18日、汚染地下水が染み出るのを防ぐ「海側遮水壁」が完成したことによって、せき止められた地下汚染水が急増している(1日約400トン)と原子力規制委員会に報告したという。
12月19日の各紙が小さく報じていた。
深刻なことは、急増する地下汚染水の浄化が間に合わず、海に流さなければ対応できない恐れがあることだ。
なんのための「海側遮水壁」だったのか。
しかし私が衝撃を受けたのはこの二つの報道だけではない。
より衝撃を受けたのは、このような深刻な東電の発表について、メディアがまったく騒がないところだ。
それだけではない。
うそつき安倍が原発再稼働に踏み切った。
その後も電力会社が続々と原発再稼働の動きを見せている。
この安倍政治のでたらめぶりを追及できるこれ以上ない東電の発表を、野党がまったく政治問題化しないところだ。
この国のメディアは機能していない。
この国の政治はもっと機能していない。
これでは国民は何も気づかないままだ。
国民の気づかないところで、この国は大変なことが、あらゆるところで噴出し、解決策のないまま漂流し続けているのだ。
私はもっぱら外交についてそのことを指摘し続けているが、行き詰まってるのは外交だけではない。
すべてに行き詰まっているのだ。
この国は危機的状況にあると思う(了)
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年末になると、相変わらず日本中でイルミネーションが点灯されます。イルミネーションの量や規模は毎年エスカレートしているように思われます。私は資源の浪費であり、規制すべきだと考えます。
今年はCOP21という、その内容は後で検討するとして、CO2放出量を制限する世界中の国の参加する会議が行われ、我が国の政府、そして脳天気な国民の大部分がこれを支持している一方で、この年末の異常な浪費=イルミネーションを喜んでいる姿は、私には理解不能です。どういう論理構造でCOP21と年末イルミネーションが両立するのか…、絶句。世界中が狂っているとしか思えません。
イスラムテロに対する対応にしてもCOP21にしても、非論理が世界を覆っている現在の状況はとても恐ろしい。人間とはどこまで愚かなのか、私の人間不信は深まるばかりです。
さて、COP21パリ協定について、理論的な検討は既に連載「再考・地球温暖化論」で整理しましたので、少しだけコメントしておきます。
まず、議論のベースになった気象温暖化予測を表す図を紹介しておきます。
図を見ると、2020年から大気中CO2濃度が減り始めたとしても、1986-2005年に対して2081-2100年には世界中が気温上昇するという予測になっています。
しかし観測事実として、南極大陸を含み南半球の多くの地域では、既に20世紀の後半には気温は低下傾向を示しています。更に2000年以後は、北半球を含めても気温は低下傾向を示しています。気候予測シミュレーションと現実の気温観測データの乖離は次第に増加しています。
このような観測事実を顧みず、データの捏造とオモチャのような気候予測モデルによる非現実的なシミュレーション結果を正しいという前提で進められたCOP21パリ協定は茶番劇という他ありません。
ではなぜ観測事実を無視してまでCOP21で先進国グループが強引に支離滅裂な内容のパリ協定を成立させたのかをよく考える必要があります。
パリ協定を実現するために、世界中の国において、本来の産業活動そのものには本来必要のない「温暖化対策」を実現するための付加的なハードウェアの需要が加わることになります。つまり、温暖化対策を行うことによって、需要を創出して世界市場が拡大することになります。
この温暖化対策のための付加的なハードウェアの供給は、専ら新規技術や先端技術分野であり、世界経済の中で地盤低下傾向にある先進国にとって極めて有利な産業分野なのです。
したがって、温暖化対策によって世界市場を拡大させ、その大部分を先進国グループが独占することができるということになります。
後進国は温暖化対策のために必要な資金を先進国が提供すべきだと主張しましたが、先進国にしてみれば、多少出費がかさんだとしても、市場の拡大、輸出増加で儲けが出ると踏んでいるのです。また援助の大部分をODAとして自国の企業に請け負わせて資金を回収することも出来るわけです。どっちに転んでも温暖化対策のハードウェアを供給する企業は儲かるのですから、強力にCOP21で協定が成立することを望んだわけです。
そしてその「つけ」は、後進国や先進国の住民が支払わされることになるのです。
人為的CO2地球温暖化仮説は誤りですから不必要なハードウェア生産は深刻な結果をもたらすことになります。
まず、温暖化対策設備を含めた社会システムは温暖化対策のない同等のサービスを提供する社会システムに比較して工業生産規模が飛躍的に大きくなり、したがって有用鉱物資源の浪費を加速することになります。
そして社会システムの迂回度が大きくなるため、おそらく、エネルギー資源、つまり石炭や炭化水素燃料消費も増大する可能性が高いと考えられます。
またしても・・・です。
何度かこのコーナーで触れている、日本におけるインターネットによる情報発信に対する監視体制についてです。日本政府がインターネット上の情報を監視し、干渉していることは周知の事実だと思いますが(結構知らない人が多いのでしょうか・・・?)、またやられたようです(笑)。
脳天気な大衆は、インターネット社会では権力が都合の悪い情報を制御出来ないと考えているようですが、そんなことはありません。インターネット社会こそ情報の隠蔽と、逆に大量の謀略情報による大衆操作のしやすい社会です(尤も、中国ほど露骨にやってしまうと逆効果で、誰もインターネット情報を信じなくなりますが。)。
我が日本では巧妙に情報操作を行っています。
私たちがネット上で情報を探すとき、検索エンジンに頼らなければなりません。現状は、Yahoo!とgoogleがタッグを組んで以来、ほとんど独占状態なので、権力側も操作が簡単になっていると思われます。
これらの主要な検索エンジンで検索語句を入力して、殆どの人は検索結果の上位10〜数十位程度までを見てアクセスすることになると思われます。高い頻度で検索されるためには検索結果の1ページ目の上位にあることが重要です。現実的には、100位以下のホームページでは、関係者以外の一般大衆がアクセスすることはほとんど考えられないでしょう。
このホームページ“『環境問題』を考える”は、かつて主要検索エンジンで「環境問題」という検索語句で常にトップ10の上位に君臨(笑)していました。その頃は、1日のユニークアクセス数が数1000件に登っていました。ネット上でも多少知られるようになり、掲示板には玉石混交の多くの意見が寄せられ、対応が取れなくなり、やむなく掲示板を廃止したことがあります。
ところがその後しばらくすると、突然全ての検索エンジンで100位以下(どこまで見ても見つからないので100位までしか確認しないようにしました(笑))に埋没することになり、アクセス数は一気に数十分の一に激減しました。おそらく、この頃、何らかの権力組織からの働きかけで要注意のホームページにリストアップされ、監視の開始と検索エンジンからの削除が行われるようになったものと考えています。
同時期、知人から、とある公的なネットワークからはこのホームページのURLを入力してもアクセス出来ないという情報も寄せられました。
その後も、重要な記事で少しづつアクセス数が回復して、20〜30位台までは順位が回復しますが、それよりも上位に入ってくると、突然姿を消すことになります。
今回のCO2地球温暖化の連載記事では、先週末から少しアクセスが多くなり、googleクローラが頻繁にアクセスしてくるようになりました。昨日、瞬間的にgoogleでトップ10に入ったので、「そろそろかな・・・?」と思っていたところ、予想通り、今朝には100位以下まで見ても存在しなくなりました(今また20位台に戻ったようです)。
おそらく、主要な検索エンジンでは、検索語句に対する検索結果の上位には、公的組織、大企業、権力機関の当り障りのない情報が並び、それに続いて毒にも薬にもならない凡庸な個人のホームページが並び、反体制的でしかも論理的で体制にとって危険な情報は、重要な情報であるほど下位にランクするように情報操作が行われているものと思われます。
試しに、『環境問題』で検索してみてください。上位10位までのホームページには実にくだらない子供だましの非科学的な情報の羅列しかヒットしません。しかし実際に大多数の大衆は、これらのホームページを見て環境問題がわかった気になっているということです。
このホームページはさておき(笑)、重要な真実の情報、しかも体制や権力にとって不都合な真実についてネット情報を集める場合、検索結果の上位ではなく、むしろ下位の方にこそ重要情報があると考えるべきです。そして、重要な情報を見つけたら、いつ検索エンジンから消えるか分かりませんので、個人的にブックマークすることをおすすめします。このホームページについても面白いと思った方、是非ブックマークしておいてください(笑)!
また、検索エンジンの内情について詳しい方の情報提供をお願いします。
このところ、COP21が開催されているためか、NHKの人為的CO2地球温暖化関連のお馬鹿番組が引っ切り無しです(笑)。
年月日 2015年12月7日7:00〜
NHK総合 NHKニュースおはよう日本
JAXAの金星観測衛星「あかつき」が今日、金星周回軌道に再投入を試みるという内容です。「あかつき」は元々の飛行計画が、衛星のメインロケットの破損という基本的な欠陥で失敗し、5年間無為に太陽を周回していたわけです。まあ、金星観測衛星という道楽は勝手にやってもらうしか無いですが、別に重要なミッションではありません(笑)。
今回問題にしたのは、NHKのニュース番組では、「あかつき」の目的が、金星の表面温度が極めて高温であり、究極の温室効果による高温化の観測が、人為的CO2地球温暖化を考察する上で重要な情報を与えるのではないかと期待される、というように紹介していた点です。
バカなことを言ってはいけません(笑)。金星表面温度が高温である第一の理由は大気が分厚く、金星表面の大気圧が90気圧を越える高圧であることです。これについては既に連載「再考・地球温暖化論」その19で触れた通りです。今更、金星表面が高温である理由を知るために金星観測を行う必要などありません。
地球の表面気圧は1気圧であり、地球大気の組成で二酸化炭素CO2の濃度は高々400ppm=0.04%です。二酸化炭素の分圧は、0.0004気圧です。全く金星と地球の条件は異なっており、金星を観測することで地球の温暖化予測に資するような情報が得られることは金輪際ありません。
NHKの朝のニュース番組で、昨年最年少でノーベル平和賞を受賞した「マララ・ユスフザイ」の主演映画『わたしはマララ』が紹介されていました。マララ・ユスフザイ氏を巡るマスメディアの取り扱いには以前からとても違和感を感じています。
聞こえてくる彼女の主張は、全ての少女に教育の機会を与えることという、極めて真当な内容のようにも思えます。しかし、私には額面通りにはとても受け取れません。
そもそも、欧米的価値観=欧米に都合の良い理論から判断されるノーベル平和賞と言うもののいかがわしさは、キッシンジャーや佐藤栄作、そしてアル・ゴア(笑)が受賞していることからもよく分かります。欧米的価値観からマララ氏にノーベル平和賞を与えることが政治的に利用できるからこそ与えられたと考えるべきでしょう。マララ氏は欧米にとって「イスラムのアンクル・トム」なのだと考えるべきでしょう。
私は、マララ氏の主張が全く見せかけだけだと感じるのは、私の知るかぎり、彼女は母国ではなく英国に暮らし、シリアをはじめとするイスラム圏の少女たちの学習環境について発言をしていますが、米国や英国を含む欧州諸国によるイスラム圏に対する無差別空爆に対して反対を一切表明していないことが大きな理由です。
反対に、マララ氏が欧米有志国連合によるテロとの戦いという大義名分のもとで行われている空爆を鋭く批判する発言をする人物であったならばこれほど重用されたのでしょうか?
結局マララ氏は、欧米諸国の反イスラムのプロパガンダの便利な広告塔としての利用価値によって特別待遇を受けているというのが実体であろうと考えざるを得ません。それがなければ、言い方は良くないかもしれませんが、たかが18歳の小娘をここまで持ち上げる理由など見当たらないと考えるのが、正常ではないでしょうか?
追記
もう一人のマララ(などというのは失礼極まりない表現ですが、・・・)と言われるパキスタン人のナビラ・レフマンさん(13)をご存知だろうか?農作業中に米国無人機によってミサイル爆撃され負傷した少女です。欧米の対応は、タリバンに攻撃されたマララ氏にはノーベル平和賞を与えて厚遇する一方、米軍が「誤爆?」したナビラさんには見向きもしない。これはそうでしょう、ナビラさんのケースはイスラムの不当性をアピールする宣伝効果がないばかりか、欧米有志国連合のマイナスイメージになりますから。これが現実なのです。
COP21開催前後から、NHK、民放、新聞報道は一斉に温暖化の脅威を煽る報道を続けています。正にエコ・ファシズム、温暖化ファシズムの支配する世界です。小人・愚民を一つの方向にまとめるためには恐怖による扇動が一番というのは今も昔も同じということのようです。ネット情報の氾濫と普遍化によって近年、残念ながら、ますます小人・愚民は増える傾向にあるようです。
COP21を前にNASAが発表した南極氷河の増大が確認されたという報告は、日本を含めて温暖化の脅威という虚像を守りたい勢力にとっては大変困った問題でした。
予想通り、NHKやマスコミは南極氷河の増加はさらなる脅威への前触れなのだという主張を繰り返しています。
温暖化の脅威を吹聴する人たちの常套句であった「温暖化で南極氷河が融解して海面上昇する」という主張に対して、温暖化すれば降雪量が増え、南極氷河は増大すると反論していたのは槌田敦や私たちでした(笑)。この主張自体は誤りではありません。
NASAの報告では1992〜2001年の期間は、平均すると1120億トン/年のペースで増加し、2002〜2008年の期間は820億トン/年のペースで増加したというものです。報道では、氷の増え方が減速していること=温暖化が加速しているという文脈で捉えています。
これについて、NHKの番組では「更に温暖化が進むと南極氷河が一気に融解して大変なことになる可能性がある」と脅かします(笑)。しかし、状況は全く異なっています。南極大陸の気温は周辺部も中心部も20世紀の後半は低温化傾向を示しています。
更に、2000年以降は太陽活動の低下によって、全地球的にも寒冷化が明らかになっています。
以上の状況を総合的に判断すれば、南極氷河は20世紀の終盤の気温上昇によって増大する傾向を示していたが、2000年頃からの全地球的な低温化によって南極大陸上空に流入する大気に供給される水蒸気量が減少して降雪量が減少したと考えられます。つまり、南極氷河の増加速度の低下は地球が寒冷化していることを反映していると考えるべきでしょう。
気温は南極大陸だけでなく、全地球的に低温化していることから、南極氷河が周辺部においても急速に融解することは考えられません。
南極の周辺海域の海氷面積は20世紀後半には増加傾向を示しており、記録的な規模に増加していることから、南極周辺海域の気温も低下傾向を示していることは明らかでしょう。
こうした自然科学的なデータも確認せぬままに、いたずらに視聴者の恐怖感を煽る番組を垂れ流しているNHKをはじめとする報道機関の無能さは、絶望的です。
さて、連載『再考・地球温暖化論』の掲載を始めてから、日本の主要な気象研究組織から久々に多くのアクセスが有りました。主なものを以下に列挙します。
●国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
●国立研究開発法人 国立環境研究所
●国立研究開発法人 産業技術総合研究所
●国土交通省気象庁 気象研究所
2006年に「温暖化は憂うべきことだろうか」を著してから現在までのこのホームページの論考の要旨を基にまとめたものですが、いかがでしたか?日頃あなた方が主張している内容とは全く反対の『人為的CO2地球温暖化否定論』からの考察です。
COP21という全く無意味な国際会議が始まるわけですが、このような無様な状況に日本を導いたあなた方の責任は万死に値すると考えています。連載記事について、もし事実誤認や訂正すべき内容がございましたら、温暖化議論を深めるためにも、是非ご寄稿をお願いいたします。
HP管理者 近藤邦明 拝
日時 2015年11月25日19:30〜
番組 クローズアップ現代
「シリーズ 瀬戸際の温暖化対策@ 世界は一つになれるか」
司会 国谷裕子
コメンテーター 地球環境戦略研究機関 田村 堅太郎
西暦2000年以降、世界平均気温偏差の観測値は、都市化の影響を含めたままであっても、横這いから低下傾向を示し、IPCCの気候シミュレーションによる単調な上昇を示す気温予測からどんどん乖離しています。
これは、前回までの連載で報告した通り、太陽活動の変動を軽視する反面、CO2地球温暖化が自然科学的な事実であることを前提として組み込まれた気候予測用の数値モデルが誤りであったことを示しています。
また、気温観測結果からは南極は寒冷化が進み(上図はSouth Pole基地の観測結果)、海氷面積も増大しています(下図)。そしてつい最近のNASAによる発表によると南極氷河は年間1000億トン増大しています。
このような事実を完全に無視して、NHKは25日のクローズアップ現代において、IPCCの予測によれば、このままでは今世紀末には3.5℃気温が上昇して地球環境に取り返しの付かない脅威となると、相変わらずの調子で恐怖を煽る番組を放映しました。非常に違和感を感じる番組です。
これはおそらく、COP21を目前に控え、日本政府がCO2温暖化対策に巨額の予算をつぎ込むことを正当化させるためのプロバガンダの一環なのでしょう。この一事を見てもNHKは国家の広報機関=大本営発表(笑)であり、視聴者大衆の立場に立つ報道機関ではないことを体現しています。