明日、6月16日から『温暖化は憂うべきことだろうか』の配本が開始されます。当面、不知火書房へ電話またはFAXで直接注文した方に対する配本となります。その後、7月初旬から地方の拠点書店の店頭にも並ぶことになる予定です。発売後は、amazonのネット・ショッピングからも購入できるようになる予定です。amazonの「詳細サーチ」で『不知火書房』で検索してください。
不知火書房の申し込み先は以下のとおりです。
『温暖化は憂うべきことだろうか』 (CO2地球温暖化脅威説の虚構)定価 2,100円
不知火書房(福岡市) Tel, Fax 092-781-6962
環境問題、特に二酸化炭素地球温暖化に関するマスコミ報道にはほとんど呆れ果てています。彼らの無能は前大戦前から(戦後の一時期を除いて)まったく変わっていないようです。この懲りない連中は、今は完全に資本の僕となり、前大戦前以上に救いがたい状況になろうとしています。彼らに国家・資本の暴走に対する監視能力を期待することは最早望めません。
マスコミはその程度のものと思っていれば済みますが、問題は教育現場です。特に義務教育現場で行われる誤った環境教育は将来に対する犯罪行為です。
ネット上の学生と思われる方の書込みで、環境問題に関するレポートで、『温暖化を食い止めるために二酸化炭素排出を抑える方法をまとめよ』と言うような題が出て、調べてみると人為的な二酸化炭素の増加によって温暖化するというのは事実ではないというほうが確からしいという結論に達したが、これではレポートの前提を覆すことになり、受け付けられそうもない、というようなものを見かけました。
科学性・論理性を教えるべき教師自身が『温暖化真理教』の信者になって、環境問題に対して思考停止状態に陥っている状況は、社会的な責任放棄であり、生徒諸君に対する犯罪です。まだネット上でみた学生のように(たぶん高校生か?)ある程度自分の判断力を持てる場合は救いがありますが、小学生や中学生にとって教師の言葉はほとんど絶対的な重みを持つものです。
義務教育に携わる教師諸君、あなた方は生徒に対する責任を果たしていますか?
情緒的『環境保護主義者』と経済成長が必須だという妄想に毒された『現実主義者』からの批判は、まったく逆のようですが、その内容は非常に近いのです。
太陽光発電や風力発電、あるいは燃料電池という新エネルギーに対して過大な期待を寄せている情緒的『環境保護主義者』と経済成長を必須と考える『現実主義者』は、いずれも近代工業ないし科学技術が不可能を克服する魔法だと勘違いしているのです。両者は、科学技術による工業生産によって、環境問題を克服することが可能であると考えている点でまったく共通です。
情緒的『環境保護主義者』の主張は、太陽光発電や風力発電という自然エネルギーを利用する技術は無条件に環境問題を改善するのだと『信じ』ているのです。しかしこれはまったく非科学的な妄信に過ぎません。たとえば非工業的(=工業的なエネルギーを使用しない)に生産された風車で揚水するのとは違って、最先端技術の塊としての電力供給システムとして風力を利用するのではまったく意味が違うのです。後者はあくまでも工業製品であり、その低効率性と不安定性によって、同量の有効に利用できる電力供給において石油火力発電よりも石油消費量が多くなるのです。石油ないし鉱物資源の有効利用という観点から、石油火力発電に勝るシステムは存在しないのです。情緒的『環境保護主義者』は、工業生産の仕組みをまったく理解できないのです。
環境問題とは極論すると工業化社会のエントロピー処理に関する問題です。地球のエントロピー・レベルを低いレベルで維持するためには、地球の大気・水循環による宇宙空間への熱エントロピーの廃棄以外に方法は無いのです。どのような工業的な技術を用いてもエントロピーは増大するのみで決して減少することは無いのです。つまり、工業的に環境問題を解決しつつ経済成長をするなどということは論理的にあり得ないのです。
情緒的『環境保護主義者』と経済成長が必須だという妄想に毒された『現実主義者』はいずれも非科学的な人々であり、『工業技術真理教』の宗教的な信者なのです。環境問題という、優れて自然科学的な問題を克服するためには、徹頭徹尾自然科学的な視点が必要だということを理解しなければなりません。
このHPが地球温暖化を批判しているという誤解について、これはまったくナンセンスです。現在一般的に言われている温暖化とは、1970年代後半からの約30年間の世界の平均気温が上昇傾向を示している事を指すものだと思います。これは観測結果であって、批判する対象ではありません(ただし、データの地域的な偏りが大きく、問題が無い訳ではありませんが・・・。)。
このHPで問題にしているのは次の2点です。
@現状より気温が数℃上昇することが、地球の生態系にとって直接的な脅威になるのか?
Aここ30年間の世界の平均気温の上昇傾向の主要な原因が人為的に大気に付加された二酸化炭素による温室効果が原因であるのか?
より詳しくは新著『温暖化は憂うべきことだろうか』を読んでいただくとして、最終氷期が終わって現在の間氷期に入ってからの歴史的な事実からは、気温が高い期間は生物的生産性=農業生産が増大して文明は栄え、逆に低温期は飢饉の頻発や疫病によって苦しんでいるのです。気温の上昇が直接的に生態系にとって悪影響を及ぼすという主張は過去の歴史に照らし合わせてありえないのです。温暖化脅威説は科学的な根拠が無いのです。
次に、最近観測されている温暖化傾向が人為的に大気に付加された二酸化炭素の温室効果によるというのは、ひとつの着想、仮説ではありますが、今のところ観測結果からはまったく実証的な証拠が示されていないのです。むしろ観測結果の分析からは、気温(海面水温)と大気中二酸化炭素濃度の2者関係に着目すると、気温の上昇が先に起こり、その結果として大気中の二酸化炭素濃度が上昇することが示されているのです。
以上二つの『事実』から、本HPは、地球の温暖化の主要な原因が人為的に大気に付加された二酸化炭素の温室効果によるものであり、その数℃の気温上昇が地球生態系に驚異的な悪影響を及ぼすという「二酸化炭素地球温暖化脅威説」を批判しているのです。
ただし、本HPは二酸化炭素地球温暖化脅威説を否定することが目的ですから、これに変わる原因を特定することには興味がありません(より正確には、個人的には科学的にその原因が何なのかには大変興味があるのですが、環境問題の対象としては自然現象は外的な要素であり直接的な問題ではありません。)。この点に興味のある方は、猫田さんのHPなどをご覧ください。
ほとんど『狼少年』状態でしたが、やっと掲題の本が発行されることになります。サブ・タイトルは「CO2地球温暖化脅威説の虚構』です。A5版200頁で税込み\2100です。
この本の紹介も含めて、このホームページの立場に少し触れておきたいと思います。と言うのも、このホームページはかなりひどい誤解を受けているようなのです。
まずひとつは、『情緒的』環境保護主義者から、このホームページは太陽光発電や風力発電の導入に冷や水をかけ、火力発電を推奨する電力会社の回し者だ、という批判を受けています。
また、現状の工業による生産活動や、経済成長が必須だという妄想に毒された『現実主義者』からは、原始時代にもどれというのか、という批判を受けます。
また面白いところでは、このHPは「地球温暖化を批判している」というとんでもない誤解もあります。ホームページのアクセス解析を見ると、『地球温暖化 批判』という検索語句がかなり多いようです。
冷静に、『つまみ食い』ではなく、管理人の指示通り§2-1
環境問題総論から読んでいただければこのような誤解はかなり減るのではないかと思います。
新著の第1章はこのHPの§2-1
環境問題総論を元に環境問題の全体像を俯瞰的に眺める視点を紹介しています。環境問題に関する膨大な情報がマスコミから垂れ流されている現状で、瑣末な論議や新技術に惑わされることなく、環境問題の本質を見る揺ぎ無い視座を示すことが非常に重要だと考えています。
書名は、二酸化炭素地球温暖化脅威説に対する反論が主題のように感じられますが、これは出版社として本を売るための戦略なのですが、私自身としてはこの第1章がこの本の核心部分だと言う位置づけであり、温暖化問題はケース・スタディ程度だと考えています。
ただ、現実の社会状況を見ると、二酸化炭素地球温暖化脅威説が未だ大多数の人々に『信じ』られている中で、新エネルギー導入に象徴される無益なカッコつきの環境対策が、ポスト公共土木事業としての新たな利権構造を形成しつつある状況は看過できない重大な問題でもあります。
新著が、環境問題の本質を示すとともに、エコ産業でぼろ儲けをたくらむ産官学複合体とそのお先棒を担ぐマスコミ宣伝部隊の無能の一端でも示すことが出来れば幸いです。
『温暖化は憂うべきことだろうか』 (CO2地球温暖化脅威説の虚構)定価 2,100円
不知火書房(福岡市) Tel, Fax 092-781-6962
このところ、出生率が低下し続けているため、少子化対策の大臣まで出来る始末。これはまったくの馬鹿騒ぎにすぎません。
環境問題総論「生きている地球」で触れているとおり環境問題の本質とは、工業生産規模の肥大化に基づく大気水循環の破壊と地球生態系の物質循環の破壊と汚染であることを述べました。また、人類が最初に遭遇する可能性の最も高い環境問題が、食糧生産の絶対量の欠乏であるとも述べました。
環境問題という視点から見れば、今日的な人口問題とは人口爆発とも形容される人口の急激な増加なのです。人類に課せられた課題は少子化対策という人口を増加させる対策ではなく、いかに人口を減らすかということなのです。
この意味で、出生率(正しくは『合計特殊出生率』、15歳から49歳までの各年齢の女性の当該年の出生率を合計した値)の低下は誠に喜ばしいことであり、実は何ら困ることではありません。まったく裏づけのない主観に過ぎませんが、人口が半減すれば日本はだいぶ住みやすくなるのではないかと思います。
では一体出生率の低下をどのように問題視しているのかを見ておきましょう。
社説1 大想定外「出生率1.25」に危機感を(6/2)
2005年の合計特殊出生率が前年より0.04ポイント低い1.25となった。政府の4年前の推計では05年の出生率(中位)は1.31で、まもなく反転する見通しだったが、実態はむしろ低位推計の1.22に近く、低下は底なしの気配もある。 この分では、甘すぎる推計を前提にした公的年金制度の再設計を迫られるのは必至で、保険料の引き上げないし給付削減は避けがたい。社会保障のみならず、税収や労働力の不足など各方面への波及に備え、国のありようを早急に構築し直すことが必要だ。外国人労働者の受け入れ問題についても、現在の厳しい規制について見直す方向で議論を進めるべきではないか。
なによりも国を挙げて真っ先に取り組むべきは出生率の上昇につながる少子化対策だ。政府は昨秋立ち上げた少子化社会対策推進会議を中心に、労使を交えた会議や、政府・与党の協議会などで、具体策の検討を重ねてきた。
目下は「骨太方針」に対策をどう盛り込むか調整中だが、この期に及んでも政府内での足並みの乱れが漏れ聞こえるのはどうしたことか。厳しい財政運営や不透明な政局を言い訳に司令塔が迷走を続けていては「少子化の流れを変える」という掛け声も空念仏に終わる。
対策のメニューは、これまでにほぼ出尽くしたといっていい。推進会議の委員会が先に報告した「地域や家族の子育て支援」「働き方にかかわる施策」や、政府の「経済的支援」はおおむね妥当だが、出産を機に7割の女性が離職していることを考えると、企業の役目も重要だ。
次世代育成支援法は従業員301人以上の企業に子育て支援の行動計画をつくるよう義務づけており、この4月からは厚生労働省のホームページ上で各企業が自発的に計画内容などを公表するしくみもできた。目下の公表例は200社弱と、いかにも少ないが、こうした「子育て自慢」をもっと促し、産み育てやすい企業風土に変えていくのも一法だろう。
石川県や福岡県などいくつかの自治体も、ネット上で地元企業の育児支援策を紹介しており、優秀な女子学生の採用につなげるなどの成果も上がっているという。企業は子育てへの公的助成を求めるだけでなく、育児と仕事との両立支援自体が企業を利する点にもっと気付くべきだ。 少子化の背景は複雑で、打つ手が直ちに出生率改善につながるとは限らない。それだけに官も民も早急かつ息長く、全力で取り組む必要がある。
(日経新聞2006年6月2日社説)
とどのつまり、少子化として挙げられている問題は、年金制度の破綻や経済成長を続けるための労働力人口の不足というものでしかないようです。
環境問題という側面から考えれば、資本主義社会の今日的な問題は、生物としての人間の生存環境の改善とは既にまったく乖離して、戦争産業や土建屋ケインズ主義に基づく公共土木事業やITというおもちゃ産業を中心として肥大化を続けていることそのものです。
こんな退廃した産業による経済成長などまったく不要物です。つまらぬ産業を支えるための労働力が欠乏することに何の問題があるでしょうか?誠に喜ばしいことです。経済活動が縮小すれば税収が減少し、戦争ごっこや無用な公共工事は必然的に縮小し、環境破壊は確実に減速することになります。そうなれば、税を如何に使うことが最も国民福祉に役立つのかが直接目に見える形で議論されることにもつながるでしょう。
こんなことを言えば、すぐに反論が聞こえてきそうです。曰く「現在の社会・経済システムが破綻するではないか云々」。まったくくだらない反論です。社会・経済システムなど上部構造というものは実体としての人間社会における物質循環を円滑に回すために考えられたフィクション=虚構に過ぎません。実体にそぐわない上部構造は作り変えてやればいいだけのことです。
少子化対策とは、結局のところ現在の膨張経済の中で既得権益を守り続けたい守銭奴の主張でしかないのです。これでは政治的な枠組みの中で科学的合理性を持った環境政策が出される可能性は当面ありえないようです。
無能なマスコミ・新聞記者諸君、もう少し科学的な整合性を持った総合的な政策評価が出来ないものですか?
また今年もアースデイのイベントが各地で催されました。アースデイの起源と目的を、「Wikipedia」から見ておきます。
アースデイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アースデイ(別名:地球の日、英:The Earth
Day)は、4月22日を環境問題への関心を示す行動を起こす日として、アメリカの市民団体により提案された。
由来と歴史
1970年4月22日、アメリカのスタンフォード大学の学生であったデニス・ヘイズは、環境汚染に反対する行動を起こすように、全米の大学に呼びかけた。この呼びかけに応じて、約2千万人のアメリカ人が、公園や通りに集まり、健康と環境維持のためのデモを行った。
これをきっかけとして、毎年4月22日をアースデイとして環境問題への関心を示す行動を起こすための日となり、全世界へ広まっていった。またアメリカでは、この行動によって、環境問題に対して人々の関心が払われるようになり、環境保護庁の設置や各種環境保護法が整備された。
日本においては、1990年から、各種イベントが開催されるようになった。
趣旨はまことに立派なことであると思います。しかしながら、日本における環境保護運動が科学性を欠如していることを反映して、そのイベントの内容には首を傾げたくなるものが多いようです。
東京では、家庭の廃天ぷら油で自家発電し、またバスを走らせるという催しが行われました。これは、このコーナーのNo.185で紹介したディ−ゼル燃料用の菜種栽培と同種の愚かな発想です。
確かに、ここで利用されたのは『廃天ぷら油』であり、そのリサイクルだからバージンオイルを使うのとは違うのだ、という主張があります。しかしよく考えてみてください。家庭で食用油を使う場合、最初は天ぷら油として利用して、ある程度汚れてきたら炒め物に回せば廃油が出ることなど、我が家ではありえません。ちょっと汚れたから廃油として捨てるという行為そのものにまず疑問を持つべきであり、廃天ぷら油の出ない食生活を考えることこそ必要ではないのでしょうか?
外食産業で大量の廃天ぷら油が出る問題に関しては、肥大化した外食産業も含めて食文化の見直しが必要でしょう。食文化の欧米化で高カロリー食による健康の悪化が問題視されている昨今、食生活からの油脂の摂取量の削減を視野に入れた根本的な見直しこそ必要です。
また、廃天ぷら油を内燃機関であるディーゼル燃料として使用するためには、ある程度の精製が必要ですし、エンジンにとっての負荷も小さくありません。
天ぷら油に関して、まず必要なことは廃天ぷら油そのものを作らないことであり、どうしても出る廃天ぷら油に関しては、精製せずにごみ火力発電用燃料として使用することであろうと考えます。リサイクル一般について言えることですが、使い捨てることがもったいないからリサイクルしようという発想は、科学的な思考の妨げになります。環境問題に対しては、徹底的に科学的な思考が重要です。
このところ、風力発電に関する幻想が次第に明らかになりつつあります。ひとつには行政指導の下に「本格的な導入」が始まったおかげで、問題点を覆い隠すことができなくなり始めた結果なのでしょう。当初は、地方自治体によって観光施設の「客寄せパンダ」として採算性やエネルギー効率を度外視して導入が行われましたが、それにしても大きな初期投資と維持費は、あまりにも高くついたと推測されます。
最近のアンケートの書き込みで、石川県の事例を知りました。まずはその書き込みを再掲しておきます。
APU風力発電 - 2006/04/02(Sun) 18:22:11
賛同します。
wikipediaの風力発電の記述があまりに美辞麗句だったので、疑問が解けました。近くの石川県白山市の風力発電も3度にわたり落雷を受け、あまり動いてる姿を見ませんし、今は羽がちぎれています。たぶん困っています。
■ご紹介いただきました松任海浜公園の風力発電施設の落雷による事故に関する北國新聞社の記事http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20060121002.htmを拝見しました。このところつくば市など、風力発電の欠陥について報じる記事がやっと現れてきました。自治体や市民グループの皆さんが、冷静に現実と向き合う契機になることを期待します。(HP管理者)
石川県の事例も含めて、地方自治体の財政を圧迫するような施設も決して少なくないのではないかと思われます。
さて、大分県ではちょうど一年ほど前に、玖珠町に九州有数の規模を持つ売電目的のウィンドファームが運転を開始しました。2005年4月2日付の大分合同新聞記事を紹介します。
壮観 11基本格稼働 玖珠ウインドファーム
本格稼働した玖珠ウインドファームの風車=玖珠町戸畑の鏡山
玖珠町戸畑の鏡山で風力発電会社「玖珠ウインドファーム」が一日、本格稼働を始めた。支柱とプロペラを合わせた高さが約百メートルという大型風車十一基が並ぶ景色は壮観。童話の里の新たな観光名所になりそうだ。
同ファームは昨年四月、風車など発電用施設の建設を開始。ことし二月下旬から、出来上がった風車ごとに試運転。この日までに、すべての風車の調整を終えた。
総発電能力は一万一千キロワット。約三千六百世帯分の電気使用量を賄えるという。発電した電力は九州電力に売電する。耐用年数は二十年で、十年で施設の償却を予定している。
二〇〇二年に実施した現地の風況調査では、平均風速六・一メートルを計測。採算ラインを超えているという。
同社は「風力発電を通し、自然エネルギーについて理解を深めてもらえれば」という。小林公明町長は「近くの施設と連携した観光スポットとして期待している」と話した。
2005年4月2日大分合同新聞
果たしてこのウィンドファームが採算性があるのかどうか、はなはだ疑問なところです。それから丸一年たってまたこの施設に関する記事が大分合同新聞に掲載されました。
巨大風車の羽根 観光看板に活用 カウベルランドくす
カウベルランドくすの駐車場に横たえられた巨大風車の羽根
玖珠町代太郎の畜産公園「カウベルランドくす」の駐車場に、巨大な風車のブレード(羽根)が登場した。カラー写真などを張り付け、観光看板として活用することにしている。
このブレードは硬化プラスチック製で、長さ三十一メートル、重さは六トン。近くの鏡山にある風力発電所「玖珠ウインドファーム」で、実際に使われていた風車の羽根。昨年、落雷の被害を受けて取り外していたものを、メーカーから譲り受けた。
現在は駐車場の隅に横たえているが、展示を始めてからはその大きさが注目を集め、訪れた客たちは、手で触れたり、写真に撮ったりして、「旅の思い出になった」と大喜び。
ブレードに張り付ける写真は、同公園がレストランで客に提供している豊後牛肉、風車写真コンテストの最優秀作品、風車の構造図など六枚。
斎藤憲昭社長は「ブレードの前で写真を撮れば、回っている風車がバックに写るので、客に人気があります」と話している。
2006年04月07日大分合同新聞
記事ではさりげなく触れられていますが、開業してわずか一年の間に、ブレードを交換しなければならないような被雷事故が起こっていたようです。取り外されたブレードを観光看板にするというのは、したたかではありますが、あまりにも高価な看板です。この記事を見た後に被雷事故について、ネット上で情報を探した結果、未確認情報ですが少なくとも被雷事故が二度起こっていたようです。
このHPでは、『APU立命館アジア太平洋大学風力発電計画(ナウシカ・プロジェクト)の総括』の中において、風力発電の本質的な欠陥と、自然災害に対するリスクの高さについてすでに詳述していますので、そちらをご覧ください。
もちろん、玖珠のウィンドファームのような売電目的の発電施設であれば、自然災害に対する保険に加入していると考えられますが、経済的な痛手は少なくなかったのではないでしょうか?保険会社とて、これほど頻繁に事故を起こす風力発電に対する保険の掛け金を今後引き上げることになるのは避けられないでしょう。
しかしより本質的な問題は、耐用期間中の投入資源やエネルギー量の増加によって、風力発電の実質的なエネルギー産出比は想像以上に低いものにならざるを得ないことです。
No.173ですでに紹介したとおり、国は、愚かにもこの風力発電という欠陥発電システムをさらに導入するために、本年度から発電出力の安定化のための蓄電装置の設置に補助金制度を開始します。
すでに客寄せパンダとしての広告塔機能ではなく、実施段階に入った風力発電の導入に対して、地方自治体や『市民風車』を目指す市民団体諸君は、ほとんど博打のような風力発電による売電事業に対して科学的で冷静な判断をしていただきたいものです。
このHPでも、「プルサーマル、もう一つの意味」というレポートで、日本における核燃料サイクルないしプルサーマル計画について既に報告しました。
残念ながら、九州電力玄海原発のプルサーマル化に佐賀県が同意し、青森県六ヶ所村では再処理工場の試験運転が開始されました。今更ここでプルサーマルの危険性について詳細に言及するつもりはありませんが、プルトニウムは強い毒性を持ち、その半減期はPu239の場合で2万4千年程度、実際には崩壊の過程で別の放射性核種が生まれることにより、人間という種にとって殆ど永久に放射性毒性で危害を加え続けることになります。これだけで危険性を語るには十分すぎるでしょう。
佐賀県あるいは青森県というどちらかといえば国内であまり経済的に有利でない県に対して、国はその弱みに付け込み、一時的な経済的支援と引き換えに原子力関連施設の立地を地元に認めさせました。通常の企業誘致と同列に軽率な判断を下した愚かな為政者、あるいはこれによって殆ど永久に核の恐怖と隣りあわせで生きるという原罪を背負わされた住民として片付けるにはあまりにも重い出来事です。国や事業者がいくら安全性を保障すると言ったところで、それは何の保証もない空手形に過ぎないのです。
環境問題という側面から見ると、全く生態系にとって悪影響を及ぼす可能性の無い二酸化炭素の排出量削減のためという『名目』で、生態系にとって確実に毒性を及ぼす物質であるプルトニウムを大量生産するという、何と言う愚かな選択なのでしょうか。土木屋としての感覚では、100%の気密性、しかも耐用年数が数万年などという構造物を作ることなど全く不可能な要求です。通常の運用においても放射性廃棄物は、必ず環境中に拡散することになります。
それだけではありません。原子炉とは『自殺用』の動かぬ核弾頭なのです。プルサーマル化はプルトニウム核弾頭を持つことに等しいのです。ひとたび不幸にも戦争状態になれば、原子炉は最も優先度の高い攻撃目標になることは明らかです。原子力発電所は準軍事施設なのです。原子力発電所を保持する限り、軍事力によって日本本土を防衛することなど不可能なのです。
日本の安全保障を考える場合、あるいは環境問題を改善するためには、自衛のための最小の軍備も含めてあらゆる軍事力を全て放棄し、原子力発電所を全て廃棄し、絶対平和主義を貫くことが最も現実的な選択だと考えます。プルサーマル・再処理の開始は、暗黒時代の到来を予感させる、誠に憂鬱な出来事です。
NHKが二酸化炭素地球温暖化『脅威』説の強力な支持メディアであることは周知の通りです(同時に原発推進メディアであることは既にNo.033で紹介している通りです。)。エコ・ファシズムにおける大本営発表です。その最新作が掲題の『気候大異変』です。録画していたのですが見る閑がなかったのですが、やっと時間が出来たのでシリーズ2編を通して見ました。
日本の誇る「地球シミュレーター」という超大型の電子計算機の気候シミュレーションが正しく未来を予測できるという前提の下に、京都議定書が守られた場合の予測される将来の気候を紹介し、その『驚くべき実態』をコンピューターグラフィックスを駆使して実に『リアル』に描き出していました。
見終わって思ったことは、キリスト教における黙示録よろしく、ハルマゲドンの脅威を煽り立てたオーム真理教と驚くほど似ているではないか、ということでした。
宗教の人心掌握の常套手段は、予言と奇跡です。今回の番組の冒頭で、地球シミュレーターが南米における熱帯性低気圧の発生を『予言』したことを以って、地球シミュレーターの絶対的な正しさを暗示し、それ以降は最早疑うことを許さないと言わんばかりでした。後は、地球シュミレーターの予測に基く悲惨な未来予測と、近年起こった自然災害を結びつけ、これは将来の『予兆』であると片付けてしまいます。
これは実に恐ろしいことです。全ての自然災害を地球シミュレーターの気候予測によって解釈し、現象の個別具体的な自然現象発現の原因に対する科学的な考察を一切排除しているかに見えます。地球シミュレーターによる気候予測はついに『踏み絵』になってしまったようです。
古気象の研究からは古代文明期を含めて、現在より数℃気温が高かったと考えられている時期には農業生産が豊富で文明は栄えているのです。もし仮に、地球シミュレーターの予測するように今後の数℃の気温上昇によって、現代文明が危機的な状況に陥るとしたら、その直接的な原因は気温上昇そのものではあり得ず、古代文明が栄えた時期や中世温暖期とは異なる何らかの物理的な条件によるものと考えざるを得ません。現在の二酸化炭素地球温暖化脅威説による踏み絵は、地道な現象の分析が必要なこうした事象に対する科学的な検証を行う契機を奪ってしまっているのです。
そして一体どういうまとめになるかと思っていると、京都議定書では生ぬるい、二酸化炭素排出量の50%を削減できれば悲惨な結果にはならない。そのためにはエネルギー供給を太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーで供給するように転換しなければならない(!)と言う、誠にお粗末な落ちです。
この結論を見たとき、こりゃ全編マヤカシだと確信しました。百歩譲って人為的な排出によって大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、それによって温暖化し、自然環境に脅威的な悪影響が生じるとしても、太陽光発電や風力発電によるエネルギー供給への転換で石油消費量が劇的に減少するなどと言うことは、科学・技術的にありえないことです。
このような基本的な問題を検討していないマヤカシで人心の不安感を徒にあおる温暖化議論とは、とどのつまりは原子力発電を始めとする『似非環境技術』でぼろ儲けをたくらむ先進工業国グループの企業の宣伝のお先棒を担いでいるに過ぎないと考えます。
【参考】
気候大異変の取り上げ方 角皆静男氏
その後の温暖化編
続温暖化編に関わる特別企画
エネルギー供給部門からの二酸化炭素の排出量削減のためという名目で、電気・重工メーカー各社は太陽光発電や風力発電装置の供給に参入しています。しかし、太陽光発電は依然としてその高コストのために大規模な電力供給源になることはないでしょう。風力発電は電力の安定供給を行うことの出来ない欠陥発電であることが明らかになりつつあります。自動車部門でも燃料電池車開発競争は一時の熱狂が去り、「より現実的な」ハイブリッド車の開発にシフトしてきています。
それでも愚かな国策によってまだ完全にこれらの発電システムや燃料電池車が完全に姿を消してはいませんが、近い将来において税金をドブに捨てるような補助政策は財政的にも破綻することになるでしょう。
結局、最終的にはエネルギー供給分野の「二酸化炭素排出量削減の本命は原子力」なのだという過去の亡霊が再び息を吹き返すことが予想されます。電気・重工メーカーにしても、このことは先刻承知で、補助金であぶく銭を手に入れられる間は太陽光発電や風力発電装置も供給するが、一方では原子力発電分野を着実に拡大しつつあるようです。
京都議定書のおかげで、日本の原子力関連企業は海外にもマーケットを広げようとしています。原子力プラントは売れる上に、見返りとして二酸化炭素排出権を手に入れることが出来る一石二鳥の儲け話です。これを手放すはずがありません。
その象徴的な出来事がつい最近起きました。太陽光発電にも熱心な東芝が、米国で最初に原子力発電を手がけた原子炉メーカーであるウェスチングハウス社を傘下に収めることになったのです。
脱原発を標榜して太陽光発電や風力発電を市民の手で実現しようという運動は、結局のところ原子力発電の再登場の露払いなのだということに早く気づいていただきたいものです。
去る18日に掲題の討論会が行われました。私自身は参加していないのですが、参加された二人の知人から討論会の様子を聞くことが出来ました。残念ながら、というか予想通り、あまり有意義な意見交換の場にはならなかったようです。
また、二酸化炭素地球温暖化説を実証するような新たな事実は何もなかったようです。現在、もう少し詳しい情報や資料を収集しておりますので、何か有益な情報があればまたご報告したいと思います。尚、槌田敦氏の配布資料につきましては、既に「CO2温暖化脅威説を考える」に掲載しておりますので、併せてご覧下さい。
2006/02/18 環境経済・政策学会「地球温暖化に関する討論会」報告
さて、既にご承知の方も多いと思いますが、環境経済・政策学会の掲題の討論会が来週行われます。この件に関しましては、私も当事者の一人ではありますが、残念ながら参加できません。
どのような内容になるかは、当日のお楽しみですが、二酸化炭素地球温暖化説を支持する研究者と、これに疑問を呈する研究者が同じ場で直接その主張の違いをテーマに意見交換を行うという、日本においてはほとんど初めての試みになるのではないかと思います。政治的な圧力に関わらない場における、純粋に科学的な視点からの誠実な意見交換が行われることを切に期待しています。
案内にもあるとおり、全くオープンな場ですから、環境問題、特に地球温暖化問題に興味のある方はぜひ討論会に参加して、研究者の意見に耳を傾け、あるいは日頃疑問に思っている点を直接ぶつけてみてください。2月18日には会場を満員にしてください!!
尚、討論会における発表内容や議事録は、出来る範囲でこのホームページでも掲載してゆきたいと考えております。
2006/02/18 環境経済・政策学会「地球温暖化に関する討論会」報告
さて、前回の報告の続報です。前回は、全球平均海面水温と大気中二酸化炭素濃度の対前年増分ΔCO2との関係を示したわけですが、今回は、大気中二酸化炭素濃度そのものとの関係を示してみることにします。
ΔCO2は、季節変動をキャンセルするために、前年同月から1年間の大気中二酸化炭素濃度の増分を求めたものでした。見方を変えると、これは季節変動を取り除いた大気中二酸化炭素濃度の変動曲線の勾配(微分係数)と考えられますから、これを積分することで大気中二酸化炭素濃度の変動曲線を求めることが出来るはずです。
次の図に、ΔCO2の積分値と、二次関数による近似曲線を示します。ΔCO2の積分値は、季節変動を取り除いた大気中二酸化炭素濃度の変動を示していると考えられます。参考のためにKeelingによるCO2濃度の観測値(ただし、1970年の年平均濃度325.68ppmを差し引いた値)も示しておきます。
既に紹介していますように、ΔCO2の回帰直線は右上がりなので、近似関数は二次以上の高次関数で表されることになります。ここでは最低次元の二次関数を使用することにしました。
単純に積分しただけでは細かい変動傾向が見えなくなってしまいますので、二酸化炭素濃度の変動曲線の近似曲線からの偏差を求めてグラフ化したものを次に示します。これは、季節変動と長期傾向を取り除いた大気中二酸化炭素濃度の短期変動傾向を示しているものだと考えられます。
最後に前回同様、全球平均海面水温との変動傾向の比較を以下に示します。
ご覧の通り、二酸化炭素濃度の短期変動は、前回示したΔCO2の変動傾向以上に海面水温の変動とよく対応していることが分かります。二酸化炭素濃度は、ΔCO2の積分値なので、極値の発現はΔCO2の場合より少し後にずれることになります。その結果、海面水温が極値を示してから約1年半経過後に大気中二酸化炭素濃度の極値が発生しています。
今回のデータの比較から、明らかに海面水温変動の結果として大気中二酸化炭素濃度が変動することを示していると考えられます。つまり短期的な大気中二酸化炭素濃度の変動は海面水温変動が原因となって、海洋が二酸化炭素を吸収あるいは放出することによって起こっていると考えられます。
もうほとんど『狼少年』状態ですが、遅れに遅れた本の発行ですが、どうやら最悪でも2月の20日までには発刊になるようです。これを逃すと、本屋さんも困るようなので・・・。
さて、そんな訳で実はまだ本の原稿の直しが続いています。その中で最近になって面白いデータを発見しましたので、早速これも本に押し込もうと思っています。
まず最初にお見せするのは、既にホームページ本論でも紹介している「大気中二酸化炭素濃度の対前年増分ΔCO2」の経年変化のグラフです。ここでは12ヶ月の移動平均も示しておきます。
今回見つけたデータは、気象庁のホームページにある『領域平均海面水温偏差の時系列』というデータです。このグラフは、1971年〜2000年の全球海面水温の平均値からの偏差を示したものです。
この二つのグラフを比較すると、実に見事に変動傾向が対応していることが分かります。もう少し見やすくするために時間スケールをそろえた図を次に示しておきます。下の図では、水温偏差に合わせるために、ΔCO2に関しても13ヶ月の移動平均を示しています。
少なくとも、大気中二酸化炭素濃度の変動の『主要な』原因の一つが、海洋表層水から大気中への二酸化炭素の放出であることはほとんど疑いようがないように見えます。
角皆静男氏によりますと、海面温度の1℃の上昇で、表層水の二酸化炭素溶解度は4%程度減少する(溶解ポンプ)と言われています。これを単純に当てはめますと、大まかな話ですが、海面表層水に含まれる炭素量を1020Gtとしますと、0.1℃の温度上昇で4Gt(炭素重量)の二酸化炭素が海水中から大気中に放出されることになります。人為的に大気中に付加される年間の二酸化炭素量は3Gt程度(炭素重量)だといわれますが、そんなものは海面温度の変動だけで吹き飛んでしまうような値なのです。
1月14日に、北九州市環境ミュージアムにおいて、『環境科学実験「地球温暖化を検証する!」〜二酸化炭素は本当に温暖化の原因か?〜』が開催されました。まず、北九州市環境ミュージアムを紹介しておきましょう。
この催しに気象予報士の知人一家が参加され、その報告を知ることが出来ました。まず、この公開実験について検証することから始めることにします。
1.実験概要
1-1 地球の気候システムにおける大気
気候、特に私たちが生活する地表付近の気候という側面から見た地球大気の特性を考える上でまず重要なのは、全地球的な大気の循環運動による熱輸送であろうと考えます。
大気の循環運動は、地球の自転運動に起因する水平方向の運動と、熱的な特性による対流という垂直方向の運動によって規定されます。これに、陸地と海洋の分布や地形が影響を与えます。
大気の対流運動に影響を与えるのは熱的な特性です。それを作り出す一つの要因は、地球大気が太陽放射のうち、可視光線に対してほとんど透明であり、可視光は地表まで到達して地表を直接暖め、あるいは地球大気の赤外線放射(温室効果)が地表を暖め、その結果対流圏では地表ほど温度が高く、高層に行くほど気温が低くなることです(太陽放射の赤外線部分は地表に到達する以前に大気に直接捕捉されます。)。これによって地表付近で暖められた大気は軽くなり上昇傾向を持つ(対流の発生)ことになります。
もう一つの重要な要素は、地球大気の平均的な分子量29(概ね窒素80%、酸素20%)に対して水蒸気の分子量18であるために、水蒸気を多く含む大気は軽くなり上昇傾向を持つことです。その結果、地表で蒸発した水蒸気は大量の気化熱(潜熱)を吸収してこれを大気上層へと運ぶことになります。
更に、地球大気の地球放射(赤外線放射)に対する吸収特性を規定しているのも大気中に含まれる水蒸気です。平均的に見ると地球大気の吸収する地球放射のうち90%以上が水蒸気によって吸収されています。残りの10%に満たない部分を温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素やメタンなどが吸収しています。
温室効果とは、こうして大気に吸収された太陽放射の赤外線領域や地球放射によって暖められた大気が再放射(赤外線放射)するうち、地表方向に放射され地表を暖める現象を指しています。地球大気の温室効果の主体は水蒸気であることを確認しておきます。
1-2 地球大気の温室効果
ここで地球大気の赤外線吸収特性に関してもう少し詳しく見ておくことにします。
地球大気の大部分を構成しているのは窒素(N2)と酸素(O2)です。気体の赤外線の吸収は、大雑把に言うと気体の分子構造による固有振動数と赤外線の振動数の共振によって起こります。詳しくは触れませんが、窒素や酸素という2原子で構成された気体分子は構造上赤外線を吸収できません。地球大気のうちで赤外線を吸収する主要な気体は水蒸気(H2O)や二酸化炭素(CO2)という3原子で構成された分子です。
もう一つ重要なことは、赤外線を吸収する気体であっても、振動モードや構成元素の違いによって、各気体分子によって吸収できる赤外線の周波数帯域(波長帯域)が異なることです。
上の図からわかるように、水蒸気については地球放射(赤外線放射)に対して有効に働く帯域は波長8μm〜12μmの大気の窓を除いた広範囲に及んでいます。これに対して二酸化炭素は波長15μm付近の帯域に限られます。
1-3 実験計画の検討
今回行われた公開実験の概要は、『ペットボトルを地球に見立て、二酸化炭素の多い地球とそうでない地球を太陽に見立てた電球で暖め、それぞれの温度上昇を観察する実験を行います。
』ということです。
参加した知人の報告によりますと、『1.5リットル入りのペットボトル2本の片方に3gの二酸化炭素を封入(このボトルをAとします)、もう一方には乾燥空気(このボトルをBとします)。AとBを回転テーブルに載せて二方向から赤外線照射ランプで加熱し1分おきに7分後までの中の気体の温度を比較するというものでした。』というものです。
■疑問1
ペットボトルAは、概ね1気圧のCO2そのものです。濃度は1,000,000ppmということになります。ペットボトルBは、ほとんどN2とO2の混合気体であり、わずかに300ppm程度のCO2などの微量の気体が含まれているものと考えられます。
実験目的では、『ペットボトルを地球に見立て、二酸化炭素の多い地球とそうでない地球を太陽に見立てた電球で暖め、それぞれの温度上昇を観察する実験を行います。』
としているのですから、地球大気を構成する気体のうちで地球放射を最も大量に吸収する水蒸気を取り除いた乾燥空気を対象とする実験では全く意味がないのではないでしょうか?これでは、もし実験が『うまくいった』としても二酸化炭素1,000,000ppmと300ppmの赤外線吸収量の比較にしかなりません。
■疑問2
今回の実験では、熱源として『太陽に見立てた電球で暖め、・・・』としています。しかし、実際に用いられたのは医療用の赤外線ランプだといいます。太陽光をモデル化するのならば、可視光線域に放射強度のピークのある光源を用いるべきです。これは単純な文章の誤りだとしても、少なくとも地球の温室効果を検証する実験であるのなら、赤外線ランプのスペクトルは地球放射のスペクトルに近いものを用いなければならないのではないかと考えます。
この点は、知人も実験担当者に質問したそうですが、お粗末にも実験で用いた赤外線ランプのスペクトルがどのような分布を持つものかさえ確認していなかったそうです。
■評価
この実験は、実験計画の段階で余りにも恣意的な条件設定(現状大気として乾燥空気を用いたことと、比較対照として1,000,000ppmという二酸化炭素濃度を用いたこと)をしただけでなく、地球という複雑な環境システムの本質的に重要な要素(大気循環、水循環、地表面比熱や熱容量の違いなどなど)を全く無視したものであり、温暖化のメカニズムをなんら再現できていないものだと考えます。
2.実験結果
実験結果を以下に示します。
2-1 結果の検討
本実験が、赤外線ランプからの赤外線放射をペットボトルに封入した気体分子が吸収したことによる温度の上昇を示していると考えると、非常に奇妙な結果ではないでしょうか?ペットボトルAは100%(1,000,000ppm)の二酸化炭素であるのに対して、ペットボトルBの乾燥空気はほとんど温室効果気体を含んでいない(二酸化炭素300ppm程度)にもかかわらず、二つのペットボトル内の気体の温度変化に大きな違いがないのはどうしたことでしょうか?温室効果気体をほとんど含まない乾燥大気が赤外線の照射でこれほど温度が上がるとは考えられません。どう考えてもペットボトルBの温度上昇が大きすぎるようです。これは実験の意図した結果ではないようです。
2-2 結果の分析
■ペットボトルの赤外線吸収特性の影響
ここに実験方法に大きな誤りがあったと考えられます。まず一つはペットボトルの存在です。気体と同様に赤外線を受けた固体も赤外線を吸収し発熱します。これはハロゲンヒーターによって暖かく感じることからも容易に想像できます。ペットボトルは見た目にはほとんど透明ですが、これは赤外線に対して透明ということではありません。
例えば、ホームページ『温度のお話 第7 回
赤外線誘導加熱(1)』が参考になるでしょう。今回実験に用いた1.5リットルのペットボトル容器の材質が確認できませんが、『最近のプラスチックなどの高分子材料は、ほとんどが3
〜 4 μm および6 μ m 以上に強い吸収帯を持っています。』ということです。
実験においても、ペットボトルに封入された気体よりも前に赤外線を受けるペットボトル容器自体が赤外線を吸収して発熱しているのではないかと考えられます。
もしこれが正しいとするならば、今回の実験では、赤外線ランプからの赤外線を受けたペットボトルが大部分の赤外線を吸収して発熱し、主にペットボトル内面からの『熱伝導』によって封入された気体の温度が上昇した可能性が高いと考えられます。これならばペットボトルBの乾燥空気の異常な温度上昇を説明できるのではないでしょうか?
厳密には、過熱されたペットボトルもその温度に応じて更に二次的に赤外線放射を行いますから、実際には更に複雑な過程が存在するはずです・・・。ペットボトルの温度は非定常ですから、再放射のスペクトル分布も時々刻々変化するでしょう。このような意図しない実験条件変化が考えられるような実験ではまともな結果は得られそうにありません。
■赤外線ランプのスペクトル分布
もう一つは過熱に用いた医療用赤外線ランプのスペクトル分布の問題です。既に紹介したとおり、今回用いられた赤外線ランプのスペクトル分布は確認できませんでした。
例えば岩崎電気のホームページによりますと遠赤外線ヒーターとして工業的に用いられる赤外線の波長スペクトル分布のピークは3.5μm〜5μmの範囲にあるようです。
上図に、4μmにピークのある赤外線ランプのスペクトルを示します。地球放射のスペクトルとは全く違うものだということが分かります。
既に述べたとおり、二酸化炭素の地球放射に対する赤外線吸収波長帯域は15μm付近ですが、実験ではこの帯域の赤外線吸収量は多くありません。これに変わって、3μmより少し短い波長帯と4μmより少し長い波長帯では赤外線ランプからの放射を吸収している可能性があります。
しかし同時に高分子樹脂の赤外線吸収特性は『ほとんどが3 〜 4 μm および6 μm
以上に強い吸収帯を持っています。』から、ペットボトル内の二酸化炭素が赤外線ランプからの放射を受ける前に、ペットボトルが先にこの波長帯の放射を吸収している可能性が高いと考えられます。
実際にはペットボトルと封入された二酸化炭素がどのような比率で赤外線ランプからの放射を吸収したかは定かではありません。しかし、赤外線を吸収する気体をほとんど含まないペットボトルB内の温度上昇と二酸化炭素100%のペットボトルAの温度上昇に顕著な違いがないことから、大部分の赤外線をペットボトルが吸収したのではないかと考えられます。
また、ペットボトルAとペットボトルBの温度差についても、地球放射に対応する15μm付近の赤外線というよりも、赤外線ランプの波長スペクトルのピークに近い4μm前後の帯域のエネルギーを吸収した結果である可能性が高いと考えられます。
3.結論
今回行われた公開実験は、『二酸化炭素地球温暖化説』をなんら検証することが出来ないものであり、ペットボトルの医療用赤外線ランプによる加熱実験だったと考えられます。
さて、公開実験の内容検討は以上の通りです。
今回この問題を取り上げたのは、各地方自治体でその呼び名は異なると思いますが、国や地方自治体によって委嘱され、初等中等教育あるいは社会人対象の『環境教育』の場で行われている環境教育ボランティアによる啓発活動の極めて危険な実態を知ってほしかったからです。
今回の例に限らず、例えば大分県の温暖化防止活動推進センターの官製の啓発パンフレットや、ボランティアの『善意』によって行われている環境教育の内容は極めて質が低く偏ったものが多く、有態に言えばでたらめなのです。
特に初等中等教育現場で子供たちに対する環境教育の一線で活動されている教職員の皆さん、くれぐれも安易に環境教育ボランティアに授業を委託するような愚かなまねはしないように注意してください!
環境教育ボランティア諸君、たとえ善意からの行為であろうと、でたらめな教育・啓蒙活動を行うことはほとんど犯罪行為であるということを自覚してください!
東京新聞の茨城版に興味深い記事が載ったので、まず全文を紹介します。
つくばの風力発電機
『計画段階から破たん』市民団体批判の声
つくば市内の小中学校に設置された小型風力発電機がほとんど発電していない問題で、設置された機種の年間消費電力が予想される年間発電量を上回っていることが二十六日、市の資料から明らかになった。
調査を進めている市民団体からは「事業が計画段階から破たんしていた」などと、批判の声が上がっている。
同市の市民団体「市井ランダム倶楽部」が市に請求した設置機種の発電性能曲線などから計算したところ、七十五基分の年間発電量十三万九千−十七万八千キロワット時に対し、年間消費電力は二十一万二千キロワット時だった。
市は事業実施にあたって、基本計画策定調査を早稲田大に委託。しかし、報告書の提出前に環境省に交付金申請書を提出し、機種決定と初年度に設置する二十三基分の入札も済ませていた。
さらに、早大の報告書では、風速が実測値より毎秒一メートル強く設定されており、発電曲線も設置機種のものと異なる。風速毎秒二メートルだと七・六倍も発電できることになっていた。
市民団体は「行政の手続きがおかしい上、報告書の出力曲線も不自然」と指摘。年明けにも市と早大に公開質問状を送り、事実関係の説明を求める方針だ。
これに対し、市や調査を担当した早大の研究室では「担当者が不在で答えられない」などとしている。
(小沢 伸介)
小型発電機の仕様は定かではありませんが、記事の記述からこの装置について少し考えて見ます。
記事によりますと『七十五基分の年間発電量十三万九千−十七万八千キロワット時に対し、年間消費電力は二十一万二千キロワット時だった。』とされていますので、1基当たりの年間発電量は1853kWh〜2373kWhということになります。1日当たりでは5kWh/日〜6.5kWh/日程度ということになります。設備利用率を高めに20%と仮定すれば、1基の発電機の定格出力は1kW〜1.35kW程度でしょうか。
さて、本HPでは、大型の風力発電装置についての投入石油量に対するエネルギー産出比を0.35程度ではないかと推定していました。今回のケースでは、投入電力に施設製造のための電力を計上しているかどうか不明ですが、『投入電力量』に対するエネルギー産出比で13.9万/21.2万〜17.8万/21.2万=0.65〜0.84ということになります。投入電力を火力発電でまかなうとすれば、その投入石油量に対するエネルギー産出比は0.35程度ですから、この小型風力発電装置の投入石油量に対するエネルギー産出比は0.65×0.35〜0.84×0.35=0.23〜0.29程度ということになります。これまでこのHPで行ってきた風力発電に対するエネルギー産出比の推定値は、それほどでたらめではないことが確認されたのではないかと考えます。
来年度からは、風力発電の出力の『安定化』のための付帯装置の設置に国家補助が出ることになれば、更に無駄な資源と石油が投入されることになります。
無能な国家のエネルギー政策に踊らされ、自ら妥当性の判断を怠ってしゃにむに風力発電をはじめとする新エネルギーを導入しようとしている地方自治体の無能な担当者諸君、今回の経験をどう生かすかはあなた方の良識にかかっています。
【関連記事】
●風力発電機稼働せず−つくば市
●つくば市小型風車問題、モデル事業破たんも
つくばの風力発電機:機種選定経過明らかに 市民団体が市と早大に公開質問状 /茨城
【続報】
この事件の関連記事をネットワーク上で確認した結果、導入風力発電装置の定格出力は10kWのようで、とんでもなく低い施設利用率(2%)だということが分かりました。これから判断すると、記事の投入電力量の算定では、風力発電装置の製造・設置に投入されたエネルギーは含まれていないと考えられます。
昨年末からの日本海側の豪雪は大きな被害をもたらしています。今回の豪雪の原因について、少し考えてみることにしようと思います。
今回の豪雪は、単に積雪量が多いというだけではなく、異常な低温を伴っています。前回も述べたとおり、日本の12月に限れば、戦後系統的な気象観測体制が整って以降史上最低の月平均記録を示しています。その原因は、全地球的な気温変動というよりも、北極からの寒冷な気団が日本付近で大きく南にまで噴出しているためだと考えられます。
さて、今回も二酸化炭素地球温暖化脅威説を信奉するマスコミや無能な『専門家』諸君の一部には、豪雪の原因を地球温暖化に求める論調が出始めています。いわく、「温暖化の影響で海水温が上昇した結果、海面からの水蒸気の蒸発量が増加したことが豪雪の一因云々」というわけです(あれ、どこかで聞いたような話です。二酸化炭素地球温暖化論者は両極の氷が融けると言っていたのに、宗旨替えしたのでしょうか?)。
さて、それでは日本近海、特に北西季節風を前提にすれば日本海の海水温がどのようになっているのかを観測データから調べてみます。以下、気象庁発表を紹介します。
北西太平洋の海面水温
平成18年 1月12日更新(次回更新予定 1月24日)
診断(1月上旬)
・日本近海の海面水温は全般に平年より低く、日本海中西部、三陸沖から常磐沖にかけての海域及び東海沖では、平年より2℃以上低い海域がみられるようになりました(図中A)。
・北緯15度〜25度の東経160度以東では平年より1℃以上高い海域が見られます(図中B)。
北西太平洋海面水温偏差分布(1月1日〜10日平均)
海面水温偏差とは、平年値(30年間の平均値)からの差で、正の値は平年より高いことを示しています。偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。灰色で示した薄い陰影部は海氷を表します。
解説
実況と経過
2005年12月以降強い冬型の気圧配置が続き、全国的に気温が低温となったため、日本近海の海面水温は、12月中旬から下旬にかけ大きく低下し、12月下旬以降今旬にかけて、全般的に平年よりも低い状態が続いています。特に日本海中西部、常磐沖、三陸沖、東海沖などでは、平年より2℃以上低くなっています(図中A)。また、日本海、常磐沖及び東海沖では、前年の同時期と比べて3℃以上低くなっています(日本近海 旬平均海面水温前年差参照)。
2005年12月下旬と比較すると、北西太平洋のほぼ全域で海面水温が低くなっており、北緯35度以北では、広い範囲で1℃以上低下しています(日本近海 旬平均海面水温前旬差参照)。海面での冷却により下層との混合が進み、海面付近の水温が一定の層(混合層)が深くなっています。
今後の見通し
1月6日発表の1か月予報では、今後も日本付近へは寒気の流入が続き、1月7日〜1月13日の気温は南西諸島を除き全国的に「平年並か低い」と予想され、1月14日以降の気温は「平年並みか高い」予想となっております。混合層が発達していることから大気の状態の変化に対して海面水温は変化しにくくなっています。このため全般的に海面水温は平年より低い状態が続くとみられ、日本海中西部、三陸沖から常磐沖にかけての海域及び東海沖では平年より2℃以上低い状態が継続すると予想します。(1月6日発表海面水温旬予報参照)。
海面水温の診断にあたって
・1971年〜2000年の30年に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。
・「今後の見通し」における1か月予報及び海面水温旬予報へのリンクは次回の予報発表日(それぞれ1月13日、1月19日)に、新しい予報へのリンクに変更されますのでご注意下さい。
つまり、今回の豪雪をもたらした期間、北西季節風の通り道であり、日本列島の日本海側の降雪の元になる水蒸気を供給する海域の表面海水温は、気温同様に異常な低温傾向を示しているのです。またしても『温暖化による海面水温の上昇が豪雪の一因』という温暖化脅威説の信奉者の理論は事実によって否定されてしまったのです。
前回の発表の解説では、寒冷で乾燥した大気が大量に日本付近に流入したために、海面からの蒸発を促し、蒸発の潜熱として熱を奪ったために海面水温が低下したのではないかと述べられていました。
事の真偽は定かではありませんが、あくまでも今回の豪雪の第一義的な原因は北極の寒冷な大気が日本付近で南下したことであることは間違いないでしょう。少なくとも、地球温暖化によって海面の水温が上昇したことは原因ではないようです。
昨年末、京都から山陰を回ってくることがありました。おりしも記録的な降雪でした。地元の方にお話を聞いても、年末にこんなに寒くて雪の多いことは初めてだ、という話を聞きました。
気象庁は早々と前言を翻して、今期の冬は寒い冬になると訂正しました。今更気象予報の精度を云々などと揶揄しようとは思いませんが、数日の短期予報、週間予報、3ヶ月予報という各級の気象予報の精度はいずれも高くありませんし、少々気象予測モデルの「改良」があったとしても、改善される見込みはありません。数値シミュレーションによる長期の気候変動の予測精度など、推して知るべしです。
東工大の丸山先生がおっしゃるとおり、大気や海水という熱容量の小さな流体の運動は、余りにも擾乱に対して敏感に反応するため、数値モデルによるシミュレーションにはなじまないと考えられます。このことについて、なぜ地球が暖かくなると困るのかに面白い例が紹介されています。
中谷宇吉郎は『科学の方法』(岩波新書、1958)で「テレビ塔の天辺から鉄の球を落下させたとき、その鉄球の動きは99.99%ぐらい正しく予測できる。しかしテレビ塔の天辺からちり紙を落下させたとき、そのちり紙の動きは予測できない。それは、科学がもっと発達したら予測できるが、今はできない、ということではなくて、科学の方法論ではそもそもできないと考えられる。」と書いている。
気象現象の予測の話はここまでとします。
では、原因や将来どうなるかという話はさておき、暖かくなるのと寒くなるのはいずれが暮らしやすいでしょうか?少なくとも、温帯に住む私の生活感覚からでさえ、暖かくなることは良いことに思えるのです。
今年の冬は、日本の12月に限れば戦後で最も寒い冬になりました(私は無責任な温暖化論信奉者とは違いますので、寒冷化が始まったなどとは言いませんが・・・)。その結果、エネルギー資源の消費量は増大し、日本海側の漁業は操業日数が減り、農産品価格は高騰し、交通機関では積雪や強風によると思われる事故があちこちで起こり、屋根の雪下ろし中の事故による死者やけが人が後を絶たず、この時期にして既に雪崩の事故が報告され、つい先ほどのニュースでも積雪による家屋の倒壊が伝えられています。
温帯に住む私でさえこのように感じるのですから、亜寒帯、寒帯に住む人の自然な生活感覚では、なお更のはずなのですが・・・。ところが現実には、『二酸化炭素地球温暖化脅威説』教で洗脳された北欧の国民までもが、温暖化が大変だと『温暖化対策』を講じようなどとしています。それほど二酸化炭素温暖化脅威説による洗脳は根深いもののようです。
余り深入りはしたくなかったのですが、今年は腹をくくって、二酸化炭素地球温暖化脅威説に対するカウンターとして、サブサイト「CO2地球温暖化脅威説を考える」で勝負しよう、などという大それたことを考えています。