このコーナーについてのご意見をいただきましたので、まず紹介します。
HP管理者から - 2004/12/24(Fri) 21:27:48
先生の環境問題観は、巷を賑わしているものと一線を画し、
最も問題の本質を捉えたものだと思いながら読ませて頂いてます。
しかし、
No.154利用される拉致問題
に関してです。
この問題自体に関しては、いろいろな意見があると思います。
自分は先生とは違う意見を持っていますが、それについて、先生のご意見を否定するつもりはありません。
ただ、「環境問題を考える」ホームページで、論じるべき話題では無い気がします。
まず、私は、先生などではありませんので、悪しからず。
さて、このコーナーで直接的に環境問題に関連のない記事を書くことになった初めの出来事は、米国ブッシュ政権のアフガン侵略開始の時でした(No.023)。これ以来、米国ブッシュ政権と、それに連動する小泉政権の急速な軍国主義化傾向が鮮明になってきています。
このHPは、環境問題という視点から、我々の住む社会を考えることを目的にしています。現実の社会を対象に問題を考える時、単に着目する問題だけを実験室的に取り出して分析したところで無意味ではないかと考えます。当時、この種の問題に触れるべきかどうか、非常に悩みましたが、問題は現実の社会情勢と密接に連関しているのであって、不可分の問題だと考えるに至りました。もし戦争状態に至れば、環境問題論議など吹っ飛んでしまいます。
事実、環境問題の当面する大きな問題の一つである原子力利用の問題は、即日本の再軍備、とりわけ核兵器保有と切っても切り離せない問題です。また石油問題は中東へのかかわりとも不可分の問題です。
勿論、この書き込みをされた方同様のご批判があることも重々承知していますが、私にとって、環境問題と同時にその他の社会情勢も非常に重要な事柄です。今後とも、社会情勢における重要な問題に対して、管理者特権と言うことで取り上げていくつもりです。
このHPに対してまだ誤解している方がいるようです。このHPの趣旨は、『はじめに』で表明しているように環境問題を『科学的(自然科学あるいは一部は社会科学的)』に『考える』ことです。これは、環境問題というものが第一義的に自然科学の対象となるべき問題であること、当然こうした事象に対する対策は科学的でなければならず、実社会の対応は社会科学的に考察しなければならないからです。
環境問題に取り組まれる方の中に、ともすると御伽噺的ユートピア論的なものがあることに非常に危険なものを感じます。勿論、方法論ないし戦術として比喩的にこうした手段を選ばれる場合もあるとは思います。しかしその根幹をなす基本的な考え方は、科学に裏打ちされた冷徹なものでなければならないと考えます。
ここでアンケートの書き込みを紹介します。
地球温暖化 - 2004/12/17(Fri) 01:16:31
温暖化に対する考えを改めさせられました。確かにそうかもしれないと思います。実際、私も二酸化炭素が地球温暖化の原因とは考えにくいと思っていました。
「温暖化はよい」と考えいるようですが、赤道直下の小さな島国に住む人々にとっては死活問題です。南極の氷が溶け出しているのが事実ならば、彼らはいずれ故郷を失うのです。
そんな彼らに対する配慮が足りないと感じました。
この書き込みの後段の問題です。まず、『 「温暖化はよい」と考えいる(ママ)ようですが、』と言う部分です。このHPでの主張は、地球の生態系の物質循環の第一生産者である光合成生物にとって温暖化することは、光合成効率の上昇と、生息域の高緯度・高高度地帯への拡大を意味し、紛れもなく好ましいことである、と言うことです。
さて、現在南極の氷が融解して海水量が増加し、それが原因となって海水面の上昇が起こっているのかどうかは、また別の問題ですが、仮に太陽活動の活発化によって氷河が著しく後退して、住む土地を失う人が居たとします。土地を失うことは確かに重大な問題ですが、自然現象なら、その現象そのものは受け入れざるを得ないことです。それに如何に対処するかは人間社会の問題であって、自然現象の側の問題ではありません。
ここで環境問題とは何かを確認しておきます。環境問題とは、人間社会の活動が原因となって、生態系の物質循環を阻害し、あるいは環境を汚染することによって、人間の生息環境が悪化することです。自然現象とは、人間社会以外の外的要因による地球環境の変化です。同じ環境の変化であっても、その原因の違いによって自然現象と環境問題は分けて対応しなければなりません。環境問題は、問題の原因となる人間社会のあり方そのものの再検討によって、本質的な問題解決を目指すべきものであるのに対して、外的要因による自然環境の変化は、対症療法で対応するしかないのです。
この書き込みでご指摘の問題は、自然現象に属する問題であって、このHPの範疇を超える問題であることをご理解いただきたいと思います。自然現象に対して、その住民に対する配慮を・・・、などというのは問題の次元が異なるのです。
小泉政権は極めて危険な一線を越えつつあるように思います。
この時期に、新防衛大綱において中国を仮想敵国としたことには唖然としてしまいます。ただでさえ、小泉氏の東アジア諸国の感情を無視し続ける靖国参拝の問題で、日中関係が悪化している時期に、更にこのような明確に敵国であると宣言するなど、狂気の沙汰です。
また、北朝鮮拉致被害者・家族の反北朝鮮感情を利用して、北朝鮮に対する経済制裁を行うことも、全く馬鹿げた行為です。拉致被害者・家族が、北朝鮮に対して反感を持つのは当然です。しかし、この問題とて、その本質的な原因は、日本がかつての朝鮮半島支配において残虐な行為を繰り返したことにあるのです。更に朝鮮戦争において、日本は米軍の前線基地・兵站として機能しており、北朝鮮の日本に対する不信感・敵対感情が強くなったことは当然であり、これが日本人拉致の直接的な原因です。北朝鮮国民の歴史的な日本に対する反感は、日本の拉致被害者の方よりよほど強いことでしょう。
こうした歴史的に複雑な問題を抱える日朝関係の修復には、互いに過去の過ちを認めた上で、ある意味許しあうことしか解決の道はないでしょう。国家間の関係を考えるとき、直接的な被害者・家族の個人的感情を前面に出せば、関係修復など不可能です。
こんなことは外交のプロである、外務省の諸君に分からないはずはないでしょう。その意味で、この時期に経済制裁を行うと言うことは、日本外交として、北朝鮮との関係改善、ひいては拉致問題の真相究明を放棄することを意味しています。拉致被害者・家族の皆さんは、真相を究明するためには、北朝鮮との良好な関係が必要であることを理解し、冷静に対応していただきたいものです。経済制裁を行っても、苦しむのは北朝鮮の中で力の弱い人達であり、北朝鮮国民の中に更なる反日感情を作り出すだけです。
現在の日本外交は拉致被害者・家族の個人的感情を利用して、北朝鮮との間に恣意的に緊張関係を作り出しているとしか考えられません。なぜか?それは冒頭で述べた中国の新防衛大綱における仮想敵国化でもわかるとおり、小泉氏登場以来、日本の好戦的勢力・防衛族の意向が、この国の外交・防衛政策に対して大きな影響力を持ち始めているからなのでしょう。こうした日本の外交政策で、東アジア地域に新たな緊張関係を作り出し、それによって自衛隊の明確な軍隊化、憲法改正のてこに利用しようとしているのではないでしょうか?
日本国民を危険にさらす小泉政権を、一日でも早く退陣させたいと願うものです。
賛同いただける方は、首相官邸へ抗議のメールをお願いいたします。
掲題のとおり、特に説明の必要はないでしょう。無謀な自衛隊の攻撃的軍隊化、憲法違反、それどころかイラク特措法にさえ違反し、あるいは国民の意思を無視したイラク政策、米国一極外交に絶対反対の意思表示をしたいと思います。賛同いただける方は、首相官邸へ抗議のメールをお願いいたします。
既にこのコーナーでは暮れの『年中行事』になった感がありますが、冬の電飾(イルミネーション)批判を行います。毎年のこととはいえ、冬の電飾は、増えこそすれ、まったく減る気配を見せませんので、私としてもこのテーマを放棄するわけには行きません。
大分県を含めて、行政は省エネ・温暖化防止をお題目のように唱え続けておりますが、一向にその成果は上がりません。と言うよりは、行政の省エネ・温暖化防止活動は、あくまでもショー・ウィンドウなので、実効性など頭から考えていないと言うのが正しい評価です。
この夏、大分県では、七夕の夜でしたか(あまり興味がないので定かには覚えていないのですが)、一晩だけ電気の明かりを消してロウソクの光ですごそうと言う、誠に風流なイベントを行い、民間団体・マスコミも一緒になって盛り上がっていました。まあ、大分県に限らず、この手の『屁のつっぱりにもならない』イベントは多くの行政がやっていることです。
その裏返しが、同じく行政による冬のイルミネーションでしょう。この論理的な整合性のなさには唖然としてしまいますが、行政の中で、省エネを奨励しながら無意味な冬の夜のイルミネーションを行うのはおかしいのではないか、と言う声はないのですかね・・・?ないのでしょうね・・・!!
同じくマスコミの無能な連中は、提灯記事よろしく、夏は夏で省エネ行事を持ち上げ、冬のイルミネーションには恥ずかしげもなく『きれいですね』『ロマンチックですね』と連呼して、とんでもない評価をして見せます。近頃では、個人の家や田舎の小学校までもが、場末の飲み屋のような電飾で飾られている有様です。何をか言わんや、です。
まだ環境問題に対する認識、真剣さなどと言うものはこの程度のものなのです、と再認識させられるのがこの冬の恒例の電飾騒ぎです。来年は少しでも電飾が減ることを願いたいものです。
最後に、つい2,3日前にNHKの番組で見たとんでもない電飾を紹介しておきます。国営公園と言うのですから、きっと公金が支払われていると思いますが・・・。それは、木曽三川公園という日本最大の国営公園です。今年は電球55万個を使っているそうです。ごゆっくりご鑑賞ください!
そういえば、風力発電の件でAPUの学生諸君と最初で最後の面談をしてから、早いものでもうすぐ一年になろうとしています。今月には、1年間のNEDOの風況調査も終わり、当初計画では2005年夏に営業開始することになっていましたから、そろそろ風力発電を行うかどうかの最終判断を行う時期にきていることでしょう。九電との系統連携の方はどうなったのでしょうか?今のところ、別府市民に対する説明会はまだ行っていないようですが・・・・。宇侍見クン、どうなってるの?
まず、アンケートの最近の書き込みから3題紹介しておきます。
地球温暖化 - 2004/11/03(Wed) 12:29:45
今世間一般で言われている二酸化炭素が温暖化に影響するのは仮説に過ぎないとありましたが、一仮設にしても完全な原因が解明されていない以上私は二酸化炭素の問題に着手していくべきだと思います。最悪の事態になってからでは遅いですからね・・・
まず、恒例の二酸化炭素地球温暖化脅威説から。この書き込みをされた方は、このHPの主張を理解されていないようです。このHPでは、『二酸化炭素地球温暖化説』と『温暖化脅威論』を明確に分けて検討しています。
まず、このHPの第一の主張は、1970年代以降継続している地球の温暖化傾向の主要な原因が、人為的な温室効果ガスである二酸化炭素の増加による地球大気の温室効果の増加によるという、二酸化炭素地球温暖化説による可能性が極めて低いことを主張しています。
第二に、現在の地球の環境において、温暖化(必ずしも温室効果が原因とは限らない)することは、地球の生態系にとって悪影響を及ぼすことはないことを主張しています。特に、その温暖化が、大気中二酸化炭素濃度の上昇による温室効果による気温上昇であれば、これは非常に好ましい環境変化であり、『環境問題』ではないことを主張しているのです。
つまり、二酸化炭素の増加は、地球生態系にとって大変好ましい変化であり、対策の必要性などまったく存在しないのです。近年の温暖化傾向が、大気に付加された人為的な二酸化炭素の増加による可能性は小さい、書き込みをされた方の表現で言えば「原因が解明されていない」わけですが、その変化そのものが生態系にとって好ましい変化なのですから、対策の必要などないのです。この方の言う『最悪の事態』というのが私には理解できません。できましたら、最悪の事態の内容を示してくだされば、もう少し具体的に説明できるかもしれませんが・・・。
エネルギー - 2004/11/14(Sun) 22:23:24
日本は資源に乏しいから、これからどうなるのか心配。また、日本や地球の未来などを取り上げてほしい。
この問題につきましては、「生きている地球」ないし「石油文明の次は何か」などをご覧ください。
地球温暖化 - 2004/11/28(Sun) 17:58:12
京都議定書にやっとロシアがサインしましたね。アメリカが離脱したのはどうかと思いますが・・・。二酸化炭素を一番多く排出しているアメリカがサインしなくていいわけないんですがね
この方は、まったく問題を取り違えています。京都議定書の二酸化炭素排出量削減については、後で検討します。ここでは、ロシアの京都議定書批准について考えてみます。
ロシアが京都議定書を批准した理由は、二酸化炭素排出削減の有効性を認めたわけではありません。ロシアは旧ソ連の体制が崩壊して以後、工業生産システムが崩壊し、工業生産規模が激減した結果、労せずして二酸化炭素排出量が京都議定書に示された削減目標値を大幅に下回る結果になりました。ロシアにとって、国内産業を復興するために資金を獲得する最も手っ取り早い手段は、京都議定書を批准して、議定書を発効させ、ロシアの排出権という『架空の国際商品』を日本をはじめとする先進国グループに売りさばくことなのです。ロシアの対応は、ロシアの国益を得るという文脈で考えれば、非常に正しい政策判断で、これによって少なからずロシア経済の復興の速度が速まるでしょう。あくまでもロシアの議定書批准は国益の確保なのです。
さて、京都議定書に定められた二酸化炭素排出量の削減目標というものが、一体どの程度の『効果』を生むものなのでしょうか?ここでは、はれほれさんの試算を引用しておきます。
[1312] 屁のつっぱりにもならない 投稿者:
はれほれ 投稿日:2004/11/24(Wed) 19:09
京都議定書は人類起源の二酸化炭素を平均で5%ほど削減するというものです。
大気中に排出される人類起源の二酸化炭素は約3%です。
二酸化炭素の温室効果は人為起源の温室効果ガスの64%です。
人為起源の温室効果ガスは全体の温室効果の3%です。
問題:
では京都議定書の目標が達成できたとして温室効果の何%が削減できるでしょうか?
解答:
0.03x0.64x0.03x(1-0.95)=????
もの好きな方は計算してください。こういうのを私の地域ではタイトルのような言葉にたとえています。(もしかして標準語?)このためにロシアに年間100億ドルですか・・・・。まさに狂気の沙汰ですね。
はれほれさんの示した解答を実際に計算して見ますと、2.88×10-5 ということになります。まさに『屁のつっぱりにもならない』ゴミのような値です。地球大気の中で最大の温室効果(ここでの試算では97%とされています。文献によっては70%〜90%程度の幅があるようです。)を持つ水蒸気の大気中濃度は、場所や季節によって数1,000ppm〜数10,000ppmの範囲で大きく変動しています。この水蒸気の大気中濃度の変動に比べると、京都議定書の削減目標による効果など誤差程度で、観測することすら困難でしょう。
ここに使用した数値の解釈あるいは数値そのものは、文献によって幅があり多少異論があるかもしれませんが、大勢として京都議定書が遵守されたときの温室効果の削減値などと言う物は、所詮この程度の効果しかないのです。アンケートに書き込みをされた諸君、どのようにお考えですか?こんなものにまともに付き合うだけ無駄というものです。その意味で、米国の対応はきわめて科学的・理性的で正しい判断です。
では、この京都議定書の意義とは何でしょうか?これは、先進工業国グループないし企業戦略として、発展途上国への技術移転で、国際的な経済競争力の落ちた工業生産分野において、環境技術という先端技術によって、先進工業国グループと発展途上国グループの工業製品の技術的な差異化を通して、発展途上国の工業製品を追い落とし、世界経済の中で再び覇権を掌握するための切り札として利用しようとしている以外に、合理的な意味はないと考えます。
日本国政府は、京都議定書の発効をにらんで、『環境税』の導入を行おうとしています。その目的は、京都議定書の発効で確実な、日本の削減目標が達成ができない状況を見越した、ペナルティーの支払い財源、ないしロシアなどからの排出権購入の財源、あるいは『環境技術』による新規産業分野の育成のための助成金の財源にしようというものでしょう。つまり、日本の企業が将来的にも儲け続けるための財源を、消費者への大衆課税によってまかなおうとするものであって、本質的な環境問題の改善のためとは無縁なのです。現段階における環境税の創設には、断固反対です。
追記(2004/12/01)
その後、はれほれさんと協議の結果(?)京都議定書の削減効果を、以下のようにまとめました。
■水蒸気以外の温室効果: 10〜30%
■水蒸気以外の温室効果のうち二酸化炭素による温室効果:: 50%
■人為的排出による二酸化炭素の1年間の増分: 3Gt/750Gt
■京都議定書削減目標値: 5%
∴(1年間の温室効果削減量)=(0.1〜0.3)×(0.5)×(3Gt/750Gt)×(0.05)=(1〜3)×10-5
結局、京都議定書の削減目標値を100年間達成し続けたとして、それによる地球大気の温室効果の削減量は、わずかに0.1%〜0.3%にしかならないということです。本当にこんなものにまともに取り組んで意味があるとお思いになりますか?
久方ぶりの更新です。さて、前回報告した後、他にもいくつかの風力発電施設の台風による被災事例が見つかりました。これにつきましては、『APU立命館アジア太平洋大学学生起業家による風力発電計画を考える』に掲載しておりますので、ご覧ください。いずれにしても、風力発電施設にとって、自然災害というものは非常に大きな問題の一つである事は明らかです。
前回報告した瀬戸町の風力発電施設の被災状況について、阿部さんからいただいた追加情報を紹介しておきます。いただいたメールを引用しておきます。
(前略)瀬戸町の企画課職員の話は次のようなものでした。
被害状況は、11基のタワーの、羽根の中央キャップカバーに
穴があいたが、発電に支障はなかった。
しかし、点検も含めて10月2日までの約1ヶ月間、運転を
控えた。10月3日からは運転を再開している。
修理費は4〜5000万円。災害復旧保険と運転不能時保険の
二つの保険で、修理費をまかなう事ができた。(後略)
被害としてはそれほど甚大なものではなかったようです。しかしそれでも4000〜5000万円の修理費というのは小さくない金額です。果たして、耐用期間中に、自然災害による突発的な破損事故によってどれほどの追加資源の投下が必要になるのでしょうか・・・?
阿部さんから、これとは別にこの施設の開設以来の発電実績を送っていただきました。約1年間の平均の発電実績は、定格出力に対して約30%という比較的高い値を示しています。月別で見ると19.0%〜44.4%という大きな変動を示しています。
四国電力への売電単価は11円/kWh程度のようです。発電経費についてのデータがないため、稼働率20%の場合の発電経費を11.9円/kWhと仮定して推測すると、稼働率30%の場合には8円/kWh程度になります。この発電施設の耐用期間20年の平均稼働率を楽観的に見て30%と仮定した場合の売電事業による総収益は、
1000kW/基×11基×24h/日×(365×20)日×0.3×(11−8)円/kWh=17.3億円
今回のような自然災害による予想外の経費の発生を考えると、約20億円に上る初期設備費を回収した上で利益を上げることは、まず不可能ではないかと想像されます。経済的に成り立たないということは、石油によるエネルギー供給を基礎とした社会システムの中において、石油浪費的であることを暗示していると考えられます。
風力発電の時間変動の大きさという避け様のない本質的・致命的な欠点と、この石油利用効率の低さから考えて、風力発電の導入によって社会システム全体の石油利用効率が改善される可能性はありません。
さて、今年は非常に日本に接近・上陸する台風の多い年です。自然エネルギー発電システムは、厳しい自然環境中に曝されるため、こうした自然災害に対してのリスクが非常に大きくなることは当然です。中でも風力発電施設は形状的に、最もリスクの大きな装置です。
昨年は宮古島で台風によって風力発電施設が完全に倒壊したといいます。つい最近、知人から四国の風力発電施設の被害状況写真を頂いたので紹介しておきます。場所は愛媛県の伊方原子力発電所に近い瀬戸町にある農業公園に建設されている風力発電施設です。
ブレードの千切れた風力発電装置(2004/09/27)
ブレードが千切れてしまっているようです。風力発電装置のメーカーは三菱重工業であることが分かります。
「MITUBISHI」の文字が確認できる(2004/09/27)
これは観光用の施設ですが、すぐ傍には三菱重工業が90%出資し、瀬戸町が残りの10%を出資する(株)瀬戸ウィンドヒルという第三セクターの運営するウィンドファームがあります(パノラマ写真)。蛇足ですが、伊方原発・三菱重工・風力発電、この三者の関係は非常に興味深いものがあります。
この瀬戸町の風力発電施設の台風被害について、新聞報道は無いかとだいぶ探してみましたが、不思議なことにほとんどネット上に情報がありません。それに引き換えこの施設が開所するときの報道ならいくらでもあるのですが・・・。
その他にも佐賀県の風力発電施設では、強風による過負荷によると見られる火事騒ぎなどもあったようです。また、落雷による破損は周知の通りです。
風力発電施設は、その形状から、自然災害に対して非常に影響を受けやすい構造です。これを洋上に設置することになれば、更に自然災害に対するリスクは大きくなります。これに対抗するために自然災害に対する安全率を高めることは、コストの上昇・資源消費量の増大、したがって総合的な発電効率を更に低くすることになります。
こうした自然災害を期に、風力発電システムに対する冷静な検討を考えていただきたいものです。
前述のように、ネット上で風力発電の被害状況の情報を探すのは、なぜか非常に難しい状況です。本当に実用化を目指すならば、風力発電にとって厳しい情報こそ共有するに値する情報なのだと思うのですが・・・。
さて、そんな中で、瀬戸町の西日本で最大級のウィンドファームである(株)瀬戸ウィンドヒルの11基の風力発電施設に関する記述を、個人ホームページ上でやっと見つけることが出来ました。愛媛県議会議員阿部悦子さんの個人ホームページの「悦子の日々便り2004.9.13」がそれです。現在、詳しい被害状況についてお尋ねしておりますが、とりあえず阿部さんのホームページからの情報を紹介しておきます。
その前に、(株)瀬戸ウィンドヒルの概要について紹介しておきますと、営業運転開始は2003年10月1日で、(定格?)出力1000kW×11基という、西日本最大規模の風力発電施設です。まだ営業運転開始から1年経たぬうちに、不運にも今回の台風被害にあったことになります。以下阿部さんのホームページの記述を引用しておきます。
風が吹いて儲かるのは誰?
霧の中に見え隠れする風力発電は、異様に高くそそり立っているが、その羽根が今日は動いていないではないか。台風で11基のうち10基が壊れたのだという。
よく見ると、3枚の羽根が出会う中心部分の円形の場所(ナセル)に穴があいている。Mさんによれば、台風18号で風速70m以上もの風が吹き、壊れたのだという。(後略)
この記述によると、11基中10基までが台風によって被災したようです。風力発電には、こうした強風による被災、落雷による破損などの自然災害がつき物です。自然災害に対する安全性を高めることは、発電効率の低下に直結します。自然災害によるリスクを織り込んだ発電効率ないし発電単価は一体どの程度なのでしょうか?
(2004/10/17 追記)
No.146において、2003年に、大気中二酸化炭素濃度の増分が、3ppmにも達していると言う槌田氏にの講演概要からの話を紹介しました。この数値自体が何を出典にしているのか確認していないのですが、C.D.Keelingによる、ハワイ・マウナロア観測所における観測データを基に検討してみます。
あまり厳密な検討ではないのですが、とりあえず、大気中二酸化炭素濃度の観測値の12ヶ月の単純平均値を各年の代表値として、その年の代表値から前年の代表値を差し引いた値を大気中二酸化炭素濃度の増分ΔCO2(ppm)と定義し、これを1970年から2003年まで算定したものをグラフに示したのが次の図です。併せて、この間のエルニーニョ現象/ラニーニャ現象の発現期間を示しています。
まず、ΔCO2の変動に着目すると、年毎にかなり大きな変動を示しており、これをもって、人為的な二酸化炭素排出量の一定部分が大気中に残留して蓄積していると言う、二酸化炭素地球温暖化説の仮定は、かなり無理があるように思われます。
また、1970年以降、近年に近づくほどΔCO2が2ppmを越える頻度が多くなってきているように見えます。特に1988年、1998年と2003年は2.5ppmを超える大きな値を示しています。人為的な二酸化炭素排出量の半分程度などというレベルではないように見えます。
さて、併記したエルニーニョ/ラニーニャ現象の発現期間と比較すると、更に面白い対応が見えてきます。エルニーニョ現象が発現すると、ΔCO2は急激な上昇局面に入り、逆に、ラニーニャ現象が発現すると、ΔCO2は急激な下降局面に入ることが分かります。
この間、全くここの対応関係が破れた時期が一回だけあります。それが1992年前後のエルニーニョ現象の発現したときです。その大きな理由と考えられるのが、フィリピンのピナツボ山の大噴火です。この特殊なイベントの発生によって、1970年代から続いていた気温の上昇傾向が停滞したことが世界各地で観測されたのがこの時期に重なります。
以上、単純平均値という非常にラフな数値を元に見るだけでも、大気中二酸化炭素濃度の増加量は、人為的な二酸化炭素排出量ではなく、気象現象、とりわけ海洋表層水と大気との二酸化炭素交換に大きく支配されていることを覗わせていると考えられます。
註)エルニーニョ/ラニーニャ現象とは(HP:エルニーニョ/ラニーニャ現象の情報より)
図Aは、1997年の春に発生して1998年の夏に終息したエルニーニョ現象が最盛期にあった1997年11月における太平洋の海面水温の平年(1971〜2000年の30年間の平均)からの偏差の分布を示しています。赤道に沿った海域では、日付変更線(経度180度)の東から南米沿岸にかけて海面水温が平年より1℃以上高く、西経100度付近では4℃以上高くなっています。
エルニーニョ現象はこのように、太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。これとは逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。表は、気象庁に太平洋の海面水温の解析データが整備されている1949年以降に発生したエルニーニョ現象とラニーニャ現象の期間を示しています。なお、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生及び終息は季節単位で表すことにしています。
図A 97/98エルニーニョ現象最盛期(1997年11月)の月平均海面水温平年偏差。
さて、このHPでも紹介している、大分県地球温暖化防止活動推進センターならびに大分県環境企画課に対する、パンフレット『ななちゃんとはじめる/ストップ温暖化』についての、誤った内容を訂正するように求める提言に対して、昨日最終的な県の姿勢が通知されました。
詳しい経過は、本編のほうで詳細を報告いたしますが、概略をお知らせしておきます。去る8月17日に県に提言を提出し、二週間たっても何も言ってこないので確認をすると、あわてて紙切れ一枚の『お手紙』が届きました。提言に対して一切回答していないので、更に回答を求めると、「パンフレットに記載した内容も、提言の内容も、大分県の無能な役人では判断できませんので、環境省の詳しい方に相談してみますので、今しばらく時間をいただきたい。」と言うことになりました。
その後、更に二週間が経過し、昨日結論として通知された内容がすごいものでした。曰く『提言の個別の内容に対して、科学的な説明をすることは出来ないが、パンフレットに記載されている内容は、概ね妥当であり、訂正の必要は無い。』と言うものです。科学的に説明できずに、どうして『概ね妥当』などという判断が可能なのか、私には理解できません。
今回のやり取りを通して見えてきたことは、大分県の木っ端役人どもの無能さ、県民を全く愚弄した不誠実さです。彼等は、結局最後まで、自らの責任において事実関係を調べて判断することを全く放棄し、判断を環境省に丸投げし、環境省の判断と言うお墨付きで処理しようとしたのです。
大分県の、パンフレットの内容は訂正しないと言う結論が先にある以上、判断をゆだねられた環境省としては、論理的に説明するわけには行かなかったことは容易に察しがつきます。論理的に説明しようとすれば、パンフレットの内容は訂正せざるを得ないことになりますから・・・・。
大分県の木っ端役人どもは、自らの名の下に発行した印刷物に記載されていることすら理論的に全く理解しておらず、いわんや環境問題に対する政策判断できるような知識もなければ、学習しようという意志すら全くないのです。このような無能な連中が、環境政策と称して、無駄な政策に血税をばら撒くことになると思うと、心静かでは居られません。他人事であれば喜劇ですが、当事者である大分県民にとってはこれは悲劇です。この無能で不誠実、その上横暴な木っ端役人どもにどうすれば対抗できるのか、何か良い知恵をお持ちの方はいらっしゃらないでしょうか・・・。
さて、今年も南極のオゾンホールの極大時期が近づいてきました。次の図は、9月18日現在の南極のオゾンホールの状況です。今年の状況は、平年並み程度との事です。関心のある方は、http://toms.gsfc.nasa.gov/ozone/ozone.htmlにアクセスして、リアルタイムで変化を楽しんでください。
昨年のデータは、このコーナーのNo.110に掲載していますので、比べてみてください。オゾンホールに関する評価は、No.110に書いた通りなので、ここでは繰り返しません。
先週末、槌田敦氏からFAXが届きました。広島で開催される環境経済・政策学会の講演の概要をお知らせいただきました。このところ、国や地方公共団体、公共広告機構やNHK,それに産業界による、マスコミを総動員した二酸化炭素地球温暖化のヒステリックな大量宣伝が続いています。しかし、その一方で、相変わらず二酸化炭素地球温暖化を支持するような新たな実測データはあまり耳にしません。僅かに、幼稚なシミュレーションモデルでこんな結果が出ましたという、何の証拠にもならないお遊びに、藁にもすがるというのが実態です。
このような状況で、さすがに環境省も、南極の氷が融けるなどとおおっぴらに言うのが恥ずかしくなってきたようですが、温暖化防止活動推進センターは、相も変わらず恥ずかしげもなくこれを宣伝し、自らの無能さを露呈しています。
槌田氏の演題は「CO2温暖化が否定されたとき、経済学者を襲う排出権取引の責任問題」です。世の経済学者諸君、この問題について、そろそろ冷静に考え始めたほうがよいのではないでしょうか?
槌田氏の講演概要で、興味を持った事実を紹介しておきます。IPCCによると、人為的に排出される二酸化炭素のうち、46%が大気に留まると仮定していました(IPCC,1995年)。環境省による「地球温暖化研究の最前線」という書籍によると(総合科学技術会議環境担当議員/内閣府政策統括官 共編、2003年3月)、「・・・人為的な二酸化炭素発生量の積分値の58%と比較すると驚くほど一致しており、長期間の二酸化炭素の増加は人間活動の結果であること、その内、約6割が大気中に蓄積されていることが明らかである。」!(p26)と述べています。
残念ながら、この2例とも何ら実証的な証拠があるわけではなく、ただ数値的に、こう仮定すると良く合うというだけであり、理論的には全く明らかではないのです。
気候予測シミュレーションでは、温室効果ガスを代表的な温室効果ガス(確か二酸化炭素・・・?)に全て置き換えて計算を行っているといいますが、多分、その大気中濃度については、IPCCないし環境省などのシナリオを踏襲しているのだろうと推測されます。
しかし、このモデル化自体が非常に無理があります。温室効果ガスで最大の影響を持つ水蒸気の大気中濃度は時空的にきわめて大きく変動し、これを適切に予測することなど不可能です。
これまで、人為的に排出される二酸化炭素のうちの一定量が大気中に留まり(IPCC報告では46%、環境省では58%)、年率で1.5ppm(1980年代)〜1.8ppm(1990年代)の割合で大気中二酸化炭素濃度が上昇するといわれてきました。さて、槌田氏によりますと、この値が2003年には一気に3ppmの上昇を示し、とても人為的な二酸化炭素排出量の増加では説明がつかなくなっているとの事です。
地球全体の炭素循環に何か未知の変化が起こったと考えられます。もともと、年間200Gtに及ぶ大気の二酸化炭素交換量に対して、わずか6Gtの人為的な影響を、巨大な炭素循環システムの中でトレースすること自体、非常に困難な問題なのです。炭素循環システムの実際の機構が明確にされないまま、「たまたま」人為的な排出量の一部が大気に残留したら数値が合うというような、何の理論的、実測的な根拠を持たないブラックボックスを内包した気候予測数値シミュレーションなど、画餅にすぎないことを銘記すべきです。
特定非営利活動促進法、通称NPO法が成立して以来、民間団体の多くがその恩恵にあずかろうと、雪崩を打ってNPO法人になりました。環境保護団体も例外ではありません。確かに、各種の優遇措置にそれなりの意義はあるかもしれません。しかし、これまで任意団体として違法行為でない限り、あらゆる権力組織から自由であった運動が、ある意味で行政からお墨付きを得る代償として、行政主導によって再編成されたのではないかと考えています。自立的な運動を継続するためには、強い信念と行政と渡り合うしたたかな処世術を持たない限り、いずれは既得権益の確保に汲々として、腐敗した行政の末端組織に変質していくのではないかと危惧しています。
既にその兆候は現われ始めているようです。行政による権威を自らの運動の成果と勘違いし、これまで出来なかった大きな事を出来ることや、マスコミに大きく取り上げられることに、有頂天になっている哀れな姿。NPO法人化の代償は予想以上に大きいように思えます。
例えば、大分県地球温暖化防止活動推進センターに指定されたNPO組織は、このホームページでも検討してきた『温暖化問題』に対する啓蒙用のパンフレットを作ったわけですが、その内容たるや、国(環境省)ないし全国地球温暖化防止活動推進センターの資料のつまみ食いでしかないのです。自らの責任を全く放棄し、国・行政の理論と自らの名の下に発行するパンフレットの内容を同一にし、完全に行政の末端組織として機能しているのが実態です。
さて、2004年9月6日付の大分合同新聞夕刊に次のような大見出しが踊りました。マスコミの無能さについては、もう繰り返しません。
さて、これなども、行政の広告塔と化してしまったNPO法人の典型的な事例だと思います。内容は、かの環境破壊施設である大分スポーツ公園の一角に、NPO法人『九州・自然エネルギー推進ネットワーク』が、大分県との「共同事業」として、NEDOと九州グリ−ン電力基金(要するに九電です)から財政的な援助を得て、『広告塔』用の太陽光発電装置を設置するというものです。
太陽光発電の評価については、既に繰り返しこのホームページで取り上げてきましたので、ここでは敢えて取り上げません。このNPO法人の中心人物は、反原発運動に長らく携わってきた方です。残念ながら、この方も反原発→自然エネルギー利用という短絡的な潮流に飲み込まれているようです。少し冷静に考えてみてください。
今回の事業も含めて、自然エネルギーの導入に補助を行う九州グリーン電力基金は、あなた方の運動の打倒すべき対象であるはずの原子力発電を更に推進しようという九州電力のトンネルなのです。そんな組織が応援する、太陽光発電をはじめとする自然エネルギーが、原子力と異なるカテゴリーに属するわけはないとお考えになりませんか?あるいは彼等は、自然エネルギー発電が原子力を中心とする現在の電力構成を変革するものにならないことを十分理解しているから、安心してエクスキューズのための援助を行っているのだということが、なぜ分からないのですか?もう少し、原点に戻って、自然科学的な考察をしていただきたいと、切に願うものです。合掌。
詳しい状況は、いずれ『有明海・諫早湾干拓リポート』で報告されることになると思いますが、諫早湾干拓事業に対して佐賀地裁が8月26日に出した工事差し止めの仮処分に対して、国は異議申し立てを行いました。国の主張は、現在有明海で起きている赤潮発生をはじめとする漁業被害と干拓事業には『科学的』な因果関係を示す確証がないという理由です。
有明海の生物環境の悪化は、『有明海・諫早湾干拓リポート』でも触れている通り、単に諫早湾干拓事業だけではなく、周辺地域の水環境の悪化をも反映していることは事実です。しかし、潮止め堤防閉鎖以来、有明海の潮汐波の振幅の減少、それに伴う湾内の海流の流速減少あるいは海流の変化が、更にこれに追い討ちをかけるように有明海の浄化能力の低下を引き起こし、赤潮の頻発を誘発している可能性は極めて高いと考えられます。
例えば、現在国を挙げて馬鹿騒ぎ・空騒ぎ(としか私には思えない)している『二酸化炭素地球温暖化脅威論』などは、全く根拠のないものであり、人為的に排出されている二酸化炭素が、近年観測されている平均気温の上昇傾向の原因であることなど、論理的に説明出来るだけの科学的な根拠など何処にもありません。それにもかかわらず、国は『二酸化炭素地球温暖化脅威論』を元に、国家の環境政策を立案しています。
これに比較すれば、諫早湾干拓の潮止め堤防の締め切りは、詳細な発生メカニズムは別としても、これが有明海の生物環境に何らかの影響を与えていることは、紛れもない事実であり、その因果関係は科学的に見て極めて関連性が高いものです。
国が異議申し立ての根拠としている「科学的な因果関係を示す根拠」云々などという言い分は、所詮ご都合主義の理由にすぎません。要するに既得権益と国の面子の確保こそ最大の理由なのでしょう。
これまで公共事業によって破壊されてきた生物環境の回復の方策検討の場として、諫早湾干拓事業を中止して、これを撤去するという実験を行うことを提案したいと思います。