No.1038 (2015/10/07)TPPは自然環境を破壊する
TPPは米軍世界戦略と対をなす米国支配構造の両輪

 TPPの秘密交渉が大筋合意に達したということで、この問題に触れておこうと思います。TPPは環太平洋地域の巨大市場を、EU、ロシア、中国を排除して、米国がその市場を独り占めするための戦略であり、日本はそのオコボレに与ろうという魂胆です。さもしい根性です。

 ここでは具体的な問題には触れずに、少し大局的な見地から自由貿易の問題と環境問題との関係について少し触れておくことにします。政治的な問題については、末尾に天木直人氏(元駐レバノン日本国特命全権大使)のレポートを掲載しておきます。

 さて、自由貿易とは、国境を超える商取引において、当該国が関税、その他の規制によって商取引に介入することを排除することを意味しています。独立国家において関税をかけたり、安全性の要請になどよって商品流入を規制することは主権の発動であり、本来ならば当然認められるべきものです。自由貿易とは、いうなれば独立国家の主権の制限です。
 明治初期の日本を思い出してください。産業が未発達状態にあった日本は関税自主権が認められなかったことで、国内の富が海外に流出することになりました。日本は関税自主権を得るために大変な苦労をしたのです。

 これで分かるように、一般的に、自由貿易とは流通する商品製造に優れた国にとって、市場を拡大することによって利益を拡大すると同時に、劣った国の同種の産業を破壊する効果を持ちます。これは普遍的な原理であり、自由貿易圏に参加するすべての国においてウィン・ウィンの関係になることはないのです。
 自由貿易圏に参加するすべての国が平等の利益を受ける事のできる状態とは、すべての国において商品製造についての優位性の格差が存在しない状態です。しかし、そのような状態であれば、最早国境を超えて商品を流通する意味はなくなり、自由貿易など無意味になります。

 したがって、自由貿易の本質とは、参加する国家間の商品製造産業に格差があることを前提としており、商品製造に優位性を持つ国が一方的に利益を享受することを意味します。

  さて、産業について考えてみましょう。大雑把に分類すると、産業には地球の自然環境に依拠する産業≒農林水産業と、工業に分けることが出来ます。
 農林水産業は更新的な自然環境の中における持続的な産業です。しかし、地球の自然環境の制約から、その生産性を人為的に飛躍的に増大させることが難しい産業です。仮に、自然の更新性を無視して増産すれば自然環境を破壊することになります。
 一方、工業生産は、地球の鉱物資源を一方的に消費して進められる産業であるため、鉱物資源の一部循環利用(=リサイクル)を行ったとしても、工業を駆動するエネルギー資源の枯渇によって有限の期間で終焉を迎えることになります。しかし、短期的にはエネルギー資源と鉱物資源を集中的に投入することによって、人為的に生産性をいくらでも大きくすることが可能です。

 もし、人間社会の持続性を重視するのであれば、持続可能な産業である農林水産業を地球環境の更新性の範囲で利用する、慎ましい社会を構想すべきであり、工業生産に過度に依拠するべきではありません。20世紀の終盤には、工業の限界を見据えて、過度の工業化を脱して自然環境を重視する考え方が一時期、起こりつつありました。
 しかしその後、残念ながら環境問題を科学的な信ぴょう性も疑わしい『人為的二酸化炭素地球温暖化』に矮小化した上で、非科学的な『更なる工業化による持続可能な発展』などというスローガンのもとで再び乱暴な工業の拡大が始まりました。
我が日本政府もファシスト安倍の国連演説でも分かるように金、金、金の拝金主義が横行しています。

  少し話が横にそれました。話を戻します。産業の特性から、短期的かつ市場商品価値から見ると、農林水産業と工業を比較すると、圧倒的に工業の方が生産性が高いということが出来ます。
 一国で見ると、農業生産に比較して工業生産やそれに付随する産業分野の方が経済的に有利なので、世界市場から安い農林水産品が購入できるのであれば、次第に産業構造は農林水産業の縮小と工業・サービス業の拡大へと移行することになります。
 世界規模で見ると、自由貿易は工業製品を供給する国にとって有利であり、農林水産品や工業の原料資源を供給する国にとって不利になります。

 自由貿易圏が形成されると、単一の市場として同一機能の商品に対して同一の価格が決まることになります。その結果、商品の希少性のある商品以外では、自由貿易圏の市場に対して商品を最も安く提供できる国によって市場が独占されることになります。一国で供給量が不足する場合には、複数の国によって寡占状態となります。
 生産性において自由貿易圏の標準に満たない国は、商品を自由貿易圏に輸出することが出来ないばかりか、自由貿易圏から安い商品が流入することになり、その分野の国内産業は廃業することになります。

 さて、20世紀における二度の世界大戦は、大雑把に言えば欧米と日本という工業国が、食料や原材料資源を安く手に入れ、同時に工業製品を売りさばく市場を武力によって乱暴に取り合うことを目的に行われた戦争でした。
 第二次世界大戦後は、さすがに武力による殺戮という乱暴な方法による資源の強奪と市場拡大には批判が大きくなったために、戦勝国によって国連が創設され、戦争をある程度管理する事になりました。
 それでも旧植民地には旧宗主国の傀儡政権が樹立され、戦勝国による間接的支配構造によって、富の収奪が行われました。この傀儡政権に対する開放闘争が未だに続いています。イスラム教の武力闘争も、中東地域の石油権益を手放したくない欧米諸国による度重なる武力干渉が本質的な原因の一つです。

 形式的には第二次世界大戦後の世界は民族自決権に基づく独立国家の集まりとなりました。そこで、武力に頼らずに経済的な利益を享受し続けようと、工業生産において比較優位にある欧米先進国が持ちだしたのが、独立国の主権の一部である関税や非関税障壁を取り払った自由貿易圏を作ることです。

 さて、では具体的にどのようなことが起こるのでしょうか?自由貿易によって、工業製品市場が拡大し工業製品消費が増大すると同時に、工業生産分野において比較優位にある欧米や日本は、全体としては自由貿易において恩恵を受けることになります。
 しかし、欧米や日本においても、国内に農林水産業が存在します。完全に自由貿易にすれば国内の農業は衰退することになります。国内農林水産業を守るためには2つの方法が考えられます。一つは、自由貿易で得た利益の一部を国内農業生産に対して投入する(補助金や所得補償)ことで、自由貿易圏の標準的な商品価格を満足することです。そしてもう一つは、特定品目に限って限定的に関税を認めることです。いずれにしても何らかの国家的なテコ入れを講じないかぎり、自由貿易によって欧米や日本の国内農林水産業は衰退します。

 では、農林水産品製造が産業の中心である国ではどうなるでしょうか?自由貿易圏内の熾烈な価格競争にさらされ、農林水産物市場において比較優位になり得なければ農林水産業さえ放棄せざるを得なくなります。この場合には農地の放棄による自然環境の荒廃が起こります。
 あるいは、食糧の自給的な生産よりも自由貿易圏市場で商品価値が高い作物の大量生産が行われるようになります。その結果、農産物を大量に輸出していながら、同時に飢餓が蔓延するという異常な状態が出現します。同時に、農地を酷使する収奪的な農業によって限界的農地の貧栄養化、沙漠化が進行することによって自然環境を荒廃することになります。

 総じて、自由貿易は工業生産に基づく製品消費を拡大する効果があり、鉱物資源の消費拡大=枯渇を早めると同時に、工業製品消費に伴う地球の表面環境汚染を拡大することになります。一方で、農林水産物の広域・大量移転によって、地球の生態系の物質循環が分断されることによって、農林水産物輸出国の自然環境の貧栄養化による荒廃が起こります。
 
つまり、自由貿易は、環境問題を悪化させることになるのです。このホームページでは、環境問題という視点から、自由貿易の普遍化には絶対反対です。独立国家として、少なくとも、農林水産業分野においては関税自主権、その他あらゆる非関税障壁を課す権限を維持すべきだと考えます。

参考:
現代沙漠化の原因は自由貿易  槌田敦
生きている地球 近藤邦明

 最後に天木直人氏の論考を引用しておきます。


□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■ 天木直人のメールマガジン2015年10月6日第820号

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    問題だらけのTPP大筋合意
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 甘利大臣や安倍首相が歓迎しているTPP大筋合意であるが、これほど禍根を残した交渉はないだろう。
  そのツケは必ず表面化して来る。
  御用報道を見ただけでも、次のような大問題に気づく。
  一つはTPP交渉が秘密交渉であった事だ。
  最終合意の段階では関税交渉ばかりが報道されたが、TPP協定が扱っているものはもちろんそれだけではない。
  サービス、投資、知的財産権、など多岐にわたり、おまけに悪名高いISDS条項がある(企業が国を相手にTPP違反訴訟を起こせる権利)。
  そのすべてについて合意されたというのか。
  秘密交渉だからメディアも本当のことを知らされていない。
  独自の取材努力を放棄しているから本当の事を書けない。
  誰も全貌がわからないのだ。
  次に、仮に大筋合意が見られたとしても、それはTPP交渉者の間の合意でしかない。
  国際協定である以上、各国の議会(国民)の承認がいる。
  その段階で秘密協定が公開されて問題が百出するだろう。
  日本の国会は安倍政権のやりたい放題だから、安保法案と同様に強行承認されるかもしれないが、各国の議会はそうならないだろう。
  肝心の米国議会さえ待ったをかけるかもしれない。米国お得意のちゃぶ台返しだ。
  日本政府だけがTPP協定の旗を振るという滑稽な事になるかもしれない。
  三番目に、関税交渉に限って見ても、今度の合意は完全なWTO違反である。
  そもそも世界規模の自由貿易協定が出来たのは、保護主義が戦争につながった苦い経験の反省があったからだ。
  だからGATT(その後のWTO)の原則は無差別自由化だ。
  開発途上国に対する優遇を例外として、域外差別は許されない。
  今度のTPPはそれを真っ向から否定するものだ。
  それだけではない。
  TPP加盟国間でさえ不平等になっている。
  こんな協定が許されるはずがない。
  なぜこのような協定が出来たのか。
  
それはTPP加盟12カ国がすべて対米従属や弱小国であるからだ。
  中国やロシアはもちろんの事、EUが入っていない。
  カナダやメキシコはそもそも北米自由貿易協定と言う名の差別的地域協定の加盟国である。
  しかもその交渉は米国とその他の国々の二国間交渉の寄せ集めだ。
  米国だけがすべてを掌握し、その他の国は他国の交渉に関与しない、できない。
  
米国に次いで域内で最大の経済大国である日本は世界一の対米従属国である。
  こんどのとりまとめでも日本の国益を守る事より米国の為にとりまとめに奔走した。
  大筋合意はあたり前なのだ。
  まさしくHUB & SPOKE つまり車輪の中心(米国)と櫛(その他の国)の関係だ。
  4番目の問題として、米国がTPPを世界に広げていくとしている点だ。
  しかし、そううまくは行かない。
  今度はEUや中国、ロシアと交渉しなければいけないからだ。
  彼らが米国一強を許すはずがない。
  私が驚いたのはオバマ大統領がTPP大筋合意を評価してこう述べたことだ。
  これからはTPPを中心に新たな国際ルールをつくる。中国に国際ルールを作らせるわけにはいかない、と。
  
TPPの正体をここまであからさまに発言したのには驚いた。
  これはまさしく安全保障政策と並んで中国を意識した協定である。

  しかし、オバマ大統領はもうすぐ去っていく。
  そして、その後に誰が米国の大統領になろうとも、もはや米国はかつての米国ではない。
  TPPは単に12か国の自由貿易協定ではなく、米国主導の国際政治のルール作りの協定ということだが、果たしてその力が米国にあるのか。
  そして5番目に日本の役割だ。
 
 日本がTPPにここまで熱心な理由がもうお分かりだろう。
  安保法案強行とまったく同じ構図である。
  国益や民意を無視して米国の協力する対米従属の象徴である。
  安保法案に反対する者はTPPにも反対し、廃案に動かなければいけない。
  日本は対米従属と引き換えに世界から孤立してはいけないのである
(了)
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No.1037 (2015/10/04)アベノミクス唯一の経済政策は武器輸出?

 前回も少し触れましたが、国連安全保障理事会の常任理事国(米国、英国、仏国、露国、中国)は、例外なく武器輸出で儲けている死の商人です。特にアメリカの軍需産業は巨大です。


・世界の武器輸出額の国際比較統計・ランキング
・各国の武器輸出額と国別順位を掲載
・単位は百万米ドル
・販売・援助・贈与によって供給された武器輸出額。ライセンス契約で生産された武器も含む
・航空機、装甲車両、火砲、ミサイル、レーダーシステム、軍艦などの主要な通常兵器が対象
小火器、軽火器、小口径砲、弾薬、トラック、技術移転、支援装備などは含まない
・武器移転の規模比較のため金額は各兵器の製造コストベースで見積もった値(trend-indicator value -TIV)
 (販売価格ベースでの金額ではない)
・1990年価格基準ベース
・データのソース元はSIPRI
・世界銀行の統計に台湾を追加している


 このような連中が事もあろうに国連の安全保障に関する政策を牛耳っているのですから、世界から戦争や紛争、内乱がなくなるわけはないのです。

 武器製造という工業分野は絶対損をしない上に、極めて利益率が高く、地上から戦争や武力紛争がなくならない限り、安定した市場が期待できるという、誠に美味しい産業分野です。
 したがって、武器輸出国は、自らが壊滅的な打撃を受けることがない適度の戦争や武力紛争を維持していくように国連安保理を使って細心の注意を払ってコントロールしているともいえます。兵器産業とは、正に血に飢えた獣のような連中であり、一度これに取り込まれてしまうと、自らぬけ出すことの出来ない中毒患者のように血を求め続けることになるのです。

 安倍ファシスト政権と、これに取り入る重工メーカーはついに武器輸出3原則を廃止し、事実上武器の製造販売を解禁させることに成功しました。これによって、めでたくファシスト安倍の言う国際社会のスタンダードである武器輸出の出来る普通の国に仲間入りし、国連安保理の常任理事国をめざすことになったのです。

 安倍による経済成長戦略は表面上の株価のつり上げ、財政出動=税金バラマキによる短期的経済規模の拡大、派遣労働の自由化による賃金の切り下げ以外、新規経済分野における実質的な経済成長などまったく、実現していません。
 そのような中で、この武器輸出の解禁だけがアベノミクスの実質的な経済成長分野の創出なのです。経済界は武器輸出の解禁を諸手を挙げて歓迎しているようです。


朝日新聞電子版
武器輸出「国家戦略として推進すべき」 経団連が提言

小林豪 2015年9月10日19時50分

 経団連は10日、武器など防衛装備品の輸出を「国家戦略として推進すべきだ」とする提言を公表した。10月に発足する防衛装備庁に対し、戦闘機などの生産拡大に向けた協力を求めている。 特集:安全保障法制  提言では、審議中の安全保障関連法案が成立すれば、自衛隊の国際的な役割が拡大するとし、「防衛産業の役割は一層高まり、その基盤の維持・強化には中長期的な展望が必要」と指摘。防衛装備庁に対し、「適正な予算確保」や人員充実のほか、装備品の調達や生産、輸出の促進を求めた。具体的には、自衛隊向けに製造する戦闘機F35について「他国向けの製造への参画を目指すべきだ」とし、豪州が発注する潜水艦も、受注に向けて「官民の連携」を求めた。産業界としても、国際競争力を強め、各社が連携して装備品の販売戦略を展開していくという。(小林豪)  


 

 皆さんはどう思われますか?憲法9条を持つ日本の産業が、兵器輸出やODAによる武器供与で肥え太っていく様は、正にブラックユーモア、いやグロテスクな反吐の出るような醜い現実です。

 

No.1036 (2015/10/03)戦争法の帰結として日本の防衛は増々手薄になる?

 今回の戦争法に賛成する国民の多くは、安倍ファッショ政権による事実に基づかない説明にまんまと騙されています。
 例えば彼らの典型的な理由は、「戦後70年間日本が平和だったのは日米安保体制によって、米国の武力による抑止力があったから」であり、「日米安保にタダ乗りするのではなく、日本も応分の負担をすべきであり、独自の必要最小限の抑止力の保持が必要」であり、「戦争は嫌だけど現実の日本周辺の脅威の増大に対応するためには武力行使も必要だと思う」というものです。これは全て事実誤認です。

 まず第一点について。日米安保条約にもとづいて、米軍が日本防衛のために実際に働き血を流したことなど一度もありません。逆に、日米安保によって、米国は世界戦略上重要な東アジアに軍事拠点を持つことが出来、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、対テロ戦争の前進基地として日本を利用し、その結果、軍事費を大幅に節約することが出来ました。それどころか、日本国内の米軍基地の維持に対して日本から多額の援助まで取り付けているのです。日米安保によって、一方的な利益を受け続けてきたのは日本ではなく米国の側なのです。
 本来ならば全く逆で、、米軍は独立国日本の領土内に基地を借り受けているのですから、多額の借地料を払うべき立場なのです。

 第二点。武力を背景とする抑止力による平和の維持です。これは全くの虚像です。武力による抑止効果が本当に期待できるのは、防衛対象国に比較して、自国側が圧倒的に大きな武力を保持する場合です。武力的に均衡する程度では、むしろ武力使用の危険は高まることになります。まして対象国よりも小さな、部分的な武力衝突に対応するための『必要最小限の武力』を保持することで抑止力が働くなどナンセンスな発想です。抑止力論は冷戦時代に既に失敗したように、疑心暗鬼による限りない軍拡競争をもたらし、国家に経済的な疲弊をもたらすだけであることは、最早結論が出ています。

 第三点。朝鮮戦争やベトナム戦争当時に比較して、東アジア情勢は遥かに安定してきています。中国は世界経済の中で生きるほかない状況になっており、最大の敵であったはずの米帝国主義と最も経済的な利害関係が強くなっています。全面対決するような愚かな政策は取る可能性はありません。
 現在の中国の尖閣諸島などへの干渉は、優れて経済的な権益の確保の一端であり、全面的な軍事行動を起こしてまで奪取すべき権益ではありません。日本は地道な外交努力を継続して妥協点を探すべき問題です。島嶼防衛のために南西諸島の軍備を増強することはむしろ中国を刺激し、軍事的な緊張関係を増大させることはあっても平和と安定に寄与することはありません。日本は不当な漁船の侵入などに対してはあくまでも警察権で対応すべきです。必要なのは、海上保安庁の強化です。

 

 さて、実際に今回の戦争法案で日本本土の防衛はどうなるのか?既にその答えは出ていると考えています。国連総会や米国における記者会見の安倍や稲田の発言で明らかなように、日本はこれまで以上に国連や米国の要請に応じて、積極的に海外に自衛隊を派兵することによって貢献して、世界に認められ、国連の安保理事会の常任理事国になることをめざすということです。そのために、自衛隊内に、自国防衛には必要のない米国海兵隊的な急襲揚陸部隊を養成することが既に決まっています。
 最初に戦争法の実施になるのが既に自衛隊が派遣されている南スーダンにおけるPKO活動になるようです。

 同じPKO活動に対する同規模の自衛隊の派遣であったとしても、駆けつけ警護という活動が加わることによって、これまでは自衛隊員個人の命を守るための最小の小火器しか携行していなかったものが、交戦を前提とする正面装備が加わるだけでも、派遣隊の運営費は飛躍的に増大します。
 安倍や稲田の発言から、南スーダンに対する自衛隊の派遣規模は更に大きくなり、また南スーダン以外へ派遣地域も増加することは必然です。総じて、日本国外へ派遣される自衛隊の規模は大きくなり、装備品も増大することになります。もし安倍が言うように軍事費を増やさないとすれば、当然の帰結として、日本本土を守る自衛隊は減少し、手薄にならざるを得ません。もしかすると、災害出動にも支障をきたす可能性があります。
 海外派兵を増加させ、同時に武力による日本本土防衛を更に充実するためには、大量の自衛官の募集を含めて、軍事予算の飛躍的な増大に繋がることは必定です。これは日本の国家財政を遠からず破壊することになります。

 

 最後に、平和のための国際貢献としての海外派兵について簡単に触れておきます。シリアの三つ巴の内戦がクローズアップされていますが、これを対症療法的に何とかしようとするやり方では、失敗することは目に見えています。
 なぜこのような泥沼状況になったのか?それは、長く歴史的な欧米による中東地域への利己的な介入、就中、米国による市民を含む現地の人々に対する残虐・虐殺行為と、欧米諸国(=安倍の言うところの国際社会)の自己権益を守るという利己的な傀儡勢力に対する武器と経済的便益の供与による民族対立の激化が原因です。
 このような泥沼状態を解決するためには、あらゆる国家による紛争当該地域への介入を全て停止し、武器・弾薬の供給を停止した上で、話合いで解決の道を探ることこそ最も合理的で現実的な解決法です。正に、憲法9条の平和主義、武器輸出の禁止こそ必要とされているのです。
 中東地域における戦闘が激化・長期化する背景には、国連安保理常任理事国を中心とする国家=死の商人による武器の販売や経済的支援があります。戦争法によって、安倍ファッショ政権は名実ともに野蛮な国際社会の一員になろうとしているということなのです。

 

No.1035 (2015/09/30)戦時体制に向かう日本
大学における研究の軍事への協力が始まった!

 今朝、安倍のニューヨークにおける記者会見が放映されていた。この大馬鹿者には呆れ果ててしまう。この男は民主主義を全く理解していないか、二枚舌のペテン師野郎のいずれかだということだ。
 曰く、民主主義など基本的な社会システムを共有する諸国と云々…。自らの国では民主主義を蹂躙しているのだから、民主主義を共有することは出来ないことが理解できないようです。
 また曰く、北方領土問題は両国の首脳による対話で解決云々…。日本は議会制民主主義の議院内閣制の統治機構を持っているのであって、首相は議会の信任の下に国家運営をしなければならないのであって、安倍晋三個人が勝手に米国議会で安全保障法案の成立を約束したり、ロシアの元首であるプーチンと一対一で領土問題を話し合うフリーハンドなど与えられていないことを理解していない大馬鹿者だということがよく分かりました。

 さて、今回の安保法制に対して、これは平和のための法律であるという欺瞞に満ちた説明がされており、国民の中にはまんまと騙されている者が少なくありません。安倍の言う積極的平和主義とは、米国型の武力による恫喝によって、見かけ上、戦闘のない状態を平和と定義し、これを積極的に推し進めるというものです。
 日米新ガイドラインにおける米国の思惑は、物理的にも経済的にもアメリカの武力による世界支配構造=パクス・アメリカーナの一部を東アジアにおける番犬となった安倍ファッシスト政権に部分的に肩代わりさせるもの以外の何物でもありません。
 当然の帰結として、自衛隊は国内を防衛するためではなく、積極的に海外に派兵され、そこで米軍の補完的な軍事行動を行うことになるのです。これによって、早晩自衛隊員は派兵された国において殺人を行い、また戦死することになるのは時間の問題でしょう。

 こうした米軍のもとで一緒に軍事行動=戦争を遂行するために、既に機密保護法が成立し、おそらく米軍との軍事機密は公開されないことになります。また、武器輸出が解禁され、日本は本格的に死の商人となろうとしています。更に盗聴法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)の改正によって、通信傍受が日常的に行われるようになり、国民に対する国家管理が強まることになるでしょう。また、教育委員会に対する行政の関与の強化も教育の国家統制を睨んだものです。
 このように安倍ファシスト政権で進められている法整備は、正に戦時体制の整備にほかなりません。

 さて、日本では先の大戦において、国家総動員法によってあらゆる資産を戦争に総動員する体制を取りました。その中で、大学の研究は軍事技術の開発に動員されました。戦後はその反省に基づき、大学における軍事技術開発は行わないことにしました。
 しかし、安倍ファシスト政権になり、軍事費は上昇に転じ、戦争法案の成立と同期して、防衛省は大学における軍事技術開発に対して予算配分を開始しています。

 今正に日本は、戦争を遂行できる社会システムを再構築しているという実態を見ておくことが必要です。

 

No.1034 (2015/09/29)民主党は国会前に集まった市民の声を聞け!

 安倍ファッショ政権によって憲法違反の戦争法案が強行採決することの出来た最大の要因の一つが、内閣法制局の無能力化であったことを確認しておく必要があります。

 日本において、制度的に憲法に対する法的な判断を下せるのは最高裁判所だけです。しかも、日本の場合は法律の違憲性を判断する権限は与えられておらず、具体的な訴訟事案の裁判の過程で必要最低限の範囲で憲法判断を行うというものです(しかし、実際には日本の司法は国家権力から独立していないことから、最高裁判所は憲法判断を避けているのが実情です。)。
 このような制度にしている背景には、国家権力は当然憲法を遵守するという『性善説』を前提としており、これを担保する仕組みとして、国会に提出される法案について、内閣法制局が既存の法律との矛盾点、とりわけ憲法との関係を判断することによって、建前上、憲法違反の疑いのある法案が国会に提出されるはずはない、ということになっているからです。

 今回の戦争法について、内閣法制局はこれまでの戦後70年間積み上げてきた『専守防衛』、平和憲法下では集団的自衛権は行使できないという判断を変えて、集団的自衛権といえども『自衛権』であり、条件によっては海外における日本の武力の(先制)行使を含めて行使し得るという、安倍ファシスト政権の主張を追認する立場に変節してしまったのです。
 この点について、参議院の中央公聴会において、元最高裁判所判事であった濱田邦夫氏は『今は亡き内閣法制局』という表現で、現在の内閣法制局が政権に盲従して無能力化していることを痛烈に批判しました。
 内閣法制局が機能しなければ、時の政権は憲法に一切拘束されること無く、どのような法律でも作ることが出来るフリーハンドを持つことが出来るのです。仮に違憲の法律であったとしても、裁判所は時の政権に媚びへつらい、憲法判断を行いませんから、権力の暴走を制度的に止めることは不可能なのです。

 今回の戦争法の成立に大きな役割を果たした内閣法制局の異常な対応が物議をかもしています。大分合同新聞の記事(おそらく共同通信社の配信記事)を紹介します。

 今回の自民・公明=安倍ファッショ政権の行った戦争法の強行採決における最大の問題は、主権者を国民とする立憲主義の民主主義・法治国家であるという、日本の最も基本的な国家的枠組みが安倍政権という一つの政権の憲法に対する解釈変更によって破壊されたことなのです。
 もしこのような手法が許されるならば、時の政権は法律の具体的な内容を国民に対して説明することなく、支持を得る必要もなく、何でも出来てしまうことを意味します。

 このようなファシズム的な権力の無法状態を常態化させないために残された唯一の手段こそ選挙で自民党、公明党という憲法を蹂躙する政党を政権の座から一刻も早く引きずり下ろし、憲法を遵守する政党による政権を樹立することしかないのです。
 具体的には来夏の参議院選挙において、護憲・民主主義で一致できる政党が自民・公明に対して圧倒的に勝利することが必要です。そして次の段階として衆議院を早期解散させ、ここでも自民・公明に勝利して、護憲・民主主義の政権を樹立することです。

 NHKを中心とするマスコミは、今回の戦争法の成立に対して、その憲法を蹂躙する成立過程という本質的な問題に触れずに、戦争法の中身の理解が得られていないことを問題とする、安倍ファシスト政権を利する報道が中心になっています。これは憲法を蹂躙する違法な手続きに比べれば瑣末な法律論です。
 どのような法案であろうと、100%正解の法律や100%の国民や議員の賛成する法律などあり得ないのであり、そこには当然議論があり妥協が存在することは当然です。その前提となるのが、主権者を国民とする立憲主義の民主主義・法治国家という仕組みなのです。この仕組を回復せずして、政策論争に問題を矮小化させてはなりません。国会前に自然発生的に集まった多くの人達、そして日本各地で集会に集まった多くの人たちの願いは、憲法を守る民主主義の法治国家日本を回復することなのです。自民・公明=安倍ファッショ政権に反対する全ての野党はこの国民の声を真摯に受け止めることが必要です。

 戦争法が成立直後に、共産党の志位氏は来夏の参議院選挙に向けて安倍ファッショ政権に反対する全ての政党と選挙協力を呼びかけました。これは全選挙区に独自候補を立ててきた共産党としては画期的な変化であると思います。
 しかしこれに対する民主党の対応には落胆しました。民主党岡田氏と志位氏の話し会いの前から、民主党の中から共産党と一緒に政権を担うことは難しいという否定的な声が上がり、岡田氏自身も選挙協力はともかく政権協議は難しいと述べました。民主党は、安全保障政策やその他の政策において共産党とは相容れない政策があることを理由に上げました。
 勿論、政策が異なるから色々な政党が存在するわけです。しかし、国会前などで意思表示した国民の望みは、安倍ファッショ政権が蹂躙し・破壊している憲法を復権させ、国民主権の民主主義国家をまず取り戻すことです。その上で、戦争法を廃止して、必要ならば安全保障問題について国民に必要十分な説明を行いながら議論を深め、必要ならば憲法の変更を検討することです。
 民主党の対応は、反安倍ファッショ政権という国民世論を背景に、民主党中心の政権を作ることを国民の希望よりも優先しているとしか思えません。反安倍ファッショ政権という国民的な運動の受け皿となるためには、政党間で異なる政策は棚上げにした上で、護憲、国民主権、民主主義の回復という共通目的で共闘できるすべての政党が協力することであり、政策による選別を行うことではありません。今の民主党の姿勢は国民の希望とは異なる、利敵行為でしかないように思います。

 SEALDsをはじめとする市民運動は、民主党をはじめとする野党に対して、安倍ファッショ政権を打倒するための全野党による協力体制を構築するように働きかけていく必要があると考えます。

 

No.1033 (2015/09/25)憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対するD
     〜現時点での総括と参議院選挙までの戦略について

 日本の戦後民主主義を臨終に導く、憲法違反の戦争法が成立して一週間が過ぎようとしています。この法律が早晩成立することは、このHPでは繰り返し述べてきたように、昨年末の衆議院選挙の結果によって大方、既に定まっていたことです。この事について衆議院選挙後の記事において、またしても日本国民が国家によって『騙され』いや、むしろ責任放棄の思考停止によって、自ら進んで騙されている現状を批判的に書いた通りです。

No.970 (2015/01/06) 寒中見舞い
No.969 (2015/01/01) 日本人の変わらぬ愚かな国民性

 この段階で、私は日本の戦後民主主義が実質的に臨終を迎えたと考えていました。

 しかし、私にとっては『予想外の誤算』だったのですが、その後、実際に安保法制改正案が国会に提出された頃から、SEALDsなどの若者を中心とした勢力が思考停止状態を脱して、俄に民主主義や平和憲法について自ら考え、発言するようになり、社会状況は少し変化の兆しを見せてきました。
 この予想外の下からの国民の民主主義・平和主義に対する覚醒によって、国会外の安保法制改悪への世論の批判が高まることによって支えられた野党の国会内の法案に対する反対も力強さを増しました。その結果、国会の会期は大幅に延長され、会期終盤には自民・公明=安倍ファシスト政権は、国会の慣例さえ無視した誰の目から見てもあまりにも強引で暴力的な国会運営によって安保改正法案を強行採決することが回避できなかったことは、主権者として覚醒する国民を増やすという意味において大きな成果だったと思っています。

 私の娘は、この春に高校を卒業し大学に進学しました。SEALDsの諸君と同年代です。これまでもなるべく社会問題について私のコメントを聞かせてはきましたが、憲法や民主主義について正面から語る機会はありませんでした。
 私が大学生だった頃は、1970年代の後半であり、それまで育ってきた中で、60年安保については覚えがないものの、70年の安保闘争や72年の米国の統治下にあった沖縄の返還、ベトナム戦争に関する報道が日常的に耳に入って来る環境で育ちました。当時はノンポリ(死後でしょうか?笑)学生であっても、少なからず政治に対して意識していた『政治の季節』の終盤でした。
 これに対して、娘の育った時代は、70年安保闘争の敗北によって、学生運動も労働運動も四分五裂して衰退の一途をたどり、大衆による政治運動は事実上消滅してしまい、経済中心主義、拝金主義が社会を支配する世界になり、政治の主体である国民意識が消滅しました。

 今回の安倍ファッショ政権による国会終盤の審議過程について、夏休みで帰省していた娘と一緒につぶさに見る機会を持ちました。国会審議のネット中継は大変役に立ちました。
 参議院での中央公聴会の模様、特別委員会における鴻池委員長不信任決議案の提案理由およびこれに対する与野党議員の討論、不信任決議案否決から委員会での与党による暴力的な強行採決の大混乱状況、参議院本会議における問責決議案審議、衆議院における内閣不信任案の提案理由の説明、与野党議員の討論と採決、そして参議院における安保法案に対する討論と採決・・・。

 娘にとって、眼前で行われる国会審議と国会周辺の反対デモ、世論調査による国民意識と安倍ファッショ政権の主張の食い違いは、日本の国民主権の立憲主義の民主主義国家が、安倍ファッショ政権によって蹂躙されようとしている現実を何よりも雄弁に語りかけていたようです。

 国会終盤の与党国会議員の討論を聞いていると、安倍晋三の国会答弁と同様(笑)、自分の主張についての論理的説明を欠いた(出来ない?)情緒的・主観的なもので、正に地方公聴会で公述人が指摘した通り、『反知性主義』以外の何物でもありませんでした。このような論理的な思考のできない(あるいは論理的には説明不可能な)主張をする人物を国会議員にしておくことは、とても危険なことだと考えます。
 その一方で、SEALDsをはじめとする若者、若い母親、サラリーマンなどこれまで政治的な無関心層であった多くの人が、自ら考え自主的に安保法制反対、憲法擁護、民主主義を守るために行動を開始したことは、画期的な出来事です。もしかすると、日本という国において初めて自らの手で民主主義を国民のものとして打ち立てる事が出来るかもしれないという可能性を感じさせる状況が生まれました。
 この運動が国民の多数にまで拡大して、仮に内閣支持率が20%台、あるいはそれ以下にまで低下していれば、もしかすると安保法案の強行採決は見送られたかもしれません。しかし7月にかけて急速な低下傾向を見せた安倍ファッショ政権の内閣支持率は40%程度で下げ止まり、終盤国会を迎えて多少回復する兆候すら見せたことで、安倍内閣は強行突破を決断したものと考えています。
 確かに安保法制審議を通じて、国民の一部は思考停止状態を脱したようですが、相変わらず国民の多くの部分は未だに思考停止状態にあり、自ら思考する事を放棄していることを示していると考えられます。今国会での安保法案の採決に反対と回答した80%を越える国民の中には、自ら考えるのは放棄しているが、何となくみんなが反対と言っているから反対しておこうという、相変わらずの付和雷同型の国民が多数を占めていることの裏返しでもある
と考えます。

 まず、今回の安倍ファッショ政権による戦争法の問題点を上げておきます。

@憲法第9条違反:
集団的自衛権行使の合法化

A憲法第99条違反:
憲法第9条違反の法案を、憲法の順守を義務付けられている国務大臣、内閣法制局、自民党・公明党・次世代の党・新党改革・日本を元気にする会に属する国会議員によって強行採決したこと。

 この2点については、法案の内容以前に、成文法による立憲主義の民主主義・法治国家の基本構造を破壊するファシズム的な潮流を是認する行為であり、あらゆる国民=主権者に対する公僕たるべき国家権力によるクーデターです。
 本国会の参議院における審議に先立って、恥ずかしながら我が大分県選出の参議院議員である磯崎陽輔首相補佐官が憲法は関係ない、法的な安定性は関係ない、政策の内容が重要であるという趣旨の発言をして物議をかもしました。しかし、安倍晋三も含めて、高村正彦など与党国会議員の多くは、「憲法問題ばかり議論して、肝心の法案の内容の議論をしない」という言い方で野党を批判した通り、実質的には磯崎と同じ認識であることは明らかです。
 今回の戦争法の最も重大な問題は、憲法を蹂躙する立憲主義の民主主義・法治システムを根底から破壊することだということを明確にしておくことが必要です。日本国憲法の下で集団的自衛権の行使を合法化するためには、まず憲法改正を行うことが法治国家における大前提です。現実主義で政策論を先行させることは、ヒトラーのナチス党ドイツの行為と同じです。

 法案の内容自体も、全く出来が悪くとんでもないものですが、簡単に触れておきます。

 国家安全保障という観点から見て、第二次世界大戦後において世界中で最も多くの虐殺を行い、したがって、最も多くの人民に恨まれている米軍との軍事的一体化は日本が直接的な軍事攻撃の標的になることを意味し、明らかに危険は増大することは論を俟ちません。また、日本の若者=自衛隊が戦場の殺し合いに参加することを意味します。
 更に、戦費の増大は際限がなく、事実、既に第2次安倍内閣になって以降、日本の軍事費は上昇し続けており、ただでさえ逼迫状態にある日本の財政を悪化させることになります。戦争行為は本質的な破壊を目的とする行為であるため、短期的には軍需産業=重工・電子メーカーなどを経済的に潤すことになりますが、長期的には国家財政を破綻させることになるのは明らかです(尤も、日本が侵略国家となって資源を強奪して、兵器を売りまくる死の商人となろうと言うのならば話は別ですが…。)。
 政策的な問題点は枚挙にいとまがありませんのでこれくらいにしておきます。

 

 では、私たち国民はどうすればよいのか?それは、出来るだけ早い時期に安倍ファシスト政権を権力の座から引きずり下ろして、戦争法を廃止して、憲法を順守する国民主権の法治国家を取り戻す以外にありません。具体的には、来夏の参議院選挙に向けて、安倍ファシスト政権を打倒する国民的運動を広げ、参議院選挙において自民党と公明党に大敗北に追い込むことです。

終わり

No.995 (2015/05/16) 憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対する
No.996 (2015/05/17) 憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対するA
No.997 (2015/05/20) 憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対するB
No.1023 (2015/08/06) 憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対するC

 

No.1032 (2015/09/17)参議院安保法制特別委/委員長不信任案採決

 参議院の安保法制特別委員会審議において、鴻池委員長の職権によって、総括審議・採決を強行することが決められ、これに反対する民主党によって委員長不信任決議案が提出され、民主党の趣旨説明と与野党による反対、賛成討論が行われました。

 勿論、この不信任案は否決されることは、はじめからわかっていることですが、野党委員による賛成討論には聞くべきところが多いと思います。野党の討論、そして不信任案否決後の安保改正法案の委員会採決の様子を、国民は心に留めておくことが必要だと思います。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=3355&type=recorded

 誤解のないように言っておきますが、鴻池委員長の不信任案が否決された後、鴻池委員長が委員長席に着席した直後に委員長席に駆け寄っているのは野党議員ではなく与党議員なのです。委員会再開後、締めくくり審議を省略して一気に採決を行うという暴挙を行うために、委員長を守るために与党議員が駆け寄ったのです。何と見苦しい行動でしょうか。

No.1031 (2015/09/15)参議院安保法制中央公聴会

 参議院の安保法制における中央公聴会が開催されました。この模様はネット中継され、その録画を見ることが出来ます。安倍ファッショ政権の欺瞞について、理論的な問題点を整理するために有用だと考えます。ぜひご覧ください。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=3351&type=recorded

 

No.1030 (2015/09/12)さすがはNHK、大雨報道で消えた
参議院安保法制審議の放映

 日が変わったので昨日ですが、NHKは東北地方の大雨被害状況の報道を延々と続けました。確かに東北地方の水害の状況は悲惨です。しかし昨日の午後は、終盤を迎える国会において、日本の国の形を左右する最重要法案である安保法制の参議院における集中審議の放映が予定されていました。ところが、NHKは予定を変更して水害報道を続けました。これは言語道断の行為だと考えます。

 水害は大変な出来事ですが、一過性の問題です。しかし安保法制は日本の国のあり方を将来にわたって左右する重大な問題であり、社会的な重要性からは水害報道よりも遥かに重大なことは論を俟ちません。NHKは水害を口実に安倍政権にとって便宜を図るために参議院の審議の放映を中止し、水害報道を続けたのであろうと確信しています。実にふざけた対応だと考えます。

 水害の情報を提供するには、東北地方においてサブチャンネルで情報を提供することが可能だったのであり、参議院審議の放映を中止する必要など全く無かったのですから。

No.1029 (2015/09/11)関東・東北の大雨/放射性物質の再拡散の懸念

 秋雨前線と台風18号崩れの低気圧と台風17号の影響による東海・関東・東北地方の大雨は甚大な被害を引き起こしています。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。


 昨日は鬼怒川の堤防決壊の様子が放映され続けました。この映像を見るにつけ、土木屋の端くれとして、近・現代の日本の土地利用の失敗を痛感します。なまじ土木技術が発達した結果、これを過信して安全よりも利便性を重視して川沿いや臨海部の平地や埋立地に住宅や都市機能を集中した結果、一度セーフティーネットが破綻した場合=今回の場合は河川の堤防が破堤した場合には、甚大な被害が起きることになります。これは何度も繰り返されてきたことですが、現代の愚かな人間は、教訓を学ばず、短期的な経済性や利便性ばかりにとらわれて、同じ轍を踏んでいるのです。
 技術に完璧はありません。どのように土木技術が発達しても災害を100%防ぐような防災構造物を建造することは不可能であることを知らねばなりません。勿論、考えうる災害に対して適切な防災施設を作ることは当然ですが、そのシステムが破綻した場合に対して、どう安全を確保するのかを常に考えておかなければなりません。
 社会システムのリスク回避の基本は、平時における経済的・社会的な能率を多少犠牲にしても、機能の分散によって、被害を分散させることです。その意味で、社会経済機能が著しく集中する巨大都市や住宅密集地域は解体して空間的に分散させることこそ基本です。
 今の日本を見るとますます逆方向に進んでいることは愚かとしか言いようがありません。巨大都市東京は来るオリンピックをひかえてさらなる巨大化・集中化を続けています。このようなことをしておいて、一方では関東・東海地域の巨大地震の防災を行うなど税金の二重の無駄遣いとしか言いようが無いと考えています。

 これは、巨大な原子力発電所についても全く同じことがいえます。平常運転時にはかろうじて放射性物質という猛毒の危険物質を環境から隔離して閉じ込めていますが、一度防御システムが破綻すれば危険物質が環境中に拡散して、広範囲に激甚な被害をもたらすことになります。そして福島第一原発事故で証明された通り、原子力発電所の放射性物質に対する防御システムは破損しうるのです。それは自然災害によるかもしれません。あるいは人為的なミスかもしれません。考えたくはありませんが、今の安倍ファッショ政権の安保法制改悪を見たとき、軍事的な攻撃によるのかもしれません。
 しかし、自然災害と原子力発電所は決定的に異なります。自然災害は人間社会にとって不可避ですが、原子力発電は人間社会の判断によって廃止することが出来るということです。人間の判断によって廃止できる危険なシステムを、ごく一部の人間の刹那的な経済的利益のために使い続けるなど、誠に愚かというしかありません。

 

 さて、枕が長くなってしまいました。本題です。今回の大雨では福島を含む原発事故被災地でも大量の雨が降っているようです。これまでの杜撰な福島第一原発事故処理状況を見れば、この大雨でまた放射性物質の大量漏洩が起こっていることが懸念されるのですが、全く報道がありません。情報を持っている方がいらっしゃいましたらお知らせください。
 また、原発周辺の放射能汚染地域では、除染が行われているのは居住地域のごく一部だけです。この大雨で手の着けられていない山林に蓄積されている放射性物質が雨水によって平地・居住地域に流出して、新たなホットスポットが形成されることが懸念されます。放射線量の変化を確認することが必要であろうと考えます。

No.1028 (2015/09/08)2015年は冷夏の短い夏だった

 マスコミ報道は、8月上旬のごく短期間の暑さを殊更に引き合いに出して、この夏が猛暑であったように演出していますが、私の肌感覚としては全く違っています。こんなに残暑のない、過ごしやすい夏は一体いつあっただろうか?と、にわかには思い出すことすら出来ません(笑)。

 当地大分県をはじめとする西日本では、6月から7月にかけてな記録的な多雨・日照不足であり、したがって低温傾向でした。梅雨明け後、エルニーニョで太平洋高気圧が弱かったせいか、この時期にしては珍しく日本列島に近づく台風が多かったことで一時的に南方の高温の大気が日本列島に流れ込んだことで、関東では猛暑日が連続し、最高気温の記録が塗り替えられる地点も少なくありませんでした。
 しかし、この暑さも月遅れの盆頃までであり、その後は一気に低温化傾向を示しました。確かに8月上旬は暑い日がありましたが、それはごく短期間で終わり、8月下旬には残暑が恋しいほどの陽気でした。昨年よりは多少猛暑日日数は多かったものの、一昨年に比較すると遥かに少なく、6月から8月の期間を俯瞰すれば、2015年の夏は冷夏であったことは明らかです。新聞報道を紹介しておきます。

 6月以降の日照不足は一旦8月上旬に解消されたかに見えましたが、8月後半以降はまたしても早い秋雨前線の停滞によって記録的な日照不足となっています。農産物価格は高騰し、稲の作柄にも深刻な影響が出始めているようです。

 不確かな情報で温暖化の脅威を煽るのはやめて、日照不足や低温による農産物被害について対応することを求めたいものです。

 

No.1027 (2015/09/08)自由民主党は反民主主義政党となった

 自由民主党という政党は、その中心的な政治思想として第二次世界大戦終戦前の政治思想を温存したまま、表面上、民主主義政党の看板を掲げた政党であったことは、ご承知の通りです。この点において、ナチス党を徹底的に排除することによって西欧諸国の尊敬を勝ち取ったドイツとは全く違った戦後の歴史を歩んでいます
 それでも、歴代自民党は、本質的には非民主的な政党ではありましたが、政治運営において表面的には、民主的な手法を取ることに腐心してきました。

 ところが安倍政権では、第二次世界大戦後に失った「美しい日本」=上意下達、滅私奉公による戦争を遂行した日本の体制を“取り戻す”ことを公言し、戦前回帰を明確に政治方針として打ち出しました。その中心的な課題が日本の軍事におけるフリーハンドの獲得と『民主』憲法の改悪であることは論を俟ちません。
 現在大詰めを迎えている安保法制改悪法案審議の過程や、自由民主党総裁選挙における自民党執行部の発言を見るにつけ、ついに自民党は非民主主義政党から反民主主義政党(=民主主義に敵対する政党、ないし民主主義を敵視・攻撃する政党)へ完全に変貌したことを了解しました。新聞報道を紹介しておきます。

 これまでの自民党であれば、表面上は自民党が国民大多数の支持の上に政策運営をすると装っていましたが、ついに自民党副総裁高村は、「国民に理解が得られなくても、(自民党が)必要な政策(だと考える政策)は実行する」という姿勢を露骨に公言する所まできてしまいました。これはほとんどファシズム体制と言ってよいでしょう。
 更に、自民党の総裁選における自民党政調会長稲田は立候補を模索する野田氏に党執行部として圧力をかけ、水面下では野田支持勢力の切り崩しを公然と行ったようです。最早自民党の中には民主主義など存在しないようです。

 来夏の参議院選挙、そして来るべき衆議院選挙において、日本国民はこの反民主主義政党である自民党に対して如何なる審判を下すのか、日本の民主主義が重大な局面を迎えています。

No.1026 (2015/09/06)NHKお馬鹿番組の記録26
いつまで温暖化の脅威で危機を煽るのか

放映日時 2015年9月5日 午後7:30〜8:43
NHKスペシャル 巨大災害U
司会 タモリ
コメンテーター 木本昌秀(東京大学大気海洋研究所教授)

 相変わらず気候変動の脅威を煽る一面的な情報、子供だましのシミュレーションの結果をまるで事実であるかのように報道するNHKの姿勢はこれまで通り。東大の木本はかつての江守正多のようにNHKに重用されているようです。

 まあ、いろんな気象現象のミクロ的な構造が明らかになることは結構ですが、それと彼らの言うところの“地球温暖化”=人為的二酸化炭素地球温暖化との自然科学的な関係は全く説明されていないにもかかわらず、異常気象は人為的二酸化炭素地球温暖化によって激化するから大変だと論証なしに吹聴して危機感を煽るやり方は、いかがなものでしょうか(笑)。

 いくら温暖化による脅威を煽ったところで、それによって人為的二酸化炭素地球温暖化の自然科学的な妥当性の理論的な証明とは全く関わりのないことです。人為的二酸化炭素地球温暖化の対策が必要だというのはあまりにも牽強付会というしかありません。

 第一集でも言いましたが、タモリには幻滅です。

 

No.1025 (2015/09/01)安倍政権・安保法制に対する理解できない世論動向

 既にご承知の通り、参議院における安保法制に関する審議を通じて、増々、安倍政権の提出した安保法制改悪案は米国追従の戦争法案であることが明確になってきました。安倍、中谷を始めとする政府答弁はご都合主義の欺瞞的なものであり、相変わらず、まじめに答える気持ちは毛頭ないようです。

 このような中、8月30日には安保法制反対の集会が全国各地で開催され、国会前の集会規模は、労働組合などによる組織的な動員を除けば、憲政史上初空前の規模になりました。

 こうした状況から、安保法制に感心を持ち真剣に考えている国民の中では、安保法制の危険性に対する理解がますます浸透してきたものだと考えます。自民党の主張とは裏腹に、知れば知るほど、国民の安保法制改悪に対する反対の意識が高まっていることを示しています。

 ところが、相変わらず日本国民の多くの部分は政治課題を自分の問題として考えることを放棄して、世論の雰囲気で何となく決めている姿もまた明らかになってきています。安保法制に対する危険性、違憲性は参議院審議を通してますます明らかになっていますが、低落傾向を続けてきた安倍政権の支持率が回復し始めているというのです・・・、絶句。

 更に、維新の党の橋下・松井という自民党寄りの幹部二人が自民党の安倍・菅と内通して終盤国会を控えて維新の党の分裂を誘導したことは、安倍政権を利する行為です

 このような状況から、安倍政権は来週にも安保法制の委員会審議を終了させ、採決を行う方向です。よほど大きな事件が起こらない限り、安保法制改悪案はこの国会で成立することになるでしょう。

 私たちはどうすればよいのでしょうか?この安保法制改悪案が成立したとしても、これを実際に運用するためには国会による承認を必要としています。実質的にこの法律に基づく行動をさせないために、今後の国政選挙において、自民・公明そして橋下新党に対して議席を与えないことが唯一の実質的な対抗策です
 その意味で、直近の国政選挙である来夏の参議院選挙に向けて反安倍政権の国民運動を維持できるかどうか、日本の民主主義の正念場を迎えていると考えます。

 SEALDsをはじめとする若者、学生諸君、来夏の参議院選挙は18歳以上に国政選挙に対する選挙権が与えられる最初の選挙であると同時に、日本の国家の方向性を決める重大な歴史的な選挙になります。この夏の経験を活かして、活動を継続することを強く希望します。若者が動けば、国は動きます。今こそ正念場です。

 

No.1024 (2015/08/15)速報・安倍戦後70年談話の白々しさ
     〜国会答弁と同じ、冗長で自己正当化の無意味な談話

 安倍晋三が14日、戦後70年談話を発表しました。第一印象は、ただただ冗長で、一体何を言っているのか論旨の不明な無意味な談話であると感じました。注目されていた、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「おわび」の4つのキーワードは盛り込まれたものの、村山談話とは全く異なった文脈になっていました。
 内容は、欧米による植民地支配にまでさかのぼって言及し、直接の問題である前大戦については他人ごとのような一般論的な論評に終始し、現実に日本が日中戦争から太平洋戦争に至る過程で行った侵略行為・虐殺などの事実に対する具体的な言及は一切無く、国際連盟脱退から終戦までが僅か1行で表現されたことには驚きました。
 その上で、日本は戦後は平和国家としていかに貢献してきたかを自画自賛し、我々の子どもたちにはもう謝罪させてはならないとは・・・。戦争は過去のこととして水に流して、未来志向で行きましょう!などというのはあまりにもふざけた言い草です。

 改めて、安倍晋三は日中戦争や太平洋戦争に対して本気で謝罪する気などないということがよく現れた談話であったと感じます。 

No.1023 (2015/08/06)憲法違反の戦争立法、安保法制改悪に反対するC
     〜安倍晋三・保守政治家の野望は国連安保理常任理事国

 参議院の安保法制特別委員会の審議の過程で、今回の安保法制案がいかに危険なものであるのかが次第に明らかになってきました。要するに武力行使の三要件を満たせば、如何なる軍事行動でも許される、例えば時の政権が最低の抑止力として核弾頭搭載ミサイルが必要だと判断すれば、日本が核武装することも『法理的には排除されない』、『合憲』であることが、昨日の中谷防衛相や横畠内閣法制局長官の答弁から明らかになってきました。
 しかも、武器使用の三要件を満たすかどうかは、時の政府が「情勢を総合的に見て判断」するものであり、機密保護法とも相俟って、国会によるシビリアン・コントロールは事実上有名無実です。
 『ザル法』どころか『穴あきバケツ法』とでも形容するしかない法律です。

 政府の答弁を聞いていると、この法律が成立した場合、実際の運用について未定の部分があまりにも多いため、大混乱が起こるのではないかと思います。危険な法律の本質を別にしても、極めて出来の悪いボロボロの法案です。幼稚な安倍政権は、現実感のない空論でこの法案を作ったのではないかと思えてなりません。
 その一方で、保守政権の多くの議員は、件の自民党武藤貴也衆議院議員に限らず、日本の核武装を含めた再武装、彼らの表現を使うならば、先制攻撃を含むフルスペックの集団的自衛権を支持する議員が多数派です。この穴あきバケツ法案が成立すれば、いつ日本が米軍と一体となって侵略側となって参戦することになるか分かりません。同時に、現憲法に対する法的安定性は壊滅的に毀損されることになります。

 日米安保条約を破棄して日本が非武装中立の立場を採れば、現在以上に日本は平和な国家となり、武器や自衛隊を維持するための不要な財政支出が削減することが出来ます。なぜあえて保守党政権は軍事予算の増加を伴い、戦争のリスクを増やすような安保法制の改悪を目論んでいるのでしょうか?
 安倍晋三や武藤貴也の言動から、彼らは第二次世界大戦の敗戦で失われた日本の『威信』を取り戻すという時代錯誤の価値観を持っているのであろうと推測します。具体的には、第二次世界大戦の戦勝国グループ=国連安全保障理事会の常任理事国になることによって、初めて世界に尊敬される一等国(笑)になれる、日本が世界的に復権するのだと考えているのです。国連安保理の常任理事国になるためには、軍隊を持ち、武力行使が出来ることが必要条件です。
 今回の安保法制の改悪は、直接的にはスーパー・パワーである米軍と一体となって、米軍の機能の一部肩代わりの要請に応えることであり、そして、これを足がかりに国連安保理の常任理事国になるという日本の保守政治家の野望を実現するための条件づくりなのです。

 抑止力による安定均衡というものが限りない軍拡競争になることは冷戦時代に既に経験しています。同時に、第二次世界大戦後、核抑止力を持つスーパー・パワーであり続けている米国こそ、第二次世界大戦後の世界中の局地戦において最も大量の兵器をつぎ込んで、最も多くの非戦闘員を含む多くの人々を虐殺してきたことが歴史の事実です。
 米国と一体化した武力行使に道を開く安保法案の改悪が行われることは、折角これまで戦後70年間に積み上げてきた不戦の日本の尊厳を破壊し、世界中で最も凶暴な米軍の一部と認識され、テロの主要な対象になることは明らかです。悲しいことです。

【続く】

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