情けない!風力発電に対する脳天気な日本の報道

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震災復興・脱原発という錦の御旗を立てた福島県沖の浮体構造風力発電の実証試験が、大盤振る舞いの復興予算を食い物にしています。丸紅と東大が結託して(笑)、このお金に群がっています。この「ふくしま未来」と名付けられたプロジェクトを実施する企業体「福島洋上風力コンソーシアム」の構成企業には、原子力発電を推進してきた企業も含まれています。したたかな彼らはどっちに転んでも大儲けということです。

日本のマスコミのほとんど全てはこの巨費を投じた浮体構造風力発電の実証試験を肯定的に捉えています。なんと愚かなのでしょうか?!曰く「西欧ではほとんど例がない浮体構造による大型風力発電装置であり、技術をリードするために金に糸目をつけずに技術開発する云々」(笑)。前例が少ないのは浅海部の着底式の風力発電の方がまだしもコスト的に安く、エネルギー供給技術として可能性があるのに対して、浮体構造ではコスト高で無意味だと考えているからです。

イギリスやデンマークなどでは洋上風力発電はすでに大規模に行われていますが、稼働率こそ陸上よりも少し高い20%台ですが、陸上に比べて圧倒的に初期費用が大きく、維持補修費用も大きく、耐用年数も短くなりますから、全く使いものにならないことは、すでに結論が出ているのです。

ではなぜ今さらこのような実証試験をしているのか?それは日本の愚かな政府にまともな技術的な評価能力がなく、闇雲に再生可能エネルギーの導入に力を注ぎ、経済性を度外視して莫大なお金を投下しているからです。

単位供給電力量当たりの設備費用で考えれば、再生可能エネルギー発電装置は例外なく既存の火力発電よりも圧倒的に高価であり、中でも浮体構造洋上風力発電では陸上風力発電の、おそらく10倍オーダーの費用が必要でしょう。こんな非効率的で資源浪費的、エネルギー浪費的な発電装置は、通常の自由市場ではありえないものです。その反面、再生可能エネルギー発電装置の製造メーカーにとっては、非効率であるが故に、市場の経済規模を飛躍的に拡大する、通常の市場では考えられないほど利益を拡大する誠に美味しい(笑)発電方式なのです。

科学技術的な評価能力の全くない日本のマスコミでは、いつまでたってもハイエナ企業やゴロツキ大学のボッタクリを告発することなどできないのでしょう。

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