既得権集団としての学校教職員(2)

前回までの投稿でお話ししましたように、前管理職(校長と教頭)は不正入試の疑いに一切答えないまま、それぞれ校長は退職して教育センターの相談員に、教頭は学校教育課の課長に栄転しました。(学校教育課は現在の高校教育課の旧名称です。)

彼らに対して何度か問い合わせの手紙を書きました。返事はありませんでしたが、返事が来ないことも含めて、すべてビラを作って職場の全職員に配ったので、3回か4回分のビラの材料にはなりました。今そのビラを探しているのですが整理が悪くてまだ発掘できません。見つかったらご紹介するつもりです。

まず一回目の手紙です。校長、教頭の順に紹介します。

 

(ここから前校長への1回目の手紙)

 

大分県教育センター

教育相談部

相談員

○  ○ ○ ○先生

 

前略ごめん下さい。

送別会は私用のため失礼しました。大変ご無沙汰しておりますが、先生におかれましては新しい職場でもご活躍のこととお喜び申し上げます。

さて、本日、手紙を差し上げますのは、先生が○○高校に校長として在職中に行われた入学試験について、改めて説明をお願いしたくてのことであります。

半年前に行われた1995年度入学試験の判定会議の際、複数の受験者を「学校運営上の理由」で合格としたことについてです。

「学校運営上の理由」とは何でしょうか。会議では何の説明もありませんでした。説明がなければ、判断のしようがありません。また、説明しないで決めてしまうのでは、会議を開く意味が無くなってしまうと思います。

このことは、判定会議でも、また個人的にも、何度もお尋ねしたことですが、お答えいただけないままになっております。しかし入試の公正さに関わる問題である以上、このことを中途半端で打ち切る気はありません。私自身納得のいくまで続けるつもりです。

重ねてお願いいたします。きちんとした説明をして下さいませんでしょうか。返信用封筒を同封いたしました。

とり急ぎ用件のみにて失礼いたします。

 

1995年8月25日

○○ ○○拝

 

追伸 この手紙は公開を前提としたものでありますが、

御返事は私信でも公表文でも結構です。

私信であれば事前の許可なくして公開はいたしません。

 

(前校長への1回目の手紙ここまで)

 

次は前教頭への手紙です。手紙でも書いていますが、何かの用事で教育庁に行った時、廊下で前教頭とすれ違ったことがあったようです。挨拶しただけですが。

 

(ここから前教頭への1回目の手紙)

 

大分県教育委員会

学校教育課

課長

○○ ○○ 殿

 

謹啓。

教育庁でのご活躍のお噂については、かねてから聞き及んでおりましたが、過日合同庁舎でお会いした際は○○高在任時にも増してお元気そうで、何よりのこととお喜び申し上げます。

さて、新学科設立準備・入試要項見直し等でお忙しいところを申し訳ありませんが、ここにお手紙を差し上げますのは、○○さんが司会をされた合否判定会議の審議の中で、未だに私にはよく理解できないところがあり、ぜひともご説明をしていただきたくてのことであります。

半年前の1995年度入試の合否判定会議で、複数の受験(検)者を「学校運営上の理由」で合格とする原案が教頭より示されました。「学校運営上の理由」とは何なのか、何度も質問しましたが、校長からも教頭からも何らの説明もないまま、最後は私の発言を遮る形で一方的に打ち切られてしまいました。その後、校長には校長室や総合庁舎等で個人的に訪ねてもみましたが、やはり一切説明していただけませんでした。

○○さんもご存知のように、入学者の選抜については、教育委員会の発表した要項の「7 選抜の方法」に明確な規定があり、一般入試でもこれ以外の判定基準は認められていません。入学許可権は校長にあっても、その選抜については教育委員会に責任があります。「選抜を行うことが出来るのは校長であるが、選抜方法については当該教育委員会が必要に応じて決定出来る」(初中局長回答昭27.11.28)。まして合否判定会議でも説明できないような「学校運営上の理由」による決定は、入試そのものへの信頼を揺るがせる大変な問題ではないでしょうか。重大な越権行為ではないでしょうか。

入試の公正さに対する私の強い疑問と、その責任者たちへのそれ以上に強い疑問が、果たして不当あるいは誤解なのかどうかについて、学校教育課主査・同係長・同主幹を歴任され、竹田高・○○高で教頭として現場の実務にも熟達され、現在学校教育課長の要職にあられる○○さんのご高見をいただければ本当に幸甚に存じます。返信用封筒を同封いたしました。

なお、この手紙は公開を前提としたものでありますが、御返事は私信でも公表文でも結構です。私信であれば事前の許可なくして公開はいたしません。

敬具。

1995年8月28日

○○ ○○

 

追伸 この問題の当事者かつ責任者にはもちろん○○さんも含まれております。それゆえに○○さんは特にこの問題についてご相談したい方の一人であるわけです。この点もご配慮の上お答えいただきたく存じます。

 

(前教頭への1回目の手紙ここまで)

 

次は2回目の手紙です。配達証明で送ったようです。証明書も出てきたので画像を添付します。

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(ここから前校長への2回目の手紙)

 

大分県教育センター

教育相談部

相談員

○○ ○○先生

拝啓。

二学期が始まり、生徒指導相談室のお仕事もいわゆるいじめ・登校拒否等の相談でお忙しいことと存じますが、前回のお手紙でお尋ねした件についてぜひともご説明をいただきたく、再度お便りを差し上げます。

今回は不本意なことながら配達証明便でお便りせざるを得ないことを残念に思います。以下に述べますように、これはこれまで私がお送りした郵便物が事故によって届かなかったかもしれないという可能性が考えられるために取った措置であります。従いましてそのような事故の結果だった場合には失礼をお許し下さい。

ことし(1995年度)の入試で、○○先生は「学校運営上の理由」という意味不明の理由で合否を決められました。合否判定会議でも、またその後校長室や総合庁舎でも、私の質問に対して何のお答えもしていただけませんでしたので、先月改めて封書で「学校運営上の理由」のきちんとした説明をお願いいたしました。念のためそのときの手紙の複写を同封いたします。

この件に関してご相談した方々の多くが真剣な反応を寄せてくださいました。貴重な資料・助言を数多くいただきました。ご参考までに、「全國高法研會報」第8巻所収の「兵庫県立農業高校入試改ざん事件の検討」を同封いたします。兵庫県の不正入試事件を法的に考察した論文です。筆者の吉田卓司さんの許可を得て複写いたしました。しかしながらそれらの中で私が一番ご意見・ご説明をお聞きしたかったのは、○○先生を含めた一、二の当事者かつ責任者の方々です。その「特に聞きたい方々」の一人としての○○先生からは残念ながら何のお返事もありませんでした。言うまでもなく、手紙によるお返事である必要はございませんし、どこかに原稿の形で公開して下さっても構いませんし、「手紙ではまずいので直接話したい」ということでも結構だったのですが、いかなる形でもお返事がありませんでした。○○先生のご経歴・お人柄を知る私にとってこれはかなり意外なことに思われました。

入学試験からでは6ヶ月になります。しかしながら最初に申し上げましたように郵便事故という可能性も考えられますので、今回改めて配達証明便でお願いする次第です。ご説明あるいはご意見をいただけるとしましたら、どのような方法でも構いません。「電話をくれ」と一言おっしゃるだけでも結構です。

お忙しいことでしょうから、すぐにとは申しません。しかし事は高校教育の根幹に関わる重大なものです。また、合否判定会議からすでに6ヶ月経過しております。これらの点はご配慮下さい。なお、前回と同様、この手紙も公開を前提としたものであることをお断りしておきます。

以上、乱筆で申し訳ありませんが、どうか宜しくお願いします。

敬具。

1995年9月29日

○○ ○○ 拝

(前校長への2回目の手紙ここまで)

 

次は前教頭への手紙です。

 

(ここから前教頭への2回目の手紙)

 

大分県教育委員会

学校教育課

課 長

○  ○ ○○ 殿

 

前略。

いわゆる個性ある学校づくり等でお忙しいところを申し訳ありませんが、前回のお手紙でお尋ねした件についてぜひとも責任ある回答をいただきたく、改めてお便りを差し上げます。念のため前回の手紙の複写を同封いたしました。郵便事故防止のため今回は配達証明便とします。よろしくお答え下さいますよう、お願いします。(お答えは折り返し文書でお願いすべく、再度返信用封筒を同封いたしました。)

ことし(1995年度)の入試の判定で、教頭であった○○さんは「学校運営上の理由」という意味不明の理由で合格させる原案を示されました。説明を求められたのにもかかわらず、一切応じず、校長にも説明させず、強引に司会進行して原案を通してしまいました。

校長にはその後何度か質してみましたが、何らの説明もないまま現在に至っています。○○さんには、先月お手紙でお聞きしましたが、いかなる形でもお返事はありませんでした。

以上の経過を踏まえて、○○さんに質問します。

 

一、「学校運営上の理由」とは何ですか。

 

二、判定会議であなたはなぜ説明しなかったのですか。また、校長に説明させないまま   議事を進行させたのはなぜですか。

 

三、説明なしで原案を認めさせるのが正常な審議だと考えているのですか。もしそうな   ら、その根拠を示して下さい。

 

以上です。なお、この手紙は公開を前提としたものであります。

この件に関してご相談した方々の多くが真剣な反応を寄せて下さいました。数多くの貴重な資料や助言をいただきました。参考までに、「全國高法研會報」第8巻所収の「兵庫県立農業高校入試改ざん事件の検討」を同封いたします。兵庫県で起きた権力犯罪・不正入試事件を法的に考察した論文です。筆者の吉田卓司さんの許可を得て複写しました。

しかしながらご相談した方々の中で私が一番ご意見・ご説明をお聞きしたかったのは、○○さんを含めた一、二の当事者かつ責任者の方々です。その「とくに聞きたい方々」の一人としての○○さんからはお答えがありません。

お忙しいことでしょうが、これは高校教育の根幹に関わる大変な問題です。学校教育課長の責任において納得のいく回答をお願いいたします。

草々。

1995年9月29日

○○ ○○

 

(前教頭への2回目の手紙ここまで)

 

3回目は内容証明郵便で出したようです。これはほぼ同じ文面なので前校長への手紙だけ紹介します。

 

(ここから前校長への3回目の手紙)

 

質問書

大分市旦野原847-2

大分県教育センター

教育相談部相談員 ○○ ○○殿

1995年11月15日

○○○○ ○○○○

○○高校

教諭 ○○ ○○

 

以下に述べます○○高校の不正入試疑惑に関して、当時の校長として当事者かつ責任者である貴職に質問します。明快な説明あるいは釈明をして下さい。

 

[事実]

①    1995年3月10日、○○高校の合否判定会議で、教頭・○○○○は「学校運営上の理由」による合格を提案した。

②    判定会議に於いて校長・○○○○及び教頭・○○○○は、「学校運営上の理由」の説明を拒否し、意味不明の原案を認めさせた。

③    その後校長に対して直接(3回)、校長及び教頭に対して文書で(各2回)、説明を求めたが回答拒否あるいは無回答のまま現在に至っている。

 

以上の経過を踏まえて貴職に質問します。

一、「学校運営上の理由」とは何か。

二、なぜ判定会議で説明しなかったのか。

三、なぜ再三の説明の求めに応えないのか。

さらに次のことについても説明して下さい。

四、貴職の考え並びに大分県教育委員会の定めた合否選抜方法との関連。

これで三度目のお尋ねになります。今回もご返答が戴けないなら、不本意なことながらより強力な手段を取らざるを得なくなるかもしれません。今からでも遅くはありません。この問題の当事者かつ責任者としての誠意ある回答を要求します。

 

以上

 

[この郵便物は平成7年11月15日第19916号書留内容証明郵便物

として差し出したことを証明します。       ○○郵便局長]

 

(前校長への3回目の手紙ここまで)

 

この後、暮れも押し迫った12月25日のクリスマスにもう一通、それぞれ前校長と教頭に手紙を出しました。これは普通郵便だったようです。やはりほぼ同じ文面だったので、前校長への手紙だけ紹介します。

 

(ここから前校長への4回目の手紙)

 

大分県教育センター

教育相談部

相談員

○○ ○○先生

 

謹啓。

ことしも残すところあとわずかとなり、お忙しい毎日をお過ごしのことと推察いたします。日頃は格別のご芳情にあずかり深謝申し上げます。とりわけこのたびの○○高校の合否判定問題につきましては、ひとかたならぬお世話になり、ようやく私もこの問題は一高等学校の特殊事情などではなく、高校教育そのものの根幹に関わるものであることが理解できました。

お蔭さまでこの問題を取り上げた職場通信は無事7回目の発行を終え、予想外の大変な反響を得ております。

ここに同封いたしましたのは職場通信の最新号「入学試験を考える⑦ ○○○○、○○○○、両氏に要求する」です。ご笑覧いただければ幸いでございます。

本来ならご挨拶に参上し直接お渡しすべきところですが、今後の打ち合わせ等年末取り込み中のためご許容いただきたく、とりあえず寸書をもってご挨拶申し上げる次第です。

来年も変わらぬご高誼をたまわりますようよろしくお願い申し上げます。

末筆ながらますますのご健勝のほどお祈り申し上げます。

敬具。

1995年12月25日

○○ ○○拝

 

(前校長への4回目の手紙ここまで)

 

結局、前校長、前教頭にそれぞれ4回手紙を出したのですが、案の定というか、当然のことながらというか、返事は来ませんでした。ただ、意外な反応がありました。教育庁内部の人から職場に電話がかかってきて、私の手紙がどう扱われているか教えてもらえました。職場に届いた課長宛ての手紙は、課長ではなくて部下が開け、必要なものだけ課長に目を通してもらうことになっているそうです。それまで私が課長宛てに出した手紙は、課長本人には渡ってないかもしれない、とのことでした。それで、直接課長に見てもらいたかったら、手紙に「親展」と添え書きすれば他人は開けないで直接課長に届くとアドバイスしてもらいました。教育庁の建物の外の公衆電話から電話してくれたそうです。名前を聞いて、お礼を言って電話を切ったのですが、後で教職員録(県下の全教職員が載っている名簿)で確認したら確かに教育庁のところに彼女の名前がありました。臨時採用の人でした。この問題に関して何らかの行動をしてくれた、数少ない人のひとりでした。大変有難いことです。

一方で、こんなこともありました。措置要求書を出してしばらく経ってからのことで、多分9月とか10月ごろでしたが、校長室に呼ばれて、学校教育課長から預かっているものがあるので渡したい、と校長から言われたのです。私が学校教育課長に出した手紙を、学校教育課長から返すように頼まれて持ってきたので受け取ってほしいということでした。以下のように答えました。受け取ってもいいが、この問題は将来裁判になるかもしれない。その場合、あなた(校長)は前教頭の仲間のひとりと見なされるかもしれませんし、私もあなたに対して不利な証言をしなければならなくなるかもしれません。あなたは、この件に関しては全く無関係ですから、一切知らない、わからない、関わらない、でいいんじゃないですか、と。

そうすると、うん、そうだね、と納得してくれたようで、話はそこで終って帰ってきました。

次回は私がビラを配ったり、組合の職場会議で話し合ったりした、一般教職員の対応を紹介します。

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既得権集団としての学校教職員(2) への1件のフィードバック

  1. HP管理者 のコメント:

    ■大分の教諭さんの場合ですら、大分県の教育庁の課長クラスとはなかなか意思疎通がうまくいかないようですね。

    ■私の娘の通う県立高校の問題では、知人の県議会議員から高校教育課の高畑課長に連絡するように指示されたのですが、結局今まで電話一つ直接つながったことがありません。課長クラスになると一般の保護者からの意見など聞く耳持たないということでしょう。

    ■教育行政は現場や保護者ではなく、権力の側の意向ばかり気にしているようです。安倍自民党政権による教育委員会の改悪によって、更に学校教育の運営は政治主導が強くなることは必定です。

    ■現場の教師たちは、生徒や保護者の側に立つのか、あるいは事なかれ主義でますます国家・教育行政への忠誠を強めていくのか、戦後日本の教育における大きな岐路に立たされていることを自覚してもらいたいと思います。

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