No.1271(2019/07/21) 解題『検証温暖化』 その1
20世紀の温暖化は人類が経験したことのない急激・異常高温ではなかった

 

  「検証温暖化」を何人かの知人に献本しました。その方たちは日頃から温暖化問題、自然エネルギー問題に興味を持たれている方たちですが、それでもこの本は「難しそう」というのが第一印象のようです。書いてある内容は初等中等教育の理数科の内容程度の知識で理解できるものなのですが、如何せん日本の理数科教育の失敗で、知識を実際の生活場面において応用することに慣れていないのであろうと推察します。正にこれが『人為的CO2地球温暖化脅威説』がここまで蔓延した大きな理由なのでしょう。

 そこで、今回から数回にわたって、「検証温暖化」の主張の要点を、3項目に集約して解説しておくことにします。これを手引きとして、詳細については「検証温暖化」を読み進めていただきたいと思います。


20世紀の温暖化は人類がかつて経験したことのない急激・異常な高温化現象ではなかった


 1980年代に、人為的CO2地球温暖化が言われ始めると、『20世紀の気温上昇は人為的な影響を考慮しなければ考えられないほどの急激な気温上昇であり、かつて人類が経験したことのないような異常な高温状態』であるという主張が急速に蔓延しました。マスメディアは、まるで地球上に生物が生存できなくなるような印象を与えるセンセーショナルなコンピューターグラフィックスを作成して更に恐怖心を煽りました。この主張を自然科学的なデータから検証することにします。

 はじめに、地球史的に見た現在までの気温変動を推定した二つの図を紹介します。多少気温変動の振幅が異なりますが、定性的には同様の変動傾向を示しています。

 図から分かるように、地球の表面環境の温度=気温は、10℃程度の振幅で大きく変動していることが分かります。二つの図のいずれも、右端の低温期=氷河期が現在です。

 この二つの図から分かるように、陸上に高等生物が発生して(5億年前頃)以降には現在よりもはるかに高温の時期があったことが分かります。恐竜が反映した白亜紀は、現在よりも平均気温で10℃程度も高温であったものと推定されています。地球史的に見ると、現在を含めた氷河期という低温期の方が稀だと言えるでしょう。

 次に示す図は、深海堆積物に含まれる酸素同位体18Oの同位体比率から復元した現在の氷河期の過去550万年間の気温変動の復元図です。4000万年程前に南極で氷床が成長し始め、現在の氷河期に入ったと考えられています。300万年前には北半球でも氷河が成長し始めたと考えられています。

 上図を見ると、100万年程前から気温の振幅が10℃程度の周期変動を示しています。この気温の変動周期は10万年程度であり、ミランコビッチ・サイクルと呼ばれています。この周期変動は太陽系の惑星である地球の軌道要素の変動によって生じています。

 次に示す図は、南極氷床のアイスコア分析によって復元された最近80万年間の気温変動(ミランコビッチ・サイクル)の復元図、ないし大気中のCO2濃度、CH4濃度の変動の復元図です。

 上図に示すように、気温は10℃程度の振幅で変動していることが分かります。相対的に高温な時期を「間氷期」それ以外を「氷期」と呼びます。図で桃色に着色した部分が間氷期です。現在は上図の右端に示されている間氷期にあります。この間氷期を地質年代としては完新世と呼んでいます。
 旧人類(ネアンデルタール人)の登場を人類の誕生とすれば、今から50〜30万年前ということになります。つまり人類はミランコビッチ・サイクルが顕著になった氷河期に誕生したことになります。そして氷期ー間氷期の気温変動サイクルを3〜5回程度経験していることになります。

 次に示す図は、現在の間氷期(完新世)の過去11000年間の気温変動の詳細をグリーンランドのアイスコアの分析(GISP2)によって復元した図です。赤で示した右端の変動曲線は、英国の気象機関のハドレーセンターの海面水温データとイーストアングリア大学の気象研究ユニットの地上気温データベースを基に作成された世界平均気温偏差です。

 この完新世に入ってからの気温も、3℃程度の振幅でかなり激しく変動していることが分かります。有史以降に限っても、約3000年前のミノア温暖期、約2000年前のローマ温暖期、そして約1000年前の中世温暖期と、約1000年の周期で顕著な気温極大期が現れていることが分かります。
 図から分かるように、20世紀末は完新世で繰り返し発現している1000年周期の気温極大期に当たっていることが分かります。しかも気温極大期の最高気温はミノア温暖期以降単調に低下しており、20世紀末の気温は有史以降の過去のどの気温極大期よりも低温であることが分かります。
 また、産業革命がおこった小氷期(14世紀半ば〜19世紀半ば)末から20世紀末にかけての気温上昇は、人為的な影響を考えなければ説明できないほどに異常な気温の急上昇ではなく、完新世において繰り返されてきたありふれた気温上昇であることが分かります。

 以上に示した完新世の有史以降の過去の気温変動に限っても、人為的CO2地球温暖化説が蔓延するようになってから繰り返し言われてきた『20世紀の気温上昇は人為的な影響を考慮しなければ考えられないほどの急激な気温上昇であり、かつて人類が経験したことのないような異常な高温状態』という主張は科学的に全く根拠のない虚像に過ぎないことが確認できます。

 

 産業革命以降の気温変動について、もう少し詳しく見ておくことにします。次の図はGHCNの無補正データから作成した小氷期後期から現在までの気温偏差です(赤の実線)。

 これを見ると、現在の気温は、完新世で最も低温の時期といわれる小氷期の中の気温極大期である1730年頃とほとんど同じくらいの気温であり、1970年代の気温極小期は小氷期の低温期とほとんど同じほどに寒かったことが分かります。小氷期の前にははるかに高温な中世温暖期があることから、20世紀末の高温など、温暖化による脅威などとは全く無縁の取るに足らないものであることが分かります。
 また、小氷期終盤の激しい気温変動に比べて、小氷期以降現在までの気温上昇は極めて緩やかな気温変動を示しており、「人為的な影響を考慮しなければ説明できない急激な気温上昇」とは考えられません

 次の図もGHCNの無補正気温データによる小氷期以降2010年までの気温変動です。これを見ると、2000年頃に気温極大期を示した後、気温は既に気温低下局面に入っていることが明らかです。

 今回紹介したデータが示すように、

@20世紀に観測された温暖化現象は、完新世に繰り返されてきた気温変動、小氷期という低温期からの回復期に現れた気温上昇だったと考えられます。
A20世紀の温暖化は不自然で異常に急激な気温上昇ではなく、敢えて人為的な影響を導入して説明する必然性はありません。
B気温そのものも有史以降の過去のどの気温極大期よりも低温であり、温暖化による脅威などとは無縁です。

 

 

No.1270(2019/07/07) 『検証温暖化』の発刊に当たって その3
インターネット社会は情報操作による大量洗脳社会

 

 今回は少し異なる視点から、人為的CO2地球温暖化脅威説が蔓延する現在の情報社会の危機的な状況について触れておくことにします。

 このHPでも何度か紹介したように、中国は言うに及ばず、欧米諸国や日本においても、「体制の安定」を害するようなインターネット上の情報に対して不断の監視と情報アクセスの妨害が公然と行われています。

 内閣府のホームページに次のような情報を見つけました。


内閣府ホームページから
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h24/net-rating/2_05.html
(3)インターネット利用環境整備に関する用語の説明

米国の論文等で用いられているインターネット利用環境整備に関する用語について以下のとおりまとめた。

ア インターネットセンサーシップ

ブロッキングを含むフィルタリング、テイクダウン、自己誘導センサーシップなど、インターネット利用に一定の制約を課す仕組の総称を指す。

(ア)フィルタリング

フィルタリングとは、サイト内容を選別(フィルター)し、インターネットの情報へのアクセスをコントロールするための技術的アプローチのことを指し、以下に述べるインターネットセンサーシップのうち<1>ブロッキングと<2>検索結果削除がそれに当てはまる。
ユーザーの同意がある場合も、ない場合もある。

<1>ブロッキング

米国で最もよく利用されているアクセス遮断方法で、主に以下の4つの方法によって、特定のウェブページ、ドメイン、IPアドレス等へのアクセスを、ユーザーの同意を得ずに遮断(=ブロック)することに特徴がある。
ブロッキングの方法には大別して以下の4種類がある。

i IPブロッキング:
特定ユーザーのIPアドレス情報に基づきアクセスを遮断する方法で、最も容易で効果的なアクセス遮断方法である。

ii DNSタンパリング:
ネームサーバーに、ユーザーが接続要求したWebページを返させず、代わりにエラーページであると表示させる、あるいは当該ページはブロックされていると表示させる行為のこと。

iii ページ・ブロッキング:
プロキシを使用したURLブロッキングの1つで、ドメイン、サブドメイン、URL、またはドメインに含まれる単語などをシステムがチェックし、ブラックリストに載っているドメイン名・サブドメイン名・URL・特定単語を含むページへのアクセスをブロックする方法。ブロックされたページにアクセスしたユーザーのブラウザ上には、サイトがブロックされていることを知らせるページ(ブロックページ)が表示される。ユーザーにはサイトがブロックされている旨を知らせず、ブラウザのデフォルトエラーのように見せかけることもある。

iv キーワード・ブロッキング:
プロキシを使用したURLブロッキングの1つで、URLやドメインの単語によって特定のサイトをブロックする。より高度な技術で、採用する国が増加している。

<2>検索結果の削除

検索エンジン会社が、政府に協力し、違法や有害なサイトを検索結果から削除する方法である。単にターゲットサイトへのアクセスを遮断する方法に比べて、ターゲットサイトを探すことを困難にする。

<3>テイクダウン(コンテンツ削除)

監督機関が、ウェブコンテンツのホストへの連絡を法的に認められている場合、有害コンテンツの削除(テイクダウン)を要求するのが、最も簡便な方法である。
ウェブコンテンツのホストへ削除通知を送り、これに従わない場合には、法的手段に訴える旨を明記すれば、大抵の場合、ウェブホストは当該問題コンテンツを削除する。

<4>自己誘導センサーシップ

上記の他に、有害コンテンツを避ける有効かつ一般的な方法に自己誘導センサーシップがある。つまり、各個人がブラウジングやコンテンツへアクセスする際に、有害コンテンツへアクセスしないよう注意することである。実際には、アクセスが違法であるという意識やアクセスしないことが社会的な常識であるとの認識を人々の間に浸透させなくてはならない。事実、インターネット関連の違法行為に対する逮捕や拘留などはこれまでに自己誘導センサーシップを強化するのに役立ってきた。政府がインターネット活動を監視し取り締まっているという認識により、各個人の行動がかなり抑制される。

(エ)フィルタリングが行われる場所

フィルタリングは、以下の4箇所にて行われる。

・インターネット バックボーン
直訳すると「インターネットの背骨」という意味で、大規模相互接続ネットワークやコアルーター間の主要データルートを指す。公的機関によるフィルタリングは通常ここで行われ、国内のすべてのインターネットアクセスに影響を及ぼすことができる。

・ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)
政府によって義務付けられたフィルタリングは、ISPによって、前述のフィルタリング技術を利用して行われるのが一般的である。

・各機関
ブロッキングなどのフィルタリング、及び自己誘導センサーシップは、各業界、政府組織、学校、サイバーカフェ等でも行われる。例えば、職場で仕事関連以外の特定のサイトを遮断することで従業員が勤務時間内にインターネットを私用に閲覧することを防ぐなどの目的のために使用される。
 
・各個人のコンピューター
各家庭のコンピューターレベルでのフィルタリングは、フィルタリングソフウェアをコンピューターにインストールして行う。


 一頃、情報社会になればインターネットを利用して個人による情報発信が自由に行えることになるので、国家・権力による情報操作がむつかしくなるなどという能天気な楽観主義が横行しました。現在でも多くの人がそう思っているのかもしれません。しかし、実際には国家や権力が圧倒的に大きな情報イニシアチブを保有していることから、むしろ情報操作の簡単な世界になっているというのが実情です。

 人為的CO2地球温暖化仮説に対する批判的なネット情報はおそらく2010年あたりから激減したのではないかと思います。当ホームページでも2010年頃から露骨なアクセス妨害が開始され、現在に至っています。

 確実に把握している手法は、内閣府のレポートにもある、主要検索サイトからの検索結果の削除です。そしてもう一つは、ホームページ閲覧者からの情報で知ったのですが、当サイトへのアクセスのリクエストに対して、直接的にアクセスをブロックする手法も実施されているということです。実際の画面表示は、例えば次のようなものです。

 「あなたは、インターネット使用ポリシーに違反するウェブページにアクセスしようとした」というところでしょうか。その下には、このホームページのURLと、その分類が「市民運動団体」とあります。このホームページは私個人が運営しているので市民運動団体というのは当たりませんが、市民運動というカテゴリーのウェブページを弾圧しているということです。
 このブロッキングがどのレベルで行われているかはわかりませんが、その他にもさまざまな方法で妨害が行われているのだと思います。この手法はネットの管理者が露骨に『アクセス妨害しているぞ』と分かるだけ、良心的なのかもしれません。むしろ、妨害されていることが分からないような手法による妨害こそ恐ろしいと考えます。

 とはいえ組織的な妨害のおかげで、それまでは月間10万単位のアクセスがあったものが、一気に数千にまでアクセスが減少しました。この状況は現在も継続しています。

 おそらく、人為的CO2地球温暖化問題だけではなく、体制にとって都合の悪い情報については同様のアクセス妨害が行われ、大衆に対する情報操作が日常的に行われていると考えるべきでしょう。

 環境問題や温暖化問題について、今更紙媒体の本を出しても意味がない、もっとネット情報を利用した方が良いのではないかというアドバイスをいただいたことがあります。しかし、ネット情報社会においてこそ、紙媒体、それもマスコミではなくミニコミや地方出版社による出版物の中にこそ、いやその中にだけ反体制的な重要情報が生き残ることができるのではないかと考えています。

 マスメディアやインターネット情報に飲み込まれてしまわない情報リテラシーと同時に、そこから抜け落ちている重要情報について収集する感性を研ぎ澄ますことが、今ほど重要な時代はないと思います。

 

No.1269(2019/07/04) 『検証温暖化』の発刊に当たって その2
中学生にもわかる人為的CO2蓄積説の非科学性について

 

 今回も「検証温暖化」についてです。残念ながら諸般の都合で、¥2500という少し高額な価格設定になっています。できれば皆さんに購入して読んでいただきたいところなのですが、そういうわけにもいきません。
 そこで今回はこの本の主張の核心部分の一つである、人為的CO2地球温暖化仮説は誤りである、という点について、さわりの部分を紹介することにします。

 まず、地表面環境における炭素循環についてIPCC2007年報告の図を紹介します。

 図中の矢印は1年間当たりの炭素移動量、箱の中の数値は炭素ストック量を炭素重量ギガトン(Gt)で示したものです。黒の矢印、数値は産業革命以前の値、赤の矢印、数値はその後に増加した値を示しています。

 図から分かるように、炭素は陸海と大気の間で年間200Gt余りが循環していることが分かります。ただし、赤の数値を加えると大気に放出される炭素の方が年間3.2Gtだけ多くなっています。

 炭素循環について気象学会をはじめとする主要な気象研究者の代表として、東大IR3S/TIGS叢書No.1「地球温暖化懐疑論批判」の主張を紹介しておきます。



 さて、議論16によると、産業革命から現在まで化石燃料などの消費による人為的二酸化炭素の大気中への年間放出に含まれる炭素重量はゼロから6.4Gt/年に増加し、これを積算すると現在までに350Gtが大気中に放出されたということです。この350Gtという量が大変な量だと言っていますが、IPCCの炭素循環図を見ればわかるように、陸海は年間200Gt余りを吸収しているのですから、それほど驚くことはありません。
 では、同じ期間に陸海からの二酸化炭素の自然放出量はどの程度なのでしょうか?平均的な年間二酸化炭素放出量に含まれる炭素重量は200Gt程度です。例えば大雑把に産業革命から200年経過したとすれば、積算放出量は40000Gtということになります。これは人為的な放出量の114倍程度ということになります。

 次の図はもう少しち密に計算した方の結果を示したグラフです。

 このグラフの単位は1単位=2.13Gt(1ppm相当の炭素重量)として、1750〜2010年の260年間の積算値を示しているということです。これによると人為的放出は、

171×2.13Gt=364.23Gt

なので、議論16の数値とほぼ同じです。陸海の自然放出量は、

26000×2.13Gt=55380Gt

ということになります。つまり、陸海の二酸化炭素放出量は人為的な放出量の

55380÷364.23=152

152倍ということです。

 仮に、気象研究者たちが言うように、大気中に放出された二酸化炭素の一部が大気中に「蓄積」することで大気中のCO2濃度が上昇するとしましょう。すると、産業革命以後に大気中に放出された二酸化炭素に含まれる総炭素重量は

55380+364.23=55744.23Gt

 炭素2.13Gtが大気中の体積濃度の1ppmに相当するので、産業革命以後に放出された二酸化炭素を体積濃度に換算すると、

55744.23Gt÷2.13Gt=26171ppm

 実際には、産業革命以前の大気中CO2濃度は280ppm程度、現在の大気中CO2濃度は390ppm程度であり、この間の増加量は

390ppm−280ppm=110ppm

 したがって、放出されたCO2の大気中への蓄積率は、

110ppm÷26171ppm=0.0042=0.42%

大気中に放出されたCO2には、人為的なものであろうと自然起源のものであろうと、区別はないので人為的に放出されたCO2による大気中CO2濃度の上昇量は、

(364.23Gt÷2.13Gt)×0.0042=0.72ppm

であり、ほとんど無視できるものであることが分かります。
 このように、気象研究者たちが言うように大気中に放出されたCO2の一部が大気中に蓄積することで大気中CO2濃度が上昇するとしても、冷静に見れば人為的な影響は微々たるものであることは自明です。

 しかし気象研究者たちは、産業革命以降の大気中CO2濃度の上昇は全て人為的に放出されたCO2の半量程度が大気中に蓄積した結果であると主張します。それが「地球温暖化懐疑論批判」の「議論18」に示されている「人為的CO2蓄積モデル」です。彼らによると、毎年人為的に放出したCO2量Qの内、陸海の年間吸収率rを除いたQ×(1−r)だけが大気中に蓄積して大気中のCO2濃度を上昇させるというのです。

 彼らの主張するモデルを図示すれば以下の通りです。ただし少し記号が違うので気を付けてください。下図ではIPCC2007年報告の炭素循環図を基に、大気中に含まれる炭素重量をQ、陸海からの自然起源のCO2放出に含まれる炭素重量をq1、人為起源のCO2放出に含まれる炭素重量をq2、q2対する陸海の年間吸収率r=0.5としたものです(nは産業革命後の経過年数)。

 この図を見れば、人為的CO2蓄積説の不合理さが一目でわかるでしょう。高名な気象学者たちは、地球大気の中では、大気中に蓄積するCO2、自然起源のCO2、人為起源のCO2がそれぞれ混合せずに異なる振る舞いをするというのです。これは化学の基礎を逸脱した暴論です。

 同一の気体分子は、発生源や大気中に放出された時期によって区別することは出来ません。発生源にかかわらず、CO2分子が大気中に放出された瞬間に元々大気中に存在していたCO2気体分子と混合し、区別することは出来なくなります。これは中学生でも知っている化学の基礎です。

 図中に示したQを表す式を見れば、更に彼らのモデルの不合理さがよくわかるでしょう。Qを表す式に陸海から放出されるCO2(人為起源も含む)の97%程度を占めている自然起源のCO2を表すq1の項がまったく含まれていないのです。

 もはや議論の余地はないでしょう。人為的CO2地球温暖化説の根幹をなしている「人為的CO2蓄積モデル」はこのような子どもさえ騙せないほど明白な誤りなのです。現在進められようとしているパリ協定による温暖化対策はまったく無意味なのです。

 

No.1268(2019/07/03) 『検証温暖化』の発刊に当たって
キリギリスになってしまった裸の王様を目覚めさせるために

 

 さて、いつもながら遅れに遅れた本ですが、やっと発刊することになります。

 今回の本は、20世紀終盤から世界に広まった「人為的CO2地球温暖化仮説」を、出来るだけ客観的に評価することを目的に、信頼性の高いと思われるデータや古気候学の成果に基づいて検証することを心掛けました。
 また、人為的CO2地球温暖化仮説を支持している気象学会をはじめとする人たちの主張も、そのまま紹介し、その内容に対して初等中等教育における理科教育の知識を基礎に評価することによって、彼らの主張を検討しました。

 結論的に言えば、20世紀終盤の地球全体の気温状態は、この1万年間継続している温暖な間氷期=完新世の中では取り立てて高温ではなく、温暖化の脅威などというものは存在しないことが明らかになりました。
 また、18世紀から20世紀終盤までの「温暖化」は、主に太陽活動の影響によって発現したものであり、人為的な二酸化炭素放出による対流圏大気の質的な変化による温室効果の増大は誤差程度の微々たるものに過ぎず、有意に観測できるほどの気温上昇をもたらすことは科学的にあり得ないとが明らかになりました。

 詳細につきましては、是非本書を購入して(笑)読んでいただきたいと思います。

 

 かつて、「地球温暖化懐疑論批判」という本が出されました。その中で私や槌田敦さんも大いに批判されました。槌田さんは東大に対して、論争の相手に反論の機会を一切与えずにまとめられた一方的な誹謗・中傷を内容とする書籍を国家予算と東京大学の権威を使って発行することは恥ずべきことであり、反論の書籍を東大の責任において編纂するよう求めましたが、拒否されました。
 この地球温暖化懐疑論批判という本はあまりにも露骨な誹謗中傷のための本であり、素人ながら私も「こんな非科学的な内容を書いて、大丈夫なのかな」と首を傾げたものです。特に「議論18」で取り上げられていた「人為的CO2蓄積モデル」についての解説は、東大の名で出した本にこんなものを書いて、日本の自然科学の恥さらし(笑)だと思ったものです。
 今回の本は、「地球温暖化懐疑論批判」に対するカウンターという意味もあります。著者の河宮未知生氏、江守正多氏の主張についても検討しています。

 地球温暖化懐疑論批判において、無理筋で「人為的CO2蓄積モデル」を取り上げたのは、人為的CO2地球温暖化仮説が成立するためには、大気中のCO2濃度上昇の主因が人為的なものであることが必要条件だからです。しかし、これが自然科学的にはあり得ないことは、おそらく中学生であれば当然理解できるような事柄です。むしろなぜここまで人為的CO2地球温暖化仮説が広く「信じられるようになったのか」という文化人類学ないし社会学的な考察が必要な事柄ではないかと思います。

 現在は世界中がアンデルセン童話・イソップ童話のワンダーランドになったようです。

 知恵の働く悪徳気象研究者が結託して、無能な首長や高給行政官たちの耳元で「人為的CO2地球温暖化で地球が大変なことになる、こんなことが理解できないのは愚か者だ」とささやき、無能な首長たちは「裸の王様」よろしく、まんまと人為的CO2地球温暖化が事実だと信じ込んでしまい、その取巻きたちも、異議を唱えなくなってしまいました。
 童話以上に滑稽なのは、いや悲惨なのは、子供たちや大衆までもがネット社会・情報社会に頭を犯されてしまい、人為的CO2地球温暖化を信じ込んでしまっていることです。
 かつて1970年代には資源の枯渇や環境の悪化を現実感を持って受け止め、真摯に工業化社会の限界に向き合い、省資源、省エネルギー=肥大化した工業化社会からの脱却を目指す機運が芽生えそうになりましたが、人為的CO2地球温暖化のバカ騒ぎによってこれが吹き飛んでしまいました。
 「環境問題=人為的CO2地球温暖化」という単純な図式が定着し、再生可能エネルギーと情報技術のさらなる高度化による工業技術の普遍化によって克服できる、というすり替えがまかり通ってしまいました。
 その結果、環境技術、就中、無尽蔵な再生可能エネルギーによって工業化社会の限界は無くなったのだとばかりに首長も高給行政官も大衆も「キリギリス」よろしく浮かれ、さらなる経済成長を求めて踊り狂っているようです。

 今回の本が、浮かれているキリギリスたちを童話の世界から覚醒させるための一助にならんことを、衷心から願っています。

 

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