昨日あたりから急に臨時国会の冒頭解散の噂が流れ、今朝のNHKの朝のニュース番組ではほとんど確定的になったような報道がありました。
通常国会後の民進党の代表選挙で野党共闘に消極的な前原体制となり、更に離党者の続出、一旦幹事長に決まったかに見えた山尾のスキャンダル報道、などなど敵失が続きました。更に、北朝鮮の一連の核・ミサイル実験を反映して、勇ましい安倍政権の裏付けのない無謀な北朝鮮強硬姿勢によって国民の支持が急速に回復している状況を見て、「今なら勝てる!」という状況判断だけで、全く政治的な大義のない解散・総選挙に打って出ようというわけでしょう。
本来なら、北朝鮮をめぐる政治的に極めて不安定な時期に国政に空白を作るなど、責任ある為政者であれば絶対取るべきではない選択肢ですが、森友問題や加計学園問題を追求されたくない安倍晋三が、保身のためになりふり構わずドサクサ紛れで火事場泥棒的に解散しようというわけです。
おそらく安倍の思惑通り、自民党の圧勝になる可能性が高いと思われますが、日本の民主主義は完全に病んでしまったようです。有権者は何時になれば覚醒するのか・・・。
昨日受け取った天木さんのメールマガジンを紹介しておきます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年9月16日第748号
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火事場泥棒解散で安倍自民圧勝と書いた週刊ポストの衝撃
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きょう発売の週刊ポスト(9月29日号)に、安倍「火事場泥棒10・22解散総選挙」へ!、「自民3分の2大圧勝」の悪夢 という見出しの衝撃的な特集記事が掲載されている。
そこに書かれている要旨は次のごとくだ。
とても解散・総選挙どころではなかった安倍政権の支持率がここにきて急回復している。
その理由は民進党の自滅や小池新党の失速だ。
おまけに北朝鮮の連日のミサイル発射だ。
いまなら選挙に勝てる。
そう麻生氏と二階氏が安倍首相にささやき、反対する菅官房長官や逡巡する安倍首相との綱引きが続いてきたが、どうやらここにきて、側近、与党、官僚らが一丸となって解散に傾き、求心力の低下した安倍首相は逆らえなくなったと。
そうなると、野党は候補者擁立の準備が間に合わなくなり、自民党に代わる選択肢がなくなり、投票率は下がり、自公は得票率を大きく減らしながらも議席数はほぼ現状維持を保ち、改憲に必要な三分の二の勢力は確保してしまう状況が十分に予想されると。
それだけでも衝撃的であるが、自公勝利の後の日本の政治状況について書いている次の予測がさらに衝撃的だ。
週刊ポストの特集記事は次の言葉で締めくくられている。
すなわち、これまでの安倍首相の選挙の勝利は、まだ安倍政権に対する期待があった結果の勝利だった。
しかし、今度もし安倍首相が勝つとすれば、それは安倍首相が、勝てる、勝てるとおだてられて解散・総選挙を打たされ、加計疑惑や森友疑惑について「真摯な説明」や反省も何もしないまま、あれよあれよと圧勝してしてできる政権になる。
それは、この国に、「国民の支持なき巨大な与党」という、民主主義の前提を崩壊させる政治形態の誕生を意味する。
その時、ニッポン政府は最大の危機を迎えることになる、と。
このままでは、まさしくそういう政権になるに違いない。
かつて日本国民が経験した事のない荒涼たる政治風景である。
戦後70年余り続いたこれまでの日本の政治の行き着く先がこれだとしたら、一体これまでの政党、政治家は何だったのだろうか。(了)
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安倍政権下の憲法違反の安保関連法の施行によって、日米軍事同盟は強化され、東アジアにおいて自衛隊は米軍と一体化し、米軍の補完部隊となりました。
例えば北朝鮮を威嚇するために米軍のB1B爆撃機と自衛隊のF15Jが「共同訓練」という名目で北朝鮮周辺を飛行しました。また、日本海に配備された米軍のイージス艦に海自の艦艇が給油を行いました。
北朝鮮から見れば、米韓日同盟軍が挑発行動をしていると考えるのは当然です。いくら脳天気な日本国民が、朝鮮戦争の当事者は北朝鮮と米国と韓国であって、日本は関係ないと思っていたとしても、安保関連法によって強化された日米軍事同盟によって、北東アジア地域では米軍と自衛隊は一体化しており、既に日本は朝鮮戦争の準当事者の地位に引きずり込まれているというのが現実だということを確認しておかなければなりません。もし仮に、今回の緊張関係がエスカレートして米朝の軍事衝突に発展すれば、米国と一体化した日本の米軍基地、自衛隊、そして日本が攻撃対象になることは当然の帰結です。
安倍自民党政権や日米安保条約によって日本が守られているという主張は、正確には「強大な軍事大国である米国に武力によって対抗する国がないこと、米国の核を含む軍事的抑止力があるから武力紛争は起きない、したがって日本の安全は守られている」というものです。しかし、裏を返せば、米国に武力で正面から対抗しようとする国からの攻撃は予期していないのです。
仮に今回の経済制裁が失敗して米国が武力攻撃に出た場合、報復として北朝鮮が日本本土を攻撃可能なミサイルを総動員すれば確実に大きな被害が生じます。日米のミサイル防衛システムでは北朝鮮のミサイル攻撃を100%阻止することは技術的に不可能です。
つまり、武力衝突が起こった場合には、日米安保条約によって日本の安全は保証されないということなのです。むしろ東アジア地域で海上覇権を確保しようとする米国は常に軍事的緊張関係にあるわけであり、日米安保条約によって日本が危険にさらされる可能性が大きくなるというのが現実です。
無能な安倍政権の外交防衛政策は、北朝鮮に対する制裁は成功して北朝鮮が核開発を凍結した上で日米に取って都合の良い形で交渉を開けるという前提で、いかに制裁を強めるかという方向しか見ていません。
しかし、日本国民の安全に対して全責任を負う日本国政府の外交戦略は、本来ならば経済制裁が失敗し、最悪の事態である軍事衝突を含めてあらゆる可能性を想定しなければなりません。果たして平和ボケした脳天気な安倍政権は最悪の場合として軍事衝突によって日本本土が攻撃されることまでを想定した上で、制裁強化一辺倒の強硬政策に進んでいるのでしょうか、非常に疑問です。日本の一般国民には、日本本土がミサイル攻撃を受ける場合の覚悟はあるのでしょうか?
さて最後に、経済制裁の強化による北朝鮮からの報復攻撃はあるのか考えてみたいと思います。現在の北朝鮮の状況は太平洋戦争突入前夜の日本の状況によく似ています。世界中で孤立して欧米による経済封鎖、特に石油禁輸措置にたいして南方油田を武力によって奪取しようとしたことが太平洋戦争突入の大きな原因です。
今回は回避されましたが、石油の完全禁輸措置を採れば、北朝鮮が軍事行動を起こす可能性は決して低くないことは、歴史が、それも他ならぬ日本が太平洋戦争に突き進んだ70年ほど前の歴史が示しています。
更なる北朝鮮に対する制裁は、北朝鮮の核兵器技術獲得に対する強い意志を変えさせることは出来ないでしょう。むしろ理不尽な経済制裁を受けないようにするためにも核兵器保有が必要だという意識を強くしているのではないでしょうか。このまま制裁強化の行き着く先は軍事衝突に発展する蓋然性が非常に高いと考えられます。セーフティー・ファーストであるべき安全保障政策の要諦から判断すれば、面子など糞食らえです。日本の安全を確保する最も有効な外交政策は、可及的速やかに制裁強化から撤退して、条件をつけずに北朝鮮との平和交渉が開始できるように関係各国、とりわけ米国に働きかけることしかないと考えます。
追記(2017.09.17):
関連する天木氏のメールマガジンの記事を紹介します。日米安保では日本への攻撃は阻止できない事は明らかです。要するに日米安保とは日本自衛隊を米国のために利用する、米国のためだけの条約だということを直視すべきだと考えます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年9月17日第749号
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米国に代わって日本が中国と戦うことになる動かぬ証拠
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ワシントン発共同が元陸上幕僚長のとんでもない発言を教えてくれた。
すなわち、昨年7月まで陸上幕僚長であった岩田清文という元自衛隊幹部が、ワシントンで開かれたシンポジウムで次のように明らかにしていたことが15日にわかったというのだ。
岩田氏の発言要旨はこうだ。
米国が中国と南シナ海や東シナ海で軍事衝突した場合、米軍が米領グアムまで一時移動し、沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ軍事上の海上ライン「第一列島線」の防衛を、同盟国の日本に委ねる案が検討されているというのだ。
その理由は、米軍を中国近海に寄せつけない中国の「接近拒否戦略」に対応するためで、中国が開発した対鑑弾道ミサイル「東風21D」による米空母撃沈をさけるため、米軍空母はその射程外にある「第二列島線」(伊豆諸島・グアム・パプアニューギニア海上ライン)まで引き下がるためだという。
こんなことが米軍と自衛隊の間で検討されているというのだ。
驚くべき証言だ。
まさしく日本は米国のために中国と米国の代理戦争をさせられるということだ。
よくもこのような発言を元陸上幕僚長が平気で公言できるものだ。
ご丁寧に、岩田清文氏は、米軍支援の為に自衛隊の役割拡大が求められるとまで言ったらしい。
おまけに、自衛隊の役割拡大は中国との戦争だけでなく、米国と北朝鮮との戦いにも言及したらしい。
自衛隊は北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる能力を持つ必要があるとまで言ったらしい。
米国の戦争のために日本が戦わされることになるのだ。
しかも、アジアの隣国であり、アジアの同胞である中国や北朝鮮と戦わされるのである。
過去の日本のアジアへの侵略について、まともに謝罪、和解できていないというのにである。
政治がまともに機能していれば、この岩田発言は国会で大問題になる発言だ。
このような重大な発言を共同通信がスクープ配信したのに、きょうの大手メディアでその事を報じたのは毎日新聞だけだ。
しかも一段の見落としそうな記事でしか報じていない。
この国はすっかり戦争にマヒしてしまったごとくだ。
あの大戦からわずか70年余しかたっておらず、しかも当時の戦争体験者が、いまでも存命しているというのにである。
暗澹たる思いだ。
私は新党憲法9条を掲げて今度の衆院選に立ち上がる。
いまの政治のままでいいのか、と訴える(了)
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テレビの報道番組では連日北朝鮮の問題が取り上げられていますが、その中で「一体北朝鮮は何を考えているのかわからない」というコメントをよく聞きますが、私にはこういうコメントをする人の考えこそ理解不能です。日本の植民地政策で辛酸を嘗め、日本の敗戦によって開放され民族自決ができると思えた刹那に米ソによる冷戦構造の中で引裂かれ、朝鮮半島を勢力下に置きたい米国による核兵器を含む強大な武力の前に何とか抵抗している北朝鮮からすれば、当然すぎる防衛力の増強としての核開発に邁進する姿は、痛いほど分かります。
勿論、このHPで繰り返し述べているように私は絶対平和主義者ですから、核兵器も通常兵器もすべて破棄すべきだと考えています。ですから、北朝鮮も核兵器を放棄すべきだと考えるのと同じように米国を始めとする既存の核保有に対しても反対です。残念ながら現実に米国は核兵器を放棄せず、北朝鮮に対して核攻撃も選択肢の一つと言っているのですから、戦争当事者である北朝鮮が属国になることを拒否する立場でそれに対抗しようとするのは当然の対応でしょう。私は、朝鮮戦争の終結と平和条約の締結、朝鮮半島から米国の関与を排除することこそ為すべきことであると考えます。
冷静に考えてみてください。第二次世界大戦後も米国は世界の紛争地域に介入・侵略して野蛮の限りを尽くしてきましたが、北朝鮮は自国の体制を守るための戦闘以外で他国を脅かしたことはいまだかつてありません。いずれが野蛮な国なのでしょうか?
先日知人から北朝鮮問題についてメールをいただきました。
私のインド人の友人が「アメリカにいじめられていたインドが核実験をした後で、ようやくインドはアメリカに対して対等な外交をすることができた。」と私に言ったことを思い出しています。
1970年代(私の大学時代)に私は日本社会党系の友人が多かったので、私は原水禁の主張「あらゆる国の核実験に反対」は世界中の誰にとっても当然のことで、絶対に正しい」と思っていました。日本では1960年代には湯川秀樹、朝永振一郎をはじめとしていわゆる日本の知識人といわれる人たちの運動があり、これが核兵器廃絶や軍縮の議論を通して、反核運動に引き継がれたのだろうと思います。
このころの世界の反核運動、たとえばパグウオッシュ会議などでは、インドの核実験とインドが核を保有すること(弱小国の核保有の論理)についてどのような議論があったのかを調べてみたい気がします。
このメールに対しての私の返信は以下のとおりです。
私には日本の大多数の一般国民の意識が理解できません。被爆国日本の国民としては核兵器廃絶を世界に訴えるという人が主流でしょう。一方で日米安保によって米国の核兵器の抑止力が必要だと言う人もまた大多数でしょう。この論理矛盾をどのように止揚しているのでしょうか?
私は、日本国民は核兵器を持たないが核抑止論には賛成であるということならば、核兵器廃絶などとおこがましくて口にできないのではないかと思うのです。その意味ではむしろ日本政府のように核抑止論を支持し、したがって核兵器廃絶運動に参加しないという方がよほど首尾一貫した主張であり合理的だと考えます。石破の非核3原則見直し発言は、その意味で合理的です(勿論私は反対ですが…)。この日本国民の論理的な弱さが全てを曖昧にしたまま結局日本の軍事国家化を後押ししているのだと思います。
核抑止論を肯定するならば、北朝鮮の核開発は極めて正当で合理的な主張ですから、全く批判すべきではないというのが合理的な結論です。米国の攻撃的な核兵器の保有は正しいが、北朝鮮の防衛的な核兵器保有は批判するというのは論理的に全く本末転倒しています。
第二次世界大戦戦勝国グループ=国連安保理常任理事国にだけ核保有を合法とするなどというのは手前勝手な主張であり、NPT体制は傲慢の極みだという北朝鮮の主張の方が合理的です。
NPT体制で公式に認められていないと言えばインドの核兵器保有も北朝鮮と同じですが、日本政府はインドに原子炉を輸出するというのですから全くデタラメ、行き当たりばったりで論理的な首尾一貫性がありません。
私は核兵器廃絶運動は、もし本気であるならば、憲法9条を守り、まず日米安保条約を破棄して日本から米軍基地を撤収させることを当面の課題とすべきであり、それが出来ないのであれば他国に対して核廃絶を呼びかける資格はないと考えます。
非論理的な日本のマスコミは一体何を基準として北朝鮮に対する米国の軍事演習、核攻撃を含む軍事オプションを批判せずに、北朝鮮の核実験を批判するのかその論理構造を知りたいものです。
現在、脳天気なほとんどすべての日本国民は、人為的CO2地球温暖化が事実であると信じ、気候予測シュミレーションの描き出す灼熱の破局的な未来像に怯えて、パリ協定で打ち出された二酸化炭素放出削減目標の実現に何の疑いも持たずにいます。
日本の高校の理科教育の内容を理解していれば、人為的に放出した二酸化炭素によって大気中の二酸化炭素濃度が顕著に上昇することなどありえないことは分かりきっていることなのに、誠に情けない状況です。まして幼稚なコンピューターシミュレーションで100年先の気候が予測できるなどと信じるなどおめでたいとしか言いようのないことです。全く科学技術計算や気象学の素人でも、気象予測用の数値モデルを用いたコンピューターシミュレーションに基づく一週間先の天気予報を信じる人は殆どいないでしょう?基本的に同様の原理に基づく気候予測シミュレーションが100年先の気候を正しく予測するなど、非常識極まりない(笑)戯言です。
もうだいぶ前になりますが、気象予報士の知人が気象予報士会の講演会で気候予測シミュレーションに携わる方の講演会に参加し、「必ずしも気象予測シミュレーションは現実の天気を正しく予測できていないのではないか」という趣旨の質問をしたところ、これに対する講師の回答がすごかったそうです。曰く、「気候予測が当たらないのは現実の気象のほうがおかしいから」だと真顔で言ったそうです。
さて、昨日、NHKスペシャル「異常気象・スーパー台風」という番組が放映されました。その中で2017年7月5日から6日にかけて九州北部地方を襲った集中豪雨災害について、数値計算に基づく予測を大幅に上回る異常な豪雨による災害であったと報告していました。
コメンテーターであった名古屋大学の坪木和久氏(地球水循環研究センター気象学研究室)は「日本の天気予報は世界で最も優秀な気象予測モデルに基づいている。その日本の天気予報でも九州北部豪雨は予測できなかった。温暖化によって、世界で最も優秀な日本の気象予報でさえも予測できないほど、現実の気象現象が異常になっている。」と述べていました。これは噴飯物のコメントです。
現実に起こった気象現象は自然現象として常に100%正しい、物理的に必然的な結果です。人間社会にとってかつて経験したことのない“異常気象”であったとしても100%正常な自然現象です。気象予測数値モデルが予測できなかったということは、単純に数値モデルが気象現象を正しく表現できないことを示しているのです。坪木氏の発言は「現在、世界で最も優秀な気象予測数値モデルであっても、わずか1日先の集中豪雨さえ正しく予測することができなかった」ことを告白しているのです。これは気象現象に対する数値シミュレーションの完全なる敗北宣言にほかなりません。
追記
つい先日、このHPにも記事を書いてくださっている中本正一朗氏(JAMSTEC地球シミュレーターの次世代海洋大循環モデル開発研究初代責任者、元国立沖縄高専システム工学科教授)から、「流体力学方程式の解説」というレポートを送っていただき、気候予測シミュレーションについて何度かメールのやり取りをしていました。その中から、問題の本質に関わる部分を幾つか引用しておきます。
__海の中でも大気でも鉛直方向の速度を測定する電磁流速計が商業用に売られています。気象庁も海上保安庁もJAMSTECも大学も電磁流速計をいくつかもっています。しかし、地球の海洋全体と大気全体に電磁流速計を設置できません。
__天気予報はせいぜい高気圧と低気圧の分布がわかれば、高気圧や低気圧による水蒸気の擾乱をおおよそ検討をつけて、雨が降るかどうかの確率を発表すれば納税者を納得させれることで、気象学者は文句をいわれません。しかし、「天気予報と全く同じ数学原理で温暖化を予言することは科学のようなもの(PSEUDO-SCIENCE;疑似科学)と呼ぶべきだ」という物理学者Ivar
Giaeveの主張に私は賛成です。
__厄介なのは、博士号をとった無学の専門家の人たちです。昨年の日経新聞の全面をぶち抜いたインタビュー記事で、国立環境研究所の江守室長が「物理学の法則を用いて世界一のスーパーコンピューターで計算させた地球温暖化予測は正しい」と主張して、日本納税者を洗脳していたことです。
__ニュートン力学も、電磁気学も、量子力学も、熱力学も、それ自体で完結しているという意味で、自己完結型の理論体系ですが、気象学部や海洋学部で教えている気象学や海洋学や気候変化は、あまりにも広すぎて、学問体系としては自己完結型ではなく、したがって原因と結果を曖昧にしない論理体系(因果律)にはなりません。
__大気や海洋現象は3次元の古典流体力学方程式に熱力学や、さらに水の相変化(雲、海氷)やこれら地球流体物質と放射エネルギーの電磁相互作用など、さらには海洋のプランクトンとの電磁相互作用なども含めると、「気候予測は学問にはならない」と私は主張しなければならないと思うのです。
__厳密解は得られない場合が多いので、微分方程式の各項を我々が勝手に取捨選択して、厳密解がえられる微分方程式に作り替えて、それだけを(「物理すなわち、モノのコトワリの学」としてではなく )数学の方程式として勉強するのが伝統的な流体力学だと私は思います。
昨日、一昨日の北朝鮮のミサイル発射実験を受けて、国会で衆議院安全保障委員会の閉会中審査が開かれました。北朝鮮を一方的に非難する決議が全会一致で決議された一方、米韓軍事訓練を批判し、あるいは圧力ではなく話し合いによる解決を模索すべきだという議論が一切なかったことは全く幻滅です。中でも多少はまともだと考えていた共産党までもがこれに同調しているとは、呆れ果てました。この国には合理的かつ冷静な判断をできる政治家は最早いないようです。
この件に関して、天木さんのメルマガの記事を幾つか転載しておきます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年8月31日第700号
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日本に本物の護憲政党は存在しない事を証明した閉会中審査
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北朝鮮のミサイル発射に関する閉会中審査がきのう8月30日に急きょ開かれた。
私はてっきり野党による安倍政権の対応に対する厳しい追及がなされるものと期待していた。
なにしろ迎撃ミサイルシステムでは日本を防げないことが露呈したからだ。これ以上の税金の無駄はない。
なにしろ、このまま米国と一緒になって北朝鮮に軍事的圧力をかけると、真っ先に犠牲を受けるのは日本だからだ。
これほど国民の生命と財産をないがしろにする政治はない。
ところが今朝の各紙を見ると、どこにも野党の追及は見られない。
それどころか、与野党の全会一致で北朝鮮非難決議を採択している。
いったい、この国の護憲政党は何をしているのか。
そう思っていたら驚いた。
護憲政党を売り物にしている天下の共産党が、いち早く、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳しく抗議する」と題する声明を志位和夫共産党委員長の名前で出していたのだ。
その内容はトランプ大統領や安倍首相の言っている事と同じだ。
北朝鮮に対する一方的非難だ。
どこにも北朝鮮に対する軍事的圧力への非難はない。
こんな声明を出すような共産党は護憲政党ではない。
憲法9条はもちろん北朝鮮の行為を認めない。
しかし、憲法9条は、みずから核兵器を保持し、それを使って威嚇する米国と、その米国の核の傘に頼って北朝鮮との戦争を辞さない安倍首相の日本もまた、等しく認めないのだ。
それが日本国前文と憲法9条に謳われている憲法9条の精神である。
北朝鮮のミサイル発射が教えてくれた事。
それはこの国の政治には本物の護憲政党が存在しないということだ。
それだけではない。
いわゆる護憲・リベラルと言われている朝日も毎日も東京も、その社説でこぞって北朝鮮を批判するばかりだ。
米国との軍事同盟を最優先する安倍政権が憲法9条の精神に反している事を批判する社説は皆無だ。
野党といい、護憲リベラル紙といい、北朝鮮は許せないという世論に迎合しているからそうなるのだ。
世論に迎合してはいけない。
世論を正しく覚醒させなければいけないのだ。
憲法9条を世界に先駆けて持つ日本こそ、北朝鮮にも米国にも、そして中国やロシアに対しても、軍事力で平和を実現することは出来ない事を説得すべきである。それこそが日本だけしかできない平和外交である、と。
この事を世論に気づかせる政党こそ真の護憲政党である。
新党憲法9条の目指すものである(了)
□■ 天木直人のメールマガジン2017年8月31日号外 ■
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日本に本物の護憲政党は存在しない事を証明した閉会中審査(続)
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標記のメルマガの中で、世論に迎合してはいけない、世論を覚醒するぐらいの気持ちで政治をしなくてはいけない、とエラソーな事を書いたところ、早速読者のひとりから次のようなメールをいただいた。
引用始め
「世論に迎合してはいけない。世論を正しく覚醒させなければいけないのだ。」
全くその通りです。
正義を脇に置いて票のことだけしか目に入らなかったら、必ず世論追随になります。アメリカのミサイルは良いが、アメリカ支配に反対する国のミサイルは良くない論に追随することになります。
世論に抗して正義を貫こうとしたときの不人気を恐れると、政治の変革はできません。みかけのパフォーマンスばかりを追い求めることになります。
現にそうなっています。
そのレベルの野党に存在意義はありません。
「世論に迎合してはいけない。世論を正しく覚醒させなければいけないのだ。」
それが野党の存在理由です。心にしみます。
引用終わり
これまでにも多くの褒め言葉(もちろん批判の言葉も)を貰う事のある私だが、この言葉ほど激励の言葉はない。
しかし、そう出来るには、たとえ少数であっても(一人であっても)必ず当選させてくれる最低限の票を確保しておく必要がある。
それを目指すのが新党憲法9条である。
何があってもこの政党の主張は正しい。
この政党が立てる候補者は納得できる。
そう考える有権者を常に確保している政党であれば、選挙のたびに迎合したり、パフォーマンスをしたり、お金とエネルギーを使うことなく、正しい政治に専念できるのである。
たくさんの政治家などいらない。
数名で十分だ。
皆が選挙に心配することなく(世論に迎合することなく)本物の政治に専念できる。
そういう新党をつくり、そして永続させていきたい。
それが私の考える新党憲法9条構想であり、インターネット政党構想なのである(了)
□■ 天木直人のメールマガジン2017年8月31日第702号 ■
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安倍首相は北朝鮮有事をけしかけているのかもしれない
============================================================== ここにきて安倍首相の北朝鮮に対する強硬姿勢は異常なほどだ。
ロシアや中国が自制的なのはわかるが、北朝鮮と朝鮮戦争を戦っている韓国や米国よりも強硬である。
トランプでさえも話し合いの道を閉ざしていないというのに。
そう思っていたら今朝のNHKが流した。
昨日の夜11時ごろにトランプ大統領との二回目の首脳電話会談を行ったと。
立て続けに電話会談するのは異例だと。
そしてトランプ大統領はもはや北朝鮮との対話は役立たないと言い始めたと。
ひょっとして、安倍首相はトランプ大統領に北朝鮮への攻撃をけしかけているのかもしれない。
そんなことはあろうはずがないだ、ひょっとしてそうかもしれない。
そう思わせるような、このところの安倍首相の異常とも思える対北朝鮮強硬姿勢だ。
このままでは何をやっても支持率は回復しない。
9月末まで臨時国会を引き延ばしたのはいいが、臨時国会が始まれば、たちどころに加計・森友疑惑で追いつめられる。
それをごまかすために解散・総選挙に打って出ても、議席減は避けられない。
かくなる上は北朝鮮有事に頼るしかない。
そうなればすべてがチャラになる。
有事の時の政権交代などあり得ない。
改憲に反対する国民はいなくなる。
もし安倍首相がこんな事を考えてトランプ大統領をけしかけているとしたら言語道断だ。
その言語道断を安倍首相ならやりかねない。
そんなことにならないためにも、戦争が始まる前に、まともな国民は安倍・反安倍を問わず、一致団結して安倍首相を首相の座から引きずり降ろさなくてはいけない(了)
□■ 天木直人のメールマガジン2017年8月30日第696号 ■
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根本的見直しを迫られる我が国の安全保障政策
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安倍政権の安全保障政策とは何か。
いうまでもなく日米軍事同盟を最優先した核の傘に依存した防衛政策だ。
だからこそ核廃絶条約に反対し、ものすごい勢いで血税を使って迎撃ミサイルシステムを強化している。
ところが、今度の北朝鮮のミサイル発射で何が明らかになったか。
それは、そのミサイル防衛政策がまるで役に立たないという厳然とした事実だ。
なにしろ北朝鮮のミサイルは、発射からわずか10分ほどで日本を飛び越して2700キロ先の太平洋に着弾した。
もしこれが日本を狙ったものであれば、着弾まで5分もかからないだろう。
本気で日本を守ろうとするなら、真っ先に、北朝鮮がミサイルを発射した直後に、日本海に配備されているイージス艦から撃ち落とさなければいけない。
しかし、それをしなかった。
いや、出来なかった。
そうであれば、日本の本土に着弾する直前にPAC3で撃ち落とすしかない。
しかし、PAC3は射程可能距離はわずか数十キロだ。
北朝鮮が標的とする場所に常時配備していない限り撃ち落とせない。
しかしPAC3は自衛隊駐屯地に置かれたままだった。
このPACの役立たずにはおまけがついている。
北朝鮮がミサイル発射を行う前から、米軍基地内でPAC3の発射訓練が予定されていた。
なぜ米軍基地内での訓練が必要だったのか。
それは米軍の指導が無ければ自衛隊だけではPACは使えないからだ。
ところが、北朝鮮のミサイル発射の情報を受けて、米軍の司令官が訓練を欠席したという。
これではPACは必要な時に使えない。
おまけに自衛隊の司令官が堂々と認めている。
まさかこのタイミングで北朝鮮がミサイルを発射するとは思わなかったと。
これはPAC3など、はじめから使えないことを自衛隊担当責任者がみずから認めたということだ。
イージス艦でもPAC3でも日本を守れない。
つまり日本のミサイル防衛システムでは日本を守れないとうことだ。
これは素人でもわかることだ。
安倍首相の安全保障政策は根本的に見直さなくてはいけないという事である(了)
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昨日はテレビから流れるJアラートの発令のけたたましい放送によって目覚めました。確かに衝撃的といえば衝撃的であったかもしれませんが、この実験そのものは北朝鮮のミサイル開発として予想通りの行動であり、その意味はあくまでも対米戦略としての米国の領土を標的とするICBM開発の1ステップだということです。
まず抑えておくべきことは、北朝鮮は既に実用段階の中距離ミサイルを持っており、対日戦略としてのミサイル装備は既に整っているのであり、昨日の実験によって日本の状況が大きく変更されることはありません。過剰な反応をする必要性はありません。
次に、安倍晋三は会見において、昨日の北朝鮮のミサイル実験について、発射からミサイルの動きを完全に掌握しており、適切に対処したとしましたが、おそらくこれは嘘でしょう。
弾道ミサイルは、ロケットエンジンで加速した後は推進力のない弾頭が慣性で飛翔するものです。従って、ロケット発射数分の軌道によって方位ないし飛距離がほぼ定まります。仮に日本のミサイル防衛網が初動段階でミサイルの軌道を的確に把握していれば、飛距離の把握には多少時間がかかったとしても、方位は高い精度で把握できていたはずです。
ところが、昨日発動されたJアラートは関東以北の12道県という極めて広範囲に発令されました。もし的確にミサイル軌道を把握していたのならば、Jアラートの発令は北海道のみ、あるいは北海道と青森県程度に限定されていたはずです。12道県という途方もない広さの地域に対して「頑丈な建物や地下施設へ避難するように」などと言われたところで、これは笑い話にもならないことです。
またミサイル軌道を的確に把握していれば、最初の数分間でミサイルの速度と飛行角度からは、ミサイル着弾距離は日本のはるか東方海上であることも当然わかっていたはずです。
Jアラート(全国瞬時警報システム)とは、「津波をはじめとする大規模災害や、武力攻撃事態又は存立危機事態が発生した際に、国民の保護のために必要な情報を通信衛星(スーパーバードB2)を利用して、瞬時に地方公共団体に伝達する」ものです。ミサイル発射実験について考えれば、これを発令すべきなのは弾頭が日本の領土内に着弾、あるいはその蓋然性が高いときにのみ発令すべきものです。「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律。事態対処法」に於いては次のように定義されています。
第二条 定義
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 武力攻撃 我が国に対する外部からの武力攻撃をいう。
二 武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。
三 武力攻撃予測事態 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう。
四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。
従って、安倍晋三が会見で述べたように、ミサイル発射当初から完全にミサイル軌道を把握していたのであれば、また菅が会見で述べたように日本領土に着弾する可能性がなかったためにミサイル防衛システムを運用しなかったとすれば、Jアラートは発動してはならなかったのです。的確にミサイル軌道の情報が把握できていたのならば、Jアラートのかわりに「北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するので、念のために軌道の直下の北海道ないし太平洋上で操業中の船舶は落下物があるかもしれないので注意するように」とでも連絡すればよかったのです。
あるいは、ミサイル軌道を的確に把握していてJアラートを発令したのであれば、日本はミサイル迎撃システムをもって対抗すべきだったのです。
昨日の日本政府の対応は全く支離滅裂としか言いようがありません。
本来発動すべきではなかったJアラートが発令された理由は2つが考えられます。一つは、日本のミサイル防衛システムは「張子の虎」であって全く無力であったこと。つまり、ミサイル迎撃や適切な避難行動の判断に対して、全く実用性が無かったということです。
そしてもう一つは、日本政府は安倍晋三の言うように北朝鮮のミサイルの発射以後の動向を完全に把握していたが、「対北朝鮮脅威論」を扇動するために敢えて日本の広範囲の地域にJアラートを発令し、憲法の平和条項の改憲に向けた国民世論を醸成するために利用したということです。
いずれにしても日本政府の対応は全く国民を愚弄したものだと考えます。
私の評価は、おそらく直接的には前者であったと考えています(勿論、これまでもそうでしたが、北朝鮮脅威論で国民を脅す意図も多分にあるとは思いますが・・・)。発射軌道の事前予告なしのミサイルに対しては、日本のミサイル防衛システムは有効に機能しないということでしょう。
ではこの事態を見て、日本はどう対処すべきでしょうか?不十分なミサイル防衛システムを強化するために高価なPAC3、イージス・アショアやTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル、
Terminal High Altitude Area Defense
missile)を日本全国に配備して対応すべきなのでしょうか?これには莫大な軍事費が必要になることは必定です。それでも本当にミサイル攻撃を受けることになればすべてを完全に迎撃することなどは不可能であり、Jアラートに従って、対ミサイル用のシェルターに避難しなければなりません。シェルターなど一体何処にあるのですか?全国各地に来るかどうかもわからないミサイルのためにシェルターを建設するのですか?
戦争に対して武力(防衛力)によって対抗するためには莫大な費用がかかります。特に受動的に武力攻撃に対抗するためには国中を常時戦時体制下において国中を防衛的兵器で武装することが必要ですが、それでも全く無傷ではいられないのです。殺し合いになって、人的・物的被害を受けることを国民が納得した上でなければ、武力によって日本を受動的に防衛することなど出来ないのです。
戦争を起こす場合、攻撃するほうが圧倒的に有利であり、低コストです。従って、武力によって国土を100%防衛するには、現実的には仮想敵国を先制攻撃によって崩壊させる事以外にないのです。しかし、これでは米国と同じように日本もならず者国家になることになります。平和憲法や専守防衛を国是とする「平和国家日本」が果たして取るべき道なのでしょうか?
これまでも繰り返し述べてきましたが、私は絶対平和主義者です。しかしこれは空想の理想論ではないのです。日本の安全保障において、科学的・技術的そして経済的に考えて最も現実的で有効な、ほとんど唯一の解だと考えます。愚かな防衛力=武力の増強によって日本を専守防衛で守るなどということは、それこそ平和ボケしてヒーローアニメと現実の見境の付かない愚か者の対応です。
戦火から日本国土を守る唯一の道は、紛争の解決手段としての武力行使を行わず、多少面子を潰されることがあったとしても外交によって問題を解決すること、つまり平和憲法を完全に遵守すること以外にないのです。これこそ唯一の現実的な方法なのです。
以下、この件についての天木さんのメルマガの記事を紹介しておきます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年8月29日第693号
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内閣総辞職ものの2017年8月29日早朝のJアラート発動 ==============================================================
今朝早朝にメディアが一切にJアラートを流した。
私の記憶では午前6時直前の事だ。
何事が起きたかと思えば、北朝鮮が日本の北海道方面に向けてミサイルを発射したと言うのだ。
関係地域の住民は頑丈な建物に身を寄せて避難せよという。
私の住んでいる栃木県もその中に入っている。
もちろん近くに頑健な建物などない。
ミサイルが落下したら自宅で爆死するしかない。
ところが、それからわずか十数分も経たないうちに、日本の上空を通過して太平洋上に落下したという。
こんな馬鹿げたJアラートを流した安倍政権は、噴飯物だ。
それだけで直ちに内閣総辞職ものだ。
もし北朝鮮が日本を本気で攻撃したとしたら、北朝鮮にそのような事を許した日本外交の大失敗だ。
なぜ米国や韓国ではなく、日本が真っ先に北朝鮮に攻撃されなければならなかったのか、それだけでも内閣総辞職ものだ。
逆に、もし北朝鮮のミサイル発射が、日本攻撃の意図がなく、これまで通りの脅しであったなら、今回に限ってここまで大騒ぎをして、国民を危機に陥れた責任は大きい。
そして、今度の騒ぎではっきりと分かった事は、巨額な予算をかけて導入し、そしてさらに導入しようとしている米国産のミサイル迎撃システムがまったく役立たずであるということだ。
この税金の無駄遣いは内閣総辞職ものだ。
もしこの空騒ぎでメディアをハイジャックし、安倍政権の行き詰まりから国民の目をそらそうとしたとしたら、それこそ内閣総辞職ものだ。
どっちに転んでも安倍政権は内閣総辞職ものである。
それでも安倍内閣が安泰なら、この国の政治は機能していないということである(了)
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さて、中央防災会議が日本の地震防災について、地震予知を前提とした防災計画の見直しを決定しました。先ずは東京新聞電子版の記事を紹介しておきます。(画像をクリックすると大きな映像が見られます)
私は土木の技術屋でしたので、この問題にはいささか意見があります。このHPでは、以前から防災計画の役に立つような地震予知など出来ないことを繰り返し述べてきました(例えば、No.524 暴走する科学技術そのC 地震予知プロジェクト)。
そもそも人間社会に甚大な被害を及ぼす巨大地震の再現期間は短くて100年のオーダーであり、場所によってはそれよりも遥かに長い場合もあります。人間のライフサイクルを超えるような固体地球の物理的な変化に伴うような超長期の自然現象を、人間の避難行動に結びつけることを前提とするような精度で時期、規模をピンポイントで予測することなど不可能なことは、「まともな」自然科学の研究者であれば研究など行わなくとも当然分かりきっていたことです。
しかし愚かな政治屋や官僚の非科学的な発想に飛びついて、巨額の研究資金を貪ることを選択したボス研究者に支配された研究者集団=「ムラ社会」の構造が長年にわたってこの当たり前の事実を公言することを許さなかったのです。
しかし兵庫県南部地震(=阪神・淡路大震災)や東北地方太平洋沖地震(=東日本大震災)などの巨大地震さえ全く予測することができなかったために、最早糊塗することができなくなったのが実情です。半世紀以上にわたって、地震予知研究で国家予算を食いつぶしてきた研究者たちの罪は大きいものです。
今回、国は正式に実用的な地震予知は不可能であることを認めました。その意味は、将来の巨大災害をもたらすような巨大地震の発生時期や地震規模は過去のデータから確率論的に示すことは出来ても、それ以上の具体的な発生時期、規模をピンポイントで予測することは不可能であるということです。裏を返せば、何時、何処であっても、巨大地震が起こり得るということです。
つまり、地震は何処にでも起こり得るが、その大きさも時期もわからないのですから、事前の防災対策の立てようがないのです。東京新聞の記事では「地震予知を前提としない対策に万全を期す必要がある」などと脳天気なことを述べていますが、現実的には科学技術的にも財政的にも不可能です。
このような自然災害に対応する基本的な姿勢は、程々の防災対策を行い、巨大災害が起こればある程度の災害は甘受するしか無いのです。その中で、社会システムに致命的な損害が起こらないようにするためにはリスクを分散させること、具体的には人・物・社会機能を分散させること以外にないのです。経済優先で地震リスクの小さくない関東圏にさらなる人・物・社会機能を集中させるような国土利用は愚かとしか言いようがありません。
現在、九州も含めて各地で原子力発電所の新基準によろ営業再開が進められています。今回の地震予知の不可能という認識に立てば、特定の地震震度に対する安全性をもって原発再稼働を許可するということには全く整合性が失われたことを意味します。日本政府や電力会社の原発再稼働の前提は、重大事故を起こさないということです。しかし、今回の地震予知が不可能という立場にたてば、原発は地震に対しての安全性を確定できないことを意味します。地震によって原発事故を起こさないためには、実は当然のことですが、原発という施設を建設しないこと以外に選択肢はないのです。逆に言えば、原発を再稼働する限り、地震災害などによる事故は起こり得るという前提で物理的・社会的な対応を準備しなければならないということなのです。
さて、ここまでは地震予知研究についての問題を紹介してきました。しかしながらこれと同じような研究者集団による閉鎖社会が政治家や官僚、国民を騙し続けている事象は枚挙に暇がありません。
例えばエネルギー政策における原子力発電や核燃料サイクルも全く同じ構造をもっています。そもそも日本の原子力発電導入の大義名分は、化石燃料資源を持たない日本のエネルギー安全保障という側面から、軽水炉の使用済み核燃料の再処理と高速増殖炉の実現するというものです。軽水炉核燃料の原料であるウランはほとんど日本国内では供給できないという意味では化石燃料と同じです。そこで高速増殖炉核燃料サイクルを実現して軽水炉使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して核燃料とし、プルトニウム高速炉を運転することで劣化ウランをプルトニウムに変換することで増殖させ、エネルギー資源を生み出すと宣伝してきたのです。
しかし、高速増殖炉もんじゅは廃炉となり、六ケ所村再処理工場も運転できず、日本の高速増殖炉核燃料サイクルは完全に破綻しているにも関わらず、原子力ムラの研究者達はいまだに政府や国民を騙し続けているのです。
そして、この構造は地球温暖化でも同じです。大多数の自然科学者は20世紀の温暖化が人為的に放出された二酸化炭素の温室効果によってもたらされたものではないこと、人為的CO2地球温暖化仮説が誤りであることを知っていますが、温暖化対策の名目で巨額の研究資金や補助金を得るために「温暖化ムラ」は国民を騙し続けているのです。
この夏、国連の核兵器禁止条約が成立して初めての原爆の日を迎えました。このホームページでは日本の反核運動を批判し続けてきました。なぜなら、米国と軍事同盟を結び、米国の核戦略を肯定し続けてきた日本、憲法上核兵器を日本が保有することが可能などという日本政府を放置したまま、外国に向けて反核を訴えるなど欺瞞としか言い様がないからです。流石に、核兵器禁止条約に対して日本政府が参加しないことによって、脳天気な日本国民の多くもようやく反核運動の最も重要な敵が日本政府自身であるとを認識し始めたことは、喜ばしいことだと考えます。
しかし、日本政府はどこまで姑息なのでしょうか。スイスのジュネーブ軍縮会議で「高校生平和大使」による演説を行わせないことにしたというのです。高校生が核兵器禁止条約を支持する立場であり、日本政府と異なる内容のスピーチが行われることを懸念したためだとか・・・。
高校生諸君もこの事件から、核兵器禁止を妨害しているのが日本政府であるということを明確に認識することが出来たのではないでしょうか。真の敵を明確に認識すること、これに彼らがどう立ち向かうのか、これからが正念場です。
さて、北朝鮮を巡る情勢について、日本政府安倍米国盲従政権の無能ぶりがますます明らかになるばかりで、呆れ果てて、文章を書く気にもなれなかったというのが本音ですが、少しだけ書いておくことにします。
さて、北朝鮮のグアム沖への弾道ミサイル発射実験ですが、実施されたとしてもこれはあくまでも公海上に着水するミサイル発射実験であり、実戦攻撃ではありませんからそんなに騒ぎ立てることではありません。勿論本物の兵器としての弾頭など着装されるものではありません。ましてその標的は日本の遥か彼方のグアム沖であり、日本でははるか上空を通過するのみですから、PAC3を配備したところで、何の役にも立たないのは自明です。まして、ミサイル軌道に位置する住民に対する避難訓練など、第二次世界大戦末期の竹槍訓練よろしく、全くバカバカしいとしか言いようがありません。こんなものに唯々諾々と従う地方公共団体や住民は一体何を考えているのでしょうか?こんな馬鹿な役にも立たない訓練をする前に、北朝鮮としっかりとした外交交渉をするように訴える首長や議員がいないのは悲劇です。また、いい大人がたとえ自治体が言ったからと言ってこのような馬鹿げた訓練に対して批判もせずに従うとは一体どういう神経でしょうか?思考停止、反知性主義も極まった感があります。これでは安倍晋三になめられるのも当然であり、容易にファシズム国家に戻ることになるでしょう。
北朝鮮の核開発を巡って、北朝鮮が既に獲得した核兵器技術や弾道ミサイル技術を「国際的圧力」を以って放棄させることは不可能であることは明らかです。米国主導でこれに盲従してさらなる圧力、武力による威嚇で対抗しようとする米国に追随する日本政府は大馬鹿者です。米国の本音は、米韓軍事演習などで北朝鮮を刺激して、北朝鮮に先制攻撃を行わせて、これを大義名分として北朝鮮の体制を崩壊させることでしょう。
冗談ではありません。米国本土は北朝鮮から遠くはなれており、現状では米国本土が戦場になることはありませんが、韓国や日本は直接的に国土が戦場になるのです。日本国民の安全に責任を持つ日本国政府であれば、このような危険極まりない米国の戦略に対して反対の立場を表明した上で、北朝鮮と外交交渉を行うことこそ最優先で行うべきことです。
ところが安倍第三次改造内閣の新閣僚となった河野外相と小野寺防衛相と米国の2+2交渉において、事もあろうに日本側から日米軍事同盟の更なる強化と、対北朝鮮弾道ミサイル対策のためとして「イージス・アショア」(イージス艦艦載のミサイル防衛システムを陸上配備するもの)を緊急購入したい旨の申し入れをしたというのですから、呆れ果ててしまいます。北朝鮮は対米戦略として核兵器開発をしているのであって、日本を正面の敵にしているわけではありません。あくまでも日米軍事同盟によって米軍の補完部隊として北朝鮮に日本が敵対するからやむ無く対応せざるをえないのです。日本が米国の対北朝鮮戦略には一切関与しないことを表明して、外交交渉を行えば、間違いなく北朝鮮は応じることになるでしょう。
さて、北朝鮮はグアム沖弾道ミサイル発射実験の中止の条件として、米韓合同軍事訓練の中止ないし縮小を条件にしたといいますが、米国はこれに応じることなく、明確に北朝鮮の体制転覆を目指す「斬首作戦」を含む図上演習も行うようです。これに対して北朝鮮は米国の北への軍事侵攻のシミュレーションだとして、当然のことだと思いますが、強く反発しています。
もしかすると威嚇のつもりだけだったグアム沖への弾道ミサイル発射実験あるいは相当の行動を起こす可能性が高くなったかもしれません。
さて、米国ではトランプ政権の白人至上主義に対する姿勢が批判を受け、窮地に立ったトランプは、米大統領選以来の最側近であったバノン氏を事実上解任することになったという報道がありました。
しかしバノン解任の本当の理由はそれではないようです。大統領選の頃からそうでしたが、トランプ氏は本質的に経済屋ですから、支出に見合わないことからは手を引くことを宣言していました。米国経済を圧迫している軍事支出を減らすことも大きな課題でした。それ故無益な北朝鮮強硬政策を終結するために北朝鮮とも話し合いの用意があることを表明していました。バノン氏もアフガニスタンからの撤退、北朝鮮に対する軍事的な対応の縮小を主張していました。
しかしながら米軍とつながりの強い共和党主流は、米軍の国内的な地位の低下につながる戦線の縮小には反対であり、失脚したトランプ氏の側近の後釜は米軍と極めてつながりの強い人物を送り込んだわけです。そしてついに白人至上主義者のレッテルでバノンを追い落としたというのが真相のようです。
米国における軍需産業は極めて利益率の高い産業分野であり、共和党主流や米軍と強いつながりがあります。結局トランプ氏の金融優先の経済運営に対して、軍需産業が巻き返しを図り、海外での戦線の縮小ではなく、軍事的緊張を作り出して武器輸出を拡大する路線が勝利したのがバノン氏の解任という形になったのでしょう。これに前後して、トランプ政権はアフガニスタンへの米軍の4000人増派を決定しました。
北朝鮮政策でも、米国さえ本気になればいくらでも対話による平和交渉は可能ですが、それではアジア地域に展開している米軍が余ってしまうし、韓国や日本に兵器が売れなくなるから米軍や米国軍需産業には不都合なのです。東アジアの緊張状態を維持することが米国軍需産業を肥え太らせることに必要だから、米軍は北朝鮮と和解しない、というのが本音なのでしょう。バノン氏の解任で、米国の対北朝鮮政策における軍事的オプション採用の可能性が一段階高くなったと言うべきでしょう。
2+2での河野外相や小野寺防衛相のイージス・アショア購入話は、正にこれを象徴的に示す出来事でした。
米国との軍事同盟を強化しようとする危険な安倍政権の防衛政策には繰り返し触れてきましたが、事態はますます危険な状況になりつつあります。朝鮮戦争の当事者ではない日本は米韓と北朝鮮の緊張関係を打開するために、本来なら北朝鮮と率先して対話すべきですが、日本国民を危険にさらすことを厭わない大バカ者の安倍晋三はまったく逆に米軍と一体化する方向しか見ていません。
米国は北朝鮮ばかりか中国まで敵に回し始めましたが、東アジアの緊張は中国まで巻き込むことになる可能性まで出てきました。何と愚かなことでしょうか!
天木さんの掲題のメールマガジンを転載しておきます。
□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年7月30日第597号
■
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空自と米軍の共同訓練を報じたNHK正午のニュースの衝撃
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たったいまNHKの正午のニュースが、岸田防衛大臣兼防衛大臣が記者団に対し、北朝鮮による今回の弾道ミサイルの発射を踏まえ、きょう30日午前、九州西方から朝鮮半島沖にかけての空域で、航空自衛隊とアメリカ空軍による共同訓練を実施したことを明らかにしたと報じた。
このニュースを聞いて私はただちにこのメルマガを書くことにした。 このニュースは衝撃的である。
このタイミングで米軍と共同訓練することの危険性はあまりにも大きい。
北朝鮮が繰り返し言い続けて来た事は、北朝鮮の目と鼻の先で米韓共同訓練をやめろということだ。
挑発行為を繰り返すから、北朝鮮はミサイル実験を繰り返し、断固戦うという瀬戸際政策を取らざるを得ないのだ。
米韓と北朝鮮は、あくまでも休戦状態でしかなく、依然として朝鮮戦争を戦っているのだから、米韓が共同軍事演習を重ねる事はまだ理解できる。
しかし、憲法9条を持った日本が、米韓と北朝鮮の戦いに参加してどうする。
この日米共同軍事演習は、日本が率先して北朝鮮との戦争に加わるようなものなのだ。 その違憲性と危険性をいくら強調しても強調し過ぎる事はない。
しかし、私が衝撃を受けたのはそれだけではない。 この日米共同軍事演習が大臣不在で決定されたことだ。
いうまでもなく岸田防衛大臣は防衛大臣になったばかりだ。
日米共同軍事演習の決定が急に下されたなどという事はあり得ない。 岸田外相が防衛大臣を兼任する前に決まっていたはずだ。
防衛大臣を兼任したばなりの岸田大臣は、それを追認して発表したに過ぎない。
そして2日前までは防衛大臣は稲田大臣だ。
稲田大臣が防衛省の制服組から相手にされていなかった事は日報疑惑問題の迷走で明らかだ。 これを要するに、北朝鮮との戦争につながりかねない日米共同軍事演習の決定が、防衛大臣不在のまま米軍の命令で航空自衛隊との間で進められ、決定されていたと言う事である。
これ以上ないシビリアンコントロールの逸脱だ。
私が衝撃を受けたのはまさにこの事だ。
日本は国民がコントロールできないところで戦争できる国になりつつある。
はたして野党は8月初めにも行われる日報疑惑に関する国会閉会中審議で、この日米共同軍事演習に関するシビリアンコントロールの逸脱について追及するのだろうか。
おそらく辞めた後の稲田前防衛相のウソ答弁の追及ばかりに終始するのではないか。
もしそうだとしたら、この国の政治は国民を守る事は出来ないということだ。
たとえ間違って野党が政権を取ったとしても、米軍の日本支配は何も変わらない、変えることは出来ない。
NHKニュースの本当の衝撃はここにある(了)
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
□■ 天木直人のメールマガジン2017年7月30日第594号
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このピント外れの外交と危機感のなさにあきれ果てる
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まず、次の文章を黙ってお読みいただきたい。
「・・・仮に米国が軍事行動に踏み切れば、日本が北朝鮮からの報復の対象となりかねない。こうした場合、日本政府は米国に事前協議することを求めているが、『できるだけ軍事行動は避けてほしい』(外務省関係者)というのが本音だ」
この文章は、きょうの読売新聞が、北朝鮮が2回目のICBM発射実験を行った事について書いている記事の最後の部分である。
何という危機感のなさだ。 米国が軍事行動に踏み切れば日本は滅ぶ。
だから、何があっても日本は米国に軍事行動をさせてはいけないのだ。
そう安倍首相はトランプに日本国民の総意として厳命しなければいけない。
それにもかかわらず、日本が米国に伝えている事は事前協議だという。
米国が事前協議をするとでも思っているのだろうか。
米国が事前協議をしてきたら、日本は米国に軍事行動を止めさせるとでもいうのか。
このような記事を平気で書く読売新聞の危機感のなさにあきれ果てる。
しかし、もっとあきれるのはピント外れの安倍外交だ。
最後のくだりの前に、読売新聞が長々と書いている事は、日米韓が連携して中露に対北朝鮮制裁強化を迫るという安倍外交の宣伝だ。
すなわち、菅官房長官が29日の記者会見で中露説得に全力で外交をやっていると強調したと書き、岸田外相が29日、ティラーソン国務長官と電話会談し国連安保理制裁強化に向けた中露への働きかけを確認し、その一方で韓国の康京和外相と北朝鮮への圧力強化の必要性を共有したと書き、谷内正太郎国家安全保障局長が、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話会談して中露への働きかけを強める事で一致したと書いている。
しかし、その後でこう書いている。
もっとも中国やロシアは北朝鮮に対する厳しい制裁には消極的であるためその効果は限定的だ、と。
何のことない。
安倍外交では北朝鮮の暴走は止められず、その結果、いよいよ米国が軍事行動に踏み切る恐れが高まって来た事を認めている。
そして、その場合、日本が出来ることは、米国にせめて事前協議だけはして欲しいと頼む事しかないというわけだ。
ピント外れの安倍外交と、その結果起きるかもしれない未曽有の不幸に対する危機感のなさ、ここに極まれりである。
事態は極めて深刻である(了)
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7月に入って、島根県を皮切りに、福岡・大分県、そして東北地方に立て続けに集中豪雨災害が発生しています。被害の最も大きかった福岡県朝倉市は、現役の揚水用の水車である「朝倉の三連水車」で有名です。
今回の水害ではこの三連水車も大きな被害を受け、水田への揚水ができずに影響が懸念されています。
さて、こうした豪雨災害が起こるたびに、マスメディアはここぞとばかりに、豪雨災害の激化を喧伝し、その原因は温暖化のせいであると言い、これを聞いた大衆は「ああ、そうなのか・・・」と疑うこともなく信じています。ここで言う「温暖化」とは、言うまでもなく「人為的なCO2の放出による大気の温室効果の増大による地球規模で起こる温暖化」を指しています。
マスコミ・報道機関からの情報では近年温暖化によって豪雨災害が頻発するようになったと言っていますが、これは「風が吹けば桶屋が儲かる」程度の科学的根拠の無い流言にも等しいものです。
日本など人為的開発が極度に進んだ都市部では、例外なく気温が異常に上昇しています。しかし、これはいわゆる温暖化とは関わりのない、極めて局所的な都市環境という特殊環境における当然の自然現象です。その主要な原因は地表面の舗装と下水道システムによる都市の表面環境の乾燥化と植生の破壊、人工的なエネルギーの局所的な大量消費によるものです(理論的な詳細については「再考・地球温暖化論」30ページ〜35ページ参照)。
同様に都市部における局所的な豪雨、いわゆる「ゲリラ豪雨」はこの都市の高温化による必然的な結果です。
こんなことを言えばすぐにこんな反論が聞こえてきそうです。曰く、「そんなことを言っても、世界中で温暖化による異常高温現象が起きていることが報告されているではないか!」などなど(笑)。
確かに、毎日のようにインターネットやテレビ報道で異常高温や災害のニュースが繰り返し報道されています。しかし、実際には平均的な気象現象が観測されることの方がまれであり、実際には平均的な気象現象から外れた現象が起こることの方が日常なのです。世界中で毎日のように異常高温現象が観測される一方で、同じように異常低温現象も起こっているのがごく普通の状態なのです。例えば中国南部ではこのところ6週間連続で異常低温が観測されています。
しかし、日本でごく普通に日常生活を送ってマスコミや新聞報道を見聞きしていれば、世界中が高温化によって灼熱地獄になっているように錯覚してしまいます。これは、マスコミやインターネット情報が意識的に温暖化に関する情報を選択的に、しかも大量に配信しているからです。
かつて、インターネットや情報通信システムが発達すれば、「権力は嘘で大衆をだまし続けることなどできなくなる」という、極めて楽観的な見方が大勢を占めていました。しかし、実際にはマスコミやインターネットを利用して大量の情報を流すことのできるのは体制であり、大勢であり、つまり権力と財力を持った側からの情報が圧倒的に大きくなるのです。
このホームページもそうですが、確かに少数意見をインターネットで発信することはできますが、圧倒的に大量な情報の中に埋没してしまい、あるいは体制による情報監視によって「有害サイト」として事実上アクセス不能にさせられているのが現状です。
現実的には、情報通信システムやインターネット環境が充実するほど大衆を、必ずしも事実ではない、ある一定の方向に誘導しやすくなっていると考えるべきでしょう。また、このような社会では、大量の情報を流すことによって、現実とはかけ離れた印象を大衆に与えることが出来るのです。
例えば、「日本社会はかつては安全な社会だったが、近年凶悪な事件が続発するようになったから、欧米並みに気を付けなければならない」というのは、日本人の大多数が信じているのではないでしょうか?確かに、毎日のように新聞やテレビでは殺人事件や凶悪犯罪の報道を目にします。
では実際の殺人事件の発生件数はどのように推移しているのでしょうか?
上図で明らかなように、第二次世界大戦後の混乱期には殺人事件が激増し、昭和30年代以降、社会が安定するにしたがって殺人事件は減少し、平成に入って以降は人口10万人当たり1人程度でほとんど変化していないというのが客観的な事実です。日常感覚と客観的な事実は必ずしも一致していないというのが現実です。
日本社会では、国家挙げて人為的な地球温暖化が正しいという前提で、情報を取捨選択して情報が流されています。その結果、大多数の国民は科学的な思考を放棄することによって、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な温暖化を疑うことなく信じ切っているのです。
では、実際の地球規模の平均的な温度環境はどのような状況なのでしょうか?このHPではすでに触れてきたように、産業革命前も、そして産業革命以後も地球の気温状態は太陽活動によって変動しています。20世紀は太陽活動は活発化する傾向が続きましたが、21世紀に入って急激に太陽活動は不活発になってきています。
太陽黒点周期が12年を超えて長くなり、黒点の発現状況も不安定になり、太陽放射も低下傾向を見せています。もしかすると黒点極小期に入る前兆かもしれません。
上図に示す太陽放射照度の変動と、下図に示すGHCNによる世界の陸上気温の無補正データの気温偏差の変動が見事に同期していることが分かります。産業革命以降(1850年以降)の気温変動を見ると、1900年前後と1970年前後に気温極小値があり、1950年前後と2000年前後に気温極大値があり、2000年以後は気温が低下傾向を示しています。
「日本ではこんなに暑くなっているのに変ではないか?!」という声が聞こえてきそうです。しかし、前述のように、現在の日本では大多数の人たちは舗装された都市部やその近郊に住んでいるために、地球の自然な気温変動の状況とかけ離れた都市部の特殊環境の中に暮らしているのです。そして、マスメディアやインターネットから洪水のように流される温暖化情報の影響を受けた結果、冷静な判断ができない状況になっているのです。
日本国内においても、都市化の影響が比較的小さな場所では、21世紀に入ってからの低温化傾向が明らかに表れているのです。例えば、島根県の浜田市の年平均気温の変動を示しておきます。
このように、日本でも21世紀に入って気温は低下傾向を見せているのです。
追記:2017.07.28
潮岬、高田市の気温偏差についても調べてみましたので紹介します。
図から分かるように、どちらも2000年を境に気温が低下傾向を示しています。